長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第25回『栄華の極み』

2014年06月29日 23時50分20秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第25回『栄華の極み』(2014年6月22日 演出・田中健二)


登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

黒田 官兵衛 孝高    …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

黒田 長政        …… 知力77、統率力63
 官兵衛の嫡男(演・松坂桃李)

清水 宗治        …… 知力54、統率力74
 備中国高松城主。小早川隆景の配下。(演・宇梶剛士)

明智 光秀        …… 知力93、統率力95
 (演・春風亭小朝)

高山 右近 重友     …… 知力71、統率力75
 (演・生田斗真)

母里 太兵衛 友信    …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

石田 三成        …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

吉田 兼和(かねかず)
 公家で、吉田神道第9代宗家。左衛門督(さえもんのかみ)。太閤・近衛前久の家令(けれい 家臣と同義)としても活躍し、公私ともに織田政権との親交が深かった。細川藤孝の従弟にあたる。のちに「兼見(かねみ)」に改名。(演・堀内正美)

蜂須賀 小六 正勝    …… 知力74、統率力90
 (演・ピエール瀧)

羽柴 小一郎 秀長    …… 知力83、統率力75
 (演・嘉島典俊)

織田 信長        …… 知力115、統率力108
 (演・江口洋介)

九条 兼孝(かねたか)
 現・関白。(演・米村亮太朗)

森 蘭丸 成利(なりとし)…… 知力67、統率力43
 (演・柿沢勇人)

細川 藤孝        …… 知力80、統率力71
 (演・長谷川公彦)

黒田 兵庫助 利高    …… 知力78、統率力63
 (演・植木祥平)

宇喜多 直家       …… 知力94、統率力74
 (演・陣内孝則)

小早川 隆景       …… 知力83、統率力77
 (演・鶴見辰吾)

羽柴 秀吉        …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

黒田 職隆        …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭平)


ざっとの感想

○今回のアバンタイトルから、突如として「ヒゲ率」が急上昇した官兵衛ファミリー。主君に合わせたのか、大名昇進というステイタスがそうさせたのか? なんかみんな、まわりに流されすぎじゃないのかい!? 栗山善助、予想通りの「ヒゲ似合ってない」感フルスロットル。
 あ、でも、オープニング映像はヒゲはえてないまんまなんですね。そろそろ、『龍馬伝』みたいに変えてもいいじゃないっすか? いつまでも若いまんまでも、ねぇ。

○前回での近衛前久公のあまりにもつれないカラぶりをへて、今回ついに、ドラマの中で初めて具体的に織田政権に接近する公家として吉田兼和が登場! うわ~、容姿も経歴も、演じている堀内正美さんもひっくるめて、全てが怪しい、怪しすぎる!!
 やっぱりね、お公家さんは声の低い俳優さんが演じないとカッコよくないんですよね。声の高い人が演じたらまんまでコントになっちゃうから。本来、どうしようもなく男性的で政治的なはずの人間が、女性的で超然的なフリをするからこそ、「裏」の正体のすごみが垣間見えるキャラクターになるわけなのです。そんな魑魅魍魎にひき比べたら、30歳手前までイノセントな坊さんだった足利義昭公の、なんとまぁ裏表のないことか!! なにごとも、自分の欲望に正直なのがいちばん。信長キラーイ☆

●その点、現関白の九条兼孝役を演じた米村さんの演技は、てんでダメですよね。もうすでに怪しい格好なんだから、それに怪しい演技をのっけても気持ち悪くなるだけなんですよ。目も当てられないリアリティのなさになるんですね。そこはもう、「なに? 私、なんか変なかっこうしてますか?」っていうような真面目さをもってフツーに帝の言葉を反復したらよいのです。

 それはそれとして、堀内正美さんって、どうしてこういう怪しい役でしか輝けないのかな……これも、男性には珍しい「美貌ゆえの役の制約」なんでしょうかねぇ。
 堀内さんといえば、私の中では岸田森なきあとの実相寺昭雄作品の顔、その一番手という印象があるんですが、何年か前にやっていた NHKの朝ドラで主人公の家族あたりのレギュラー役をやっていたのをチラッと観たら、たまたまその回だけ調子が悪かったのかもしれませんが、まぁ~ビックリするくらいに生気も魅力もないひどい演技で! いや、私がそう感じたってだけの話なんですけどね。
 容姿がどこか人間離れしてるって、役者さんにとってはいろいろとそれなりに大変なんでしょうね~。
 今回も堀内さんの、「現在活躍している俳優さんの中で公家役が似合う男ランキング、ダントツの No.1(『長岡京エイリアン』調べ)」という肩書きに寸毫の衰えもないことはしみじみ感じ入ったわけですが……それも、どうなんだろね!?

○一瞬だけですが、現在のものではない、「漆黒の姫路城」が画面に登場! いいですねぇ~。いいですけど、なんか丘の上にあるようには見えない平城(ひらじろ)みたいなグラフィックになってましたね。秀吉自慢の石垣造りも見えなかったし……ま、別にいいけどよう!

○なんだかわかんないんですけど、官兵衛が明智光秀に会いに行きたいと進言したタイミングで流れ出した、大河ドラマらしくないフランスあたりのサスペンス映画みたいな BGMがミョ~に耳に残りました。これ、今まで流れたこと、なかったよね? いいですねぇ~、こういう、いかにも「これからなにか起きます」的な、不安をあおる音楽!
 なんか次のカットで、曇天の下を官兵衛を乗せて滋賀にひた走る新幹線のショットが入りそうな空気感ですよね。新幹線ねぇけど。

○登場した瞬間から、画面の湿度が60% アップしそうな不幸感が尋常でない光秀の娘・りん(演・石橋杏奈)の名演が冴える坂本城シーンなのですが、基本的に曇り空でしょっちゅう風が吹いているという城内のイメージ演出もなかなかいいですよね。これは明智家、なんだかイヤ~な運命の予兆があるぞ!と。

○有岡城での在りし日の荒木だしの思い出を語る官兵衛の様子を見て、平伏しながらも「あぁ、これは男女的になんかあったな。」という表情を浮かべる栗山善助。まぁ、かたっぽ亡くなってるんで、お光の方へのチクリはなしということで……
 でも、こういうときの濱田岳さんの無言の演技の確かさって、ドラマの世界をかなり豊かにしてくれますよね。いい役者さんだね~。

○やっと! 放送第25回目にして、やっと明智光秀がそれらしくクローズアップされてきたぞ!!
 そうそう、小朝さんは確かな俳優さんなんですからね。どんどん前面に出てきたらいいんですよ~。それにしても、小柄で人のよさそうな明智光秀って、やっぱり新鮮でいいですよね!

○光秀「なんとしても、おぬしのような優れた軍師がほしい! わしはあきらめんぞ……」
 まだドラマには登場していませんが、光秀の重臣・斎藤内蔵助利三がふすまの向こうで「がっくし。」と肩を落とすさまが目に見えるようですね。明智家はホントに、ついてきてくれる有能な部下が少ないんだよなぁ……

●ますますその勢力を拡大する織田政権への不安を口にし、「明智光秀とは仲良くしておいたほうがいいでおじゃるよ、ふふふ……」と、なにやら意味ありげな発言を付け加える吉田兼和。なんなんだ、このけったいなおっさんは!?
 う~ん、でも、なんでここで兼和が特に官兵衛に目をかけて、こんな重大な情報を話してしまうのか……なんか、メリットが全然なさそうなんですが。そんなの、まるごと秀吉に筒抜けになっちゃうじゃん?
 別に、光秀みたいに政治力か財力をもって官兵衛を取り込もうという実力行使をする気もないみたいだし……要するに、ドラマの主人公だから無理矢理、本能寺の変がらみに官兵衛をかかわらせたいってだけでしょ!? 説得力がないんだよなぁ、ここでの会話に。

 官兵衛に織田政権への不安を吐露するっていうのも、なんか、コンビニの棚の並び方が気にくわないとかっていうクレームを、レジにいるアルバイトくんにふっかけるみたいな話じゃないですか。土台からしておかしいんですよね、ここで官兵衛が公家衆に声をかけられるっていう流れが。
 「いや、オレに言われてもわかんないんで……そういうのは羽柴店長に言ってくれますか? さーっせん。」

○久しぶりに出たかと思ったら、残念無念の宇喜多直家ご最期! 思ったよりも病状の進行……っつーか、ドラマ内での時間の進行が早かったですね。
 直家の「ヨメと息子をたのんます。」という一生で最後の申し出が、まるでウェットにならずに喜劇っぽくなってしまったのは、やっぱり陣内孝則と竹中直人という、身体の髄から陽性なお2人の個性のたまものなんでしょうか。「えっ!?」と驚愕する秀吉の表情に、絶妙なタイミングで聞こえてくるうぐいすの「ホーホケキョ♪」が最高でしたね。やっぱりね、お鮮の方を演じている笛木優子さんはエロいですよ、すばらしいですよ……ちょっと、打掛(うちかけ)を着こなして移動するしぐさはおぼつかないですけどね。
 でも、直家はもっといっぱい活躍してほしかったし、あんなに他人やその家族をないがしろにして大大名にのし上がった彼が、最後の最後になって一人息子の将来だけは、それこそヨメを犠牲にしてでも保障したかった、というあたりの「業」のようなものは、もっと真剣に観たかったなぁ、という心残りはあります。シェイクスピアの政治劇の登場人物みたいですよね、ほんと。

○黒人の弥助が出てきたということは……そろそろ本能寺も近いということなのよねぇ~、信長さん。
 いろいろと、放送上アレな言葉がポンポン飛び出てきそうな弥助の紹介シーンをちゃんと映像化しているのは、なかなか根性がすわっていると思いました。「わしにくれ!」ときて「オオセノママニ。」ってあなた、どストレートな奴隷制度ネタ……まぁ、そういう時代でしたからねぇ。
 それはそれとして、森蘭丸は予想通りに、ホンットに下品な服だねぇ~!! ラズベリーアイスかおまえは!? 本人のファッションセンスじゃないだろうからグチの言いようもないですけどね。
 そしてなぜか、最後のカットで口に扇をグイグイ押しつけられて軽い動物虐待を受けるオウム。NHK さん、なんでこのシーンだけ、そんなに多方面にアグレッシブなの!?

○姫路城での宴会シーンで、バックバンドにまわって楽しそうにびんざさら(小さな木の札を並べて束ねた打楽器)を演奏する黒田職隆。
 私も昔、びんざさらを演奏する機会があったんですけど、あれ、「しゃっ。」と鳴るのが気持ちよくていいですよ~。あんまり目立つパートじゃないですけどね。その楽器チョイスが実に職隆らしいですよね!

○「帝(第106代正親町天皇)が天皇位を譲位するのならば、左大臣になってもいいだろう。」
 実に信長らしい、とてつもない上から発言なわけなんですが、さて、これがドラマで語られるようなニュアンスの話であったのかどうか……

 まず、「天皇が譲位する」という現象が世間に与える影響が、いま私たちが住んでいる現代日本と戦国時代とで「ちょっとちがう」ことは確認しておかなければなりません。
 現在、日本は明治時代に制定された『皇室典範』(旧版 1889~1947年)を継承するかたちで、今上天皇の退位はその崩御(死亡)を前提とする、ということになっています。譲位つまり「天皇の隠居」という現象はありえないわけです。
 それにひきかえ、それ以前の歴史上では、天皇の譲位=「上皇(院)の誕生」すなはち「天皇以上の権威・権力を有する院政の成立」という政治体制が「ふつう。」という時代がかなり長く続いていたことがありました。具体的には平安時代後期の第72代白河天皇が譲位した応徳三(1086)年から、室町時代後期の第102代後花園天皇の院政がその崩御により終焉した文明二(1471)年までの約400年間が「院政第一期」であり、戦国時代ののち、江戸時代に第108代後水尾天皇が譲位した寛永四(1627)年から第119代光格天皇の院政がその崩御により終焉した天保十一(1740)年までの100年あまりにも「院政第二期」がありました。ただし、院政第二期は江戸幕府のギッチギチの管制下にあったため、上皇になったから強大な権力を得るとかなんとか言ってる場合ではなかったようです。また、天皇以外の独自の政治体制を有するにはいたっていませんでしたが、白河院政以前にも、病気などのさまざまな理由で天皇が生前に譲位するという事例はしょっちゅうあったようです(飛鳥時代の第35代皇極天皇から白河天皇の父である第71代後三条天皇まで)。

 ともあれ、ここで注目しなければならないのは、戦国時代だけ「ぽっかり」院政のない空白期間になっていたということなんですね。
 これは、天皇が譲位して上皇が誕生するにあたって必要だった、院御所(上皇用の新居)建造・式典挙行その他もろもろの準備にかかる財力が、戦乱による困窮でまったく欠乏していたからだったのです。実際に、信長が今回のドラマで譲位をすすめた天正九(1581)年の時点で正親町天皇はおん歳65になられており、こう言っちゃなんですが健康上もけっこうきつい感じになられていたようです。
 江戸時代に入って政情が安定してから再び院政が(形式上とはいえ)始まったこと、そして、他ならぬ正親町天皇がこの5年後の天正十四(1586)年に、秀吉の豊臣政権のバックアップを得て非常に円満なかたちで譲位して余生を過ごしておられたこと(その7年後に崩御、宝算77歳)を考えてみると、応仁大乱以降の戦乱期の歴代天皇にとって、院政は「本来あるべき政治の理想的体制」というあこがれが強かったのではないのでしょうか。

 つまり、このタイミングで信長が天皇に譲位をすすめたという発言には、「帝もだいぶお疲れのご様子ですなぁ~。金の問題はワシが全面的にフォローしますから、そろそろ念願の院政復活なんか、どうっすか!?」という、脅迫というよりは天皇の足元を見た「甘い誘惑」の意味合いが強かったのではないのでしょうか。うわ~成金オヤジまるだし!!
 ただし当然ながら、信長にかつての院政なみの政治体制を天皇家に復古させるとかいう尊皇思想なんてものはさらさらなく、「サポーテッド・バ~イ 織田政権☆」というアピールを全国に知らしめることによって、いよいよ幕府レベルの権力を「信長が」手中におさめるという真意があったことは間違いありません。
 ということで、結局めぐりめぐって今回の信長の「譲位したら?」発言が非常に不敬なものであるという事実はおんなじではあるんですが、それを切り出す信長が、決してドラマのように脅迫まるだしのコワモテなんかじゃなく、むしろニッコニコに満面の(悪魔の)笑みを浮かべていたんじゃないのかしら? という考察でした~。
 でもやっぱり、最終的には帝ご自身が判断すべき問題であるはずの譲位を、臣下の立場をわきまえずに、しかもそのおサイフ事情を見透かして提言するのは無礼きわまりないことですよね。

 あと、その発言に非常に狼狽していた吉田兼和でしたが、信長の無礼さに憤ったというよりは、「えぇ~、院政復活させんの? それじゃ天皇家の権力がまたでっかくなっちゃうじゃんかよう! まろたち公家衆の権力も考えてたもれ!!」という、貴族階級としての身に迫った危機感があったからなのかもしれませんね。まぁ、吉田家はそんなに天皇家と対立できるような高い身分のお公家さんじゃないですけど(堂上家階級で最下位の半家)。
 去年の大河ドラマ『平清盛』をご覧になられていたみなさまならばすでにご存知かと思うのですが、院政について、天皇に最も近い重臣である公家の最上階級「摂政・関白家」(近衛前久や九条兼孝ら)が先祖代々、非常に苦々しい思いをいだいていることは忘れてはならないと思います。ひとことに「朝廷」っつったって、天皇家と公家衆がみんな一枚岩で織田政権に対峙していた、なんてことは全然なかったんですね! つくづく食えない世界です!!

○おんなじ正月の風景でも、豪華絢爛な信長さんちにくらべて、毛利家の小早川さんとこのなんと男むさくこざっぱりしていることか……
 でも、私はだんぜん小早川さん流の正月の過ごし方のほうが大好きだな! なんかこう、画面から伝わってくるピリッとした空気の冷たさがものすっごく懐かしいんですよね。私の故郷の正月は、山形だから毎年毎年ほんとに寒くてねぇ。めでたいうんぬんよりは、気持ちの引き締まる厳しさがあるんですよ。好きよ~、そういうシンプルさ。板の間はどこもかしこもつめてぇ!!

○おそらくは、歴代大河ドラマの中でも最強の風格と実力を持った清水宗治が登場! ぐわお~宇梶さん♡
 この清水宗治って、確かマンガの『センゴク』ではキャラクターのモデルが完全に高倉健さんになってましたよね。いや~、最近株がぐんぐん上がってますな!
 我が『長岡京エイリアン』でも、この宗治登場に合わせて、ホンッッッット心底いいかげんに『全国城めぐり宣言』の備中高松城編を完成させたいところなんですが、いかんせん時間と体力に余裕が……あら、そうこうしているうちに記憶がどんどんキレイなセピア色に。
 とってもいい探訪だったんですけどね!

○いよいよ成長した松寿丸として、松坂桃李くん演じる黒田長政が初登場!
 実際のご年齢は25歳のはずなんですけど、ちゃんと元服したての幼さの残る目の輝きになっているのがさすがですわ。
 さぁ、俳優さん同士としてはたったの「8歳差」しかないお2人が、いかに父子を演じきってくれるのか!? ここからが岡田君の真の正念場ですな!
 世間的に見ても私自身の経験からいっても、8歳差というのは余裕で世代が違ってくる印象があるんですが、やっぱり芸能界はみなさん若々しいですからね。老ける演技って、難しいでしょうね~。


結論、「第26回がとてもたのしみです。」

 ヒゲ、ヒゲ、ヒゲ! 最終的にはついに信長もヒゲを生やすという「栄華=ヒゲ」な回になったわけですが、弥助や清水宗治といった「本能寺の変まわり」なキャラクターたちがぞろぞろと登場し、「いよいよか……」という雰囲気になってまいりました。
 明智光秀もやっとエンジンがかかってきたという感じなんですが、うん……『軍師官兵衛』の光秀は、この第25回からの登場でもよかったんじゃないかな!?

 うちゆき姫、そろそろダンナが危ないって! ラストランがんばってくださ~い!!
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『軍師官兵衛』  視聴メモ 第24回『帰ってきた軍師』

2014年06月27日 23時05分08秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第24回『帰ってきた軍師』(2014年6月15日 演出・大原拓)


登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

小寺 官兵衛 孝高    …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

明智 光秀        …… 知力93、統率力95
 (演・春風亭小朝)

母里 太兵衛 友信    …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

石田 三成        …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

本願寺 顕如       …… 知力96、統率力65
 (演・真島秀和)

丹羽 長秀        …… 知力82、統率力73
 (演・勝野洋)

柴田 勝家        …… 知力51、統率力87
 (演・近藤芳正)

織田 信長        …… 知力115、統率力108
 (演・江口洋介)

別所 賀相        …… 知力48、統率力45
 (演・ベンガル)

別所 重棟        …… 知力64、統率力57
 (演・佐戸井けん太)

瀧川 一益        …… 知力66、統率力78
 (演・川野太郎)

佐久間 信盛       …… 知力57、統率力51
 (演・立川三貴)

蜂須賀 小六 正勝    …… 知力74、統率力90
 (演・ピエール瀧)

羽柴 小一郎 秀長    …… 知力83、統率力75
 (演・嘉島典俊)

別所 長治        …… 知力63、統率力63
 (演・入江甚儀)

森 蘭丸 成利(なりとし)…… 知力67、統率力43
 織田信長の小姓(演・柿沢勇人)

小寺 兵庫助 利高    …… 知力78、統率力63
 (演・植木祥平)

近衛 前久(さきひさ)
 元関白太政大臣で、親織田派公家衆の首魁(演・河合克夫)

別所 友之        …… 知力58、統率力58
 別所長治の弟(演・ささの友間)

小寺 政職        …… 知力44、統率力49
 (演・片岡鶴太郎)

羽柴 秀吉        …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

小寺 職隆        …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭平)


ざっとの感想

○有岡城からの救出からわずか3ヵ月後という早さで、秀吉の軍師として戦場の最前線に復帰しちゃう官兵衛。よく働くよねぇ~! よほど頑丈なのか、ただワーカホリックなだけなのか……
 ともあれ、なんと天正六(1578)年三月から天正八(1580)年一月まで、およそ2年にもわたって籠城を続けてきた播磨国随一の堅城・三木城の攻防編がついに開幕! ベンガルさん、お久しぶりです!! っていうか、別所長治の弟・友之がここにきて初登場……なんか、遅すぎやしないかい?

○高度な戦場外交というよりは、ただ単に怖い顔をして長治をおどしたりすかしたりしているようにしか見えないという、まるでヤクザ屋さんのような官兵衛。そりゃあ栗山善助も後ろでひっそりドン引きしますよ。うそ、うちの主君、変わりすぎ……?

●あれっ、始まったかと思ったら、オープニングあけで三木城、さっさと切腹開城!? 終わっちゃったよ!!
 別所長治の最期はなるべくきれいに描かれていたようなんですが、末期の家臣たちへの遺言がナレーション処理で音声カットとは……長治というよりは、演じている俳優さんがあまりにも哀れですよね。いくら大根さんだからといっても、その仕打ちはないんでないかい!? 死者に鞭打つのは私も好むところではないのですが、ついでに言えば、この役者さんの我が子役の男の子を抱くしぐさもかなりヒドかったですね……子役の子、よく文句のひとつも言わなかったね。あんな不安定な抱き方もありませんよ! たった一瞬目に入っただけで、ホントに愛する自分の子なのかと思わず疑ってしまうようなあぶなっかしさでした。器用じゃない人は何をやらせてもとことん器用じゃないというか、若すぎるというか……今回だけチラッと登場した別所友之役のおにいちゃんもたいがいでしたけどね。なんで中学野球部の万年補欠みたいな緊張感のかけらもないガキが、非業の死を目前にひかえた武士を演じてるんだよ!!

○有岡、三木の落城に完全に影響されて、小寺政職の御着城も瞬時に開城! 実に政職らしいというか、逆にそれまで2年間もよく反織田方でもちこたえていられたな、というか……
 政職以下、家臣団がきれいにそろって戦国っぽくない南北朝時代チックなクラシック甲冑に身をつつんでいるのも象徴的なんですが(私は個人的にはこっちの戦場ファッションのほうが断然好きです)、ちょっと政職の思考の古さや滑稽さが強調されたあまり、英賀城(あがじょう 放送第10回参照)、三木城とならんで「播磨国の三大城郭」とたたえられた「総構え」式の堅城としての御着城の威容がほとんど描写されずじまいになってしまったのが残念で仕方ありません。
 たぶん、小寺政職だって海千山千の播磨国情勢を泳いでわたりきった戦国大名だったわけなんですから、それなりに人並み以上の先進性と政治センスを持ち合わせてもいたはずなんですが……まぁ、大河ドラマに半年近くレギュラーで登場できてたんだし、多少の誇張・過小評価は目をつぶろっか!?

●小寺家重臣としての人生が破滅するその瞬間になって、初めて個性を発揮する小河(おごう)良利と江田善兵衛の「ダメ家老コンビ」……人間として、最期の最期になってやっとおもしろくなるという生き方だけは絶対にしたくないな、としみじみ感じ入ってしまう今回での活躍でした。破滅する様子が魅力的になったって、なんにもなんねぇんだってば……
 しかしこの2人、ホントによくここまで律儀に政職についてこられたもんですね。いい人……だったんだろうなぁ。尊敬はまるでできないけど。

○死んだわけじゃないんだけど、おそらくは今回が最後の登場になるであろう、小寺政職の溺愛する嫡男・斎(いつき のちの黒田家家臣・小寺氏職)を演じている相澤侑我という子役さんが、私はもう大好きで大好きでよう……ドラマにおける退場が残念で残念で仕方ありません。
 侑我くん、いいんだよねぇ~! 戦場で命をやりとりする部類の身分ではない、高貴で世間知らずなボンボンというキャラクターの説得力を、セリフを弄さずに表情と所作で完全に伝えきってるわけ!! それでいて、画面のどこかにいるだけでついついそこに目がいく親しみと愛嬌を持ち合わせてるんだものねぇ~。ただ色白で物静かだったらいいというポジションを、もののみごとに魅力200% で演じきってくれました。こういうのを、正真正銘の「役不足」というんですねぇ。
 また出てきてほしいんだけど……万が一に再登場しても、たぶん成長しきった小寺氏職になってるだろうしなぁ。侑我くん、別の映像作品でまた会いましょう!
 ……あっ、わかった。この子、モーニング娘。の工藤遥さんに似てるから私、好きなんだわ。こんな侑我くんも、もうしばらくしたらむくつけき立派な男性に変貌していくんだろうなぁ。はかないもんだなぁ、少年期。アブナいもんだなぁ、そこに注目してしまう私の嗜好。

○荒木村重・村次・岩佐又兵衛父子をのぞく一族すべてを根絶やしにした有岡城に重臣一同こぞって入城し、そこで戦勝祝いの宴会を開く信長。悪趣味まるだしですが、そこには荒木派残党や毛利家に対する示威という政治的意味合いも込められていまして……さらに信長特有のお高いプライドもあるもんですから、やるしかないわけです。
 正室のお濃の方は「なにゆえ、このような気味の悪い所で宴をなされます……?」と眉をひそめますが、内心では「まぁ、敵のしゃれこうべを2~3コど真ん中に置かれるよりはマシか。丸くなったなぁ~、この人も。」と、しみじみ時の流れを感じていることでしょう。あのころは、私もこの人もギラギラでトンガッてブッとばしてたもんだわ!!

○吹きすさぶ夜桜の嵐の中で、一瞬だけ荒木村重の正妻だしの怨霊を観てしまう信長。ダサかったりコテコテだったりするんですけど、私、この『軍師官兵衛』において時々ふってわいたように展開される、現実だか脳内だかよくわかんない信長視点のイメージシーンが大好きなんですよね。なに主人公をさしおいてメインづらしてるんだと! いいですよねぇ、この突拍子のなさ。
 そしてその信長の心理描写の中でも、かなり近い距離に一人だけ付き添っているお濃の方もステキです。どんだけ夫婦仲がいいんだと!! 少なくとも今回までの流れで言えば、官兵衛・お光ペア、秀吉・お寧ペアとは次元の異なるラブラブが『軍師官兵衛』で展開されているわけなんですよね、面と向かってはあんまりしゃべらないんですけど。う~ん、うちゆき姫グッジョブ♡

○信長「なにゆえ裏切った……どこへ逃げても必ず探し出し、おぬしの首をはねてやる!」
 勝った記念の宴席だっていうのに、いまだにねちねち村重への未練を口にする信長。しつけぇ!!
 この発言の次のカットで、オーバーに戦慄した顔をして信長を見つめるお濃の方。なにをいまさらビビッてるんですか……そういう亭主でしょ? 昔っから。
 あっそうか、「首をはねるだけでいいなんて、あっさりすぎ!! もっといろんな R-18指定的なことグチャグチャやんないの!? カッパ着てナタ持ってシャワールームまっかっかとかさぁ!」っていうニュアンスで驚愕してたのかな。どこのめおとシリアルキラーなんでしょうか。

○斎「官兵衛、官兵衛……父上を、助けてくれ、官兵衛!」
 うをを、こいつ、どんだけできた息子なんだ……またしても、本筋とはかかわりのうすい斎の人間レベルの高さに感動してしまった!
 口では助けるようなことを言いつつも、官兵衛の全身から発せられる殺気を敏感にかぎとっていた斎。このドラマ、小寺氏職をこれだけ魅力的で将来有望な人物に造形して、この先どうする気なんでしょうか!? ひとえに、侑我くんの演技力が十二分に備わっていてこその番狂わせですよね。いいなぁ~侑我くん。

○ドラマではそうとうな苦渋煩悶の末の判断で、小寺政職の国外逃亡を見逃した官兵衛ですが、実際にはそれほどの思い入れもあったのかどうか……どちらかといえば秀吉に近いようなドライな立場で、「興味がない。生きようが死のうがファッキンどうでもいい。」という冷たさをもって無視したのではないのでしょうか。信長の村重に対する思い入れとはまったく対極にある関係ですよね。実におもしろい対比!

○え、石山本願寺ちかくの天王寺砦って、そんなに豪華な大広間がある御殿チックな城郭だったのか……でも、増築に増築を重ねてそうなった可能性はありますか。なんにしても見栄を大事にする信長さんですからね。
 歴史上でも非常に有名な佐久間信盛失脚劇が、ここでやっときたわけなんですが、まぁ~ムチャクチャなボスですよ。会社で働いている人ほど、心底ゾッとするエピソードなのではないのでしょうか。そりゃあんた、長く働いてひとっつも欠点のない部下なんて、どこにもいませんって! 信盛がそれほど無能なのかどうかは判断が難しいですが、同じ天王寺砦における天正四(1576)年五月の大合戦で信長自身がそうとうなリスクを背負って本願寺軍に大勝利をおさめたのにも関わらず、その後まるまる4年間も事態を進展させることができなかった、ということへの思いはドロドロたまっていたようで……信長の性格じゃあ、しょうがないか。その宣告を他ならぬ天王寺砦でくだすんですからね! 「おまえ、もうわかってるよな。」っていうすごみの恐ろしさですよね。
 にしても、「今日は……蒸すのう。」って、そのコスプレしてたらそりゃ蒸すわ!! 信長さんの身体を張ったボケでした~。家臣ども、笑ってちょうだいよ……信長さんがこの場を少しでもなごませようと、がんばって準備してきたんですよ!?

○ここにきて唐突にクローズアップされてきた、秀吉の「この時点での」後継者である羽柴秀勝(織田信長の四男 1568~86年)。ここでいう秀勝は、むかし我が『長岡京エイリアン』でも『江』のときに取りあげたことのあった「3人の秀勝くん」のうちの2人目であるわけなのですが、自分の血を引いていない養子に、自分の築き上げてきた財産を相続されるのって、どういう気分なんだろうか。複雑なもんですよねぇ。
 ともあれ、ただ単純に「子がいない」という処理のされ方になりがちなこの時期の秀吉ファミリーに、ちゃんと将来有望な「息子」がいるという設定を無視せずに組み込んでいるのはいいなと思いました。さぁ、この後どのくらいドラマの中で秀勝くんが活躍してくれるかな? 難しいポジションですよ~!

○官兵衛の家が「小寺」から「黒田」にもどり、1万石を領する大名へ昇進! そして新たなる「藤巴(ふじどもえ)」の家紋の発祥。
 小寺政職の重臣という立場からここでやっと解放され、いよいよ秀吉の軍師にして大名という才能相応の身分を獲得するにいたったわけで、『軍師官兵衛』の物語から観てもかなり重要な回になったと思います。
 ここまでで約半年かぁ~。こっからは、かなり濃密な展開が目白押しになるぞ!!


結論、「第25回がとてもたのしみです。」

 オープニングのテロップで、ついにあの「流れ関白」こと近衛前久が登場すると知ってウキウキワクワクだったんですが、セリフはないわワンカットだわ、おまけにゃ遠くに座ってるだけなもんだから、表情も誰が演じてるのかさえも皆目見当がつかないわ! カンベンしてよぉ~、龍山公がどんだけキャラクターの立ちまくってるお方か、知らないわけじゃないでしょう!? モブ扱いにするって、なんてもったいないことしてくれちゃってんの!?

 まぁまぁ、次回はもっといろんなお公家さんが出てきはるようですし、ここでがたがたいうのはやめときまひょ。官兵衛はん、次も楽しみにしておじゃりまするゆえ、せいぜいおきばりになってたもれ。ほっほっほっほ……
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魔人・子安武人、横浜みなとみらいでチビッコをビビらす  ~映画『プリキュアオールスターズ DX 』~

2014年06月24日 23時41分15秒 | アニメらへん
映画『プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合!』(2009年3月公開 70分 東映)とは

 プリキュア歴代シリーズのクロスオーバー作品である。シリーズにおいて過去最高の興収である10億1千万円を達成した。

 前年2008年11月公開の映画『 Yes!プリキュア5 GoGo! お菓子の国のハッピーバースディ♪』と同時上映された短編作品『ちょ~短編 プリキュアオールスターズ GoGo ドリームライブ!』(6分)の内容を、さらに編集・再構成した長編映画作品である。当時のシリーズ最新作だった『フレッシュプリキュア!』からキュアピーチ、キュアベリー、キュアパインが参加した14名のプリキュアが、各作品の世界観を統一させて結集し、一つの敵に立ち向かう。本作の主な舞台は、神奈川県横浜市の横浜みなとみらい21という、実在の都市になっている。
 公開当時に放映中だった『フレッシュプリキュア!』と全作『 Yes!プリキュア5 GoGo!』を中心に物語が構成されている。また、作中では明言されていないが、『5 GoGo!』までの過去のプリキュア作品に関しては、最終回の後日という設定で物語が作られている。なお、『ちょ~短編 プリキュアオールスターズ』ではフレッシュ以前の過去3シリーズのプリキュアが共演していたが、本作で初めて出逢う設定に改められている。その一方で、各シリーズに登場した妖精たちはプリキュアに先駆けて全員親交がある。
 プリキュアたちをサポートしてきた妖精たちや敵として登場した怪物たちも、ほぼ総出演する。シリーズに続編がある作品(『ふたりはプリキュア』および『 Yes!プリキュア5』)は、続編(『 MaxHeart 』および『5 GoGo!』)で変身したコスチュームへの変身となる。『 Splash Star 』は本作では通常形態(キュアブルームとキュアイーグレット)への変身のみとなっているが、強化形態プリキュア(キュアブライトとキュアウィンディ)としては、次作『 DX2』と次々作『 DX3』で通常形態と組み合わせた形で登場する。

 映画公開時に、中学生以下の入場者にはシリーズ恒例の劇場限定アイテム「レインボーミラクルライト」が配布された。
 BGM は歴代シリーズの音楽を担当してきた佐藤直紀と高梨康治が参加。また『フレッシュプリキュア!』を除いて、各作品のオープニングテーマが挿入歌として使用されている。

 本作は1作かぎりの奇跡的コラボレーション企画として制作が進められていたが、興行成績の好調につき続編が制作されることとなった。本作と次作『 DX2』は製作時間に余裕がなかったという。その後の『 DX3』まで制作されたテーマが偶然に合致したため、プリキュアオールスターズシリーズは、本作を第1作とする3部作構成となった。なお、本作のテーマは『出会い』であり、各作品を紹介したうえで最後の大集合が盛り上がるように制作された。
 プリキュアの生みの親である企画の鷲尾天は、本作でプリキュアシリーズから身を引いたものの、続編においても監督の大塚とともに制作相談を行っており、『 DX3』まで引き続いて各作品の構築に携わることとなった。

 本作には多くの人気声優が出演しているにも関わらず、出演者全員のスケジュールが奇跡的に合ったため、全員がそろった状態で収録が行われた。スタジオでは多数の出演者が4本のマイクを使用してアフレコを行っていたため、マイクの争奪戦になったうえ、人口密度からスタジオの酸素が薄くなったと出演者たちが苦労話を語っている。また、プリキュア役とパートナーの妖精役のグループは交代しながら収録した。
 本作では、なぎさの頭にメップルが直撃するシーンや着地に失敗するフラッピとチョッピなど、過去のシリーズ作品をオマージュしたシーンが節々で使われている。


あらすじ
 ダンスコンテストに出場するために横浜みなとみらい21に向かった桃園ラブたちは、途中で道に迷ってしまう。そこへ正体不明の邪悪な存在「フュージョン」が現れる。力を欲したフュージョンは妖精たちを襲い、さらには歴代のプリキュアたちにも襲いかかる。変身して結集したプリキュアたちは力を合わせ、世界を脅かす強大な敵に立ち向かう。


おもな登場キャラクター

『ふたりはプリキュア Max Heart 』より
美墨 なぎさ/キュアブラック   …… 本名 陽子
雪城 ほのか/キュアホワイト   …… ゆかな
九条 ひかり/シャイニールミナス …… 田中 理恵
 「 PANPAKA パン」のチョココロネを買うために訪れるが、妖精ムープとフープを追ってきたフュージョンが変身したザケンナーと対決する。

メップル …… 関 智一
ミップル …… 矢島 晶子
ポルン  …… 池澤 春菜
 滞在先のパルミエ王国で強大な敵フュージョンの存在を知り、なぎさたちに合流する。
ルルン  …… 谷井 あすか
 滞在先のパルミエ王国で強大な敵フュージョンの存在を知り、戻った先でのぞみたちと出会う。

藤田 アカネ …… 藤田 美歌子
 のぞみたちにたこ焼きをふるまう。のぞみたちのたこやき好きに、なぎさやほのかを連想する。
久保田 志穂 …… 仙台 エリ
高清水 莉奈 …… 徳光 由禾
 TAKO CAFE のテラスで、なぎさたちのことをのぞみたちに話す。

『ふたりはプリキュア Splash Star 』より
日向 咲/キュアブルーム   …… 樹元 オリエ
美翔 舞/キュアイーグレット …… 榎本 温子
 「ナッツハウス」にアクセサリーを見に行き、危険を知らせにきたココたちと出会い、フュージョンと対決する。

フラッピ …… 山口 勝平
チョッピ …… 松来 未祐
 滞在先のパルミエ王国で強大な敵フュージョンの存在を知り、咲たちに合流する。
ムープ  …… 渕崎 ゆり子
フープ  …… 岡村 明美
 滞在先のパルミエ王国で強大な敵フュージョンの存在を知り、戻った先でなぎさたちと出会う。

日向 沙織  …… 土井 美加
日向 みのり …… 斎藤 彩夏
 チョココロネをたくさん買って行ったなぎさを見て、咲を連想する。

『 Yes!プリキュア5 GoGo!』より
「TAKO CAFE」のチラシを見て遊びにやってくるが、ルルンの頼みに力を貸す決意をする。
夢原 のぞみ/キュアドリーム     …… 三瓶 由布子
夏木 りん/キュアルージュ      …… 竹内 順子
春日野 うらら/キュアレモネード   …… 伊瀬 茉莉也
秋元 こまち/キュアミント      …… 永野 愛
水無月 かれん/キュアアクア     …… 前田 愛
ミルク/美々野 くるみ/ミルキィローズ …… 仙台 エリ

ココ/小々田 コージ …… 草尾 毅
ナッツ/夏      …… 入野 自由
 パルミエ王国で、妖精たちにレインボーミラクルライトを託そうとする。その後、ナッツハウスで咲たちに出会う。
シロップ      …… 朴 璐美
 パルミエ王国で、レインボーミラクルライトを受け取ろうとする。その後、ナッツハウスで咲たちに出会う。

『フレッシュプリキュア!』より
桃園 ラブ/キュアピーチ …… 沖 佳苗
蒼乃 美希/キュアベリー …… 喜多村 英梨
山吹 祈里/キュアパイン …… 中川 亜紀子
 ダンスコンテストにやって来るが、道に迷っている内にフュージョンと遭遇する。その後、シフォンとはぐれる。

シフォン …… こおろぎ さとみ
 ダンスコンテストを観るためにラブたちについてくるが、ラブたちが目を離したすきに、タルトを追ってパルミエ王国へ行ってしまう。
タルト  …… 松野 太紀
 ダンスコンテストを観るためにラブたちについてくるが、ラブたちが遭遇したフュージョンの脅威を警告するためにパルミエ王国へ向かう。
 ※タルトは今作から『プリキュアオールスターズ NewStage2』まで、5作連続で他の妖精たちをまとめるリーダー役を担っている。

フュージョン …… 子安 武人
 強大な力を欲している謎の液状生命体。性格は基本的に冷静だが、怒りの感情も強く、激しい欲望をあらわにすることもある。
 すべてを破壊して世界を暗黒に包もうとしており、生き物の個性をくだらないものと断じ、すべてを吸収して統一しようと企む。
 過去の敵キャラクターであるザケンナー、ウザイナー、ホシイナーに変身したり、コワイナーを増産する能力を持っている。その正体は悪意の塊であり、歴代の怪物たちさえも吸収している。
 宇宙から横浜みなとみらいに落下した当初はスライムのような形状だったが、力を求めて歴代プリキュアたちのいる各地へ向けて4つに分裂し、過去の敵キャラクターたちに変身してプリキュアやパルミエ王国を襲撃、そのエネルギーを吸収して人間型に進化する。
 物語のクライマックスでは、横浜の高層ビル以上の大きさに巨大化し、周囲を吹き飛ばす光線を放出するなどの凄まじい力を得た。巨大化形態のデザインは『ちょ~短編』に登場した「カゲの巨人」と同様のものである。
 後の『プリキュアオールスターズ DX3』では、ブラックホールから生まれた存在であることが明かされた。さらに『プリキュアオールスターズ NewStage 』では、復活して再登場する。


レインボーミラクルライト
 本作での劇場限定アイテム。劇中では「ミラクルライト」と略されて呼ばれていた。先端部にはハート型の蛍光部があり、ピンク色に光る。「 DX三部作」のミラクルライトは蛍光部がピンク色となっているが、それ以外の映画作品ではミラクルライトの蛍光部はホワイトである。
 劇中では妖精世界の特殊アイテムとされており、妖精世界に侵入したフュージョンをシフォンがこのミラクルライトで消し去り、クライマックスでは登場する全ての妖精がミラクルライトを振ってプリキュアたちのパワーを回復させ、勝利へと導いた。
 前作・前々作で行われた、映画プロローグでの「妖精によるミラクルライトの使用法説明」は、本作では行われていない。以後のオールスターズ作品では、『 DX3』では本作同様に全く行われず、『 DX2』では、劇中で桃園ラブが「ライトを振り回すのは危ないってことで……」と言及。『 NewStage 』では、冒頭で再生したフュージョンと戦うプリキュアたちを応援する妖精たちの中でタルトが説明。『 NewStgae2』では妖精学校での授業シーンで、特別教師のタルトが再び説明した。


おもなスタッフ
企画 …… 鷲尾 天、西出 将之
脚本 …… 村山 功
音楽 …… 佐藤 直紀、高梨 康治
デジタル撮影 …… 高橋 賢司
CG ディレクター …… 川崎 健太郎
美術監督   …… 田中 里録
キャラクターデザイン …… 稲上 晃、川村 敏江、香川 久、青山 充
作画監督   …… 青山 充
アニメーション制作 …… テレビ朝日、東映アニメーション
監督 …… 大塚 隆史

オープニング主題歌『キラキラ kawaii!プリキュア大集合♪』
 歌唱 …… 五條真由美 with キュア・デラックス(うちやえゆか、工藤真由、宮本佳那子、茂家瑞季、林桃子)
エンディングテーマ『プリキュア、奇跡デラックス』
 歌唱 …… 工藤真由 with キュア・デラックス (五條真由美、うちやえゆか、宮本佳那子、茂家瑞季、林桃子)
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『軍師官兵衛』  視聴メモ 第23回『半兵衛の遺言』

2014年06月23日 23時12分03秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第23回『半兵衛の遺言』(2014年6月8日 演出・本木一博)


登場する武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

小寺 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

竹中 半兵衛 重治  …… 知力59、統率力91
 (演・谷原章介)

明智 光秀      …… 知力93、統率力95
 (演・春風亭小朝)

荒木 村重      …… 知力52、統率力83
 (演・田中哲司)

高山 右近 重友   …… 知力71、統率力75
 (演・生田斗真)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

石田 三成      …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

丹羽 長秀      …… 知力82、統率力73
 (演・勝野洋)

織田 信長      …… 知力115、統率力108
 (演・江口洋介)

瀧川 一益      …… 知力66、統率力78
 (演・川野太郎)

佐久間 信盛     …… 知力57、統率力51
 (演・立川三貴)

蜂須賀 小六 正勝  …… 知力74、統率力90
 (演・ピエール瀧)

羽柴 小一郎 秀長  …… 知力83、統率力75
 (演・嘉島典俊)

織田 信忠      …… 知力73、統率力69
 (演・中村倫也)

別所 重棟      …… 知力64、統率力57
 (演・佐戸井けん太)

荒木 村次      …… 知力48、統率力78
 (演・中山卓也)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

小寺 職隆      …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭平)


ざっとの感想

●村次「父上……そんな刃物のあつかい方をしていたら、指をケガするのは当たり前です! 刃物は外側に、外側に!!」
 ふだん、日本刀をぶっさして仕事してる人が、どうしてこんなアホの子みたいなナイフの持ち方をするんだろうか。茫然自失はいいわけにならんでしょ! 戦国武将をなめんなよって話ですよ。

●九郎右衛門「うわごとに申されていた牢番のせがれは救い出しました。」
 まぁ、そんなことは戦闘中にはできませんよね。加藤又左衛門重徳の息子は、胸に「牢番のせがれ」って書いてあるネームプレートでもつけてたのか!?

●こんなこと、無理な相談なのは百も承知の上でグチっちゃうんですけど、やっぱり救出後の官兵衛の容姿がキレイすぎるというか……まぁ、少なくとも見舞いに来た秀吉の肩をつかむその手は、ちゃんといいもの食べてる太さですよね。こればっかりはしょうがないですけれどもね。
 代替案としては、あの『八代将軍吉宗』(1995年)における、子役から西田敏行さんへの見事すぎるシフト演出のひそみにならいまして、有岡城に監禁されているまでは岡田准一くんで、救出されたら斉藤洋介さん(『功名が辻』)になっているというプランはいかがでしょうか。そんでま、官兵衛の快復にしたがって、寺島進さん(映画『清須会議』)をまぶしつつもまたじょじょに岡田くんに戻していき、歳をとるにつれて真田広之さんになっていったら、どうかしら。

○秀吉「じゃあ、打ち合わせどおり、なるべくつらそうな顔をして板に乗っかっとるんじゃぞ、官兵衛。」
 信長「うん、まぁその……あれはホラ、有岡城が思ったよりも難攻不落でイラっときちゃってたから……きみ、官兵衛くんだっけ? なんか、ごめんね。」
 官兵衛「えっ、まさかの息子登場サプライズ!? 聞いてないよ~……」
 松寿丸「うわ~ん、会えたのはうれしいけど、かさぶたとかがぐちゃぐちゃしてて気持ち悪いよう!!」

 いろんなことを死んだ半兵衛のせいにして丸くおさめる秀吉……恐ろしいやつよのう!
 それにしても官兵衛さん、あの状態で兵庫~滋賀間を往復させられるなんて、強行スケジュールもたいがいにしてほしいですよね。

○やっぱりありますよね~、官兵衛の PTSD(心的外傷後ストレス障害)描写!
 「放送第8回で酒のつまみの佃煮にされた恨み!」とばかりに、ハイテンションで官兵衛の背中にはりつくムカデが、実にいい仕事をしていすね。ムカデの毒はほんとに痛くて怖いらしいから、気をつけろ!!

●だし「死ぬのは、ここにいる荒木の一族だけでじゅうぶん。」
 オイオイ、おまえが言うな!! 亭主の手綱をちゃんとにぎりきれなかったおまえのせいで、妊娠してる人とか子どもの命も全部ダメになることになったんだぞ!? 亭主はいないんだから、無駄だとしても、おまえだけは右近のつてを頼って助命嘆願の努力をし続けろ!! 他の誰よりも即効であきらめんな大バカ!!
 まぁ、まわりのみなさんも「こんなバカ夫婦が主君になったのが運のつきか……」とため息も出ない心境でしょうけどね。本当にかわいそう。

●だし「これが……裏切りの報い!」
 って、600名以上もの人々が処刑されて初めて思い知ったような顔をするんですから、もうつける薬もありません。
 1年も籠城して戦争してたんですから(しかもその主犯はいまだに別の城に籠城し続けてるんですから)、そのくらいの見せしめ利用は当たり前なんじゃないでしょうか。まぁほんとに……散っていった多くの命には、無言で手を合わせるしかないですよね。

○何度も言うようですが、敗者の処刑シーンや死亡シーンというものはなにかとエモーショナルで美しく見えがちです。
 しかし!! その末路までにいたった経緯には、必ず、まったく感動できない人生上の重大な選択ミスというものがおうおうにしてあるものなのです。そこ! そこを見極めるほうがよっぽど重要よ!! 同情してる場合じゃないのよ、リアルタイムで生きてる私たちは。死にゆく者たちの美しさなんか、ほんとの美しさじゃない! 正義は生者にあり……良きにつけ悪しきにつけ。

○正室だし処刑の報に、所有の茶器をいくつも叩き割って絶叫し、号泣する荒木村重。
 例によって、村重を演じる田中哲司さんの狂気が光るシーンなのですが、後年の生きざまを考えると、荒木村重はなにがあっても自分の審美眼にかなった所有物だけは自分で割ることは絶対にしなかった……というか、どんな心境にあってもそこにだけは手を上げられないという、芸術家としての呪縛があったんじゃないかな、とも思えるんですよね。そう簡単には八つ当たりできませんって!
 もしくは、ドラマのように叩き割ることがあったのだとしても、あの激情の中でも、常に冷静に「これは割ってもいいいいやつ、あ、これは割っちゃダメなやつ……」と瞬間的に判断する別の荒木村重が心の中にいたりして。そっちのほうが、政治と芸術の中で分裂する村重の「業」がよく出ていてものすごいですね。映像化はまだまだ先か!

●ナレーション「その後、荒木村重は城を捨て、逃亡した。その行方は杳として知れなかった……」
 あらら~、尼崎城の村重のシーンでこのナレーションが流れたってことは、その次の「花隈城籠城戦」のくだりはまるごとカットなんですか!?
 ということは、花隈城主で村重の最後の重臣となった従弟の荒木志摩守元清とか、花隈城攻撃でけっこうがんばった池田恒興あたりの見せ場は全部おあずけ……なんというもったいなさ! これが「放送スケジュールの都合」という、神のご意志の残酷さなのか……

○救出されたはよかったものの、監禁前とはうって変わって三白眼な目つきになり、ダークなつぶやきをぶつぶつ言うことが多くなったリハビリ官兵衛。
 う~ん、いいね! 少なくとも、頭でっかちで清廉潔白なだけだった監禁前よりはずっと魅力的なキャラクターになったぞ。さすがは岡田くん!!
 でも、これが NHK大河ドラマの主人公とは……なんという冒険!

○竹中半兵衛に託された軍配をたよりに、なかなかテンションの上がらない親父のケツをひっぱたく息子・松寿丸。う~ん、なかなかやるのう!!

○杖をつきながらも自力で歩行できるまでに快復し、苦みばしった笑顔で秀吉の陣所にカムバックする官兵衛。
 どうでもいいですけど、歩くたびにミョ~になめらかに左右にスライドする首がノリノリですね。ミュージシャンか!? なんにせよ、元気になってよかったよかった。


結論、「第24回がとてもたのしみです。」

 今回は、有岡城の開城後に待っていた荒木村重一族の末路と、官兵衛のリハビリ奮闘記ということで、またしてもドラマティックな見どころが満載なエピソードとなりました。高山右近はなにかにつけてだしの近辺をうろついてて、フリーターなみにヒマそうでしたね。とってもうらやましい!
 本編終了後の『官兵衛紀行』の有馬温泉にものすんごい魅力を感じてしまう私は、いっちょまえに働いて疲れる大人になれたということなのか、それとも、ただ単にオッサンくささに拍車がかかったというだけのことなのか……うわー、もうどっちでもいいから温泉いきたいよー!! え、「7日間で11回つかった」だって!? うらやましいにもほどがある。

 ところで、今回のオープニングクレジットでは、確かに別所重棟を演じる佐戸井けん太さんのお名前があったのですが……佐戸井さん、一体どこに出てた?
 あぁ、秀吉の陣所にいたのか……って、いつのまに三木城から離反したの、あんた!? もう、そこらへんの別所家中の兄弟相克もちゃんと描写しといてくれないとダメじゃないの、物書きさ~ん!! おいしいところをことごとくスルーするよね。
 三木城も御着城も、まだまだ落城してないのか……みんな、がんばっとるねぇ!!
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『軍師官兵衛』  視聴メモ 第22回『有岡、最後の日』

2014年06月16日 23時19分40秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第22回『有岡、最後の日』(2014年6月1日 演出・田中健二)


登場する武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

小寺 官兵衛 孝高  …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

竹中 半兵衛 重治  …… 知力59、統率力91
 (演・谷原章介)

荒木 村重      …… 知力52、統率力83
 (演・田中哲司)

母里 太兵衛 友信  …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

石田 三成      …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

丹羽 長秀      …… 知力82、統率力73
 (演・勝野洋)

瀧川 一益      …… 知力66、統率力78
 (演・川野太郎)

蜂須賀 小六 正勝  …… 知力74、統率力90
 (演・ピエール瀧)

羽柴 小一郎 秀長  …… 知力83、統率力75
 (演・嘉島典俊)

織田 信長      …… 知力115、統率力108
 (演・江口洋介)

佐久間 信盛     …… 知力57、統率力51
 (演・立川三貴)

荒木 村次      …… 知力48、統率力78
 (演・中山卓也)

宇喜多 直家     …… 知力94、統率力74
 (演・陣内孝則)

羽柴 秀吉      …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)

小寺 職隆      …… 知力72、統率力55
 (演・柴田恭平)


ざっとの感想

○アバンタイトルから、栗山善助の身体を張った寒中ふんどしサービスショット作戦が炸裂!!
 期待をまったくたがえないぷよぷよ体型がさすが、という感じですね。そこはやっぱり、はずさないね~。

○ちょっとした演出なんですが、捕らえられた織田方の間者(スパイ)が、顔を上げてみると視聴者が心配した井上九郎右衛門之房ではなく、間者が連行されてから解散していく従者たちの中に「あっぶねぇ~……」という表情を浮かべる九郎右衛門がいる、というワンショットは、なんかスピーディなお遊び感覚に満ちていてとってもおもしろいですね。
 こういう工夫のあるひとこまが序盤にあると、「おっ、なんか今回は充実してるなぁ!」って、こっちもノッてくるんですよねぇ。大事ですね、細部への気くばりって!

○軍師・竹中半兵衛、ついに死す! でも、ずいぶんとおだやかな最期でしたね。
 特に申しあげることもないのですが、この天正七(1579)年の段階で秀吉に「天下を……」と告げるのは、あまりにも早急なような気もしなくもないですね。だって、まずボスの信長が天下とれるかどうかもわかんないんだし! もしこの段階以前から秀吉が自分自身の「天下とり」を考えていたとするのならば、明智光秀も宇喜多直家も、そしてあの松永弾正久秀さえもがはだしで逃げ出す恐るべき野心家・秀吉というイメージが立ちのぼってくるわけなんですが……なんか、計画が遠大すぎね!? 敵が多すぎね!?
 なんかヤ~よね、こういう「秀吉が天下を取ること」が規定事実になっちゃってて、それがさかのぼって過去の状況を誇大妄想ぎみにねじまげちゃうっていう、時代劇ならではの「歴史の勝者びいき」って。
 私も歴代の『信長の野望』シリーズで、異常に能力値が優遇されている織田信長家臣団にさんっざん辛酸をなめさせられてきましたからね。お母さん、そういうの大ッキライ!!

○なんかここ最近、一言もセリフをしゃべらずに一筋「つーっ」と涙を流す演技しかしてない主人公・官兵衛。死ぬなよ~!!

○うおお~、ついにあの宇喜多直家にも死亡フラグがおっ立ってしまいましたか! ちょっと早いような気もするんですが、いよいよ運命の天正十(1582)年が近づいてきましたなぁ。
 それにしても、ろくなセリフもないんですが、直家の正室・お鮮の方を演じている笛木優子さんって、知性もかわいらしさも、そしてエロさも三拍子兼ね備えた非常にすばらしい女優さんですね! こりゃも~、荒木さんとこの奥さんなんか余裕でかすませる魅力の持ち主ですよ!! 「おまえを抱く気にもなれぬ。」と言われて、そんなに「えっ、マジ……?」ってビックリした表情になるって、ふだんどんだけ愛ある夫婦生活なんだっつーの♡
 そりゃあ、のちに秀吉にも目をつけられちゃいますよね。そこらへんの経緯のふびんさは、岡山城天守閣の解説ビデオでも詳しく説明されていましたっけ。
 ところで、まぁ悪役というイメージ演出のためだとは思うんですが、嫁さんといっしょにプライベートで酒を呑むときにもしっかりと鎧直垂(よろいびたたれ)に籠手(こて)に脛当(すねあて)という完璧いくさじたくの暑っ苦しいかっこうをしてる直家は、豪胆なんだか正直者なんだか、戦争好きなのか単にそういう特攻ファッションが好きなのか、よくわかりません! 外じゃセミが鳴いてるんだから夏なんでしょ!? 普段着で堂々と構えてるほうがいいということは、百戦錬磨の直家ならばわからぬ道理ではないはずなのに……稀代の梟雄、やはり本調子ではないとみた!!

○病没した半兵衛や、ごらんの有様の官兵衛の代理として岡山城に参上した蜂須賀小六正勝。迎えた直家は「おぬしが軍師ぃ? フンッ。」といった態度で応対し、正勝本人もなんだか自信なさげな表情を浮かべて秀吉の代わりを務めます。
 いやいや正勝さん、『信長の野望』シリーズじゃあ、あなたも軍師やってもおかしくないくらいにたいがいパーフェクトなんですけどね……もっと自分に自信を持って!
 織田家を相手にプレイすると、このあたりの中間管理職っぽいクラスの武将どもの充実度に泣かされるんですよね。ずるい!! ホントに誰か、一人でもいいからこっちにくれや!! 阿閉貞征はいりません。

 それにしても、「いままでは敵でしたが、これまでのことはいっさいすべて水に流しまして、そちらに従属させていただきます。一生懸命がんばりますので、本領安堵だけはなにとぞよろしくお願いいたします。」っていう内容の返事を、あそこまで上からな態度でできる直家の外交スキルは、なまなかなものではない! 惚れる!!

○城主が籠城中の城を抜け出す!? 奇想天外を突き抜けて、もはや現実逃避に近い大作戦を決行してしまう荒木村重。これに命を張って「なに言うとんねん、このボケ亭主! 他の誰が出てっても、おどれだけは最後までこの有岡に残らんかい!!」と大喝できない正妻だしは今週もやっぱりダメなんですが、あの狂気に満ちた目で押されたら、まぁしょうがねっか。
 田中哲司さんの渾身の「こいつもうダメだ……」演技が最高なのですが、このときに有岡城に残された部下にだけはなりたくないですよね。でも、現代の世の中でもけっこうあちらこちらで起きてそうな状況なんだから、ものすんごく怖い歴史エピソードです……

○「荒木村重、有岡城脱出」という報にやけに激昂して家臣たちを叱り飛ばす信長。
 でもよくよく考えてみたら、その時点で1年近く落とせないでいる難攻不落の敵城のあるじが城を抜けたというのですからそれなりの混乱も有岡では起きているはずで、これこそ攻め手にとっては現状打開の大チャンス、と解釈できないこともないはずです。信長はいったい何にそんなに怒っているのでしょうか?
 うん、やっぱりこの人、村重を正面から叩きのめして殺すつもりで包囲してたんですね。現実的には有岡城を攻め落とすことのほうが大事のような気もするのですが、世間に広める情報戦略のポイントからも、村重に逃げられるという事態だけはなんとしても避けたかったのでしょう。
 でも、ここらへんの考えかたって、まんま3年後の本能寺の変で明智光秀が、他ならぬ信長に対して考えてたこととおんなじなんですよね。なにがあっても信長の首だけはとらなきゃ大失敗っていう。実際、長期的に観れば大失敗に終わったわけなのです。
 実際の「バトル」というよりは、その戦場を取り巻く政治をも視野におさめた「ウォー」のことを重要に考える信長。こういえばなんだかカッコイイんですが、今回の激怒は、少々メンツや「逃げるな!!」というスポーツマンシップにこだわりすぎな感じも見受けられます。戦国大名っていう職業は、やっぱりなにかとウェットですよね。

○竹中秀吉のスライディング平伏……やっぱ最高だな!

○「無駄じゃ……もはや、毛利は来ぬ。」のあとに流れる13秒間の沈黙、そして村重の表情のうつろい! もう感動するしかないじゃないですか哲司さん!!
 今までの半生のはかりしれない労苦と輝ける栄華、そして現在の破綻を思い浮かべ、そしてこれからくる未来に恐怖しつつも、再び闘争心を燃やす。
 まさか、NHK の大河ドラマでこのような濃密な無言の演技を堪能できるとは!! まったく畏れ入りました。

○村重「村次……わしは思いついたのだ。信長に決して負けぬ手立てを! 生きることだ……わしが生きておる限り、信長に負けたことにはならぬ! 何があろうと、生きて! 生きて生き抜いてやる!!」
 はい~、そのセリフ、まるっとまるごと将軍・足利義昭がいただきました~。
 そうそう、生きてればいいのよ、待てば海路の日和あり、なのよ~!!
 でも、このセリフのなにがいいって、ちゃんと冷静に「負けたことにはならぬ」って言ってることなんですよね。つまり、「勝てもしないけどね」っていうドライな意味が含まれているんです。いいんじゃないっすか、勝ち負けだけが世の中じゃないんでね。リタイアしても、生きてるうちはただ単に「別の道に変えた」ってだけのことなんですよね。のんきに歩いていきましょう。

○城主・村重に続いて重臣・荒木久左衛門までが出奔したと聞いて、万事休すで火縄銃自殺に果敢にチャレンジする池田和泉守! 結局、成功できたから良かったけど、銃身が重くて手もと(この場合は足もと?)が狂うとか暴発するとか、失敗する可能性がメチャクチャ高い方法をなぜ選ぶ!? ノーマルな切腹フィーチャリング介錯じゃダメだったんですか……文字通りの最期になって突然個性を発揮した池田和泉守よ、やすらかに。なんでもいいですけど、ちゃんと発射後に火縄が床に落ちて火花が散る効果が画面に映されていたのが良かったですね。

●あまりにもあからさまなダウト演出なのでツッコムのも面倒くさいんですが……なんで火縄銃が連射できんねん!! 400年以上前の日本では、もうすでに連発式ライフル銃が開発できてたんか!? でもまぁ、こんな新兵器が配備されてたら、確かに天下の織田軍を相手にしても1年は持ちこたえたでしょうね。有岡城があれほど難攻不落だった秘訣に、新説登場か!?

●軍師・竹中半兵衛の死没、荒木村重の有岡城脱出、そして有岡城落城と官兵衛の1年ぶりの救出というようにドラマティックな展開が満載のエピソードだったのですが、有岡城の末路について、ちょっと史実とは違うような印象を受ける演出だと感じました。
 ドラマでは、さも有岡城が激しい「織田軍の総攻撃」を受けて、それに頑強に抵抗したものの、持ちこたえられず最終的に落城したと、そのように見受けられる戦闘シーンがクライマックスで華々しく描かれていたのですが、実際にはそんな流れではなかったはずです。

 まず有岡城は、劇中で城将・荒木久左衛門が「村重が尼崎城を開城すれば有岡城に残った武将とその家族(もちろん村重の正室だしも)全員の命を助ける」という破格の条件をもって尼崎城の村重のもとへ向かった時点で、すでに開城して織田家の手に落ちていました。
 東西400メートル、南北600メートルの市街区域も城域におさめた「総構え」式、しかも石垣や天守閣といった当時最新鋭の設備も充実させていた恐るべき堅城・有岡城でしたが、村重の脱出から1ヵ月後の10月15日から開始された織田軍の攻勢によってじわじわと追い詰められてゆき、最終的には本丸区域のみを久左衛門が死守するという状況になっていました。そこで11月19日に久左衛門が織田サイドからくだんの条件付き降伏をのみ、ついに開城という流れになっていたのです。
 こういうことですから、確かに荒木軍と織田軍とのあいだに激しい戦闘はあるにはあったわけなのですが、ドラマを素直に観ていれば自然と受けてしまう「久左衛門出奔→織田軍総攻撃→官兵衛救出」という順序は事実とは違う、ということになるはずなのです。
 確かによくよく考えてみれば、久左衛門が織田方の提示を持って尼崎城の村重に会おうとしている時点で久左衛門は有岡(現在の伊丹)~尼崎間を行き来することが許されていたことになるし、有岡城代表である久左衛門が織田方の使者になっていること自体、有岡城がすでに織田方と戦闘する立場でなくなっていたことを意味します。
 だいたい、牢獄の中で身動きできない瀕死の状態になっている官兵衛が、世話になった牢番の加藤又左衛門重徳(演・浜田学)の息子・玉松丸(のちの黒田家重臣・黒田一成)の養育を引き受けるというやりとりがありますが、こんなの、ドラマみたいに総攻撃が始まる直前に約束したって、意味なくね!? いったいどうやって官兵衛が「約束したから加藤玉松っていうガキンチョは殺さないでね♡ 」というメッセージを殺る気まんまんの織田軍に伝えるというのでしょうか。メールか!? これはやっぱり、戦闘状態がいったん終息したあとでなければ成立しないエピソードなのです。
 つまり、これまたドラマを観れば「村重のあまりにもつれない門前払いにブチ切れたんだろうなぁ。」という程度にしか受け取れない久左衛門の出奔も、そういう怒りというよりは、「このまま手ぶらで有岡に帰っても、『会えませんでした。』で織田方が納得してくれるはずがない……」という恐怖のほうが大きかったのではないのでしょうか。使者の役にも立たない投降武将なんか、まず生かしておく価値はないですよね。
 そんなこんなで、今回のエピソードのクライマックスは、またしても脚本のヘタな小細工が悪目立ちする構成になっていたと感じました。またかよ……別にそんなことしなくてもいいのになぁ! だいたい、総攻撃で牢番の加藤又左衛門が討死したみたいな映像にもなってたけど、あの人、有岡城の合戦では死んでないよね? 関ヶ原合戦の後でひょっこり黒田家の重臣になって天寿をまっとうしたよね? 来週以降に「実は生きていました!」っていうサプライズがあるのかな。地味なビックリだなぁオイ!

 ところで、今回は有岡城に残されちゃったかわいそうな荒木久左衛門や池田和泉守といった面々の動向がクローズアップされていましたが、やっぱり私としましては、彼らにつけ加えて、もともとは村重の主君だったのに、なんだかんだで村重の家臣になり下がって生き残る道を余儀なくされてしまった武将「池田久左衛門知正(1555~1604年)」もドラマに出てきてほしかった、と思うんだよなぁ。
 このお人、名前が同じために荒木久左衛門と混同されているらしいのですが、私はまったくの別人だと思うんですよ。たぶん、ドラマに出ている村重の重臣・荒木久左衛門とは別に、そうとうイヤそうな顔をしながら村重に従っていた池田久左衛門がいたはずなのです。年齢は20代なかば。
 池田久左衛門は本能寺の変後にひょっこり姿をあらわして豊臣秀吉配下の大名に復帰しているわけなのですが、果たしてこの人物が有岡城の合戦で村重の最大の信頼を受けていた荒木久左衛門と同一人物であるとは……考えにくいんだよなぁ。なんというか、村重にいちばん強い恨みを持っている身内であるはずの池田久左衛門に有岡城を任せて、村重が脱出すると思いますか? そして、そんな村重の意を愚直すぎるほどに堅守して、池田久左衛門が本丸を残すギリギリの状態になるまで籠城を続けると思いますか? なんか池田久左衛門の前歴と荒木久左衛門の活躍とのあいだで、村重に対する感情の温度の差がありすぎるんですよねぇ。
 いくら織田信長の死後だとはいっても、家族や部下の命を見捨てて逃げだした人間を、秀吉も2700石持ちの大名として採用しますかねぇ?

 村重という稀代のワルに名門大名としての道を閉ざされた上に家臣にさせられるという屈辱を受けながらも、それでもめげずに生き延びて最終的には自力で大名に復帰して豊臣、そして徳川の新時代を見とどけて去って行った、雑草根性を絵に描いたような池田知正の生命力もドラマで観たかったなぁ~。
 こういう逸材を、いろんな都合があるとはいえども、むげにカットしたり別人物に吸収させちゃう脚本は、やっぱダメよ!
 でも、この人を出すんだったら、官兵衛じゃなくて荒木村重が主人公の大河ドラマにしないといけないね。うわ~おもしろそう、視聴率が恐ろしいことになりそうけど、観たいなぁ~!!


結論、「第23回がとてもたのしみです。」

 なんか、とにもかくにも荒木村重を演じる田中哲司さんの、ジャック=ニコルソンなみに鬼気迫る情熱がムラムラする屈指の名エピソードでしたね! おもしろかったなぁ~、おもしろかったけど、主人公ぜんぜん活躍してなったなぁ~!!

 黒田長政、後藤基次、加藤清正、福島正則といった面々に加えて、今週は黒田一成に宇喜多秀家と、戦国のネクストジェネレーションとなるメンツがじわじわ出そろってまいりましたねぇ~、まだ子役ですけど!
 竹中半兵衛もついに死んじゃったし、なんか、だんだん「秀吉の時代」が近づきつつあるという実感がわいてくるエピソードが目白押しでしたが、官兵衛が救出されても、まだまだ中国戦線は始まったばっかりだし、さらにその後には「本能寺の変」が待っております。

 いや~、ここからますます盛り上がる一方ですなぁ! 視聴率もよくなるといいねぇ!!
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