アメリカを正しく認識する 建国までの歴史概略-6 黒人奴隷の牙城サウスカロライナhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/47e345a419e64d282679d2cffb5565f0
空の続き
ニューイングランド植民地とポカホンタス、そして感謝祭
ニューイングランドにおける最初の恒久的植民地は、1620年12月、今日のマサチューセッツ州プリマスに建設されました。
最初の冬、101人の渡航者のうち半数の死者をだしましたが、有徳の知事ウィリアム・ブラドフォードの指導のもとに、難局を切り抜けて踏みとどまることができました。
この植民地を建設した人々が上陸直前に結んだ『メイフラワー誓約』は、植民地自治、あるいは広くアメリカ民主主義一般の先駆者として神話化されてきました。
しかし、彼らはその後ニューイングランドに於いても決して植民地建設の指導的役割を演じることはありませんでした。このことは『彼らの世界観』と深く関わってきました。
彼らは『ピルグリム・ファーザーズ』と呼ばれ、日本では『巡礼始祖』と訳されています。 しかし『巡礼』という訳語からは、中世ヨーロッパの聖地巡りが思い出されて彼らの精神を連想するおンは困難です。
彼らは英国教会だけでなく、聖遺物や聖堂をも含めてすべての物に対する執着を捨て、一切の宗教的権威を否定しようとしました。
彼らにとって、この世では神を信じる人々の集まりのみが、究極的価値あるものだったのです。
彼らは他人からの信仰の押し付けを断固として拒否し、同時にみずからも押し付けることを厳しく自制しました。
しかし、多元的価値観に立って、自覚的に宗教を国家から分離し、徹底した世俗国家の建設を目指すほどの近代人でもありませんでした。
このような人々は、各宗派が正当性を求めて『武力闘争』を展開していた当時のヨーロッパにあっては、『この世を仮の宿』とみなし、『安住の地』を求めて『旅人』として生きるしかなかったのです。
彼らの植民地の歴史は結局、17世紀末『マサチューセッツ湾植民地』にほとんど抵抗なく『併合』されることによってその幕を閉じました。 植民地時代史家『バーナード・ペイリン』は言います。
「ペリグリムたちは、あらゆる権力本能を欠き、世界を変革するよりむしろ拒絶し、個人的敬虔を謙虚な態度で実践して、他人の誤りに対して寛容であった。 彼らは自分たちが建設した共同社会を永続させることができず、アメリカ人の生活に対する彼らの影響は理想の世界に限られていた」。
この評言は現代の心優しき人々の共感を誘います。 しかし、彼らのインディアンに対する恐るべき偏見は無視してはイケマセン。
実利的な南部の白人たちは、ジェームズタウンのジョン・ロフとポカホンタスの神話化されて有名になった結婚の例に見られるように、しばしばインディアンの娘と結婚あすることによって彼らとの平和の維持を試みました。
ととえそれが政略結婚であっても、少なくともそこには人間と人間との関係がありました。
しかし、ピルグリムにとってインディアンは悪魔の代理人でした。彼らが最初にプリマスに到着した時、専従のインディアンがすでに、先年イギリス人漁民がもたらした疫病によって死に絶えていたのを見て、「神が病原菌をつかわして、我々の行く先を清め給うた」ことを感謝して、翌春インディアンが遺した畑に種子を巻きました。
米国の感謝祭はこの年の秋の収穫を祝う祝日として始まりました。 また入植二年後の1622年、彼らはマサチューセッツ族の族長4人を謀殺し、その首を棒に突き刺し、20年間もプリマスの砦の上に晒しました。
(関連情報)
1.アメリカを正しく新式する 建国までの歴史概略-1 女王陛下の植民運動とヴァージニアの建設https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/9477875a78a94afcd5f08158083492c9
2.アメリカを正しく認識する 建国までの歴史概略ー2 イギリス植民者の食糧涸渇と餓死
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/9477875a78a94afcd5f08158083492c9
3.アメリカを正しく認識する 建国までの歴史概略-3 貧しい白人・年季奉公人とインディアン
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/876574644b25092fa9be15eb65af9d96
4.アメリカを正しく認識する 建国までの歴史概略-4 黒人奴隷制の確立https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f1b23e4328380344826c0481be66dded
5.アメリカを正しく認識する 建国までの歴史概略-5 チェサピーク湾地域における信仰の自由
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/337ddd83f415f458fee6fd207781ffd1
6.アメリカを正しく認識する 建国までの歴史概略-6 黒人奴隷の牙城サウスカロライナhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/47e345a419e64d282679d2cffb5565f0
7.アメリカを正しく認識する 建国までの歴史概略-7 Amaging Grace(アメージング グレース)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/fe8e3146073a3a8ad0f77eaf72ce3ae2
8.アメリカを正しく認識する 建国までの歴史概略-8 ニューイングランド植民地とポカホンタス、そして感謝祭