体質改善のために早寝早起きを実践し、今体重は7キロ、体脂肪も8%減り、とても健康的な生活を送っている。
夜12時までに寝ないといけないので、その日も早速ベッドにすべりこんだ
しかし。
携帯が鳴った。
緊急の連絡が入るかもしれないので、電話だけ鳴るようにしている。
12時ですよ…。
誰だい…早く寝ないと先生に怒られちゃうよ…
ありえない名前を見た
わたしが、今までに一番好きだったひと。
もう2度と会うことも、話すこともないだろうと思った人。
…いや、誰かが彼の携帯を拾ってイタ電をしているのかもしれない…
出てみた。
「…もしもし」
無言。
「もしもし?」
無言。
「どちらさまですか?」
無言。
本人か?いや多分本人だ。
わたしが、携帯の登録を消したと思って、しゃべろうか迷っている。きっと。
それからしばらくわたしの「もしもし?」が続く。
考えたら「もしもし」って間抜けだ
「○○です。お久しぶりです。」
やっとしゃべったよ
っていうか、変質者かと思うじゃん!
「今どちらにおられるんですか?」
どう考えても不自然な流れなのだが。
だってわたしがその土地を離れて上京して4年、あなたと会わなくておそらく5年たってるよ。
でもなんと言ってもいままでで一番好きなひとだ。
今は転職して東京にいて、自分なりに頑張って働いていることを話した。
彼は以前、職場が一緒だった。
彼は今でもそこで働いている。
「辞める」と言ってまだ辞めないでいる。
だけど、さすがに煮詰まってきたようだ。
私生活も同じで、最初は死にそうな声を出していて、ほんとに彼だと分からなかったくらいだった。
彼はプライドの高い人だ。
その彼がわたしに愚痴を言っている。
わたしは「考えたってしょうがないじゃん!動けば分かってくることもあるよ?」と言ってみる。
なんかやけに前向きな人だわたしってこんなキャラだった?
実は彼とは3回お別れしている。
一度、わたしが好きでデートしていたが、振られた。
もう一度、考えてほしいと言った。少しの間、付き合った。でも振られた本当に、本当に悲しかった。でも思い切った。精一杯やったから。
今思い出しても、自分の頑張りに泣けてくる。
どうにかして彼が欲しかった。
でもあきらめた。縁がなかったのだ。
そしたら、今度は彼の方が寄って来た。
でもわたしは断った。
あまりにもいろいろありすぎた。もうあなたのことが信用できない、と。
きっぱりと別れた。
でも切られたのはわたしのほうだと思った。
それから、彼とは会社で顔を合わせても、目も合わせないようにしてきた。
そしてわたしは仕事に打ち込んだ。
それである程度の実績を作ることができ、転職して上京したのだ。
彼がほんとうに、手ひどくわたしを切ってくれたから、ここまで来れたのだ。
だから、いろいろとひどいことをされたけど、彼のことは恨んだりはしていない。
今はいいことしか憶えてない。
彼に会いに行った時に橋の上から見た、春の川辺の菜の花畑とか。
夏にドライブに行った時に見た、輝いている川面とか。
車を降りるときに頭を撫でてくれたこと。
今も幸せな気持ちで思い出す。
本当に好きだった。
彼と会った時に、世界がカラーに変わった。
あんなに人を理解したい、分かりたいと思ったことはない。
あんなになんでもしてあげたいと思ったこともなかった。
どこにいても、彼がみつけられた。
どのくらい好きか、彼に伝えたかった。
伝わったか、今も分からない。
あんなに好きな人はいなかった。
でも結局、わたしは自分を選んだ。
そして今に至るのだ。
結局、近況を語って、電話は4時間に及んだ。
次の日6時起きだという彼は、3時を過ぎても電話を切る気配がなかった。
死にそうだった声が、段々元気になってきた。
4時になって「あと2時間しか寝れないや」となんだかそれでも嬉しそうだった
わたしは明日、休みだけど、さすがに眠くなった。
でも、彼が元気になってきてよかった
しきりに「歳とったからもうだめだ」という。
「そんなこと言わないで。わたしがすごく好きだった人なんだから、しゃんとしてカッコ良くしててよ。歳なんか関係ない、気持ちだよ」と、思わず言ってしまった。
…まあいいや。
気心が知れた友達として、たまに電話で話すくらいだろう。
やっと電話を切った。
アドレスを送るから、また、と。
外を見たら、もう空は白んでいた。
2度目の別れの朝、彼はわたしの部屋から外を見ていた。
このくらいの明るさのなか、わたしは横顔をぼんやり見ていた。
涙が出てきた。
なんで今頃になって。
あんなに好きで、それで走って走って、頑張って、それでもだめで。
つらかった。どのくらい泣いたか分からない。
好きで好きで、彼しか見えなかった。
「このくらいの気持ちで結婚するなら、今までもっと好きな人がいたんだから、その人と結婚すればよかったって思うんです」
と社長に言った時に、思い浮かべたのは彼のことだった。
どうしたらいいんだろう?
朝、メールが入った。
「あんなに話したのに、まだ話し足りないくらいです。今日も頑張ってきます」
まだ足りないのかい
いっそ禿げていてくれたらいいのに…。
夜12時までに寝ないといけないので、その日も早速ベッドにすべりこんだ
しかし。
携帯が鳴った。
緊急の連絡が入るかもしれないので、電話だけ鳴るようにしている。
12時ですよ…。
誰だい…早く寝ないと先生に怒られちゃうよ…
ありえない名前を見た
わたしが、今までに一番好きだったひと。
もう2度と会うことも、話すこともないだろうと思った人。
…いや、誰かが彼の携帯を拾ってイタ電をしているのかもしれない…
出てみた。
「…もしもし」
無言。
「もしもし?」
無言。
「どちらさまですか?」
無言。
本人か?いや多分本人だ。
わたしが、携帯の登録を消したと思って、しゃべろうか迷っている。きっと。
それからしばらくわたしの「もしもし?」が続く。
考えたら「もしもし」って間抜けだ
「○○です。お久しぶりです。」
やっとしゃべったよ
っていうか、変質者かと思うじゃん!
「今どちらにおられるんですか?」
どう考えても不自然な流れなのだが。
だってわたしがその土地を離れて上京して4年、あなたと会わなくておそらく5年たってるよ。
でもなんと言ってもいままでで一番好きなひとだ。
今は転職して東京にいて、自分なりに頑張って働いていることを話した。
彼は以前、職場が一緒だった。
彼は今でもそこで働いている。
「辞める」と言ってまだ辞めないでいる。
だけど、さすがに煮詰まってきたようだ。
私生活も同じで、最初は死にそうな声を出していて、ほんとに彼だと分からなかったくらいだった。
彼はプライドの高い人だ。
その彼がわたしに愚痴を言っている。
わたしは「考えたってしょうがないじゃん!動けば分かってくることもあるよ?」と言ってみる。
なんかやけに前向きな人だわたしってこんなキャラだった?
実は彼とは3回お別れしている。
一度、わたしが好きでデートしていたが、振られた。
もう一度、考えてほしいと言った。少しの間、付き合った。でも振られた本当に、本当に悲しかった。でも思い切った。精一杯やったから。
今思い出しても、自分の頑張りに泣けてくる。
どうにかして彼が欲しかった。
でもあきらめた。縁がなかったのだ。
そしたら、今度は彼の方が寄って来た。
でもわたしは断った。
あまりにもいろいろありすぎた。もうあなたのことが信用できない、と。
きっぱりと別れた。
でも切られたのはわたしのほうだと思った。
それから、彼とは会社で顔を合わせても、目も合わせないようにしてきた。
そしてわたしは仕事に打ち込んだ。
それである程度の実績を作ることができ、転職して上京したのだ。
彼がほんとうに、手ひどくわたしを切ってくれたから、ここまで来れたのだ。
だから、いろいろとひどいことをされたけど、彼のことは恨んだりはしていない。
今はいいことしか憶えてない。
彼に会いに行った時に橋の上から見た、春の川辺の菜の花畑とか。
夏にドライブに行った時に見た、輝いている川面とか。
車を降りるときに頭を撫でてくれたこと。
今も幸せな気持ちで思い出す。
本当に好きだった。
彼と会った時に、世界がカラーに変わった。
あんなに人を理解したい、分かりたいと思ったことはない。
あんなになんでもしてあげたいと思ったこともなかった。
どこにいても、彼がみつけられた。
どのくらい好きか、彼に伝えたかった。
伝わったか、今も分からない。
あんなに好きな人はいなかった。
でも結局、わたしは自分を選んだ。
そして今に至るのだ。
結局、近況を語って、電話は4時間に及んだ。
次の日6時起きだという彼は、3時を過ぎても電話を切る気配がなかった。
死にそうだった声が、段々元気になってきた。
4時になって「あと2時間しか寝れないや」となんだかそれでも嬉しそうだった
わたしは明日、休みだけど、さすがに眠くなった。
でも、彼が元気になってきてよかった
しきりに「歳とったからもうだめだ」という。
「そんなこと言わないで。わたしがすごく好きだった人なんだから、しゃんとしてカッコ良くしててよ。歳なんか関係ない、気持ちだよ」と、思わず言ってしまった。
…まあいいや。
気心が知れた友達として、たまに電話で話すくらいだろう。
やっと電話を切った。
アドレスを送るから、また、と。
外を見たら、もう空は白んでいた。
2度目の別れの朝、彼はわたしの部屋から外を見ていた。
このくらいの明るさのなか、わたしは横顔をぼんやり見ていた。
涙が出てきた。
なんで今頃になって。
あんなに好きで、それで走って走って、頑張って、それでもだめで。
つらかった。どのくらい泣いたか分からない。
好きで好きで、彼しか見えなかった。
「このくらいの気持ちで結婚するなら、今までもっと好きな人がいたんだから、その人と結婚すればよかったって思うんです」
と社長に言った時に、思い浮かべたのは彼のことだった。
どうしたらいいんだろう?
朝、メールが入った。
「あんなに話したのに、まだ話し足りないくらいです。今日も頑張ってきます」
まだ足りないのかい
いっそ禿げていてくれたらいいのに…。
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