窓から見える山々はもう雪化粧しています
冬がきています
ここでは雪が降ってから冬本番です。
歳末のアルバイトの面接に行った時に面接を担当した人事担当者が、彼でした。
担当者が出てきた時、目を瞠った。
この人が面接官?
百貨店の事務所は最上階にあり、初めて足を踏み入れた場所。
小さい頃からおなじみだったデパートでも、こんなところがあるなんて知らなかった。
ごく普通の会社の事務所といった場所の、簡単な応接セットが置いてある小部屋に案内された。
前を歩く彼の身長は高い。180センチを欠けるくらいかな?
白いワイシャツに紺色のネクタイ、スーツの上着は着ていない。
ここで2人きりですか~
そこで履歴書を見ながらいくつか質問された。
担当者と差し向かいで、いつかれ来られますか?どのくらいの時間働けますか?
ここから通勤手段は何でどのくらいかかりますか?・・・など。
答えながら、わたしは目が釘付けだった。
超カッコいい・・・
彫りが深くて、髪が栗色。
そして手。
わたしの履歴書を持っている、男性にしては細めで長い指。手の甲に浮き出た血管。色が白い。
身のこなしや話し方など、東京の人のようだった。
超好みだった。
念のために言っておくが、アルバイトを始めて、売り場の社員さんに「あの人かっこいいですよね?」と言ったら、芳しくないお返事だった・・・。
「まあかっこいいけど・・・好みじゃない」とか「変わり者だよね」とか。
だからこんなにツボだったのはわたしだけなのか・・・
「どうして百貨店の仕事をしてみたいと思ったのですか?」
と質問された。
いわゆる志望動機だ。
ぶっちゃけ、お金を稼ぐためのアルバイトだ。
でもどこでもいいって訳ではなくて、わりと親もうるさい。
だから駅前のこのデパートだったら間違いないだろう、楽しそうだし。通勤も電車で一本、約10分だ。
だけどそんな風に言うわけにはいかない。
「東京で仕事帰りに池袋の百貨店によく立ち寄ったのですが、それで百貨店の仕事に興味を持ちまして・・・」
と答えた。
たしかに西武・東武の両百貨店にはよく行った。
東京の百貨店は楽しい。大好きだった
そんな答えに彼は
「そうですね。東京にはたくさんのデパートがありますからね。楽しいですよね、東京のデパートは」
とちゃんと答えてくれた。
おお、いい人だ
そう思った。
たかがアルバイトの面接なのに、ちゃんと受け答えをしてくれるその姿勢。
素敵だ・・・
面接が終わって、それではいつから来ていただくか、おってご連絡します、ということで送り出された。
小さい地方の百貨店とはいえ、地元のリーディングカンパニーの一つである。
さすが、地方でもこういう人がいるんだなあ、と思った。
普通の面接だったと思う。
事務所からエレベーターに乗り、デパートの外に出た時、外の景色が変わっていた。
世界がカラーになった。
わたしは26歳になったばかり。
定職もなく、半年ばかりふらふらしてたどり着いたこのアルバイト。
グレーだった世界に色が着いた。
そう思った。
よくドラマや映画で、恋に落ちた瞬間、花がパーっと咲き乱れて花びらが散りまくる、なんて場面があるけど、まさにそういう感じだったのだ
そしてわたしは
「ああいう人と結婚できたら、わたしもこの土地で頑張っていけるのになあ」
と思ったのを、憶えている。
冬がきています
ここでは雪が降ってから冬本番です。
歳末のアルバイトの面接に行った時に面接を担当した人事担当者が、彼でした。
担当者が出てきた時、目を瞠った。
この人が面接官?
百貨店の事務所は最上階にあり、初めて足を踏み入れた場所。
小さい頃からおなじみだったデパートでも、こんなところがあるなんて知らなかった。
ごく普通の会社の事務所といった場所の、簡単な応接セットが置いてある小部屋に案内された。
前を歩く彼の身長は高い。180センチを欠けるくらいかな?
白いワイシャツに紺色のネクタイ、スーツの上着は着ていない。
ここで2人きりですか~
そこで履歴書を見ながらいくつか質問された。
担当者と差し向かいで、いつかれ来られますか?どのくらいの時間働けますか?
ここから通勤手段は何でどのくらいかかりますか?・・・など。
答えながら、わたしは目が釘付けだった。
超カッコいい・・・
彫りが深くて、髪が栗色。
そして手。
わたしの履歴書を持っている、男性にしては細めで長い指。手の甲に浮き出た血管。色が白い。
身のこなしや話し方など、東京の人のようだった。
超好みだった。
念のために言っておくが、アルバイトを始めて、売り場の社員さんに「あの人かっこいいですよね?」と言ったら、芳しくないお返事だった・・・。
「まあかっこいいけど・・・好みじゃない」とか「変わり者だよね」とか。
だからこんなにツボだったのはわたしだけなのか・・・
「どうして百貨店の仕事をしてみたいと思ったのですか?」
と質問された。
いわゆる志望動機だ。
ぶっちゃけ、お金を稼ぐためのアルバイトだ。
でもどこでもいいって訳ではなくて、わりと親もうるさい。
だから駅前のこのデパートだったら間違いないだろう、楽しそうだし。通勤も電車で一本、約10分だ。
だけどそんな風に言うわけにはいかない。
「東京で仕事帰りに池袋の百貨店によく立ち寄ったのですが、それで百貨店の仕事に興味を持ちまして・・・」
と答えた。
たしかに西武・東武の両百貨店にはよく行った。
東京の百貨店は楽しい。大好きだった
そんな答えに彼は
「そうですね。東京にはたくさんのデパートがありますからね。楽しいですよね、東京のデパートは」
とちゃんと答えてくれた。
おお、いい人だ
そう思った。
たかがアルバイトの面接なのに、ちゃんと受け答えをしてくれるその姿勢。
素敵だ・・・
面接が終わって、それではいつから来ていただくか、おってご連絡します、ということで送り出された。
小さい地方の百貨店とはいえ、地元のリーディングカンパニーの一つである。
さすが、地方でもこういう人がいるんだなあ、と思った。
普通の面接だったと思う。
事務所からエレベーターに乗り、デパートの外に出た時、外の景色が変わっていた。
世界がカラーになった。
わたしは26歳になったばかり。
定職もなく、半年ばかりふらふらしてたどり着いたこのアルバイト。
グレーだった世界に色が着いた。
そう思った。
よくドラマや映画で、恋に落ちた瞬間、花がパーっと咲き乱れて花びらが散りまくる、なんて場面があるけど、まさにそういう感じだったのだ
そしてわたしは
「ああいう人と結婚できたら、わたしもこの土地で頑張っていけるのになあ」
と思ったのを、憶えている。
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