長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

こっちもやらな! ドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』シリーズの冒険 《これまた7年ぶりの本文!!》

2021年09月19日 19時36分19秒 | ミステリーまわり
 いやはや、こちらもなんと不信心なことか……『名探偵ポワロ』シリーズの7年ぶり本文以上に、罪深い!! でも、私以外のひとにとっては、本文が出ようが出まいが心底どうでもいいという。個人ブログだねぇ、どうにも。

 いりもしない前置きであることを承知の上で振り返りますと、この超名作ドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』シリーズに関する放送リストなどをまとめた「資料編」を我が『長岡京エイリアン』にて2014年にまとめてみたのは、同じくイギリスを代表する名探偵を長期ドラマシリーズ化した『名探偵ポワロ』が、ついに原作小説の最終話である『カーテン』のドラマ化をもって堂々完結したというニュースを受けて思い立ったからなのでありました。
 そっちの記事のタイトルにもしましたが、実にうらやましい! アガサ=クリスティのポワロもの原作小説のほぼ全てを映像化したということの、ものすごさよ!! それだけでも大変なことなわけですが、私そうだいは、同じイギリスの名探偵ではあるものの、エルキュール=ポワロさんの大先輩にあたるシャーロック=ホームズの物語を見事に映像化したグラナダテレビ制作のドラマ『シャーロック・ホームズの冒険』シリーズ(6シリーズ全41話)に魂をもぎ取られてしまった信者でございますので、「全話ドラマ化」という偉業のうらやましさといったら、あーた……涙が出てきますよね。

 グラナダホームズ! グラナダホームズ!! とは言いましても、別にこれは「グラナダさん」という人がホームズを演じたわけではないので、ほんとだったら「天知小五郎」とか「古谷金田一」とか「スーシェポワロ」のように、ホームズを演じられたのがジェレミー=ブレット(1933~95年)なんだから「ブレットホームズ」と言うべきなのでしょうが、なんで、世間的には「グラナダホームズ」と言った方が通りがいいのでしょうか? なじょして?
 思うにこれは、ブレット演じるホームズも含めて、名パートナーのワトスン、ハドスン夫人、ベイカー街221B の下宿、ヴィクトリア朝はなやかなりしロンドン、そしておどろおどろしい怪事件の顛末といった、外箱いっさいがっさいをひっくるめての「グラナダテレビが作った番組『シャーロック・ホームズの冒険』」の尊称だから「グラナダホームズ」なのでしょう。主役だけを切り取って、その魅力を語れるものではないのです。
 そしてもうひとつ! グラナダホームズを1エピソードでも観たら、「ジェレミー」だなんて軽々しく呼べるわけないじゃないっすかぁ! その神々しさ、気高さ、エキセントリックな立ち居振る舞い。もう畏れ多くて……だからこその「グラナダホームズ」なんじゃないかな、たぶん。少なくとも、わたしはそうです、はい。

 ジェレミー=ブレット(そう言いながらも呼んでしまいます)のまさしく「役者の業」といいますか、文字通り命を賭けた、賭けてしまった『シャーロック・ホームズの冒険』シリーズのすばらしさは、それこそちょっとでもネットで調べてみたらすぐにわかりますし、我が『長岡京エイリアン』でもすでに、かなり初期の記事で語らせていただいております(好きなくせにタイトルが失礼すぎる)ので繰り返しませんが、このシリーズの偉業が、NHK BSプレミアムで今年の8月から再放送されているということで、あと、同じチャンネルでずっと放送されていた『名探偵ポワロ』シリーズも先日無事に終了しましたことですし、今さらながら、こちらも7年ぶりに本文記事をつづってみようかいという運びとなりました。大ファンとかぬかしてるわりに、おっせーなぁオイ!!

 わたくしのミステリー遍歴を申しますと、まずは何はなくとも、小学校の図書室で出会った江戸川乱歩の『少年探偵団』シリーズがあったわけなのですが、それとほぼ同時に、有名なシドニー=パジェットのイラストを同時収録した『シャーロック・ホームズ』シリーズ(偕成社)も読んでいまして、それがまぁスリリングな読書体験だったんですよね。当然ながら、コナン=ドイルの筆による天才私立探偵ホームズの神のごとき名推理の数々にも心酔したのですが、それと同じくらいにすばらしかったのが、パジェットやその後進画家による、迫力たっぷりの名場面イラスト! 『バスカヴィル家の犬』なんか、手に汗握っちゃいました。『ライゲイトの地主たち』の発作ホームズの顔、めちゃくちゃ怖かった……グラナダ版で観たかったなぁ!
 そんなこんな大興奮しているうちに、1985年からNHK にてグラナダホームズの日本語吹替え版の放送が始まっちゃったのですから、このドンピシャぶりに当時のそうだい少年が歓喜しないわけがありません。そりゃもう、目を皿のようにして、見入った見入った!
 今になってよくよく観返してみますと、ジェレミー=ブレットはパジェット描くホームズに比べてあまりにもハンサムすぎで、外見だけだとそう似ているとも言えないのですが、それを補って余りある、周辺セットから衣装、小道具にいたるまでの原作リスペクト魂モリモリな再現度と、ジェレミーの「ハイこの人天才。」と観る者をうならせる身のこなしの鮮やかさよ!!
 思うに、グラナダホームズにおけるキャスティングは、原作イメージに似ている俳優を選ぶという判断は存在しておらず、むしろ「オレがこれからの原作なんじゃい!!」と言い出しかねないくらいの演技的引力を持った個性を求めていたのではないのでしょうか。ジェレミーのホームズもそうなんですが、兄貴マイクロフト=ホームズを演じたチャールズ=グレイも、んまぁ~気持ちいいくらいに原作イラストに似ていません。いろんな事情があってそうなったのですが、グラナダ版マイクロフトは4エピソードも登場して、しまいにゃ弟ばりに変装捜査もこなしてしまう超行動派!! ほんとにディオゲネス・クラブの会員なのか!? でも、そこらへんは魅力的演技でねじ伏せているんですよね。
 だから、グラナダホームズを評してただ「原作に忠実」というのは当たっていないような気はします。原作が書かれた時代、つまりヴィクトリア朝文化風俗の可能な限りの忠実な映像化という点ではそうなのでしょうが、原作小説には原作小説の世界があり、グラナダホームズにはグラナダホームズのパラレルな世界があるのです。これはもう、両者の中でのホームズの人生の歩み方こそがその最たるもので、ドラマシリーズが進めば進むほど、ぜんぜん別物になりますよね。
 ところで、このシリーズではホームズの相棒のワトスンを演じる俳優は途中で交代するので2人いるのですが、初代デイヴィッド=バークはいかにも元軍人な青さの残る、素直な性格の紳士としてのワトスンを、2代目エドワード=ハードウィックは開業医としての本業も安定して落ち着きが出てきたものの、時には曲がったことが許せず年甲斐もなくちょっぴり短気になってしまうアツさもあるワトスンを見事に演じています。どっちも、非常にワトスンです。『三人ガリデブ』のあの名場面、ぜひともホームズとワトスンで映像化してほしかった……

 グラナダホームズによるホームズもの原作全作品の映像化という夢はかなわなかったのですが、原作の天才名探偵ホームズとはまったく違う、病気と老いにさいなまれ、一挙手一投足がしんどそうに見えてきたシリーズ後期のジェレミーが、それでもなお演じ続けるホームズの姿。ここにこそ、グラナダホームズの魅力、「おもしろい」と表現するにはあまりにも痛々しい、それでも何度も観返さずにはいられない魔力が込められているような気がします。そりゃもう、50代とは信じられないくらいに若々しいジェレミーが軽快にズバズバ事件を解決していく前期も最高なわけですが、後期の、「最高」ができなくなったジェレミーによる「唯一無二」のホームズも、いいんだよなぁ~。もっとも~っと、とっくべっつな、オ~ンリ~ワ~ンなんですよね!! マッキーもうまいこと言ったもんだよぉ。

 そんなグラナダホームズの珠玉の軌跡を、毎週リマスターで、しかも露口茂の激シブな吹替え版で堪能できるという、この幸せよ!! 今から20年ほど前の大学生時代、当然のごとく原語版しか収録されていない日本クラウンの VHSビデオシリーズを集めるしかなかった私には想像することもできなかったすばらしい未来!! もちろん、ジェレミーの唄うようなセリフ回しの味わいを教えてくれたビデオシリーズには感謝しかありませんが、ビデオって、画質も音質もそんなに良くはなくて、特に BGMとか効果音がかなり小さかったんですよね。後年、DVDで観て「えっ、ここ音楽流れてたんだ!?」とビックラこいたシーンがいっぱいあったよ。『まだらの紐』も、肝心かなめの不気味な真夜中の笛の音がじぇんじぇん聞こえてこなかったし!
 ただ、放送が平日水曜の夜9時っていうのが、『名探偵ポワロ』の土曜の夕方に比べて、ちとツラいんだよなぁ……こっちの勝手な都合なんで言ったってしょうがないんですが、明日も仕事あるし、精神的余裕を持ってドラマを楽しめないんですよね。いやいや、文句は言うまいて!

 改めて振り返ると、グラナダホームズはたった11年の放送期間(1984~94年)だったわけなのですが、はっきり言って『名探偵ポワロ』の放送期間24年よりも長く濃密な時間が流れているような気になってしまいます。そりゃもう、第1話『ボヘミアの醜聞』と最終話『ボール箱』を見比べてみてくださいよ……シャレになんない!! シャレにならないくらいの、ジェレミーの演技の深化。天才的名探偵が変幻自在に変装して、一国が傾きかねない大スキャンダルを手中に握る世紀の女傑を向こうに回して華麗に立ち回る『ボヘミアの醜聞』のほうが大好きという方がほとんどでしょうが、私は断然、しょうもない好いた腫れたのドロドロ人間関係の末に起こってしまった悲惨な事件を淡々と解決して、大きなため息をつきつき「なんでこんなことばっか繰り返すの? 人類、バカなの!?」とやるせない怒りをぶちまける『ボール箱』のほうが、超絶好き好き!!
 グラナダ版『ボール箱』って、クリスマスシーズンに起きた事件なんですよ。ホームズがワトスンにクリスマスプレゼントを贈ったりしてんのよ!? それなのに、あんな陰惨すぎる事件だし、ジェレミー最後のホームズだし……もう涙、涙ですよ。
 しかも、それまで薬物治療の悪影響で第4シリーズの後半あたり(1988年ごろ)から徐々に始まり、第34話『サセックスの吸血鬼』(1992年)くらいからいよいよのっぴきならなくなってきていたジェレミーの不健康な肥満が、第40話『マザランの宝石 / ガリデブが三人』での入院降板を経て復帰したのちの最終第41話『ボール箱』では、すっかりやせ細って初期シリーズのころの体形に戻っているんですよね。でも、それって、健康的なダイエットなはず、ないよね……

 リアルタイムで日本語吹替え版が順次 NHKで放送されていた当時、闘病中というジェレミーの事情を露ほども知らず、エピソードを追うたびに太っていくホームズを見て正直ガッカリしていた中学生の私は、『ボール箱』で久しぶりにスリムになった姿を観て無邪気に喜んでいたのですが、あれは魂の最後の輝き、生きるという呪縛から解放された者のはばたきの瞬間をとらえた奇跡の一作だったのです。最後の作品でワトスン、いや、ハードウィックに餞別の自転車用マントを贈ったジェレミーの笑顔……

 最近になって知ったのですが、なんでも、最終シーズンとなった第6シリーズ『シャーロック・ホームズの思い出』(ギャー、タイトルがもう反則よ!!)が初期シリーズのような「50分サイズ短編を6話」形式だったのは、ドラマ制作サイドがその前まで続いていた「短編をふくらませた2時間サイズ長編」形式を踏襲して新作を撮影しようとしていたところ、ジェレミーから反対の声があって急遽変更したのだそうです。
 私個人の意見を言わせていただければ、そりゃ確かに2時間ものはドイルの原作からだいぶ離れているところもあったので毀誉褒貶が激しかったのですが、それでもジェレミー演ずるホームズが観られるのならば、そっちの路線でもぜんぜん問題はなかったと思います。第35話『未婚の貴族』なんか、ともかくクセが強すぎるけど、グラナダホームズでしか現出せしめられない「悪夢のような」境地でしたよね……
 でもおそらく、自分に残された時間を考えるとそんな悠長なことも言ってられないという焦りもあったのでしょうし、ドラマ制作スタッフにも「とにかく1作でも多くのグラナダホームズを世に出したい。出してあげたい。」という共通の想いはあったのでしょうね。その結果、短編だとしても6本分ということで、撮影期間が2時間ドラマで想定していたよりも長くなってしまい、ワトスンを演じるハードウィックが先に入れていた映画撮影のスケジュールに重なったためにお休みするエピソードがあったり(第38話『金縁の鼻眼鏡』)、あまりの過酷さにジェレミーが倒れるという事態になってしまったのだと思われます。6話が6話とも『瀕死の探偵』じゃねぇかァ!! うえ~ん、笑うに笑えないよう!!

 初期の第3シリーズくらいまでの若々しいジェレミーが、快活にちょちょいのちょいでエピソードの映像化をこなしていき、だいたい2000年くらいに『最後の挨拶』で見事にしめくくりホームズもの全原作のドラマ化に成功するという世界線も、あってよかったとは思う! ハードウィックのワトスンも、ロザリー=ウィリアムズのハドスン夫人も、2000年までなら大丈夫! チャールズ=グレイのマイクロフトはぎりぎり(2000年没)!! だいいちジェレミーだって、2000年まで生きていたとしても、まだまだこれからの67歳なんですよ……神様、あと5年くらい時間をあげたって、良かったじゃないのよう!
 でも、晩年近くのあの痛々しすぎる姿を見てしまうと、「もっと長く生かしてあげたい」などという無慈悲な言葉、たとえ大ファンだとしても、いや、大ファンだからこそ、出ようはずもなく。生きることとは、まさに苦しむこと。あれが天命でいいじゃないか! 楽にさせてあげようじゃないか、とも。

 かようにも、グラナダホームズに思いをはせると感情はとめどなく大洪水を起こしてしまう私なのですが、最初にブラウン管(古!!)で出会ってしまった1985年から、すでに36年もの時間が経過してしまいました。それでもなお、何十回、何百回観ても、新しい感動、おもしろさは必ず見つかります。いくらオッサンとなったと言っても、ジェレミーがホームズを演じ始めた51歳にはまだおよばない若造ですからね。今週も、勉強させていただきます、ホームズ先生~!!

 ちなみに、自称ミステリー好きとして大きな声では言えないのですが、あんなに話題になっているベネディクト=カンバーバッチ版の『シャーロック』シリーズは、劇場公開された『忌まわしき花嫁』しか見てませんです……当然、ロバート=ダウニーJr 版も観てない!!
 嗚呼、グラナダホームズの呪縛はかくも強烈……ってすんません、他人のせいにしてないで、ちゃんとそのうち観ま~っす!!
 ……顔が野村萬斎みたいなのが、な~んかうさん臭くて受けつけないんだよな……ったく、ジュード=ロウがホームズやってくれよ……ブツブツ。
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おめでとう、モナミ~  ドラマ『名探偵ポワロ』シリーズの堂々完結をうらやむ ≪7年ぶりの本文……≫

2021年09月12日 21時57分42秒 | ミステリーまわり
 いや~、ひどいもんでございますよ。
 これ、元の記事が2014年に出したやつなんですよ。7年越しの2021年にようやっと本文ってわけよ! まぁ、待ってたという超奇特なお人もそうそうはおられないだろうし、特にどうってこともないとは思うのですが。

 当時2014年3月に、あの『名探偵ポワロ』シリーズに関するあれこれをまとめてみたのは、その前年2013年にイギリス本国でついにポワロ最後の事件である『カーテン』を最終話とする第13シーズンが堂々放送されたというニュースを受けてのもので、この記事の約半年後、2014年9~10月に NHKで放送された日本語吹替え版については、放送されていないので当然まったく触れていません。まぁいずれ放送されるんだろうけど、ポワロ役の熊倉一雄さんのお歳もお歳(当時87歳!)だしなるべく早く吹替え版を作ってほしいなぁ~、と思っていたのでした。
 結局、記事を出してすぐ熊倉版の『カーテン』も無事に世に出て、日本における『名探偵ポワロ』シリーズも終わってホッと一安心とはなったのですが、まるでこのお仕事をもって肩の重い荷が下りたとでも言わんばかりに、熊倉一雄さんは翌2015年10月12日にご遠行。まさしく『名探偵ポワロ』シリーズは、私立探偵エルキュール=ポワロの生涯を描き切ったと同時に、俳優デイヴィッド=スーシェと声優・熊倉一雄にとってもライフワークとなった伝説のドラマだったのですな。スーシェさんはまだまだご健在ですが!

 んで、あそこまで資料をずらずら~っと載っけておきながら、肝心かなめの第13シーズン(というか『カーテン』)を観てないという重大な欠陥があったことと、まぁなんやかやで忙しかったこともありまして、2014年当時はついにたどり着けなかった本文に、今回やっとたどり着いたと! いや、NHK版が初放送された秋ごろに本文出せばよかったのに、そのタイミングを逃したから7年後にやっと書いたという、このザマです。

 そうなんですよ。今回突然、思いだしたかのように『名探偵ポワロ』に関するつれづれを書こうと思い立ったのは、その熊倉一雄さんがお亡くなりになった2015年10月12日の直後となる10月24日から、NHK BSプレミアムで放送が開始された『名探偵ポワロ』シリーズの「ハイビジョン・リマスター版」が、つい昨日の2021年9月12日の最終話『カーテン』放送をもって完結したことがきっかけなのです。いや~、長かったですね! 毎週土曜日夕方に1話ずつやってたから、まるまる6年かかったわけですな。途中で、ポワロが出ない全く別口のクリスティ原作ドラマとか、ジョン=マルコビッチのポワロとかもやってましたよね?
 いや~、毎週毎週、この再放送は楽しみにして観てました。ほんと、毎回毎回必ずチェックしていた唯一のテレビ番組でしたよ。それがついに昨日で終わってしまった……一体これから何を楽しみにして生きていけばよいのだ!? 来週からこの枠なにをやるんだろ。

 今回のハイビジョン再放送版は6年間も放送していたのですが、そもそもイギリス本国の13シーズン全70話(1989~2013年)も、その日本語吹替え版(1990~2014年)もおよそ四半世紀もの歴史があったわけですから、そこから見ればかなりの駆け足でスーシェポワロの生涯を(おもに定年後の後半生ですが)堪能するという幸せな時間なのでございました。1930~40年代のアール・デコ美術、落ち着いた俳優たちの名演対決、クリストファー=ガニングのオシャレすぎるテーマ曲、もう最高の休日~!!
 ちょうど折も折、私が実家の山形に帰ってきて現在の生活を始めたのが2015年だったので、NHK版の初放送時に見逃していたエピソードも含めて、ほぼ全てのポワロ探偵譚を楽しむことができました。1990年代まで放送されていた約50分の短編エピソードはなつかしく軽快、それ以降の最終話まで続く約100分の長編エピソードは濃密なドラマと老いたるポワロの寂寥感たっぷり……リアルにお歳をとっていくスーシェポワロの魅力の変遷を観るだけでもう充分! 正直、肝心の原作のおもしろさがイマイチだったとしても、まぁまぁスーシェの立ち居振る舞いやゲストヒロインの美しさを眺めるだけで合格点はいけるというとてつもないドラマシリーズなのでした。
 それで、計画通りに主要な原作はほぼ全部無事に映像化しおおせてるんだもんなぁ~!! ほんとにうらやましい、うらやましい!! なにはなくとも、私はグラナダ版『シャーロック・ホームズの冒険』シリーズ(1984~94年)の信奉者なんですから、うらやましいったらないよコンチクショ~!!
 なにがうらやましいって、挙げればたくさんあるんですが、特に素晴らしいのは以下の3点ですよね。

・原作小説をさらにおもしろくしながら放送時間に収めるアグレッシブな姿勢と、その成功率の高さ
・主演スーシェの心身ともに健康な演技
・最終話『カーテン』への収束を意識した、シリーズを通底する計画性の高さ

 うらやましいよ……これらぜ~んぶ、グラナダホームズで欲しかったやつ! でも、かなわなかった……

 原作小説をさらにおもしろく、という点で、ほんとに感心して私も画面を観ながら「うをを!」と思わずうなってしまったのは、なんと言っても第56話『葬儀を終えて』(2006年 第10シーズン)のクライマックスにおける犯人の「あの行動」でしたね! いや~あれはすごかった!!
 あの振る舞い、原作小説にはぜんぜん無くて、ポワロに犯行動機を言い当てられたことに半ば満足したような落ち着きをもって退場するはずだったのですが、まさか、あの場にいた人全員が凍りつくような、あんな感じのオリジナルアレンジをブッこんでくるなんて……あれをもって、犯人もまた、自分が計画的に作り出したはずの犯罪に、逆に心を蝕まれてしまった犠牲者なんだな、というサイコサスペンスな味わいを見事に残しているんですよね。トリックもよくよく想像すれば噴飯すれすれなアブないワンアイデアものなのですが、もう一度、いや何度でもドラマを最初から観返してみたくなる犯人役の方の凄絶な演技でした。
 もっと言うと、あの時の犯人の演技を、本人のしゃべる原語版と日本人の声優さんの吹替え版とで見比べてみたのですが、淡々とリアルに演じている原語版よりも、ややオーバーにキャラクターを誇張している吹替え版のほうが数倍こわかったです。いろんなおもしろ要素があるので軽々には言えないのですが、私個人としては、『名探偵ポワロ』シリーズのベストエピソードは、やっぱりこの『葬儀を終えて』と、同じくクライマックスでの犯人の立ち居振る舞いに、その人の業がまとわりつきすぎている第50話『五匹の子豚』(2003年 第9シーズン)の2作が同率トップでしょうか。いや~すごすぎる。
 いろいろ、100分の枠におさめるためのアレンジ&簡略化がきつすぎるとか、同性愛などの現代的な問題の盛り込み方が強引だとかいう批判もあるかとは思うのですが、果敢なチャレンジだと思うし、現に成功率も高かったような気はしています。はぁ~、グラナダホームズも、後期の長編ものはチャレンジはしているんですけれども、成功かというと、それは……でもでも、私がいちばん好きなグラナダホームズのエピソードは『サセックスの吸血鬼』ですよ! いや、ホントホント、無理してないってば!!

 あとはもう、もちろん42歳からポワロ役を始めて最後は67歳になっていたわけですから、スーシェさんも相応にお歳を重ねてはいたのですが、ポワロ自体がもう本業(警察官)を定年退職した後の私立探偵業ですから、そんなに激しいアクションがあるはずもなく、かなり肉体的&精神的な余裕をもって計画的かつ健康的にポワロの「老い」と「死」を表現しきることができた点に、このシリーズの幸運があったのではないでしょうか。裏方の制作に関しては相当な紆余曲折があったようなのですが、スーシェポワロがいるんだから大丈夫!という安心感は絶大だったのではないでしょうか。スーシェさんより20歳も年上の熊倉一雄さんも、さすがにシリーズ後半は滑舌に多少の変化こそありましたが、演技に支障が出るという程ではなかったかと思います。人間、やっぱり健康が第一だ!!
 満を持して完成したスーシェ版『カーテン』は、24年も続いたシリーズの最終話というよりは、ひとりの天才ポワロが、ついに「生身の人間」となってその生涯を終えたという原作『カーテン』をかなり忠実に映像化したという点が強く、せっかく最終シーズンで再集結したジャップ警部もレモンさんも、オリヴァ夫人も登場することなく、きわめてしめやかに放送されました。もちろん、ヘイスティングズとの別れはしっかり描かれているのですが、あの最後の事件の犯人が末期に見せた表情は、ポワロ最後の事件が決して勝利で終わったものではないことを如実に示しています。後味がよくないんですよね!
 ただし、ポワロの大いなる苦悩は『カーテン』にいたるまで様々なエピソードでその伏線が張られており、特にあの第64話『オリエント急行の殺人』(2010年 第12シーズン)なんかはその最たるもので、1974年の絢爛豪華な映画版を知っている人にとっては、なんでそんなに辛気臭くすんの!?という暗さと深刻さに満ち満ちていたと思います。でも、『名探偵ポワロ』シリーズとしては絶対に避けられない選択だったんでしょうね。後期エピソードに共通している、徐々に老いていくポワロを丁寧に見つめる描写こそが、最終話『カーテン』へと通ずる確とした伏線だったわけなんです! 『北の国から』の黒板五郎みたい!!

 われらがグラナダホームズもそうでしたが、天才探偵が快刀乱麻を断つスタイリッシュな前期が良いか、それとも人間として老い、他人を裁くという行為に探偵が苦悩する重厚な後期が良いか。同じシリーズでありながらも味わいが全く違う部分が出てくるのが、上質な長期ドラマシリーズの魅力なんですよね!

 第65話『複数の時計』(2011年 第12シーズン)で、ポワロの「ワトスン役」が、あのデイヴィッド=バーク(グラナダホームズの初代ワトスン!)の息子トム=バークだったり、特別ゲストでデイヴィッド=バークや2代目ワトスンのエドワード=ハードウィックが出たり、ジェレミー=ブレットの元嫁さん(アンナ=マッセイ 『フレンジー』)が出たりと、『名探偵ポワロ』シリーズは、まるで「グラナダホームズを偲ぶつどい」のような様相も呈していました。うれしすぎるサービス!
 先述した『葬儀を終えて』では、グラナダホームズシリーズでも随一の鬼畜っぷりを誇る殺人鬼グルーナー男爵を演じていたアンソニー=ヴァレンタインが、陽気なイタリア人のおっちゃん役で出てきていたし、ネタバレになるので名前は出せませんが、第63話『ハロウィーン・パーティ』(2010年 第12シーズン)では、ある人によるグラナダホームズのファンならば思わず爆笑してしまう演技がクライマックスで炸裂してしまいます。「おいおい、この人またおんなじことやってるよ~!!」みたいな。でも、本人はふざけてるつもりでなく100%本気で演じてるからいいんですよね。ダチョウ倶楽部みたいな伝統芸能的名演技。

 デイヴィッド=スーシェの『名探偵ポワロ』シリーズ、語りたいことはもっとも~っとタケモットあるのですが、ともかく、この奇跡の傑作群を世に出した製作スタッフ陣に大いに感謝したいと思います。大人のドラマづくりを最後まで貫いてくださったその姿勢に、敬礼!また再放送してくださ~い!!
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ちょこっとメモ 世界&日本オカルト史

2021年09月01日 21時09分12秒 | 日本史みたいな
『日本懐かしオカルト大全』  2018年1月   寺井広樹、白神じゅりこ・著   並木伸一郎・監修

1848年
 アメリカ・ニューヨーク州ハイズビルのフォックス3姉妹による降霊術が話題となり、アメリカ・ヨーロッパで降霊会ブームが沸き起こる

1852年
 イギリス・スコットランドの降霊術師ダニエル=ダグラス=ヒュームが、降霊会中に空中浮遊を披露し話題となる

1917~20年
 イギリス・ウエストヨークシャー州コティングリーで少女たちが撮影した妖精の写真が話題となる …… 小説家コナン=ドイルが本物だと主張する

1933年
4月
 イギリス・スコットランド地方のネス湖で、ホテルを経営しているマッケイ夫妻が湖面を泳ぐ怪物の姿を目撃する …… 現代におけるネッシーの初目撃
11月
 イギリス・スコットランド地方のネス湖で、ヒュー=グレイによって湖面をのたうつ怪物の姿が撮影される …… ネッシーを捉えた最初の写真

1934年
 カナダ・ブリティッシュコロンビア州オカナガン湖で、首長竜のようなUMA「オゴポゴ」が撮影される …… 1872年から目撃されているUMA
4月
 イギリス・スコットランド地方のネス湖で、産婦人科医ロバート=ケネス=ウィルスンによって湖面から長い首を出す怪物の姿が撮影される …… 1994年に捏造写真であることが暴露される

1936年
 イギリス・ノーフォーク州のタウンゼント侯爵の邸宅レイナム・ホールで半透明の幽霊「茶色の貴婦人」の写真が撮影される

1944年
12月
 アメリカの新聞紙『ニューヨーク・タイムズ』にて、連合国軍の戦闘機パイロットが目撃した未確認飛行物体「フー・ファイター」の存在が報道される

1945年
12月
 アメリカ海軍TBMアベンジャー雷撃機5機の編隊「フライト19」が、大西洋のバミューダ・トライアングル海域(マイアミ、プエルトリコ、バミューダ間)で訓練飛行中に失踪する …… フライト19事件

1947年
6月
 モーリー島事件(アメリカ・ワシントン州タコマのモーリー島沖)…… ドーナツ型の空飛ぶ円盤
 ケネス=アーノルド事件(アメリカ・ワシントン州レーニア山)…… 「フライング・ソーサー(空飛ぶ円盤)」の初出
7月
 ロズウェル事件(アメリカ・ニューメキシコ州ロズウェル)…… 空飛ぶ円盤の墜落事件
 MJ-12設立 …… アメリカ・トゥルーマン大統領直属の空飛ぶ円盤調査委員会

1948年
1月
 マンテル事件(アメリカ・ケンタッキー州ゴッドマン空軍基地)…… 人類初の空飛ぶ円盤襲撃墜落死事件
7月
 トマトマン事件(アメリカ・メキシコ国境)…… 空飛ぶ円盤の墜落と宇宙人の遺体回収事件

1950年
7月
 ダニエル=フライ事件(アメリカ・ニューメキシコ州)…… 人類初の空飛ぶ円盤に乗った人間と空飛ぶ円盤の撮影

1951年
11月
 ヒマラヤ山脈でイギリス人登山家エリック=シプトンが雪男イエティの足跡を写真撮影する …… 古代から語られる雪男の足跡の初撮影

1952年
3月
 プロジェクト・ブルーブック発足 …… アメリカ空軍の極秘空飛ぶ円盤調査報告書(1940~69年)
7月
 トゥルーマン=ベスラム事件(アメリカ・ネバダ州ラスベガス)…… 宇宙人(クラリオン星人)との対話
9月
 フラットウッズモンスター事件(アメリカ・ウェストヴァージニア州ブラクストン郡フラットウッズ)…… 空飛ぶ円盤と身長3mの宇宙人の目撃
11月
 ジョージ=アダムスキー事件(アメリカ・カリフォルニア州モハーヴェ砂漠)…… 人類初の宇宙人(金星人)との対話、アダムスキー型円盤の初出
 ジョージ=H=ウィリアムスン事件 …… アダムスキーの知人、太古宇宙飛行士来訪説、宇宙人(シリウス星人)との対話

1953年
 日本の佐賀県伊万里市の酒蔵「松浦一酒造」の創業者・田尻家の屋根裏から、箱に入った「河童のミイラ」が発見される

1954年
2月
 セドリック=アリンガム事件(イギリス・スコットランド海岸)…… 空飛ぶ円盤と火星人との遭遇
7月
 バック=ネルソン事件(アメリカ・ミズーリ州)…… 金星人との対話と、宇宙旅行
11月
 花束を奪った宇宙人事件(イタリア・トスカーナ州チェンニーナ)…… 2人の宇宙人がロッティ夫人の花束とストッキングを奪う

1955年
5月
 アメリカ・オハイオ州ブランチヒルの道路上で、怪人「カエル男」が初めて発見される …… 1972年にも目撃される
7月
 日本初の空飛ぶ円盤研究会「日本空飛ぶ円盤研究会(JFSA)」が東京で発足(初代会長・荒井欣一)
 
1959年
 ハワード=メンジャー事件(アメリカ・ニューヨーク州)…… 宇宙人との対話と月面旅行、体験記『外宇宙からあなたへ』
8月
 日本の随筆家・山本素石が、京都府京都市北部の峠で怪蛇ツチノコに遭遇した体験談を釣り雑誌に掲載する

1961年
 アメリカの月面探査計画「アポロ計画」の開始
9月
 ベティ&ヴァーニー=ヒル夫妻誘拐事件(アメリカ・ニューハンプシャー州・国道3号線)…… 宇宙人の人類誘拐と強制実験事件

1963年
6月
 ポール=ヴィラ事件(アメリカ・ニューメキシコ州ペラルタ)…… 空飛ぶ円盤の撮影

1964年
12月
 オーストラリア沿岸で、フランス人写真家ロベルト=セレックが大海蛇シーサーペントのカラー写真を撮影する …… のちに捏造写真であると語られる

1966年
11月
 アメリカ・ウエストヴァージニア州ポイントプレザントで、巨大な翼を持つ怪人「モスマン」が初めて目撃される

1967年
3月
 農夫キャロル=ワッツが葉巻型空飛ぶ円盤を撮影(アメリカ・テキサス州)
6月
 ウンモ星人の空飛ぶ円盤を撮影(スペイン・マドリッド郊外)
9月
 空飛ぶ円盤による家畜虐殺キャトル・ミューティレーションが初めて確認される(アメリカ・コロラド州アラモサの牧場)
10月
 アメリカ・カリフォルニア州ブラフクリークのロッキー山脈森林で、ロジャー=パタースンとボブ=ギムリンが16mmフィルムで獣人ビッグフットを撮影する
12月
 アメリカ・ウエストヴァージニア州ポイントプレザントで橋が崩落し、46名の死者が出る大事故となる …… その後、怪人「モスマン」は目撃されなくなる

1969年
7月
 アメリカNASAの宇宙船アポロ11号が人類初の月面着陸に成功、その途上で複数のUFOに遭遇する

1970年
 日野日出志のホラーマンガ『蔵六の奇病』がマンガ雑誌『少年画報』(少年画報社)に掲載され話題となる
7月
 日本の広島県比婆郡西城町油木の六ノ原ダム付近(比婆山連峰)で、獣人ヒバゴンが初めて目撃され、その後複数の目撃が報告される
12月
 日本の広島県比婆郡の比婆山連峰吾妻山で、獣人ヒバゴンの足跡が発見される

1971年
 スペイン・アンダルシア地方のペルメス村にあるペレイラ家の床や壁に複数の人面が浮き出る現象が発生する …… 現象は2005年まで続く
 日本で心霊研究家・中岡俊哉の著書『テレパシー入門』(祥伝社)がベストセラーとなり超能力ブームが始まる

1972年
 アメリカNASAの宇宙船アポロ16号の月面探査時にUFOが撮影される
 オカルト研究家・佐藤有文の文章による児童書『ジャガーバックス いちばんくわしい日本妖怪図鑑』(立風書房)が刊行され大ヒットとなる
8~9月
 日本の高知県高知市介良(けら)で、中学生が小型の空飛ぶ円盤を捕獲する「介良事件」が発生

1973年
 日本テレビ系列『お昼のワイドショー』内のお盆企画コーナーで、放送作家で心霊研究家の新倉イワオが司会を務める心霊番組『あなたの知らない世界』が開始される
 テレビ特番『石原慎太郎の国際ネッシー探検隊』が放送され、日本でネッシーブームが沸き起こる
 つのだじろうのホラーマンガ『恐怖新聞』、『亡霊学級』、『うしろの百太郎』が連載開始されヒットする
 矢口高雄のマンガ『幻の怪蛇バチヘビ』がヒットしツチノコブームが沸き起こる
 小説家・小松左京のSF長編小説『日本沈没』が売り上げ部数430万部の大ベストセラーとなる
 五島勉による著書『ノストラダムスの大予言』(祥伝社)がベストセラーとなり世紀末ブームが沸き起こる
6月
 日本の秋田県秋田市のカトリック教会「聖体奉仕会」で、木造の聖母マリア像に聖痕が出現したり汗や涙を流す現象が起こる …… 現象は1981年まで続く
10月
 アメリカ・ミシシッピー州パスカグーラで夜釣り中の2人が空飛ぶ円盤に拉致される「パスカグーラ事件」が発生

1974年
 超常現象研究家・中岡俊哉の著書『狐狗狸さんの秘密』(二見書房)が売り上げ30万部のヒットを記録し、日本全国の小中学校を中心に「コックリさん」が社会現象となる
 西洋の悪魔祓いをテーマとしたホラー映画『エクソシスト』が日本で公開され、興行収入第1位の大ヒットとなる
 楳図かずおの少女ホラーマンガ『洗礼』が連載開始されヒットする
3月
 アメリカから来日した超能力者ユリ=ゲラーが出演するTV番組『木曜スペシャル 驚異の超能力!!世紀の念力男ユリ・ゲラーが奇蹟を起す!!』(日本テレビ)が放送され、視聴率26.1%を記録する
4月
 日本の北海道北見市仁頃(にころ)で、青年がタコ型宇宙人の空飛ぶ円盤に拉致され木星の衛星タイタンに連れて行かれる「仁頃事件」が発生
5月
 週刊誌『週刊朝日』が、超能力によるスプーン曲げのトリックを暴露する記事を発表し、超能力ブームが沈静化する
7月
 中岡俊哉による世界初の心霊写真集『恐怖の心霊写真集』(二見書房)が出版され、前著『狐狗狸さんの秘密』を上回るベストセラーとなる
8月
 アメリカとメキシコの国境で UFO墜落事件が発生 …… のち1997年に、この事件に関係する宇宙人「グレイ」の撮影写真が公表される
 日本の広島県庄原市の比婆山連峰で、獣人ヒバゴンが初めて写真撮影される …… ヒバゴンの最後の目撃例
9月
 日本の岡山県・国道30号線で、トラック運転手が宇宙人に遭遇する「頭すげ替え事件」が発生

1975年
 猟奇殺人鬼を描くスプラッタ・ホラー映画『悪魔のいけにえ』が公開され大ヒットとなる
 美少女魔術師・黒井ミサが活躍する古賀新一のホラーマンガ『エコエコアザラク』が連載開始されヒットする
2月
 日本の山梨県甲府市で、小学生がUFOと宇宙人に遭遇する「甲府事件」が発生
3月
 日本の愛媛県川之江市で、全身がオレンジ色に光る宇宙人が撮影される …… 日本初の宇宙人写真
12月
 アメリカ・ニューヨーク州ロングアイランド・アミティビルの屋敷で怪奇現象が頻発する

1976年
 西洋の悪魔をテーマとしたホラー映画『オーメン』が日本で公開され大ヒットとなる
2月
 イギリス・コーンウォール州ファルマス湾のロゼミュリオン岬で、首長竜のようなUMA「モーゴウル」が撮影される …… 19世紀初頭から目撃されているUMA
6月
 アメリカNASAの火星探査機「ヴァイキング1号」が、火星の地表に存在する人間の顔に似た構造物「火星人面岩」を撮影する
8月
 情報番組『あなたのワイドショー』(日本テレビ)の心霊コーナー内で、青森県弘前市の正伝寺に伝わる掛け軸に描かれた生首の目が開いたように見える現象が生放送され騒動となる

1977年
 日本の北海道二海郡八雲町で、謎の怪光が多数確認される「UFOの墓場」騒動が発生
 西洋の魔女をテーマとしたホラー映画『サスペリア』が公開され大ヒットとなる
7月
 同年4月にニュージーランド沖で日本の遠洋トロール船・瑞洋丸が全長約10mの首長竜に似た腐乱死体「ニューネッシー」を引き上げたことが報道され世界的なニュースとなる …… ウバザメの死骸と推測される
 アメリカとカナダの国境のシャンプレーン湖で、首長竜のようなUMA「チャンプ」が撮影される …… 17世紀初頭から目撃されているUMA
9月
 ソヴィエト連邦北西部ペトロザヴォーツクで、巨大なクラゲ型空飛ぶ円盤が目撃される「ペトロザヴォーツク事件」が発生

1978年
 ブラジルの青年アントニオ=ヴィラス=ヴォアスが、TV番組で1957年10月に空飛ぶ円盤に拉致され女性の宇宙人と性交したと告白し、放射線被ばくが確認される

1979年
 1975年のアミティビルの幽霊屋敷騒動を題材としたホラー映画『悪魔の棲む家』が公開されヒットする
 蘇る死者ゾンビをテーマとしたホラー映画『ゾンビ』が日本で公開され大ヒットとなる
 日本の北海道弟子屈町の屈斜路湖で、首長竜のようなUMA「クッシー」が撮影される
1月
 日本の『岐阜日日新聞』に「岐阜県八百津町で口裂け女が現れた」という記事が掲載され、それ以降同年夏まで全国各地で口裂け女が出現したといううわさが流れる
10月
 日本でオカルト専門雑誌『ムー』が創刊される(学研 当初は隔月刊)

1980年
 日本の広島県福山市山野町で、獣人ヤマゴンの足跡が初めて撮影される
1月
 日本の兵庫県龍野市御見町の円融寺の石造観音像の目から涙が流れると話題になる …… 液体の成分は人間の涙と同じと分析される
12月
 アメリカ・テキサス州でベティ=キャッシュ夫人とヴィッキー=ランドラム夫人とその孫がダイヤモンド型UFOの放った熱波を浴び、放射能障害を発症する。

1981年
 日本の東京・池袋のサンシャイン60近辺で「首無しライダー」の幽霊が出現するといううわさが流れる …… 21世紀現在もうわさは存在している

1982年
 日本の北海道岩見沢市の萬念寺に奉納されていた市松人形「お菊人形」の髪の毛が伸び、口が開いて表情が変わってきていると話題になる …… 現在は非公開
 日野日出志のホラーマンガ『地獄変』(ひばり書房)と『恐怖!地獄少女』(広済堂)が刊行され話題となる …… 「呪いの血縁三部作」の2作
5月
 広島県三原市久井町で、獣人クイゴンが目撃される

1983年
 残酷描写を強調したモキュメンタリー映画『食人族』が日本で公開され大ヒットとなる
 日野日出志のホラーマンガ『赤い蛇』(ひばり書房)が刊行され話題となる …… 「呪いの血縁三部作」の最終作

1985年
 西ドイツの科学者クラウス=シュライバーが、TVの空きチャンネルのホワイトノイズを通して霊界との通信に成功したと公表する

1986年
 殺人鬼フレディが登場するホラー映画『エルム街の悪夢』が日本で公開され大ヒットとなる
6月
 歌番組『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ)で、アイドルが歌唱しているスタジオの背景セットに、2ヶ月前に自殺した別のアイドルの姿が浮かび上がっていると指摘され話題となる
8月
 イギリス・ウォルトシャー州の穀物畑に謎の円形「ミステリーサークル」が発生し撮影される …… 存在は17世紀から語られていた
 日本の山形県西川町鶴部の農業用溜池でミステリーサークルが発見される
 日本の福岡県田川郡の壁や石の計6ヶ所に地蔵像が浮かび上がる現象が発生する …… 現在は消えている
11月
 日本の日航ジャンボ機が、アメリカ・アラスカ州アンカレッジ北方の上空で超巨大UFOに遭遇し、寺内謙寿機長ら搭乗員4名が目撃する
12月
 日本の水産庁の海洋調査船「開洋丸」が、大西洋南西部フォークランド諸島近海で2度UFOに遭遇する

1988年
 アフリカのコンゴ共和国テレ湖で18世紀から語られる怪物「モケーレ・ムベンベ」の調査を日本の早稲田大学探検部が行い、テレ湖の水深が約2mであることから存在が不可能であると結論付ける
8月
 日本の青森県田子町で日本初のキャトル・ミューティレーションが確認される
12月
 日本の茨城県水戸市の県道沿いのコンクリート壁に巨大なドクロが浮かび上がると話題になる

1989年
 日本全国で「人面犬」が出現したといううわさが流れる

1991年
3月
 日本の鹿児島県指宿市の池田湖で、首長竜のようなUMA「イッシー」が撮影される

2015年
5月
 大西洋のバミューダ・トライアングル海域で1925年11月に失踪した蒸気機関船コトパクシ号が、ハバナ近海で突然老朽化した状態で90年ぶりに発見される
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