長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

やっぱコレだね~ 雪☆中☆行☆軍!! AGAIN

2014年02月08日 23時52分36秒 | 日記
 ぜぇ、ぜぇ……生きて帰って来られた……助かった! どうもこんばんは、全身雪まみれのそうだいです……

 いや~、みなさま、今日も一日、ほんとうにお疲れさまでございました!! 特に関東圏のみなさま、無事に家に着けてますか!?

 私、例によって今日も一日出勤ということで、朝7時半に家を出たんですよ。
 んで、もうすでにその時点で雪はがっつり降っていたんですが、そりゃもうサラッサラの粉雪でしたもんで、「こりゃ、そんなに積もることはないかな。」なんて軽い気持ちで、いつものように電車に乗って出勤したんですね。そりゃもう、電車も平常どおりの運転でしたよ、朝はね!!

 でもねぇ、私は完全に雪をナメてかかっておった。粉雪だってねぇ、「一日中降り続ければ」モリモリ積もるもんなんですなぁ!!

 結局、夜9時前にお仕事が終わって退勤したらば、外はいちめんの銀世界! ってか、映画『シャイニング』ばりの銀地獄!! シルバー・ヘルぅうう!! 恐るべき勢いの猛吹雪に、ビニール傘は展開わずか2分後で「ボキ☆ばっさ~」と殉職! この役たたずのフナざむらいがァア。


 まぁ、その後、2時間半くらいのあれやこれやを経まして、こうやって五体満足で帰宅することができたわけなのでありまするが。

 感謝しなければいけないものが、たくさんある。

 まず、あの最悪の天候下にもかかわらず、多少のダイヤの乱れはありつつも、津田沼までしっかり運行してくれていた新京成線さま。どうもありがとう。

 そして、津田沼から千葉の自宅までという10km 強の道のりを、あの「膝丈まで雪」という地獄の状況下で2時間踏破してくれた、我が両足!! ほんとうにどうもありがとう……何度でも繰り返し言うが、2012年の、あの一見なんの意味もなかった横浜・桜木町までの20~30km 彷徨の日々の精華は、今こうやって大輪の花を咲かせておるのだ。ってか、こんなに丈夫だったとは、自分でも思いもよらなんだわ! 健康が第一なんですねェ、なにごとも。

 さらに今回、第一等の功は、昨年のクリスマスで自分プレゼントに購入したベイツ社製のミリタリーブーツ!! そなたにあり!
 いやはや、さすがはアメリカ軍御用達の逸品……軽いのに、じぇんじぇん水分を内部に通さない! ホント、あなたを履いてなかったらどうなってたことやら……真剣にゆきだおれになってたよ!?
 たしか、送料もあわせて1万5千円くらいだったっけ。安い! 安すぎる買い物だった!! これからも、なにとぞよしなに。


 もうね、途中から自然に首がうなだれてきて、足元しか見れなくなるじゃないですか。吹雪はひどいし、雪に足を取られてステップはおぼつかないしでね。まぁ~、そのときに視界に入る絶好のパウダースノーが憎たらしいのなんのって。
 でもさ、かたわらを走る車の列は、徒歩よりももっとひどいことになってるわけなのよ……立ち往生してるのはあるわ、キュラキュラギュルギュル悲鳴をあげてるのはあるわ、明らかにチェーンの巻き方がおかしくなっててガチャコンガチャコン言いながら走ってるのはあるわで。

 思い起こせば、去年の年始にもこういうことがあったわけですよ、あれも首都圏を大雪が見舞った日で、信頼と安定の運の悪さで「埼玉県の八潮市」というとてつもない土地にいた私は、やっぱり地獄のような雪中行軍を経て新宿におもむき、なつかしい旧友たちと会う予定を遂行しました。足はもうぐじゅぐじゅ。

 あれはたしか1月だったんですよね。それで、今年の1月にもちょっとだけ雪が降ったときがあったじゃないですか。
 それで安心しちゃったんだよなぁ、「もう今年は雪中行軍はないだろうな。」って!

 その油断が甘ちゃんも甘ちゃん、映画『風立ちぬ』の影響でコンビニでも見かけるようになった、あの「三角シベリア」くらいの甘ちゃんな考え方だったのですな!! あれ、ほんとにおいしいよね~♡  あの三角シベリアと、最近になってやっと売り出されるようになった「ロシアパン」があったら、私はもう幸せで自然溶解しちゃう。

 今年もちゃんとやっちゃったよ、雪中行軍……2月の首都圏でまさか、こんな日が来るとはねぇ。
 呪いだ、これは、『姑獲鳥の夏』関連で名前をうかうかと出してしまった、永瀬正敏さんつながりの伝説のヘンな厳寒国際映画『コールド・フィーバー』(1995年)の呪いなのだ!! ものすごい傑作だと思いますけど、雪国出身の私は大キライ。

 「山形人ナメんなよ!!」の一念と、持ち前のアパッチ魂でなんとかアパートにたどり着きましたが、アパートが笑っちゃうくらいに雪にこんもり包まれて、『バットマン・リターンズ』のゴッサム動物園みたいになってたのには腰を抜かしてしまいました。
 部屋に行くための上り階段が、積もった雪のせいでムチャクチャな傾斜角になっちゃってハシゴみたいになってる~!
 ドアの前に立ったら自分の目線がいつもよりも高くなってて「?」と思ったら、廊下にも雪が積もって上げ底になってたから~!!


 にんともかんとも……私、千葉市に住んでかれこれ15年を超えますけど、こんなにひどい雪はなかったですね……つまりは、「15年に1回」以上の天災というわけでありますか。はいはい、勝手にしやがれでございます。


 あの、私、明日お仕事を休んで茨城県の土浦に行く予定を入れてるんですが……ムリ? どうしても行きたいんだけどなぁ……
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検証! 映画版『姑獲鳥(うぶめ)の夏』は、そんなに言うほどダメなのか?  ~言うに及ばず資料編~

2014年02月07日 21時45分27秒 | ミステリーまわり
 どうも、みなさんこんばんは~。そうだいでございます。
 まだまだ寒い日が続きますね~。続くっていうのに、なんでこんな話題の記事なのでありましょうか……?
 なんでかって、まぁ好きだからなんですけど、最近ふと観たくなって DVDを買っちゃったんですよね。

 まずは、作品とその周辺に関する基本的な情報をまとめてみましょう。


映画版『姑獲鳥の夏』(2005年7月公開 日本ヘラルド 123分)
 京極夏彦原作の劇場公開用オリジナル作品としては、前年2004年2月公開の『嗤う伊右衛門』(監督・蜷川幸雄 東宝)に続いて2作目となる(ただし最初に劇場公開されたのは、2000年8月の TVドラマ『京極夏彦・怪 七人みさき』ブローアップバージョン)。
 興行収入は5.5億円だった。

主なスタッフ
監督 …… 実相寺 昭雄(68歳 翌2006年没)
脚本 …… 猪爪 慎一(?歳)
撮影 …… 中堀 正夫(62歳)
美術 …… 池谷 仙克(いけや のりよし 64歳)
音楽 …… 池辺 晋一郎(61歳)

あらすじ
 昭和二十七(1952)年の、梅雨も明ける夏のある日。小説家の関口巽は、古くからの友人である「京極堂」中禅寺秋彦に、最近耳にした久遠寺家にまつわる奇怪な噂「20ヶ月もの間妊娠し続ける女性」の真相を解き明かすことができるかと持ちかける。
 問題の妊婦・久遠寺梗子の夫で、関口らの知り合いでもある牧朗の失踪、連続して発生した嬰児死亡、代々伝わる「憑き物(つきもの)筋」の呪いなど、久遠寺家にまつわる数々の事件をめぐって、私立探偵・榎木津礼二郎や京極堂の妹である雑誌記者・中禅寺敦子、東京警視庁の刑事・木場修太郎らを巻き込みながら、事態は展開していく。さらにこれらの事件の深奥は、関口自身の過去とも深く関係していた。
 全ての「憑き物」を落とすため、拝み屋「京極堂」が発つ。

主な登場人物
中禅寺 秋彦(京極堂)  …… 堤 真一(41歳)
 拝み屋(陰陽師)であり古本屋を営む非常に博学な人物。屋号である「京極堂」があだ名となっている。
関口 巽         …… 永瀬 正敏(39歳)
 小説家。中禅寺秋彦の妹である雑誌記者の敦子から久遠寺医院の噂を聞き、取材のために医院を訪れる。
久遠寺 涼子/梗子(二役)…… 原田 知世(37歳)
久遠寺 涼子
 久遠寺家の長女。梗子とは年子の姉妹。生まれつき病弱。牧朗失踪事件の真相解明を薔薇十字探偵社に依頼した。
久遠寺 梗子(きょうこ)
 久遠寺家の次女で、牧朗の妻。牧朗の失踪後、20ヶ月以上妊娠状態が続いている。
久遠寺 嘉親(よしちか) …… すま けい(69歳 2013年没)
 涼子・梗子姉妹の父親で、久遠寺医院院長。ドイツに留学して帰国した藤野牧朗と梗子の結婚を認める。
久遠寺 菊乃       …… いしだ あゆみ(57歳)
 涼子・梗子姉妹の母親で、久遠寺医院事務長。武家の妻女を思わせる気丈な夫人。
久遠寺 牧朗       …… 恵 俊彰(40歳)
 梗子の夫で、久遠寺家の婿養子。旧姓は藤野。関口や中禅寺の学生時代の先輩で、当時のあだ名は藤牧(ふじまき)。
 学生時代に久遠寺梗子に一目惚れし、関口を通して彼女に恋文を渡した。ドイツに留学して医師の免状を習得し、梗子と結婚したが、自宅から失踪する。
榎木津 礼二郎      …… 阿部 寛(41歳)
 「薔薇十字探偵社」を運営する破天荒な私立探偵。中禅寺と関口の旧制高等学校の一期先輩で牧朗とは同期。ある特殊な能力を持っている。
安和 寅吉        …… 荒川 良々(31歳)
 榎木津の助手。
木場 修太郎       …… 宮迫 博之(35歳)
 東京警視庁捜査一課の刑事。軍隊時代の関口の部下であり、榎木津の幼馴染み。屈強な風貌から周囲からは「旦那」と呼ばれている。
青木 文蔵        …… 堀部 圭亮(39歳)
 東京警視庁捜査一課の刑事。木場の部下。
里村 紘市        …… 阿部 能丸(45歳)
 東京都警視庁の監察医。三度の飯より解剖が好きな変人だが、腕は確か。
中禅寺 敦子       …… 田中 麗奈(25歳)
 中禅寺秋彦の妹で、新聞社社員。関口巽に久遠寺医院の噂を教える。
鳥口 守彦        …… マギー(33歳)
 関口巽が別名義で執筆している不定期発刊のカストリ雑誌『実録犯罪』の編集記者。関口を通じて知り合った同業の中禅寺敦子の取材にカメラマンとして同行することもある。
内藤 赳夫        …… 松尾 スズキ(42歳)
 久遠寺医院の住み込みの医師見習い。久遠寺菊乃から目をかけられていたが、陰険な性格のためにそれ以外の人間からはあまり良い評価を得ていない。
戸田 澄江        …… 三輪 ひとみ(26歳)
 久遠寺医院に勤めていた元看護婦。自宅アパートで変死する。
沢田 富子        …… 原 知佐子(69歳 実相寺昭雄夫人)
 久遠寺家の元使用人。
菅野 博行        …… 堀内 正美(55歳)
 久遠寺医院で小児科を担当していた医師。涼子によれば、戦災で死んだという。「開かずの間」の鍵を所有していたらしい。
原沢 伍一        …… 寺島 進(41歳)
 久遠寺医院で死産として処理された赤ん坊の父親。その件で医院を訴えていたが、突然、その訴えを取り下げる。
中禅寺 千鶴子      …… 清水 美砂(34歳)
 中禅寺秋彦の妻。
関口 雪絵        …… 篠原 涼子(31歳)
 関口巽の妻。
傷痍軍人(水木 しげる) …… 京極 夏彦(42歳)


原作者・京極夏彦(きょうごく なつひこ)とは
 日本の小説家、妖怪研究家、アートディレクター。代表作に「百鬼夜行シリーズ」、「巷説百物語シリーズ」など。
 1963年3月26日に北海道小樽市に生まれる。アートディレクターとして桑沢デザイン研究所を経て広告代理店に勤務したのち、独立してデザイン会社を設立した。
 1994年のゴールデンウィークに「小説書いちゃったからもったいない」という軽い気持ちで、講談社ノベルスの編集部に電話をかけた。当初、編集者は返事には数ヶ月から半年かかると伝えたが、『姑獲鳥の夏』の原稿を1日で読み終え、「著名な作家が編集部のリテラシーを試しているイタズラでは」と感じたと言い、また、原稿を送ってわずか2日後に返事をもらった京極もドッキリではないかと疑ったという。この作品は仕事の合間に書かれたもので、小説の執筆は京極にとって生涯初めての試みであった。
 原稿を読んだ編集者により、すぐに講談社ノベルスからの発売が決定した。京極本人によると、この『姑獲鳥の夏』の構想は10年前に考えたマンガのネタが元だったという。第3作『狂骨の夢』の発売日(1995年5月)にプロフィール等が解禁され、たちまち多くの大手出版社から執筆依頼が舞い込む人気作家となった。

 デビュー作から続く、京極夏彦の代表作とも言える「百鬼夜行シリーズ」には、事件の推理と憑物落し(つきものおとし)とを合体させた、新しいスタイルの探偵が活躍する。装飾部分やサブストーリーに様々な伝承、オカルティズムをふんだんに用いながらも、その骨格は論理的な謎解きに徹しているため、推理小説の王道を歩むと同時に「妖怪小説」とも呼び得るという特異なシリーズとなっている。京極作品のオカルティズムは、本筋のミステリー部分とは別に独立した掘り下げが行われるため、本格推理小説ファン以外の読者も多い。また、同シリーズ以外の推理小説をうたっていない作品の中にも、怪奇現象が実はすべて人為的トリックであったり、古典的怪談に合理的解釈が提示されたり(ただし、それが真実として確定されるわけではない)するものが多い。
 特に「百鬼夜行シリーズ」は、各作品のページ数が極めて多いことも特徴であり、『鉄鼠の檻』で826ページ、『絡新婦の理』で829ページ、『塗仏の宴 宴の支度』と『塗仏の宴 宴の始末』は合計で1248ページという厚さに達している。そのため、「百鬼夜行シリーズ」作品は「レンガ本」や「サイコロ本」と呼ばれることもある。
 作品の読ませ方についても、一つの文章がページをまたがることのないように、ページ・見開きの末文で改行するよう構成する(文庫化などで字数が変わると、それに合わせて適宜改行位置を操作する)など、独特のルールを遵守している。デザイナーとしての判断とも言われるが、読者がページを開いたときの第一印象までをも作家の制御下に置こうとする試みといえる。そのこだわりは、みずから DTPソフト「 Adobe InDesign 」を駆使し、全ページのレイアウトをこなして印刷所に入稿するまでに至っているが、本人は、リーダビリティを考慮した読者サービスの一環であると語っている。

長編小説『姑獲鳥の夏』(1994年9月刊行 講談社)
 『姑獲鳥の夏(うぶめのなつ)』は、京極夏彦の長編推理小説。「百鬼夜行シリーズ」の第1作である。
 本作を講談社に持ち込んだことがメフィスト賞創設のきっかけにもなった、京極夏彦の小説家デビュー作。講談社からは、ノベルス版・全一巻文庫版・ハードカバー愛蔵版・上下分冊文庫版の各種が発売されている。志水アキによるコミカライズ版(角川書店)も存在する。


 ……とまぁ、こんなわけなんですけれども。
 もう10年近く前の映画になるのかぁ。いやはや、時が経つのは早いといいますか。実相寺監督も、遠行されてだいぶ経つんだな。
 実相寺監督の当時の作品をひもといてみますと、2005年の夏に公開されたこの映画『姑獲鳥の夏』は、昨年秋におけるテレビシリーズ『ウルトラQ dark fantasy』中の2エピソード監督と、その約1年後の2005年秋の『ウルトラマンマックス』中の2エピソード監督とのちょうど間に位置する時期になっていまして、全国の特撮ファン、そして実相寺昭雄ファンを狂喜乱舞させるスッペシャルな1年間になっていたと思います。少なくとも、わたくしは喜んでましたよ!

 素直にうれしかったですね~。『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』での、もはや伝説となりつつある実相寺監督の手になる珠玉のエピソード群は、1980年代生まれの私にとっては当然ながらリアルタイムのものではなく、ビデオレンタルでない形で最新の実相寺作品を、しかもこんなにポンポンと観られるのは僥倖としか言いようのない活況だったわけです。
 そしてなんと、30分サイズのテレビ作品だけではなく、『姑獲鳥の夏』は堂々たる全国公開規模の長編劇場作品なのよ!? さらに京極夏彦の「百鬼夜行シリーズ」の映像化ときたもんだ!!
 こりゃあなた、実相寺昭雄ファンでミステリー小説ファンでおまけに妖怪ファンの私にとって、映画『姑獲鳥の夏』の爆誕はとんでもない期待値のるつぼと化したわけなのです。ワクワクしないわけがねぇ!!

 もうひとつ言いますと、実相寺昭雄監督がメガホンをとった長編映画として、この『姑獲鳥の夏』は1998年の『 D坂の殺人事件』以来のものであり、その後オムニバス映画の一作として短編を3作監督したのちに物故なされたため、まさに映画『姑獲鳥の夏』は、実相寺昭雄監督最後の長編映画ということになるわけなのです。

 なのに……ねぇ。評判よくないんだよなぁ~、映画『姑獲鳥の夏』。

 私が生まれて最初に実相寺作品をリアルタイムで体感したのは、長編映画としての前作にあたる『 D坂の殺人事件』でした。その前の『ウルトラマンティガ』や『ウルトラマンダイナ』はビデオレンタルだったんだよなぁ。
 いや~、『 D坂の殺人事件』は大好きだった! シビれましたねぇ~。当時、大学生だった私は新宿の映画館で観たのですが、前にもどこかの記事で書いたかもしれませんが、「この映画、終わってほしくないよ~!!」っていう一心で腕時計をチラッチラ見ちゃいましたからね。携帯電話だとまぶしくなっちゃうから迷惑だろうけど、腕時計だから問題ないですよね?
 最高でしたね~。真田広之さん演じる主人公の狂気と美学、吉行由実さん演じる古本屋店主の妖艶さ、そして名探偵・明智小五郎を演じる嶋田久作さんの迫りくる正義の鉄槌!! そしてそして、画面に出てくるだけでそれまでの全てをかっさらってしまう、小林芳雄少年を演じた当時19歳の三輪ひとみさんが醸し出す、あからさますぎるあやしさ!!
 魅力として語るべき点は山ほどあるわけなのですが、最も素晴らしいのは、真剣もお遊びもひっくるめて、実相寺昭雄監督のありとあらゆる方法論が映画『 D坂の殺人事件』の本編90分間、最初から最後まで、しっぽの先までぎっしり詰まっているという構成の完成度だったのではないのでしょうか。ホントに最高。

 なので、その次の長編映画となる『姑獲鳥の夏』なんで……期待値上がりまくりだったんですけれども、ね。

 2005年の夏。『姑獲鳥の夏』を観終えたあとに私の脳裏をよぎった思いは、「おもしろかったー!」でも「こわかったー!」でもなく、私のまわりの観た人に対して「どういうふうに弁護していこうかなぁ……」という、別に誰からも頼まれもしていない余計な心配と不安でした。ファンって公言してましたもんで……テレビでコマーシャルもバンバンやってたし。

 おもしろくなかったんだよなぁ。でも、確かに実相寺昭雄印のしっかり銘打たれた作品ではあったんだよなぁ。
 撮影・中堀、美術・池谷、音楽・池辺! どこからどう見ても、安定の布陣ですよねぇ。
 俳優陣もしっかり演技してたし、お話もかなり原作小説に忠実で、2時間ちょいの枠によくぞ文庫本上下巻2冊分のボリュームをおさめてくれた!とほめたたえたくなる仕事でした。
 でも……おもしろくはなかった!

 なぜ? なぜおもしろくなかったのか……今回はとりあえず関係資料をまとめるだけにしておきまして、回を改めて次の機会に、ひとつじっくりと腰をすえて、伝説的仕事のあまたある実相寺作品の中でも、ひときわ「あっれぇ~!?」と首をかしげてしまう、ぽっかりとダム穴のようにあいた映画『姑獲鳥の夏』の「なぜ?」に、自分なりにえっちらおっちら迫ってみたいと思います。さぁ、その次回は、いつの完成になるのかナ~!?
 いや、私だって、別にことさら失敗作のレッテルを貼るつもりはまったくないんですけどね……調べてるうちに面白くなってきたら、それに越したことはないし。

 「なんだと、そうだいコノヤロー! 映画『姑獲鳥の夏』はおもしろかったよバカヤロー!!」という熱いご意見、ありましたらどしどしコメントでお送りくださいね!
 もしあったら、ね……あったら……ハハハ……
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1位で当然!! 王者はつらいよ

2014年02月05日 23時46分18秒 | すきなひとたち
モーニング娘。初となる4作連続オリコンシングルチャート首位獲得
 (MUSICMAN-NET 2014年2月4日付け記事より)

 今作より改名した「モーニング娘。'14」のシングル『笑顔の君は太陽さ/君の代わりは居やしない/What is LOVE?』(1月29日リリース)が、発売初週で14.9万枚を売り上げ、2月10日付けオリコン週間シングルランキングで初登場首位を獲得。初週売上は、前作『わがまま気のまま愛のジョーク/愛の軍団』(2013年8月)の「14.4万枚」を上回るスタートとなった。
 シングル首位は、『Help me!!』(2013年1月)、『ブレインストーミング/君さえ居れば何も要らない』(2013年4月)、『わがまま気のまま愛のジョーク/愛の軍団』に続き4作連続通算15作目。モーニング娘。にとって4作連続でのシングル首位はデビュー17年目にして初の快挙となった。
 これまでグループとしては、安倍なつみ、後藤真希らのメンバー在籍時に『ザ☆ピ~ス!』(2001年7月)、『 Mr.Moonlight 愛のビッグバンド』(2001年10月)、『そうだ!We're ALIVE 』(2002年2月)で記録した「3作連続」が最高で、今回その記録を11年11ヵ月ぶりに更新。また、今作でシングルのTOP10入りは通算55作目となり、自身の持つ男女グループ・ソロを通じての歴代1位記録である「シングル通算TOP10獲得数」(2位は SMAPの51作)をさらに伸ばした。

 本作は、モーニング娘。名義時代を含めてグループ初となるトリプル A面シングル。『君の代わりは居やしない』はソチオリンピック日本代表選手団公式応援ソングに、『 What is LOVE?』は NHKの海外向け放送局「ワールドTV 」および「テレビジャパン」の音楽バラエティ番組『 J-MELO 』(日本国内では BSプレミアムで毎週土曜日深夜2時40分~3時10分に放送)の2013年10~12月期エンディングテーマに起用されていた。


「モーニング娘。'14」リーダー・道重さゆみのコメント
 私たちモーニング娘。のシングル『笑顔の君は太陽さ/君の代わりは居やしない/What is LOVE?』が、オリコンウィークリー1位を獲得することができました! 4作連続1位は私たちにとって史上初の快挙ということになります!
 言葉では言いあらわせないほどの喜びと、感謝の気持ちでいっぱいです。いつも応援してくださっているファンのみなさま、本当にありがとうございます。
 今年はモーニング娘。'14、勝負の年です!
 今までやってきたことを信じて前だけを見て突っ走るのみだと思っています。今年は、それしかしません!!
 今後もモーニング娘。'14を、よろしくお願いします。



 まことにおめでとうございます!! それだけ! 特に申し添える言葉はねぇ!!

 これは5月末、九段下に馳せ参じることになる可能性、大かな!?
 寒くない季節の日本武道館、大歓迎~☆

 それにしても改めて痛感するのですが、今現在のモーニング娘。は、本当に幸せな成長過程に恵まれていると思います。
 なにはなくとも、「まったく安心できない状況下で新記録を樹立し続けている」! これは実に素晴らしいことです。つまり、天狗になることがぜんぜん許されないサバイバルゾーンの真っただ中なんですね。

 グループの歴史をたどれば、いくら史上初の4作連続首位といえども、依然として世間に残るなっち・ごっちん黄金期の記憶は強く、かく言う私も、新記録樹立といったところで、現在の「さゆルビー期」が(まだまだ言うてくで~!!)、あの奇跡の「プラチナ期」を超えたなどと認識することはまだまだできません。いまだに、モーニング娘。にとっての唯一無二のライヴァルは、「過去のモーニング娘。たち」でしかありえないのです! カッチョええ!!

 その一方で外に目を向けても、まずはオリコンチャートの権威自体が低下の一途をたどっている、つまりは「 CD がよく売れる=国民的歌謡曲」という価値基準が完全に崩壊しているという現状で首位を獲得したところで……という冷めた見方もありますし、CD の売り上げ枚数が「リリース初週およそ15万枚」という部分で、まことに残念ながらも「日本一の勢い」とはいいがたい状況があるわけなのです。
 まぁ、だからといって、あこぎなやり方で100万枚超えれば満足できるって話でもないんですけどね! むしろ、そんな指標で張り合ってほしくなんか、絶対にない!! それは確実に伝統あるハロー!プロジェクトの名を汚す行為です。ペースを乱されずに、王道を突き進め!


 まずは、あくまでも「あっ、そっすか。ま、当然っすけどね。あざーっす♪」というくらいの軽い受け取り方で、これからもがんばっていただきたいと思いま~っす。さゆルビー期の2014年のこれからに、栄光あれ!!


 でもリーダー、「今年はモーニング娘。'14、勝負の年です!」って、そりゃ当たり前でしょ……今年にしか存在できないんだから。わんふぉーなんですから。さすがはリーダー、愛らしい天然ボケをさし込む配慮も完璧だぜ!
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『軍師官兵衛』  視聴メモ 第5回『死闘の果て』

2014年02月04日 09時05分21秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第5回『死闘の果て』(2014年2月2日 演出・本木一博)


登場する武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

小寺 官兵衛 孝高 …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

竹中 半兵衛 重治 …… 知力59、統率力91
 (演・谷原章介)

明智 光秀     …… 知力93、統率力95
 (演・春風亭小朝)

足利 義昭     …… 知力98、統率力86
 (演・吹越満)

曽我 太兵衛    …… 知力44、統率力80
 官兵衛の家臣、のちの母里(ぼり)友信(演・速水もこみち)

柴田 勝家     …… 知力51、統率力87
 (演・近藤芳正)

丹羽 長秀     …… 知力82、統率力73
 (演・勝野洋)

赤松 政秀      …… 知力48、統率力62
 (演・団時朗)

織田 信長     …… 知力115、統率力108
 (演・江口洋介)

瀧川 一益     …… 知力66、統率力78
 (演・川野太郎)

木下 小一郎    …… 知力83、統率力75
 (演・嘉島典俊)

佐久間 信盛    …… 知力57、統率力51
 (演・立川三貴)

細川 藤孝     …… 知力80、統率力71
 (演・長谷川公彦)

小寺 政職     …… 知力44、統率力49
 (演・片岡鶴太郎)

木下 藤吉郎    …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

小寺 職隆     …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭平)


ざっとの感想

●だぁかぁら! 首が飛ぶ描写ができないんだったら、最初っから画面に映さない演出にしろって言ってんだろうがァア!!
 あれじゃあ完全に信長が討ち損じたようにしか見えねぇんだって、いくら「ブシャア」とか効果音入れたって! 首つながってんだから。
 みんなの前で首をはねそこなったヤツが大声で「即刻、首をはねる!」とかわめいたって、いったいどこの誰がビビるというのでしょうか。
 『信長 KING OF ZIPANGU 』(1992年)の首はねシーンは良かったのう……ちゃんと真正面から描ききってたし、斬られた人間も、京の二条御所だったかどこかを築城しているときにサボってナンパしていた人足だったから、信長がブチ切れて斬りつける動機もものすごく実利的だったしね。

●ぼろきれ同然の衣服だったとしても、「主君から拝領」っていうのは政治的にものすごく重要な行為だから、そこを「家臣が安く買う」で処理させちゃう官兵衛の方針は、けっこう異常ですよね。ほんとにそうしてたのかな……家臣間に格差からの競争意識を与えなきゃ、戦国だって現代だってやってらんないと思うんですけどね。なんか発想がゆとりなんだよなぁ……ま、いっか、しょこたん出てきたし。

○将軍義昭と信長との「能十三番論議」がしっかり描写されたのはうれしかったねぇ~。始まったばかりの義昭政権の政情不安をかんがみた信長の意見はしごくごもっともなのですが、始まったばかりだからこそ! 敵だらけの余裕のない状況の中で、あえて余裕をぶっこくべきだと決断した将軍の深謀遠慮も一理あると再認識しました。ここでせっかくの就任祝賀イベントを短縮したとかいう情報が全国に知れ渡ったら将軍がすたるってわけよ!! あ、もう充分すぎるほどにすたれてますかそうですか。
 当面の実益優先か、長期的なイメージ優先か。これが2人の対立の根本であるわけですが、私そうだいといたしましては、ここは絶対になんとしてでも能十三番を滞りなく挙行するべきだったのではないかと思えるんですね。なんせ、足利将軍が京で叙任されるのは、義昭の父である第12代征夷大将軍・義晴いらい実に半世紀(47年)ぶりのことだったんですからね! この大事な政治ページェントでなぜケチる!?
 「あぁ~、こいつわかってない。所詮は田舎大名だな。」
 こういう将軍の内心が伝わってくる吹越さんの絶妙な演技でした。
 だいたい、「無駄だがや!」と言うのならば、なぜ能鑑賞そのものを中止にしないで「十三番を五番に減らす」とかいう実に中途半端な折衷案を提示するんでしょうか。この時点の信長は、政治的度胸においてあの「半将軍」細川政元に数段劣る馬脚を露呈してしまっていたのです。これのどこが「革命児」?

 この第5回で、どうやら脚本は「質素倹約の素晴らしさ」を説きたかったらしいのですが、黒田家と足利将軍家では、どだい節約していいことと悪いことの価値基準がまったく違うのです。ここでの信長の、中央集権構造のいろはも知らない無知な口出しを美化するのは絶対に間違っている!!

○信長上洛の時期には木下藤吉郎は数え年32歳だったのですが、さすがの竹中さんも老けたねぇ~……でも、今回第5回の竹中重治説得シーンにして、やっと秀吉の「人たらし」っぽい個性が出てくるようになったと思います。それでもずいぶんと小ぎれいですけど。
 でもアレね、声がいいっていうのは武器ですね! 多少のシワはあっても若く見えちゃうもんなぁ、声と目力で。

○ちょっと聴いた? 小寺 VS 赤松の土器山(かわらけやま)合戦での隆大介さんの「馬ひけぇえーぃい!!」の一喝……ステキ♡
 完全に役不足(本来の意味のほう)なんだよなぁ。もったいないにも程があるキャスティング。

●そんな浅さの矢傷で古参の武士が死ぬかなぁ……なんかコントみたいな間抜けな最期でしたよ、塩見さん。死んだこと自体じゃなくて、その死に方がかわいそう。

○う~ん、これぞ「死亡フラグ」! 永井大さんとしょこたんとで死亡フラグ! どうにもこうにも特撮ドラマのかほりがただよう流れでしたね。同じ日曜日でも、朝じゃなくて夜の8時!

○いよいよ初登場した母里友信ですが、およそ和服の似合わない速水さんの異貌が、意外と「異常な武人」である友信のキャラクターに合っているのかも知れないから不思議なもんです。いいかもしんない、もこみち太兵衛! いかにもバカっぽい雰囲気がいいですね。
 余談ですけど、速水さんのにらみににらみまくった三白眼って、どことなく名悪役俳優・八名信夫さんに似てませんかね? 実にいい、まっすぐさだ!


結論、「第6回がとてもたのしみです。」

 いよいよ、秀吉に出会うまでの「第一部」での主要登場人物が出そろってきた、という感じになってきましたね。竜雷太さんと永井大さんの退場がいささか早すぎたような気もするのですが、ニューフェイスを迎えた次回以降に期待していきたいです。

 うちゆき姫としょこたんの、今後の出番はどうなるのか!? そこらへんに大いに注目していこう!
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2014年1月度版 そうだい短期観測調査(そうだい短観)

2014年02月01日 23時44分12秒 | 日記
 いや~もうね、気がつけばあっというまに1月終わっちゃってましたよ! みなさまどうもこんばんは、そうだでございます~。今日も一日お疲れさまでございました。

 口では早い早いと言いつつも、まっさかこんなに早いものだとは……ありがたいことではあるんですが、ほとんどヒマしていた印象もなく、あっちゃこっちゃでわたわたとしておるうちに31日たっちゃってた!
 願わくば、もちっとだけ我が『長岡京エイリアン』の更新にさけるような時間と体力の余裕がほしいとこなんすけど、まぁこれもこれでいい時期なんじゃなかろうか、ということで! たぶん今月もサーッと過ぎ去っていくんでしょうが、とにかく五体満足、お仕事でもなるべく他のみなさまに迷惑をかけることなく笑ってすごしていきたいと思います。

 あいかわらず、というか、さらに激化する一途で世間ではなんやかやとインフルエンザだ急性胃腸炎だと、流行り病がものすごいことになってるんですが、もともとそういう目に見えない災厄をぶっとばす意味で行われていた年中行事「追儺(ついな)」がベースだという、節分の豆まきを盛大にやって、恵方巻きも今年の「東北東」を向いてモゴモガやって、乗り切っていきましょう! 今も昔も、人間を悩ませる問題なんてのは、つまるところは個人個人の肉体のメンテナンスの話なのよねぇ~。21世紀でも、サルはサル☆


 そんなこんなで、いよいよ開幕いたしました2014年! しょっぱな1月の『長岡京エイリアン』全11回。ラインナップは以下のようになりました。

観た DVDについて
 映画『トレマーズ』
始めてはみたけれど……
 エヴァンゲリオン使徒大行進シリーズ最新作!!(2回 あっけにとられる途中ぶり)
今年は絶対に全話観るぞ!!
 NHK 大河ドラマ『軍師官兵衛』視聴メモ(第1~4回)
近況うんぬん
 年明けからけっこうお芝居を観てます
 仕事場でのちょっとした体験
 山形さ帰ろうがど思ってんだずぁ~宣言
完全にメモ代わりです
 川上稔の『連射王』の下調べのムニエル


 というわけでついに始めたぞ、大河ドラマ全話チェック企画! これ、『江』でやろうかと一瞬思ったんだけど、脚本家と主要キャスティングが発表された段階で瞬時に却下したお蔵入りものだったのよねぇ。
 やっぱり視聴率はかんばしくないようなのですが、少なくとも1ヶ月観てみたわたくしの感想といたしましては、決して無碍にされるべき作品ではないと確信しましたので、引き続き見届けていきたいと思います。義昭公と明智光秀がいなくなった後に観続けるかどうかはわかんないけどな!! それはもう、作品の中での黒田孝高と豊臣秀吉の造形にかかってますよね。初回の序章とか、随所に観られるうすっぺらい戦争反対メッセージで悪い予感はしまくりなんですが、今のところは信長と濃姫のバカ夫婦っぷりがおもしろいから、良しとしよう!
 にしても、ナレーションの交代は、大好きだっただけにものすごく残念だなぁ。お歳がお歳なんだからあんまりこういうことは言いたくないんですが、自分の体調管理のせいで参加している作品に迷惑をかけるなんて、大女優のはるか以前にプロじゃあないですよね。これを期に永くお休みいただきたい。

 2月も、もうすでに何本かお芝居を観る予定を作っているんですが、いちおう、少ない休みをやりくりして何千円も払って観に行くわけなんでね……全部アタリなんて都合のいいことはないだろうけど、なるべく素晴らしい作品だけを観て収穫多く帰りたいですよね、マジで。
 モーニング娘。のコンサート料金だって「8千円」の大台に乗っちゃったしねぇ。私が大学生だった2000年前後のころは、小劇場でやる舞台はチケット2800~3300円くらいが相場だったかと記憶しているんですが、今はもう4000円超えでもしれっとした顔してるもんねぇ。
 消費税も上がるわけだから時代の趨勢なんでしょうが、ケチくさい話、いい作品にいっぱい出会える2014年にしたいですわ、ホント! 山形ではどんな感じになるのかねぇ、このあたりの劇場事情って。


 年始はけっこう、本も読んだつもりだったんですが、数えてみたらそんなに多くはないのね。あぁ、1冊1冊が物理的に重いからいっぱい読んだ気になってたんだ! がっくし。

伊藤 計劃・円城 塔 『屍者の帝国』(2009~12年)                 河出書房新社
川上 稔        『連射王 上・下』(2007年)                   メディアワークス電撃文庫
村上 春樹       『1Q84 第3巻』(2010年)                   新潮社
              『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(2013年) 文芸春秋

宮下 英樹       『センゴク 一統記 第6巻』(2013年) 講談社
黒乃 奈々絵・唐々煙 『時代活劇画伝 斬』(2013年)     マッグガーデン


 これは断言しますが、先月読んだ本の中でいちばんおもしろかったのは『連射王』でしたね。「都市シリーズ」もいろいろ読んできましたけど、この『連射王』はそれらと比べても段違いに良かった。
 ハルキ村上はダメだったねぇ~! 『1Q84』の1・2巻で上がりに上がった期待値が3巻でガクンと落ちて、『色彩なんちゃら』で「読む価値なし」まで下がりきっちゃったって感じですか。
 『色彩なんちゃら』はヒドいね~。何もかもが古臭い、今まで村上ワールドのどっかに出てきたキャラクターの使いまわし。『1Q84』の主要キャストが服を着替えてまた出てきたって感じなんだけど、内容のきめこまやかさに「明治ブルガリアヨーグルト」と「サンヨー製菓モロッコヨーグル(駄菓子屋で売ってる、木のへらで食べるもしゃもしゃしたやつ)」ほどの落差があるし、『1Q84』の牛河さんみたいな魅力あふるる人物もいやしねぇし。
 こんなにつまらない旅小説は久しぶりに読みましたね。これはつまり、主人公が完全に義務で旅してるからなんじゃないの? 「彼女に言われたからとりあえずやってみるんです~」みたいなバカ面ひっさげて巡礼すな、ドアホ!! わけのわかんない嫁がらみの東洋人不審者を相手にしなきゃなんなかったエドヴァルトさんの迷惑を考えろ! おなじ日本人男性として非常に恥ずかしい。

 これはもう、私の少ない読書歴の中で比較すると、辻村深月先生の『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』や『ロードムービー』となにからなにまで対照的な、駄作中の駄作でした。これじゃあ「女性優位社会」とも言われるわ! 男性がこんなに主体性のない作品が超ベストセラーになっちゃうんだもんね。

 『屍者の帝国』は、確かに途中まではおもしろかったんだけどなぁ~。「ザ・ワン」の正体にいろいろのっけすぎなんじゃないんでしょうか。あれとあれのモチーフはいらないなぁ、なんて考えながら、かなり冷めた目線でクライマックスを読んでしまいました。
 ああいう経験をちゃんと記憶しているワトスンが新たなベーカー街ライフを始めていくっていうのが、外伝とかエピソード・ゼロものの醍醐味なのにねぇ。なんで全部リセットしちゃうのかな。
 他ならぬ、伊藤計劃さんの書評が読みたくなる作品でしたね。

 そないなこないなで、今月もがんばっていきまっしょい! あぁ~、私の千葉ライフもあと1年きっちゃったかぁ。
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