長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

平成ライダー最後の聖域(サンクチュアリ)が、ついに!! ~劇場版『仮面ライダージオウ』~

2019年07月28日 22時23分26秒 | 特撮あたり
映画『仮面ライダージオウ Over Quartzer』(2019年7月26日公開 67分 東映)

 映画『仮面ライダージオウ Over Quartzer(オーヴァークォーツァー)』は、東映系で公開の映画作品。同時上映作品は『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』。キャッチコピーは「平成仮面ライダー、最終章。」、「時代を壊せ、未来を変えろ。」。
 特撮テレビドラマ「仮面ライダー」シリーズ第30作『仮面ライダージオウ』の単独映画作品にして真の最終回として位置づけられている。
 シリーズの過去作からは『仮面ライダードライブ』(2014~15年)の詩島剛(仮面ライダーマッハ)とクリム=スタインベルトが登場し、ドライブライドウォッチをめぐる物語が展開される。
 本作において、『ジオウ』の次作である『仮面ライダーゼロワン』の主人公・仮面ライダーゼロワンがテレビ放送に先駆けて登場するほか、仮面ライダーブレン(2019年)・仮面ライダーG(2009年)・仮面戦隊ゴライダー(2017年)・仮面ライダー斬月カチドキアームズ(2019年)・マンガ版『仮面ライダークウガ』(2014年~連載中)の仮面ライダークウガも登場する。

あらすじ
 何者かが、過去へ遡りクリム=スタインベルトの祖先を抹殺し、仮面ライダードライブの存在と歴史を無かったことにしようと暗躍を始める。それを止めるため、常磐ソウゴ(仮面ライダージオウ)たちは、ドライブの仲間・詩島剛(仮面ライダーマッハ)と共に西暦1575年の日本へ赴く。
 ソウゴたちは、織田信長と出会い、彼と行動することになる。そんな中、「歴史の管理者」を名乗る謎の集団クォーツァーと対面、さらにウォズ(仮面ライダーウォズ)がクォーツァーに加勢して立ち塞がる。


主な登場人物・組織
常磐 ソウゴ(仮面ライダージオウ) …… 奥野 壮(18歳)
明光院 ゲイツ(仮面ライダーゲイツ)…… 押田 岳(22歳)
ツクヨミ              …… 大幡 しえり(20歳)
ウォズ(仮面ライダーウォズ)    …… 渡邊 圭祐(25歳)
詩島 剛(仮面ライダーマッハ)   …… 稲葉 友(26歳)
クリム=スタインベルト       …… クリス=ペプラー(61歳)

クォーツァー
 「歴史の管理者」を名乗る謎の集団。SOUGOを除き、メンバーはウォズと同じ服装をしている。手下としてロボット兵士カッシーンや巨大ロボット・ダイマジーンも操る。

常磐 SOUGO(仮面ライダーバールクス)…… ISSA(40歳)
 赤い衣装を着たクォーツァーのリーダー。ウォズが本来の「魔王」として擁立しようとしていた男でもある。
 平成時代に制作されたものの、平成仮面ライダーシリーズにはカウントされていなかった「仮面ライダーBLACK RX」(1988~89年)がモチーフとなっている。名前の「バールクス」も、「BLACK RX」のアナグラムが由来。
 BLACK RX・ロボライダー・バイオライダーのライドウォッチを所持しており、RXの長剣「リボルケイン」を武器とし、平成仮面ライダー全ての力を無効化する能力を持つ。
 コスチュームのデザインにはゴールドのスケルトンウォッチが取り入れられている。

カゲン(仮面ライダーゾンジス)…… パパイヤ鈴木(53歳)
 クォーツァーの大幹部。忍者軍団を率いてクララの命を狙う。
 平成時代に制作されたものの、平成仮面ライダーシリーズにはカウントされていなかった「仮面ライダーシン」(1992年)、「仮面ライダーZO」(1993年)、「仮面ライダーJ」(1994年)がモチーフとなっている。名前の「ゾンジス」も、「SIN」、「ZO」、「J」のアナグラムが由来。
 シン・ZO・Jのライドウォッチを所持しており、変身ポーズは仮面ライダーJ を元にしている。
 コスチュームのデザインには懐中時計が取り入れられている。

ジョウゲン(仮面ライダーザモナス)…… 斉藤 秀翼(26歳)
 クォーツァーの大幹部。1575年の長篠合戦に武田軍の先鋒として加勢し、クララの命を狙う。
 平成時代に制作されたものの、平成仮面ライダーシリーズにはカウントされていなかった「仮面ライダーアマゾンズ」(2016~17年)がモチーフとなっている。名前の「ザモナス」も、「AMAZONS」のアナグラムが由来。ボウガンを武器とする。
 コスチュームのデザインには革ベルト腕時計が取り入れられている。

クララ=スタインベルト …… 蒼葉 える(24歳)
 オランダ商人を父に持つ少女。クリムの遠い祖先である。

織田信長 …… 前野 朋哉(33歳)
 自身を「第六天魔王」と名乗る戦国時代の大大名(1534~82年)。ゲイツを影武者に仕立て上げ、クララの元へ会いに行く。

牛三 …… 若林 時英(19歳)
 信長に仕える家臣の忍者。信長にまつわる伝記『信長さま 栄光の日々』(『信長公記』がモデル)を執筆していた。史実の太田和泉守牛一(1527~1613年)がモデル。

ピエトロ …… ケイレブ=ブライアント
 カトリックの宣教師。クララが探していた。武器商人としての一面も持つ。

常磐 順一郎 …… 生瀬 勝久(58歳)
木梨 猛(仮面ノリダー)…… 木梨 憲武(57歳)
オーマジオウ …… 小山 力也(55歳)
仮面ライダーゼロワン …… 高橋 文哉(18歳)


主なスタッフ
監督 …… 田﨑 竜太(55歳)
脚本 …… 下山 健人
音楽 …… 佐橋 俊彦(59歳)
アクション監督 …… 宮崎 剛(56歳)・渡辺 淳
特撮監督 …… 佛田 洋(57歳)
主題歌
『P.A.R.T.Y. ユニバース・フェスティバル』(歌・DA PUMP)
配給 …… 東映


≪まさしく、平成総ざらえ!! 本文マダヨ≫
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

堀内正美 VS 諏訪太朗 ……10年前にやってよ!! ~『ひみつ×戦士 ファントミラージュ!』第15話~

2019年07月21日 23時41分17秒 | ミステリーまわり
 みなさま、どうもこんばんは! そうだいでございます。今日も一日、大変お疲れさまでございました!

 緊急企画!緊急企画!! 今回は、かねてから楽しんでいた TVドラマでとんでもねぇ神回が放送されましたので、その衝撃をお伝えさせていただきたいと思います!
 いや~、三池崇史監督の「ガールズ×ヒロインシリーズ」、ついにやってくれましたね!
 どこからどう見ても実相寺昭雄監督リスペクト回じゃないですか本当にありがとうございます!!


TV ドラマ『ひみつ×戦士 ファントミラージュ!』第15話『名探偵 VS ファントミダイヤ!』(2019年7月14日放送 脚本・中園勇也、監督・山口義高)

 『ひみつ×戦士 ファントミラージュ!(ひみつせんしファントミラージュ)』は、2019年4月からテレビ東京系列ほかで放送されている少女向け特撮テレビドラマ。『アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!』(2017~18年)、『魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!』(2018~19年)に続く、「ガールズ×ヒロイン!シリーズ」の第3作にあたる。キャッチコピーは「正義の怪盗 ひみつ×戦士ファントミラージュ! イケない心、ちょーだいします!」。

 主要キャスト陣は、2018年夏にオーディションで公募した中から選出された。シリーズ構成は『アイカツ!』、『妖怪ウォッチ』、『デュエル・マスターズ』などでメイン脚本を担当した加藤陽一(40歳)が担当。パイロット版(第1~3話)の監督は『アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!』、『魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!』に続き総監督の三池崇史(58歳)が担当。また、『ミラクルちゅーんず!』でチーフ監督を務めた山口義高がチーフ監督に復帰した。
 なお、本シリーズより「ガールズ×ヒロイン!シリーズ」は BSテレ東での放送を取りやめ、代わってテレビ東京系列以外での地方放送を開始した。

放送地方
テレビ東京、北海道、宮城県、新潟県、静岡県、愛知県、岐阜県、大阪府、滋賀県、和歌山県、香川県、岡山県、広島県、福岡県、長崎県、CS放送キッズステーション
※その他、インターネットチャンネルで有料、期間限定無料配信あり


あらすじ
 ファントミラージュとは、秘密の怪盗。ファンディーからの指令により、逆逆警察によって「イケナイヤー」にされてしまった人から、「イケない心」をちょーだいして平和を取り戻す。

ココミ「セイラちゃん、どうして一緒にファントミをやってくれないのかな? なにか秘密があるみたいだけど……」
サキ 「怪盗二十面相? だれ? そしてセイラちゃんがひとりで探偵事務所に?」
ヨツバ「たいへん! イケナイヤーにファントミダイヤの正体がバレちゃう!」

 ココミ達は、ファントミダイヤであるセイラと仲間になるため、彼女に認めてもらおうとしていた。そんな中、イケナイヤーが出現。4人で力を合わせてイケナイヤーをイケてる人に戻した。セイラもココミ達を認め、そのまま仲間になるかと思いきや、セイラには秘密があるようで……


主な登場人物、組織(年齢は TV初放送当時のもの)
ファントミラージュ
 人々の「イケナイ心」をちょーだいすることで世界を守る正義の怪盗たち。別名を「ひみつ×戦士」というだけあってその正体は極秘である。
桜衣 ココミ(ファントミハート)…… 菱田 未渚美(みなみ 12歳)
 本作の主人公。明るく元気な中学1年生の女の子。好物はプチトマトであり、ボウル1個分を一度に平らげてしまうほど。口癖は「私のハート、ファンファンしてる!」。イメージカラーはピンク。

明日海 サキ(ファントミスペード)…… 山口 綺羅(きら 15歳)
 頭が良くミーハーな性格で、いつもいろんなものをリサーチしている中学1年生。同級生のココミとともに SNS「Me tube」に動画を投稿している。口癖は「完全に始まってる!」。イメージカラーはブルー。

紫月 ヨツバ(ファントミクローバー)…… 原田 都愛(とあ 14歳)
 ボーイッシュで落ち着いた性格で、家族を大切にしている中学1年生。口癖は「守りたい、大切な人を!」。イメージカラーはパープル。

紅羽 セイラ(ファントミダイヤ)…… 石井 蘭(14歳)
 中学1年生。実は変装を得意とする怪盗一族の子孫で、伝説の怪盗「怪盗二十面相」の娘。口癖は「ファントミ的に、アリ(ナシ)!」。イメージカラーはレッド。他の3名と違ってセイラのみ「ファントミディアル」という専用のアイテムで変身し、ファントミディアルにしか内蔵されていない「ひみつキー」もある。
 父である二十面相を逮捕した名探偵・明土小五郎(あけっち こごろう)に復讐心を燃やしており、そのための超人的な努力(テーブルコショーを浴びてもくしゃみに耐える鍛錬など)がファントミラージュに選ばれる契機となった。

ファンディー …… 関口 メンディー(28歳)
 ファントミラージュのボス。ファントミラージュであることを絶対機密として、4人には口外を禁じている。

くまちぃ …… 本田 翼(声の出演 26歳)
 本作のマスコットキャラ。シルクハットがチャームポイント。ファンシーショップで売られていたクマのぬいぐるみに魂が宿った。
 逆逆警察から「イケてる正義の味方を増やそうとしている」容疑をかけられ追われており、逆逆警察とイケナイヤーの気配を「イケないにおい」として感知できる。ファントミラージュへの変身アイテム「ファントミリスティ」や不思議な能力を発揮できるアイテム「ひみつキー」の使い方を教えてくれる。

怪盗二十面相 …… 諏訪 太朗(64歳)
 祖先から続く怪盗一族の現当主。しかしライバルである名探偵・明土小五郎によって現在は逮捕・収監されている。

紅羽 月乃 …… 黒田 福美(63歳)
 怪盗二十面相の妻で、セイラの母。父に伍する怪盗となるために孤独な修行を続けている娘をひそかに心配している。

明土(あけっち)小五郎 …… 堀内 正美(69歳)
 怪盗二十面相のライバルである名探偵。相手の深層心理を冷酷に突く推理を展開する。好物はざるそば。探偵事務所に受付嬢はいるが、助手らしい人物の存在はドラマ中では確認されず。

逆逆警察
 今作における悪役。世間のイケている人を「逆逮捕」し、イケナイヤーを作り出す存在。「サカサマ帝国」からの刺客であり、アジトである「逆逆警察署」は重力が逆になっている。
ギャンヌ署長 …… 石田 ニコル(29歳)
 逆逆警察の署長。リーゼントヘアの婦警で、「一日一逆」と書かれたタスキを掛けている。しかし自分自身は怠惰な性格ゆえに人間界にはあまり出向かない。

アベコベ刑事 …… ぺえ(27歳)
 頭脳派の刑事。灰色のトレンチコートという、いかにもな刑事スタイル。イケている人を見つけると長ったらしい罪名を勝手につけて逆逮捕する。

マギャク巡査 …… 黒石 高大(32歳)
 パワー派の逆逆警察巡査。三つ編み髪と児童用帽子、名札付きスモックという幼稚園児のような服装が特徴的。基本的にはアベコベ刑事とペアで行動するが、単独で行動して逆逮捕することもある。

イケナイヤー
 世間のイケてる人が、逆逆警察によって逆逮捕され変わり果てた姿。左手に逆逆警察の手錠が変化した銀の腕輪と、ギザギザのビックリマーク(鍵穴が断裂したもの)が描かれた黒い手袋をしている。普段とは逆の悪事を働く。逆逆警察が誤認逮捕した人間(特にイケてるわけでもない人)もイケナイヤーになってしまう。


≪観れば観るほど侮れない! 濃厚な23分間の緊迫視聴メモ≫
・本話は、前話のイケナイヤーをファントミラージュ4人の初共闘で撃破した直後、コニカミノルタサイエンスドーム(八王子市こども科学館)のプラネタリウムから物語が始まる。セイラはこのエピソードのそうとう前(第9話)から「謎のファントミラージュ」としてココミ達に試練を与える敵とも味方ともつかないポジションでチラッチラっと登場していたのだが、がっつり合流するのは本話からとなる。満を持しての登場! セイラを演じる石井さんがとにかく初々しい!!
・セイラの衝撃の発言、「私のお父さんは、二十の顔を持つ伝説の怪盗、『怪盗二十面相』だった!」により、前話でセイラが見上げていた「シルクハットに黒マント、モノクルに立派な口ひげの紳士」の肖像画の主が誰であるのかが明らかとなる。まぁ、ドラマが「怪盗×魔法少女」ものなのだから、そういう家族のいるレギュラーキャラがいても不思議ではない。怪盗のサラブレッド、セイラ!
・ここから、現役時代の怪盗二十面相の活躍がダイジェストで描かれるのがありがたくてしょうがない。しかも、演じる諏訪太朗さん、カツラつけてる~!! これは夢か幻か。
・セイラの追加発言「ちなみに、おじいちゃんは怪盗四十面相、ひいおじいちゃんは怪盗六十面相だった!」と、それのためだけに別バージョンの肖像画(どれも諏訪太朗さん)をしっかり作る制作陣の努力がすばらしい。いちいちツッコんでもいられないのだが、それじゃセイラは怪盗0面相になるじゃないか……
・しかしセイラによれば、彼女の祖先は父も含めてことごとく警察のお縄になっており、父も現在収監中であるという。「実の父が犯罪者」という、プリキュアシリーズでもお目にかかれないような超激重な家族状況……やっぱ「ガールズ×戦士シリーズ」は攻めてんなぁ!
・セイラの語る「父親逮捕の瞬間」にあわせて、チャイナドレスに金髪のツインおだんごという美女に変装した諏訪太朗さんが、くしゃみでカツラを落として潜入がバレるシーンが流れるのが、もう感涙レベルでくだらない。なにあれ、強烈な催眠術か光学迷彩みたいな感じで周囲には美女に見えてんのか!?
・そのような過酷な家庭事情の中でセイラは「絶っっ対に優秀な怪盗になる!」と心に決め、父逮捕のきっかけとなった「くしゃみ」を徹底的に克服するために、テーブルコショーを顔にふりかけてくしゃみを1000回連続で我慢するという超人的な荒行をやってのける。そんな彼女の姿に感銘を受けたかのように、光に包まれた変身アイテム「ファントミディアル」が彼女の手元に降臨! これがファントミダイヤ誕生の瞬間だったのだ。
・こういった経緯なので、ずっと「何者かがファンディーの部屋からファントミディアルを盗んだ」という雰囲気だったのだがそうではなく、ディアル自体が意志を持ってセイラのもとに飛んだという真相だったようである。魔法少女ものらしい経緯!
・義賊だったとしてもガチの犯罪者の娘であるという、握りしめた拳から血を流すようなセイラの告白を聞いてなかったかのように、かなり純真無垢な笑顔で「セイラちゃんなら、きっと正義の怪盗になれるよ!」「かっこいいし、変装もすごいし!」「ファントミダイヤ、セイラ! 完っ全にはじまってる♡」「いっしょにファントミ、やろうよ!」とグイグイ仲間に勧誘してくるココミ達。ちょっとこわい……
・やはりセイラはココミ達の誘いにおいそれと応じることはせず、「私はひとりで最高にアリな怪盗にならなくちゃならないの、ひとりで!」と峻拒するのだった。この時の、セイラを演じる石井さんの柔和な顔にうっすらと浮かぶ苦悶の表情が非常にうまい! 演技自体は当然ながらたどたどしいのだが、その表現力には目を見張るものがあり、まさしく追加戦士となるにふさわしい才能を秘めた女の子であることがわかる。すごいぞ!
・主を失ったセイラの家を守る怪盗二十面相の妻・月乃もまた、そうとうな実力を秘めた怪盗一族のひとりであることがわかる、ただ者でないオーラをまとった女性である。だって、演じてるの黒田福美さんなんだぜ、『電撃戦隊チェンジマン』(1985~86年放送)の、悪の女王アハメスなんだぜぇ!? 月乃の現役時代も見たかった……たぶん、全身シルバーでキツネ耳だったんだろうなぁ。最高のキャスティング!
・セイラがココミ達への仲間入りを強く拒んだ理由とは、「父の変装を見破った名探偵・あけっち小五郎」への復讐の邪魔になると判断したからだった! 小五郎の探偵事務所に保管されているという「お父さんのカツラ」を奪回するために、敵の本丸たるあけっち探偵事務所に単身乗り込まんとするセイラ! ほんとにこのエピソード、いつもとアツさが違いすぎる!!
・事前に、事務所にいる小五郎の昼食時間をリサーチしていたセイラは、ファントミディアルの盗聴ひみつキーを使って小五郎が電話で出前を頼んだそば屋とメニュー「ざるそば5人前」を聞きつけ、変身ひみつキーで出前のそば屋に姿を変えて事務所に乗り込むという完璧かつスマートな手法で潜入に成功する。これほどまっとうに「怪盗」らしいアイテムの使い方が、これまであっただろうか!?
・変装したセイラが潜入したあけっち探偵事務所は、都心のオフィス街にあるビルのワンフロアを利用した、スーツ姿の受付嬢もいてレンガ壁もあしらわれたオシャレな雰囲気の間取りなのだが、入口にある金属製の「明土探偵事務所」レリーフの字体が『ベルサイユのばら』みたいなメルヘンチックな字体になっているのが実に興味深い。これたぶん、『ファントミラージュ』が放送されているのがテレビ東京だから、かつて同じテレ東で放送されていた伝説の TVドラマ『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎』(1970年放送 主演・滝俊介)のタイトルロゴをイメージしたのではないだろうか。芸が細かい!
・首尾よく、小五郎がざるそばを勢いよくすすっているスキを見て、小五郎のデスクの引き出しから秘密の保管室の鍵を盗むセイラ。それはそれとして、小五郎の部屋の奥をよく見ると、ガラス張りのラジオブースのようになっている別室に、頭に回転するパトランプを着けた敵組織・逆逆警察の幹部アベコベ刑事が座って、事務所の所員らしき女性と話し込んでいるのが見切れている。どうやら放送時間の都合でまるまるカットされたらしいのだが、アベコベ刑事は一般の依頼人のふりをして事務所に先に入っていたらしい。逆逆警察を敏感に察知できるくまちぃが同行していないセイラだからこそ起きた偶然のニアミスであるわけだが……そんなに都合よく鉢合わせ、するぅ!?
・ついに鍵を使って保管室に忍び込み、悲願の「お父さんのカツラ」に王手をかけるセイラ! それにしても、実の父親がカツラを愛用しているという事実をまったく嫌悪せず、むしろリスペクトさえしている中1の娘がいるということがすばらしい。どんな教育をしたら、そんなにまっすぐで他人をさげすまない観音様みたいな人に育つんじゃ……
・アベコベ刑事が今回のイケナイヤーの素体に狙いをつけたのはなんと、「なぜか毎日のように事件に遭遇し一目見ただけで犯人が分かってしまう罪」の名探偵あけっち小五郎その人であった! よりによって、この人かい! とんでもない強敵になりそうな予感……わくわく!
・ということで、本日のイケナイヤーは小五郎を素体にした「真実なんてどうでもいいナゾトカナイヤー」となった! ただ、具体的な悪行はというと「ナゾトカナイヤー!」と叫んで徘徊し、周囲の女性を気持ち悪がせる程度である。ただそれをやっているのが、子ども向け番組とは信じがたい真に迫った苦悶の表情を浮かべた堀内正美さんなので、ヤバさがハンパない……ちょっと、あの『怪奇大作戦』のお蔵入りエピソードでの岸田森サマの狂態を思い起こさせるものがある迫力だが、さすがにアップは一瞬しか映らない。いやほんと、もっと若い時に実相寺作品でやってほしかった! 『ウルトラマンマックス』のメトロン星人回でも、ここまではハッスルしてませんでしたよね!?
・ナゾトカナイヤーの暴走に逃げ惑う人々の悲鳴を聞いて、「義を見てせざるは勇無きなり」とばかりに、お父さんのカツラ奪回をひとまず保留して、単身ファントミダイヤに変身して食い止めようとするセイラ! あの父の宿敵・小五郎を向こうに回してかなり思い切った選択なのだが、小五郎だって「いくら名探偵でも70歳前後の肉体なんだし」という甘い見通しがあったのかも知れない。しかし、話はそうは問屋が卸さず……
・セイラのファントミダイヤへの変身バンクは、さすが EXILEや E-girlsを擁する芸能プロ「 LDH」の生え抜きな石井さんだけあって、約50秒間にわたるソロダンスも堂々としたカッコかわいいものである。しかも、メンバー4名が各自、トランプの意匠の他に四季を振り分けた変身イメージになっているので、真紅のもみじの葉が舞い踊る秋を背景としたダンスは非常に鮮やかできれいである。秋を司る魔法少女って、知的でおもしろいな!
・果敢にナゾトカナイヤーに立ち向かうセイラなのだが、ここでナゾトカナイヤーの恐ろしすぎる真の実力が発揮されてしまう! その技「イケない推理」とは、相手の心の弱みを細部まで解析し尽くし、そこを巧みな弁舌であばき立てることで相手を廃人にまで追い詰めるという、子ども番組では一番やってはいけない種類の陰湿きわまりない攻撃法なのだった!! こんな残酷非道な敵、『スマイルプリキュア!』のジョーカー以来じゃない!?
・でも考えてみると、イケナイヤーにならずとも小五郎(というかモデルの明智小五郎)は、そんなこと日常茶飯事でやってるような気が……
・ということで、ここから披露される小五郎演じる堀内さんの推理の語り口は、本家の明智小五郎そのまんまの、紳士的ながらもずけずけと核心に迫ってくる緊張感あふれるものとなる。うん、もう明智小五郎ってことでいいよ!
・「いつもあなた(セイラ)は一人っきりですね。」「他のファントミラージュの3人と仲良くやらないんですか?」「あなたは友達がいない!」「強気な態度は、孤独の裏返し!」「どうやって仲間を作ったらいいかわからないから、友達なんかいらないと嘘をついているだけだ!」「あなたは怪盗としてナシだ!」「怪盗二十面相と同じように、あなたの正体をあばいてやろう……♡」などと、あの「お菓子の皇帝」ザッハトルテのようにまったりとした甘~い堀内ヴォイスで語りかけるのだから、その効果は絶大である。こわすぎ!!
・堀内さんの壁ドン→肩をわしづかみ→耳に口を近づけてささやきと、非常にイヤな3連コンボをもろにくらい、ちょっと日曜朝の TVでは放送していけないレベルの廃人顔になって膝から崩れ落ちるセイラ。これ、ファントミラージュの4名の中でも、相手がセイラだからここまで効いてしまう攻撃法なんだろうなぁ。ほんと、対セイラに特化し過ぎた天敵なのである。恐るべし、あけっち小五郎!!
・実相寺作品を観ても分かる通り、本来ならば堀内さんは端整すぎるほどの美形なのだが、とにかくその詰め寄り方が過酷にもほどがあるので、対するセイラというか、石井さんが本気で怖がって迫真の演技を見せてくれるのがすばらしい。これ、ほんとに堀内さんの演技が石井さんの演技を引き出してるってことなんですよね! でも、14歳のみそらでこの体験は強烈すぎるでしょ……PTSD にならないことを切に祈ります。
・ソロ初戦からトラウマ級の敵と鉢合わせし、廃人寸前にまで追い込まれるセイラ。しかし、そんな彼女を救ったのは本話冒頭でのココミ達の「セイラちゃんなら、きっと正義の怪盗になれるよ!」「いっしょにファントミ、やろうよ!」という言葉だった。(能天気に)応援してくれる仲間が待っていてくれることを助けに、「なれる……なれる! 私なら、最高にアリな怪盗になれる!!」と力強く立ち上がり、必殺技「ひみつのフィナーレ(約1分間のソロダンス)」で冥途送りとなるナゾトカナイヤーであった。まぁ、所詮はおじいちゃんだから。
・それで再び、本題のお父さんのカツラ奪回に取りかかるセイラだったのだが、不意にくしゃみをしてしまい、失神していた小五郎を起こしてしまう。やはり、因縁のくしゃみには勝てなかったよ……
・セイラの奪回を阻むかに見えた小五郎だったが、彼はしみじみと「このカツラは、私の生涯のライバル・怪盗二十面相の物だよ……二十面相の変装は見事だった……探偵と怪盗、立場は違うが、お互いを認め合える存在がいたからこそ、私は名探偵になれたんだ。」と語る。その言葉に大きな力をもらったセイラは、カツラの奪回を諦めて去り、ココミ達のもとを訪ねるのであった。いや~、すっごくうまくできてるエピソードだこれ!!
・何よりも、小五郎との対決の前と後とで、石井さんの表情がまるで変っているのが最高である。セイラだけでなく、石井さんの心も確実にこの戦いで成長している! 小五郎は、セイラの宿敵であると同時にメンター(導師)でもあるという、まさしく堀内さんが演じるにふさわしい超重要な役だったのだ!! 石井さん、これからもステキな女優さんになっていってくださいね。


 はぁあ~、もう大満足……最高な回でした。

 この記事のタイトルの通り、もう堀内さんも70歳手前なので、遅かったかとは思います。思いはするのですが、まさか実相寺昭雄監督が遠行されてはや14年になろうかというこの日本で、よもや堀内さんが名探偵・小五郎を演じる日が来ようとは! そりゃ厳密に言えば「明智小五郎」ではない、子ども向け番組のパロディではあるのですが、実際にご覧いただければ分かると思います、堀内さんはド本気で演じてらっしゃる!! たぶん諏訪太朗さんも本気なはず。

 いや、もうこれ、堀内正美さんも明智小五郎を演じたということでいいでしょ! 認定、認定! 少なくとも我が『長岡京エイリアン』においては、堀内正美さんを明智小五郎俳優、諏訪太朗さんを怪人二十面相俳優の中にしれっと列席させちゃいますよ! いいよもう!!
 諏訪さんはカツラネタが炸裂したし、おもしろいおじさん的な感じで視聴している女児にウケたかもしれませんが、120% 全力でイヤな名探偵を演じきる堀内さんなんて、子ども向け番組に出ていい人選じゃないよ! すばらしい。こうやって今でも厳しい規制の網をかいくぐって、日本の子ども達の脳裏に「あのオトナ、なんだったんだろ」的な異物を埋め込んでる番組はあるんだなぁ。感服つかまつりました。

 このお2人と黒田福美サマは、あくまでも『ファントミラージュ』のレギュラーキャラ・紅羽セイラの周辺にいるゲストキャラでしかないので今後のエピソードに再登場されるかどうかは怪しいのですが、それでも本話で十二分すぎるほどに存在感を発揮する素晴らしい仕事をしてくださったことは間違いないので、とにかくこの顔合わせを実現してくださった制作スタッフの皆様には、もう感謝しかありません。本当にありがとうございます!! しかも、天才名探偵という属性を最大限に活かした、子ども向け番組コードギリギリの精神攻撃キャラ……サイコー♡

 ただ、本話では堀内さんと諏訪さんが同じ場所で共演しているシーンは全くなく、そもそもお2人の古巣ともいえる実相寺昭雄監督作品をひもといてみましても、実は共演シーンってなかったりするんですよね。え、マジか!?
 え~と、堀内正美さんが実相寺作品に出演するようになったのは、あの映画『ウルトラQ 星の伝説』(1990年)におけるインパクト大な主役級の役割を演じた記者・浜野役からで、『ウルトラマンティガ』(1997年)や『ウルトラQ ダークファンタジー』(2004年)などの円谷プロ作品における実相寺演出回にもたびたび出ておられます。実相寺監督の明智小五郎シリーズ(明智役は嶋田久作さん!)にも出ておられるのですが、ずっと明智役ではありませんでした。
 いっぽう諏訪太朗さんは……え!? 諏訪さんって、実相寺監督の作品は『ウルトラマンマックス』の第22話『胡蝶の夢』(2005年)にしか出ておられないの!? じゃあ実相寺組じゃないじゃん! 顔が監督とそっくりだし『マックス』でも監督役だったから、てっきり長い付き合いかと……意外でした。

 ともかく、お互いに日本映像界の中で長いキャリアを持った名優同士ではあるのですが、今回の『ファントミラージュ』においても、ニアミスはしても直接対決はかなわなかったということで……なに? 仲わるいのかな。

 昨今、とにかくインパクトの強烈ないわゆる「実相寺アングル」を意味もなく取り入れることで実相寺リスペクトを標榜する輩も多いような気がするのですが、今回の『ファントミラージュ』のように、配役で実相寺ファンを喜ばせるという手法は珍しいかと思います。しかも、それを江戸川乱歩テイストのキャラで対峙させるとは! 実相寺監督は泉下でどんな顔をされてるかな!?

 いや~『ファントミラージュ』。まったく子ども向け番組だのタカラのおもちゃ販促だのと馬鹿にできないネタを投入してくる、侮れないドラマです。レギュラー陣もかわいいし、ダンスうまいし!! 目が離せませんね……うちはテレ東が視聴できない山形県民ですが、なんとか万障繰り合わせて最終回まで楽しませていただきますぞ! 私はブルーのファントミスペード山口きらちゃん派!!

 今後も必ず、何かしら我が『長岡京エイリアン』の琴線をポロロ~ンとつまびく回が出現するはず! 刮目して待ちましょう。
 六平直政さんとか、絶対に出てくれるよね!? ここは鉄板でしょ!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラマシリーズ 『ゴッサム』第1シーズン

2019年07月19日 22時09分22秒 | 特撮あたり
『GOTHAM / ゴッサム』(2014年9月~19年4月放送 5シーズン全100話 各話44~49分)

 『GOTHAM / ゴッサム』は、ブルーノ=ヘラーが企画し、DCコミックスの『バットマン』シリーズを基とし、青年期のジェイムズ=ゴードンと少年期のブルース=ウェインと、若き日のオズワルド=コブルポット(のちのペンギン)を中心に描いた、ゴッサム・シティを舞台にしたアメリカ合衆国の犯罪テレビドラマである。ゴードン、ウェイン、コブルポットの3人を中心に様々なキャラクターが登場し、中には後にバットマンとなるブルースと深い因縁を持つことになるキャラクターも多数いる。
 主人公である青年期のゴードンはベンジャミン=マッケンジーが演じ、ダニー=キャノンがエグゼクティブ・プロデューサーとパイロット版監督を務めている。第1シーズンは2014年9月よりフォックスで放送された。2015年9月からは第2シーズンが、2016年9月からは第3シーズンが、2017年9月からは第4シーズンが、最終シーズンとなる第5シーズンは2019年1月3日から全12話の構成で放送された。
 日本では、2015年5月から AXNジャパン(スカパー!)で第1シーズンが、2016年2月からは第2シーズンが、2017年3月からは第3シーズンが、2018年12月からは第4シーズンがレギュラー放送された。動画配信サービスでは Amazonビデオと Netflixが配信している。

 ゴッサムシティ市警新入りのジェイムズ=ゴードンは、ベテラン刑事のハーヴェイ=ブロックとペアを組み、トーマスとマーサ=ウェイン夫妻殺害事件解決を目指す。捜査中、ゴードンはウェイン家の執事のアルフレッド=ペニーワースに育てられる夫妻の遺児ブルースと知り合い、殺人犯逮捕をより一層決意する。捜査を通じてゴードンはフィッシュ・ムーニー、ドン・カーマイン=ファルコーネ、サルヴァトーレ=マローニといったゴッサムのマフィアたちと関わり合いになる。最終的にゴードンはブルースと友人となり、後にバットマンとなる少年の未来を形作る手助けとなる。
 本シリーズでは、ペンギン、リドラー、キャットウーマン、ジョーカー、ポイズン・アイヴィー、スケアクロウ、ヒューゴ=ストレンジ、トゥーフェイス、ミスター・フリーズ、ミスター・ザーズといったバットマンの悪役たちのバックストーリーも語られる。


主なキャスティング(俳優の年齢は、第1シーズン放送当初のもの)
ジェイムズ(ジム)=ゴードン …… ベンジャミン=マッケンジー(36歳)
 ゴッサムシティ市警の新米刑事で、退役軍人。父親はかつてゴッサムシティの地方検事であり、ジェイムズが13歳の時に自動車事故で亡くなっている。
 腐敗したゴッサム市警の中でブルース=ウェインの両親殺害事件などの捜査は進捗せず苦悩する。

ハーヴェイ=ブロック …… ドナル=ローグ(48歳)
 ゴードン刑事のパートナーとなるベテラン刑事。
 腐敗しきったゴッサム市警に順応しているように見えるが、根は真っ当な良識の持ち主で、当初は対立していたゴードンとも相棒として徐々に友好的な関係を築き、理解者となる。

オズワルド=コブルポット(のちのペンギン)…… ロビン・ロード=テイラー(36歳)
 「ペンギン」というあだ名で呼ばれる、暗黒街に身を置く男。追い詰められると卑屈になる傾向があり情けない面も目立つが、上昇志向が異様に強く、自身を愛してくれたただ一人の人物である母ガートルドのために闇の世界でのし上がることを目論む。戦闘能力は高くないが、わずかな隙を見逃さずに反撃に転じる狡猾さと持ち前の強い悪運で、何度も死の淵の危険に晒されながらもしぶとく生き延びており、再起を繰り返している。
 当初はフィッシュ・ムーニーのギャング団の下っ端で、傘持ちであった。フィッシュを追い詰める情報を重犯罪課に密告したことがバレて半殺しになるが、ゴードンの機転で生かされてその後も友好関係を保つ。フィッシュのボスであるファルコーネの命令で、ライバルのマローニの手下となって内通し、その功でフィッシュの転落後にそのナイトクラブを引き継ぐ。

フィッシュ・ムーニー …… ジェイダ・ピンケット=スミス(43歳)
 ゴッサムシティのナイトクラブのオーナーであり、ドン・ファルコーネ傘下のギャングを率いている。
 ファルコーネを転落させて後釜に座ろうと謀る。

ブルース=ウェイン …… デイヴィッド=マズーズ(13歳)
 謎の強盗に殺害された大富豪トーマスとマーサ=ウェイン夫妻の遺児で、執事アルフレッド=ペニーワースの世話になっている孤児。成人後にはバットマンとして犯罪者と戦うことになる。
 両親の死によって心に傷を負った復讐心から、殺した真犯人の正体を探りつつ、同時に父の会社ウェイン・エンタープライズの腐敗を調べる。両親の殺人現場を目撃していた少女セリーナ=カイルと心を通わせることになる。

セリーナ=カイル …… キャムレン=ビコンドヴァ(15歳)
 若いホームレスの泥棒で、自称「キャット」。ブルースとの間にほのかな恋愛感情を育むことになる。しかし、同じ天涯孤独の身ではあっても、裕福な環境である者とそうではない者との違いから擦れ違いを起こしてしまうことも多いが、それでもブルースの存在は次第に大きくなっていく。のちにバットマンと複雑な間柄になる女怪盗「キャットウーマン」となる人物。
 物語の冒頭で、偶然ウェイン夫妻殺害の現場を目撃し、それが縁で事件の捜査を行うゴードン刑事と関わることになる。

エドワード=ニグマ(のちのリドラー)…… コーリー・マイケル=スミス(27歳)
 ゴッサム市警で働く鑑識官。仕事に関してはそれなりに優秀であるのだが、なぞなぞ形式で情報を提供することを好むなど奇行が目立っており、ゴードンやブロックを辟易させる。また、普段は大人しく無害であるのだが、内面は自惚れが非常に強く、自分を否定されると暴力的な衝動が抑えられなくなり、やがて高圧的かつ暴力的な「リドラー」というもう一つの人格を持った二重人格者へと陥っていく。リドラーの人格は常に自信に満ちているが、その分自惚れの強さから油断してしまう悪癖があり、それが原因で度々足元をすくわれている。
 片思いの同僚クリステンとコミュニケーションを図るがうまくいかない。

バーバラ=キーン …… エリン=リチャーズ(28歳)
 ジェイムズ=ゴードンの婚約者でアートギャラリーのオーナー。過去にレニー=モントーヤと同性愛関係にあった。

アルフレッド=ペニーワース …… ショーン=パートウィー(50歳)
 ブルース=ウェインの執事かつ保護者。元特殊空挺部隊。
 ブルースの幸せを誰よりも願い、心配しながらも両親の死の調査に協力する。護身の手段として戦闘訓練を施す。

サラ=エッセン …… ザブリナ=ゲバラ(41歳)
 ゴッサム市警の殺人課課長でゴードンとブロックの上司。周辺の汚職行為を止めたいと思っている真っ当な警察官である。
 真摯に犯罪と立ち向かおうとするゴードンの姿勢を評価し、家族への報復を恐れながらも、彼やブロックに可能な範囲で協力する。ファルコーネとマローニの大規模な抗争が起こった際も、犯罪に屈しない毅然とした姿勢を見せようとした。

レニー=モントーヤ …… ヴィクトリア=カルタヘナ(29歳)
 ゴッサム市警の重犯罪課刑事。過去にゴードンの婚約者バーバラと同性愛関係にあった。

クリスパス=アレン …… アンドリュー・スチュワート=ジョーンズ
 ゴッサム市警の重犯罪課刑事でレニー=モントーヤのパートナー。

カーマイン=ファルコーネ …… ジョン=ドーマン(69歳)
 ゴッサムシティのマフィアのドンであり、またフィッシュ・ムーニーのボス。かつてジェイムズ=ゴードンの父親の友人でもあった。また、ゴッサムを陰から支配する「梟の法廷」とも関わりがあり、逆らうことができなかったために、たとえ自身に不利益でも彼らに従い続けていた。
 フィッシュが差し向けて来た刺客ライザに心を開きかける。

ブッチ=ギルジーン …… ドリュー=パウエル(38歳)
 フィッシュ・ムーニーの忠実な右腕。

オーブリー=ジェイムズ …… リチャード=カインド(57歳)
 ファルコーネと裏で繋がっているゴッサム市長。

ガートルード=カプルプット …… キャロル=ケイン(62歳)
 オズワルド=コブルポットの過保護な母親。

サルヴァトーレ=マローニ …… デイヴィッド=ザヤス(44歳)
 ファルコーネとライバル関係にある新興のイタリアン・マフィアのドン。ゴッサムのリトル・イタリー地区やウォーターフロントを牛耳っている。また麻薬市場や拳銃密輸を仕切っている。

アイヴィー=ペッパー(のちのポイズン・アイヴィー)…… クレア=フォーリー(13歳)
 ウェイン夫妻殺害容疑の濡れ衣を着せられたマリオ=ペッパーに虐待されている、植物好きの娘。
 父マリオが殺され母親が自殺した後は孤児院に入っていたが脱走し、路上生活をしているところをセリーナ=カイルと会い、その後は彼女と関わっていたブルース=ウェインとも知り合う。過去の経緯から人間不信になっているものの、自分の面倒を見てくれているセリーナに対しては心を開いている。

ヴィクター=ザーズ(ミスター・ザーズ)…… アンソニー=カリガン
 ファルコーネの手下の殺し屋。殺人のたびにその数を肌に彫って記録する。

ハーヴェイ=デント …… ニコラス=ダゴスト(34歳)
 ハンサムで暖かく、魅力的な地方検事代理。ゴードン刑事と共にウェイン夫妻殺害犯を捜査する。
 のちにヴィラン「トゥーフェイス」となる人物。

レスリー=トンプキンス …… モリーナ=バッカリン(35歳)
 アーカム・アサイラムの女性病棟で働く精神科医。
 ゴッサム市長とローブ本部長の陰謀でアーカムに看守として左遷されてしまったゴードンと出会い、婚約者バーバラと擦れ違いを繰り返すことになってしまったゴードンと次第に恋仲になっていくも、殺人鬼オーガによって強制的に両親を殺害させられて正気を失ったバーバラに襲われ、危うい所をゴードンに救われる。

ギリアン=B=ローブ …… ピーター=スコラーリ
 ファルコーネと手を組んでいるゴッサム市警本部長。

ニコライ …… ジェレミー=デイヴィッドソン(42歳)
 ロシア系マフィアのリーダー。フィッシュ・ムーニーと手を組んでファルコーネ打倒を狙う。

リチャード=シオニス …… トッド=スタシュウィック(45歳)
 シオニス投資の CEO。地下で秘密の決闘クラブを運営している。

トミー=エリオット …… コール=ヴァリス
 ブルースをいじめる同級生。
 のちにヴィラン「ハッシュ」となる人物。

ラリッサ=ディアス(コッパーヘッド)…… レスリー・アン=ブラント(32歳)
 ウェイン夫妻殺害事件の証人であるセリーナを殺すために雇われたプロの暗殺者。

ジャック=ブチンスキー(エレクトロキューショナー)…… クリストファー=ハイアーダール(51歳)
 かつてマフィア時代に仲間だったマローニに裏切られた銀行強盗犯で、電気を利用した武器や技術を使ってマローニに復讐心を燃やす。逮捕後、アーカム・アサイラムで「ジャック=グルーバー」と名乗り他の囚人に電気療法の実験を行っていた。

アーノルド・ジョン=フラス …… ダッシュ=ミホク(40歳)
 ゴッサム市警の腐敗した麻薬捜査官。

ジェラルド=クレイン …… ジュリアン=サンズ(57歳)
 高校の生物教師。自身の重度の恐怖症を治療するために殺人鬼「トッド」となり、異常な実験殺人を重ねて恐怖を克服する研究を続けていた。

ジョナサン=クレイン …… チャーリー=ターハン(16歳)
 ジェラルド=クレインの息子。父の恐怖を克服する研究の実験台となる。のちにヴィラン「スケアクロウ」となる人物。

ジェローム=ヴァレスカ …… キャメロン=モナハン(21歳)
 スネークダンサーのライラ=ヴァレスカと占い師のポール=シセロの間に生まれた息子。

ジョン=グレイソン …… ロバート=ゴリー
 ハリーズ・サーカスのフライング・グレイソン一家のメンバー。
 後にバットマンの相棒ロビン(初代)となるディック=グレイソンの父親となる。

メアリー=ロイド …… アビー=スニー
 ハリーズ・サーカスのパフォーマー。ジョン=グレイソンの婚約者でライバル。
 後にバットマンの相棒ロビン(初代)となるディック=グレイソンの母親となる。

レジナルド(レジー)=ペイン …… デイヴィッド=オハラ(49歳)
 アルフレッドの特殊空挺部隊時代からの友人。突然ウェイン邸を訪ねて来る。

フランシス=ドゥルマーカー(ドールメーカー)…… コルム=フィオール(56歳)
 ヨーロッパのマッドサイエンティスト。人々を誘拐して人体実験や臓器売買に利用する。

収容所の所長 …… ジェフリー=コムズ(60歳)
 拉致した囚人の身体をドールメーカーに横流しする収容所の所長。

ジェイソン=レノン(オーガ)…… マイロ=ヴィンティミリア(37歳)
 自分の理想の女性を探し求め、合格しなかった者を次々と殺害する連続殺人鬼。

ルシアス=フォックス …… クリス=チョーク(27歳)
 ウェイン・エンタープライズに所属する天才技術者。両親の死を調べ続けるブルースと出会い、彼の父親であるトーマスが立派な人物であったと語る。それを機に、自身もウェイン・エンタープライズの抱えている闇について共に調べていくことになる。


第1シーズンのあらすじ
 新たにゴッサム市警に配属されたジェイムズ=ゴードン刑事は、ベテラン刑事のハーヴェイ=ブロックとペアを組み、トーマスおよびマーサ=ウェイン夫妻の殺人事件を捜査する。ゴードンはウェイン夫妻の遺児ブルースとその世話をする執事アルフレッドに会う。マフィアの手下のオズワルド=コブルポット、鑑識課員のエドワード=ニグマ、孤児のセリーナ=カイルとアイヴィー=ペッパー、地方検事代理のハーヴェイ=デント、医者のレスリー=トンプキンスなどが登場する。さらにゴードンは、マフィアのフィッシュ・ムーニー、カーマイン=ファルコーネ、サルヴァトーレ=マローニなどとも出会う。ゴードンはブルースの友人となり、やがてバットマンとなる少年に大きな影響を与えることになる。

シーズン1 全22話 2014年9月~2015年5月
シーズン2 全22話 2015年9月~2016年5月
シーズン3 全22話 2016年9月~2017年6月
シーズン4 全22話 2017年9月~2018年5月
シーズン5 全12話 2019年1月~4月
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする