映画『信長協奏曲』(2016年1月公開 126分 東宝)
『信長協奏曲(のぶながコンツェルト)』は、石井あゆみによるマンガ作品。『ゲッサン』創刊号(2009年5月刊行 小学館)から連載中。第57回小学館漫画賞・少年向け部門を受賞。コミックスは2016年1月の時点で13巻が刊行されており、物語は天正六(1578)年三月の上杉謙信の死去(信長45歳)まで進んでいる。
2014年からは「フジテレビ開局55周年プロジェクト」として TVアニメ(2014年7~9月放送)・実写 TVドラマ(2014年10~12月放送)・実写映画(2016年1月公開)の3媒体で同時企画・随時展開で映像化された。
映画版は全国325スクリーンで公開され、公開初日2日間で動員は約49万人、興行収入は約6億1千万円を記録した。
あらすじ
勉強が苦手な高校生のサブローは、ひょんなことから戦国時代の天文十八(1549)年にタイムスリップしてしまい、そこで出会った尾張国那古野城主・織田信長に、病弱な自分の代わりに信長となって生きてくれと頼まれ、織田信長として生きていくこととなる。
当初は周囲から困惑され裏切りや暗殺の危機にさらされるが、誤解や偶然が重なり飄々と切り抜ける。このことから家中や領民から支持され、家老の平手政秀の死をきっかけに本気で天下統一を志す。室町幕府第十三代将軍・足利義輝との謁見を果たし、尾張・美濃2ヶ国を制覇して京に上洛後、敵対した足利将軍家・朝倉家・浅井家・武田家やその他の隣国大名を打ち破っていく一方、楽市楽座・産業振興・兵農分離などを推し進め領地経営も成功し、近江国に安土城を完成させ天下人へ駆け上がりつつあった。
ある日、サブローはふと手にした歴史の教科書で、自分(織田信長)がもうすぐ死ぬ運命にあることを知る。予言された死が迫りくる中、サブローは運命に抗い生き抜こうと決意した。その思いの表れとして、帰蝶との正式な結婚式を企画する。その会場は京・本能寺……
主な登場人物
サブロー / 織田 信長 …… 小栗 旬
本作の主人公。勉強の苦手な普通の高校生だったが、戦国時代にタイムスリップしてしまい、顔、声、体格がそっくりだった本来の織田信長に出会い、彼の頼みで信長として生きていくはめになる。歴史を変えてはいけないという認識は持っており、日本史の教科書を参考にするなどして、織田信長として天下を取らないといけないと思っている。だが、飄々として物事にこだわりがない性格に加え、あまり歴史のことを理解していないため、自然体で生活している。しかしながら、図らずも自身の振る舞いが史実通りになっていく。ちなみに、サブロー(三郎)は史実の織田信長の通称でもある。
平然と危なっかしい真似をしたり、戦国時代に来て早々に経験のなかった乗馬をこなすなど身体能力は高い。礼儀作法に疎く、現代の言葉を使い周囲を困惑させることもあるが、独特な発想と高いカリスマ性や行動力を発揮させ、織田家の領地拡大につれて武将としての風格を備えていく。ただし朝廷外交の際は、本物の織田信長に参内してもらっている。その一方で、自分を過剰に慕う妹のお市には強く物を言えないなど、織田家の身内に甘い面を見せているほか、敵味方の意識が薄く、基本的に相手と戦うよりは仲良くすることを選ぶ。
本能寺の変で織田信長が死ぬという歴史的事実をあまり正確には把握していない。
なお、本作では信長の側室や子女は登場しておらず、史実における側室・吉乃は明智光秀の正妻となっている(光秀が織田家に仕える前に死去)。ちなみに史実では、弘治三(1557)年に嫡男・織田信忠が、永禄元(1558)年に次男・信雄、三男・信孝が生まれている。その他、長庶子・信正が天文二十三(1554)年に、四男・羽柴秀勝が永禄十一(1568)年に生まれている。
TVドラマ・映画版では、逃げ癖がある、強がりを言ってしまい後で落ち込む、死のうとしている相手に命の大切さを熱く語るなど、原作に比べて非常に人間臭くなっている。
明智 光秀 …… 小栗 旬(二役)
本物の織田信長。聡明だが病弱。サブローからは「ミッチー」と呼ばれる。織田家を出奔する際に出会った自分そっくりのサブローに、織田信長として生きていくことを託して尾張を去ってしまう。各地を放浪する中、明智家の養子に迎えられ、明智光秀を名乗る。その後、信長の噂を聞き、力になるためサブローの前に再び現れる。周囲の混乱を防ぐため普段は頭巾で顔を覆っており、必要に応じてサブローの影武者となる。織田家中をまとめ上げる四宿老のひとりに選ばれる。サブローとは強い絆で結ばれており、松永久秀の発言から偶然にサブローの正体を知った時以来、彼のためだけに生きると決意している。死別した前妻の吉乃との間に息子が二人いる(のちの織田信忠と信雄?)。また、娘の珠(のちの細川ガラシャ夫人)が生まれていることも語っている。
TVドラマ・映画版では、サブローと入れ替わった理由は原作とは異なり熾烈な跡継ぎ争いから逃れるためとなっており、秀吉の正体に気づきつつも共謀して暗躍するなど、より野心的な性格となっている。
帰蝶 …… 柴咲 コウ
信長の正室。美濃国大名・斎藤道三の娘。本物の信長とはうまくいっていなかったが、サブローにはベタ惚れする。優しく穏やかな性格で誰からも慕われている。サブローに深い愛情を抱き、戦乱でサブローが行方不明となった時は食事も睡眠も取らずに衰弱していた。
TVドラマ・映画版では気が強い性格になっている。そのためサブローと口論になることも多い。
お市 …… 水原 希子
信長の妹。幼い頃からサブローによくなついている。容姿は皆が認めるほど美しいが、お転婆で落ち着きがない。渋りつつも織田家のために浅井長政に嫁ぎ、三姉妹を産む。嫁ぎ先の浅井家が織田家によって滅ぼされる際に、実家の織田家に戻された。夫の長政よりもサブローが好きで、夫の死後でも信長を慕う態度は変わらず、サブローを兄以上に思っている節が見られる。サブローからは「おいっちゃん」と呼ばれる。
池田 恒興 …… 向井 理
織田家の重臣。信長(現在の光秀)の乳兄弟。一度はサブロー暗殺の企みにも荷担したが、サブローが時折話す断片的な史実を大望と勘違いして感銘を受け、以降は補佐に徹するようになる。サブローを諫める役を果たしてはいるものの、常識人であるがゆえに振り回され、苦労が絶えない。サブローからは「恒ちゃん」と呼ばれる。
柴田 勝家 …… 高嶋 政宏
元は織田信長の弟の信行の側近だったが、天下統一を狙うサブローと、兄の追い落としのみを望む信行との器の違いを目の当たりにし、信行を見限ってサブローについた。恒興と同じくサブローに振り回され、苦労が絶えない。織田家の四宿老のひとりに選ばれる。サブローからは「シバカツさん」と呼ばれる。
丹羽 長秀 …… 阪田 マサノブ
織田家の重臣。無口・無表情で、秀吉でさえも対応に困る人物。織田家四宿老のひとり。安土城の普請総奉行も務めた。
前田 利家 …… 藤ヶ谷 太輔(Kis-My-Ft2)
織田家の重臣。幼名は犬千代。やんちゃ。槍の名手でもある。立場ができるにつれて、荒々しい森長可を諌めるなど比較的落ち着いてきた。
佐々 成政 …… 阿部 進之介
織田家の重臣。前田利家とは反対に真面目で責任感が強く、利家といつも喧嘩になる。
森 長可 …… 北村 匠海
織田家の重臣。荒々しい気性の持ち主。
羽柴 秀吉 …… 山田 孝之
序盤は東海地方の大大名・今川義元の間者として登場する。農民から商人になった木下藤吉郎を殺してその名と経歴を奪ってサブローの前に現れる。木下藤吉郎を名乗る以前は「田原伝二郎」と名乗っていたが、これも本名ではない。
織田家に馬番として潜り込みながら、密かに織田信行に謀反を勧めるなど暗躍していた。しかし桶狭間合戦の際は、誤報を流してしまったために今川軍を大敗させてしまう。その後は、自分自身が力をつけて信長を倒すと決意する。
表向きは愛想のよい有能な忠義者のふりをしているが、本性は腹黒く冷酷で、サブローへの復讐の機会を待っている。サブローにその有能さを認められて出世してゆき、織田家四宿老のひとりに選ばれ、名を羽柴秀吉と改める。
TVドラマ版では、さらに信長の父・信秀を暗殺したり、斎藤義龍を焚きつけて道三への謀反を起こさせたりした。また、幼少期に自分の住む村が信長(本物)の手勢に滅ぼされたことが信長を憎む理由になっている。サブローからは「サルくん」と呼ばれる。
蜂須賀 正勝 …… 勝矢
美濃国の土豪。織田家の美濃攻めの際、一夜城造りで秀吉に協力し、以降その配下となる。
徳川 家康 …… 濱田 岳
三河国の大名。幼少時代、人質として尾張国でサブローとともに遊ぶ。この時の名は松平竹千代で、今川家の人質となったのちに松平元康と改名する。今川家が三河を支配していた時代は今川方の武将であったが、今川義元がサブローに滅ぼされたことによって織田家と同盟を結ぶようになり、徳川家康と名を改める。好色で、見るからに人のよさそうな外見をしている。幼少時代にサブローからもらった21世紀のエロ本『えろす』を家宝にしており、それによって女に目覚めたとサブローに語っている。お市に密かに想いを寄せている。
松永 久秀 …… 古田 新太
大和国の大名。実は21世紀の日本のヤクザだったが、戦国時代にタイムスリップしてから30年間、「主君殺し」や「将軍殺し」といった悪名を馳せながら畿内地方一の実力者にまでのし上がった。サブローが上洛すると即座に降伏するが、初対面の時でも背中の刺青を見せて驚かそうとするなど態度が大きかった。この時のリアクションから、信長の正体を知る。学がないため歴史には疎いが、うだつの上がらなかった平成時代を嫌い、弱肉強食の戦国時代を気に入っている。拳銃を所持した状態で戦国時代に来ており、護身用に携行している。同じ未来から来た者同士とはいえサブローに常には肩入れせず、時には裏切りもする。 織田家のほとんどの家臣からは蛇蝎の如く嫌われているが、森長可からは理解されている。石山本願寺に呼応してサブローに対して謀反を起こし、織田軍に本拠の信貴山城を囲まれ、降伏の使者・森長可に信長への餞別として拳銃を手渡し、城ごと爆死した。
TVドラマ版ではタイムスリップした時期は2005年と設定されており、サブローから『笑っていいとも!』の放送が終了したことを聞いて驚いていた。また、映画版では原作とは違う展開を経て最期を迎えている。
沢彦 …… でんでん
明智光秀(本物の信長)が幼少時代から師と仰ぐ和尚。光秀とサブローの秘密を知る人物のひとり。サブローに「天下布武」と「岐阜」を提案する。
主なスタッフ
監督 …… 松山 博昭(42歳)
脚本 …… 西田征史、岡田道尚、宇山佳佑
音楽 …… 高橋 拓(41歳)
撮影 …… 江原 祥二(60歳)
主題歌
Mr.Children『足音 Be Strong』
《本文マダヨ》
『信長協奏曲(のぶながコンツェルト)』は、石井あゆみによるマンガ作品。『ゲッサン』創刊号(2009年5月刊行 小学館)から連載中。第57回小学館漫画賞・少年向け部門を受賞。コミックスは2016年1月の時点で13巻が刊行されており、物語は天正六(1578)年三月の上杉謙信の死去(信長45歳)まで進んでいる。
2014年からは「フジテレビ開局55周年プロジェクト」として TVアニメ(2014年7~9月放送)・実写 TVドラマ(2014年10~12月放送)・実写映画(2016年1月公開)の3媒体で同時企画・随時展開で映像化された。
映画版は全国325スクリーンで公開され、公開初日2日間で動員は約49万人、興行収入は約6億1千万円を記録した。
あらすじ
勉強が苦手な高校生のサブローは、ひょんなことから戦国時代の天文十八(1549)年にタイムスリップしてしまい、そこで出会った尾張国那古野城主・織田信長に、病弱な自分の代わりに信長となって生きてくれと頼まれ、織田信長として生きていくこととなる。
当初は周囲から困惑され裏切りや暗殺の危機にさらされるが、誤解や偶然が重なり飄々と切り抜ける。このことから家中や領民から支持され、家老の平手政秀の死をきっかけに本気で天下統一を志す。室町幕府第十三代将軍・足利義輝との謁見を果たし、尾張・美濃2ヶ国を制覇して京に上洛後、敵対した足利将軍家・朝倉家・浅井家・武田家やその他の隣国大名を打ち破っていく一方、楽市楽座・産業振興・兵農分離などを推し進め領地経営も成功し、近江国に安土城を完成させ天下人へ駆け上がりつつあった。
ある日、サブローはふと手にした歴史の教科書で、自分(織田信長)がもうすぐ死ぬ運命にあることを知る。予言された死が迫りくる中、サブローは運命に抗い生き抜こうと決意した。その思いの表れとして、帰蝶との正式な結婚式を企画する。その会場は京・本能寺……
主な登場人物
サブロー / 織田 信長 …… 小栗 旬
本作の主人公。勉強の苦手な普通の高校生だったが、戦国時代にタイムスリップしてしまい、顔、声、体格がそっくりだった本来の織田信長に出会い、彼の頼みで信長として生きていくはめになる。歴史を変えてはいけないという認識は持っており、日本史の教科書を参考にするなどして、織田信長として天下を取らないといけないと思っている。だが、飄々として物事にこだわりがない性格に加え、あまり歴史のことを理解していないため、自然体で生活している。しかしながら、図らずも自身の振る舞いが史実通りになっていく。ちなみに、サブロー(三郎)は史実の織田信長の通称でもある。
平然と危なっかしい真似をしたり、戦国時代に来て早々に経験のなかった乗馬をこなすなど身体能力は高い。礼儀作法に疎く、現代の言葉を使い周囲を困惑させることもあるが、独特な発想と高いカリスマ性や行動力を発揮させ、織田家の領地拡大につれて武将としての風格を備えていく。ただし朝廷外交の際は、本物の織田信長に参内してもらっている。その一方で、自分を過剰に慕う妹のお市には強く物を言えないなど、織田家の身内に甘い面を見せているほか、敵味方の意識が薄く、基本的に相手と戦うよりは仲良くすることを選ぶ。
本能寺の変で織田信長が死ぬという歴史的事実をあまり正確には把握していない。
なお、本作では信長の側室や子女は登場しておらず、史実における側室・吉乃は明智光秀の正妻となっている(光秀が織田家に仕える前に死去)。ちなみに史実では、弘治三(1557)年に嫡男・織田信忠が、永禄元(1558)年に次男・信雄、三男・信孝が生まれている。その他、長庶子・信正が天文二十三(1554)年に、四男・羽柴秀勝が永禄十一(1568)年に生まれている。
TVドラマ・映画版では、逃げ癖がある、強がりを言ってしまい後で落ち込む、死のうとしている相手に命の大切さを熱く語るなど、原作に比べて非常に人間臭くなっている。
明智 光秀 …… 小栗 旬(二役)
本物の織田信長。聡明だが病弱。サブローからは「ミッチー」と呼ばれる。織田家を出奔する際に出会った自分そっくりのサブローに、織田信長として生きていくことを託して尾張を去ってしまう。各地を放浪する中、明智家の養子に迎えられ、明智光秀を名乗る。その後、信長の噂を聞き、力になるためサブローの前に再び現れる。周囲の混乱を防ぐため普段は頭巾で顔を覆っており、必要に応じてサブローの影武者となる。織田家中をまとめ上げる四宿老のひとりに選ばれる。サブローとは強い絆で結ばれており、松永久秀の発言から偶然にサブローの正体を知った時以来、彼のためだけに生きると決意している。死別した前妻の吉乃との間に息子が二人いる(のちの織田信忠と信雄?)。また、娘の珠(のちの細川ガラシャ夫人)が生まれていることも語っている。
TVドラマ・映画版では、サブローと入れ替わった理由は原作とは異なり熾烈な跡継ぎ争いから逃れるためとなっており、秀吉の正体に気づきつつも共謀して暗躍するなど、より野心的な性格となっている。
帰蝶 …… 柴咲 コウ
信長の正室。美濃国大名・斎藤道三の娘。本物の信長とはうまくいっていなかったが、サブローにはベタ惚れする。優しく穏やかな性格で誰からも慕われている。サブローに深い愛情を抱き、戦乱でサブローが行方不明となった時は食事も睡眠も取らずに衰弱していた。
TVドラマ・映画版では気が強い性格になっている。そのためサブローと口論になることも多い。
お市 …… 水原 希子
信長の妹。幼い頃からサブローによくなついている。容姿は皆が認めるほど美しいが、お転婆で落ち着きがない。渋りつつも織田家のために浅井長政に嫁ぎ、三姉妹を産む。嫁ぎ先の浅井家が織田家によって滅ぼされる際に、実家の織田家に戻された。夫の長政よりもサブローが好きで、夫の死後でも信長を慕う態度は変わらず、サブローを兄以上に思っている節が見られる。サブローからは「おいっちゃん」と呼ばれる。
池田 恒興 …… 向井 理
織田家の重臣。信長(現在の光秀)の乳兄弟。一度はサブロー暗殺の企みにも荷担したが、サブローが時折話す断片的な史実を大望と勘違いして感銘を受け、以降は補佐に徹するようになる。サブローを諫める役を果たしてはいるものの、常識人であるがゆえに振り回され、苦労が絶えない。サブローからは「恒ちゃん」と呼ばれる。
柴田 勝家 …… 高嶋 政宏
元は織田信長の弟の信行の側近だったが、天下統一を狙うサブローと、兄の追い落としのみを望む信行との器の違いを目の当たりにし、信行を見限ってサブローについた。恒興と同じくサブローに振り回され、苦労が絶えない。織田家の四宿老のひとりに選ばれる。サブローからは「シバカツさん」と呼ばれる。
丹羽 長秀 …… 阪田 マサノブ
織田家の重臣。無口・無表情で、秀吉でさえも対応に困る人物。織田家四宿老のひとり。安土城の普請総奉行も務めた。
前田 利家 …… 藤ヶ谷 太輔(Kis-My-Ft2)
織田家の重臣。幼名は犬千代。やんちゃ。槍の名手でもある。立場ができるにつれて、荒々しい森長可を諌めるなど比較的落ち着いてきた。
佐々 成政 …… 阿部 進之介
織田家の重臣。前田利家とは反対に真面目で責任感が強く、利家といつも喧嘩になる。
森 長可 …… 北村 匠海
織田家の重臣。荒々しい気性の持ち主。
羽柴 秀吉 …… 山田 孝之
序盤は東海地方の大大名・今川義元の間者として登場する。農民から商人になった木下藤吉郎を殺してその名と経歴を奪ってサブローの前に現れる。木下藤吉郎を名乗る以前は「田原伝二郎」と名乗っていたが、これも本名ではない。
織田家に馬番として潜り込みながら、密かに織田信行に謀反を勧めるなど暗躍していた。しかし桶狭間合戦の際は、誤報を流してしまったために今川軍を大敗させてしまう。その後は、自分自身が力をつけて信長を倒すと決意する。
表向きは愛想のよい有能な忠義者のふりをしているが、本性は腹黒く冷酷で、サブローへの復讐の機会を待っている。サブローにその有能さを認められて出世してゆき、織田家四宿老のひとりに選ばれ、名を羽柴秀吉と改める。
TVドラマ版では、さらに信長の父・信秀を暗殺したり、斎藤義龍を焚きつけて道三への謀反を起こさせたりした。また、幼少期に自分の住む村が信長(本物)の手勢に滅ぼされたことが信長を憎む理由になっている。サブローからは「サルくん」と呼ばれる。
蜂須賀 正勝 …… 勝矢
美濃国の土豪。織田家の美濃攻めの際、一夜城造りで秀吉に協力し、以降その配下となる。
徳川 家康 …… 濱田 岳
三河国の大名。幼少時代、人質として尾張国でサブローとともに遊ぶ。この時の名は松平竹千代で、今川家の人質となったのちに松平元康と改名する。今川家が三河を支配していた時代は今川方の武将であったが、今川義元がサブローに滅ぼされたことによって織田家と同盟を結ぶようになり、徳川家康と名を改める。好色で、見るからに人のよさそうな外見をしている。幼少時代にサブローからもらった21世紀のエロ本『えろす』を家宝にしており、それによって女に目覚めたとサブローに語っている。お市に密かに想いを寄せている。
松永 久秀 …… 古田 新太
大和国の大名。実は21世紀の日本のヤクザだったが、戦国時代にタイムスリップしてから30年間、「主君殺し」や「将軍殺し」といった悪名を馳せながら畿内地方一の実力者にまでのし上がった。サブローが上洛すると即座に降伏するが、初対面の時でも背中の刺青を見せて驚かそうとするなど態度が大きかった。この時のリアクションから、信長の正体を知る。学がないため歴史には疎いが、うだつの上がらなかった平成時代を嫌い、弱肉強食の戦国時代を気に入っている。拳銃を所持した状態で戦国時代に来ており、護身用に携行している。同じ未来から来た者同士とはいえサブローに常には肩入れせず、時には裏切りもする。 織田家のほとんどの家臣からは蛇蝎の如く嫌われているが、森長可からは理解されている。石山本願寺に呼応してサブローに対して謀反を起こし、織田軍に本拠の信貴山城を囲まれ、降伏の使者・森長可に信長への餞別として拳銃を手渡し、城ごと爆死した。
TVドラマ版ではタイムスリップした時期は2005年と設定されており、サブローから『笑っていいとも!』の放送が終了したことを聞いて驚いていた。また、映画版では原作とは違う展開を経て最期を迎えている。
沢彦 …… でんでん
明智光秀(本物の信長)が幼少時代から師と仰ぐ和尚。光秀とサブローの秘密を知る人物のひとり。サブローに「天下布武」と「岐阜」を提案する。
主なスタッフ
監督 …… 松山 博昭(42歳)
脚本 …… 西田征史、岡田道尚、宇山佳佑
音楽 …… 高橋 拓(41歳)
撮影 …… 江原 祥二(60歳)
主題歌
Mr.Children『足音 Be Strong』
《本文マダヨ》