映画『静かなる決闘』(1949年3月13日公開 95分 大映)
映画『静かなる決闘(しずかなるけっとう)』は、日本映画である。
原作は菊田一夫の戯曲『堕胎医』で、梅毒に感染した青年医師の苦悩を描いたヒューマンドラマ。東宝争議の影響で東宝を脱退した黒澤が、初めて他社で製作した作品である。第23回キネマ旬報ベスト・テン第8位、第4回毎日映画コンクール男優演技賞(志村喬)を受賞した。
菊田の戯曲『堕胎医』は、千秋実が主宰する劇団薔薇座によって1947年10月に東京・日劇小劇場で上演されており、演出は千秋の岳父である佐々木孝丸が担当した。黒澤が偶然にその舞台を観劇し感動したことから本作が企画され、これをきっかけに千秋は黒澤映画の常連俳優となる。
当時、黒澤が所属する東宝は第3次東宝争議(1948年4~10月)によって映画撮影が困難になっていた。黒澤は山本嘉次郎、谷口千吉、本木荘二郎らと「映画芸術協会」を設立して東宝を脱退し、他社での製作を余儀なくされた。その第1作が本作であり、以降『野良犬』『醜聞』『羅生門』『白痴』を他社で制作している。
あらすじ
太平洋戦争中、野戦病院で軍医として働いていた青年医師の藤崎恭二は、患者の中田進上等兵の手術中に誤って自分の指に怪我をし、中田の梅毒に感染してしまう。復員後、藤崎は父の経営する産婦人科医院で働くことになったが、梅毒の感染を隠し、婚約者の美佐緒と結婚することができずにいる。美佐緒は藤崎が自分に対して距離を置き、いつまでも親しくなれないことに苦悩していた。ある日、藤崎が自分の病気の秘密を父親に告白しているところを、見習い看護師の峰岸るいが立ち聞きする。峰岸は元ダンサーで暗い過去を持ち、藤崎の日頃の誠実な言動に反感を抱いていた。その後も藤崎は己の病と闘いながら、訪れる患者に対しては黙々と治療を続けていく。その一方で秘密を聞いたことで藤崎に対するわだかまりが解けた峰岸は、人間的に少しずつ成長していくのであった。そんな折、藤崎は偶然に元患者の中田と再会し、中田が自分の梅毒を放置したまま結婚し、近々子供が生まれることを知る。
おもなスタッフ(年齢は公開当時のもの)
監督 …… 黒澤 明(39歳)
原作 …… 菊田 一夫(41歳)
脚本 …… 黒澤 明、谷口 千吉(37歳)
音楽 …… 伊福部 昭(34歳)
おもなキャスティング(年齢は公開当時のもの)
藤崎 恭二 …… 三船 敏郎(28歳)
松本 美佐緒 …… 三條 美紀(20歳)
藤崎 孝之輔 …… 志村 喬(44歳)
中田 進 …… 植村 謙二郎(35歳)
野坂巡査 …… 山口 勇(45歳)
峯岸 るい …… 千石 規子(26歳)
中田 多樹子 …… 中北 千枝子(22歳)
看護婦・今井 …… 町田 博子(24歳)
≪本文まだです。≫
映画『静かなる決闘(しずかなるけっとう)』は、日本映画である。
原作は菊田一夫の戯曲『堕胎医』で、梅毒に感染した青年医師の苦悩を描いたヒューマンドラマ。東宝争議の影響で東宝を脱退した黒澤が、初めて他社で製作した作品である。第23回キネマ旬報ベスト・テン第8位、第4回毎日映画コンクール男優演技賞(志村喬)を受賞した。
菊田の戯曲『堕胎医』は、千秋実が主宰する劇団薔薇座によって1947年10月に東京・日劇小劇場で上演されており、演出は千秋の岳父である佐々木孝丸が担当した。黒澤が偶然にその舞台を観劇し感動したことから本作が企画され、これをきっかけに千秋は黒澤映画の常連俳優となる。
当時、黒澤が所属する東宝は第3次東宝争議(1948年4~10月)によって映画撮影が困難になっていた。黒澤は山本嘉次郎、谷口千吉、本木荘二郎らと「映画芸術協会」を設立して東宝を脱退し、他社での製作を余儀なくされた。その第1作が本作であり、以降『野良犬』『醜聞』『羅生門』『白痴』を他社で制作している。
あらすじ
太平洋戦争中、野戦病院で軍医として働いていた青年医師の藤崎恭二は、患者の中田進上等兵の手術中に誤って自分の指に怪我をし、中田の梅毒に感染してしまう。復員後、藤崎は父の経営する産婦人科医院で働くことになったが、梅毒の感染を隠し、婚約者の美佐緒と結婚することができずにいる。美佐緒は藤崎が自分に対して距離を置き、いつまでも親しくなれないことに苦悩していた。ある日、藤崎が自分の病気の秘密を父親に告白しているところを、見習い看護師の峰岸るいが立ち聞きする。峰岸は元ダンサーで暗い過去を持ち、藤崎の日頃の誠実な言動に反感を抱いていた。その後も藤崎は己の病と闘いながら、訪れる患者に対しては黙々と治療を続けていく。その一方で秘密を聞いたことで藤崎に対するわだかまりが解けた峰岸は、人間的に少しずつ成長していくのであった。そんな折、藤崎は偶然に元患者の中田と再会し、中田が自分の梅毒を放置したまま結婚し、近々子供が生まれることを知る。
おもなスタッフ(年齢は公開当時のもの)
監督 …… 黒澤 明(39歳)
原作 …… 菊田 一夫(41歳)
脚本 …… 黒澤 明、谷口 千吉(37歳)
音楽 …… 伊福部 昭(34歳)
おもなキャスティング(年齢は公開当時のもの)
藤崎 恭二 …… 三船 敏郎(28歳)
松本 美佐緒 …… 三條 美紀(20歳)
藤崎 孝之輔 …… 志村 喬(44歳)
中田 進 …… 植村 謙二郎(35歳)
野坂巡査 …… 山口 勇(45歳)
峯岸 るい …… 千石 規子(26歳)
中田 多樹子 …… 中北 千枝子(22歳)
看護婦・今井 …… 町田 博子(24歳)
≪本文まだです。≫