ここでこの時期のオランダと日本の関係を見てみましょう。 オランダは幕府に西洋事情を定期的に報告していました。 阿蘭陀風説書(おらんだふうせつがき)といわれるものです。
幕府が強い関心を寄せそうな情報は特別に「別談風説書」として報告していました。1850年の別格風説書では「アメリカ儀議会では、北太平洋で操業する捕鯨船主らのロビー活動によって日本を開国しろという議論が起きている」ことを幕府に伝えています。
何度も言いますが、ペリーが来航したのは1853年7月8日なので、ペリー来航の3年前の話です。さらに1852年の別談風説書では、「翌年の春以降にアメリカの蒸気軍艦が江戸城にやってくる」ことが書かれていました。
後に、浦賀にペリー提督率いる黒船艦隊が入ってきたと説きに「天下泰平の眠りを覚ます植木線、たった四杯で夜しかし、それは世界の情勢を知らされていない庶民の驚きであって、老中首座の阿部正弘を初めとした幕府首脳は早い段階からペリー艦隊が近い将来に江戸湾に現れることを知っていました。
したがって、幕府首脳がそれなりの議論を重ね対応策を練っていた筈だという推論は成り立ちます。 米国の日本開国計画立案の時代にオランダの注ワシントン大使は、バロン・テスタという人物でした。 テスタはアメリカの日本開国計画の本質をしっかりと理解し本国にに報告しています。それは次のようなものでした。
「アメリカ海軍の狙いは、東アジアに拡大する商業利権の保護とアメリカ太平洋岸の安全保障である」。 「国際郵船サービスに使われる船は有事には軍船に転用することを考えている」。
「カリフォルニアの経済成長と支那貿易拡張への意気込みが、優先事業を国が支援すべきとの議論を改めて呼んでる」。 尚、郵便運搬の大型船を、戦時には軍船に転用できるできるような設計・造船をたんとうしていたのがブルックリン海軍工廠のトップであったマシュー・ペリーでありました。
この報告内容から分かるように、オランダのテスタ大使は米国の日本開国事業がけっして捕鯨船漂流民の保護ではないことを分かっています。ようするに英国ロスチャイルドの代理人アーロン・パーマーが提案した太平洋ハイウェイ構想の実現こそが、ペリー艦隊の狙いであることを正確に理解し、しっかりと本国のオランダ政府にも報告していました。
これほどはっきりとした文献があるのにも関わらず、日本では未だに米国の日本開国の目的が漂流民の保護であった戸と解する者が多いのは残念な事です。オランダとしては、日本との交易における排他的特権が脅かされることが気がかりでした。 しかし、世の流れには逆らえないと覚悟したようです。
オランダには、200年以上に渡る日本との深い関係がある以上、日本の事は一番わかっている、したがって、日本の貿易が他の西洋諸国に開放されても十分に祐な地位が保てると諦観したようでした。
続く
次の投稿は、「日本の情報が筒抜けだった理由」を予定しています。
日本開国 ペリー来航の真実 ここまでのまとめ
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・ロスチャイルド財閥ー210 ペリー来航の真実 開国PJ反対派を黙らしたロスチャイルド
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/af5aba05f92d2c6b58c26db9b5659d3e
・ロスチャイルド財閥ー209 ペリー来航の真実 何故ペリーが選ばれたのか?
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・ロスチャイルド財閥-208 ペリー来航の真実 対日戦争を企てていた米国
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・ロスチャイルド財閥-207 ペリー来航の真実 太平洋ハイウェイ構想 、大陸横断鉄道と日本開国計画
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