この作家の作品は、はじめ「ホワイトアウト」を読んで、
ああ、すごないなあ、スケールは大きいし、ストーリー展開も見事だし
人物も丁寧に描けているし、とても好印象だった、のですが、
「他の作品もぜひ早急に読まなければ」というところまでには私の心を
動かしきらなかったんですね。
「奇蹟の人」という作品も読みました。が、やはり、本棚には、
彼の作品群が居並ぶまでには至らなかった。
そして、この「連鎖」を読んで、今までの考えが一変。
小説家に限らず、表現者の中には、時代の先を読む優れた感性を持っている
人が多い、というか、そういう人が表現者になるものなのですが、「連鎖」
という作品は、いわゆる食品偽装問題がテーマ。
単に、産地偽装という問題だけではなく、闇組織も絡んできての大掛かりな
犯罪行為が追求されてゆくのですが、今日、テレビで見ない日はないという
くらいに賑わしている食に関する不審。もっとも、この作家がこのテーマで
小説を書こうとしていた時代も問題はあったんでしょうがね。
「メリットが無いと不正の考えようがない」
そりゃそうですよね。違反を犯してまで偽装しようとするのなら、それなり
のメリットがないと彼らは動きません。
これに殺人事件や愛憎問題まで絡ませてくると、ストーリーがあっちいったり
こっちいったりして分かりにくくなるものですが、そこらへんは巧みというか
非常にテンポが良い。
ただ、惜しむらくは、悪だくみをしていた側の顔というか心情、人物描写が
もっと欲しかったですね。
ああ、すごないなあ、スケールは大きいし、ストーリー展開も見事だし
人物も丁寧に描けているし、とても好印象だった、のですが、
「他の作品もぜひ早急に読まなければ」というところまでには私の心を
動かしきらなかったんですね。
「奇蹟の人」という作品も読みました。が、やはり、本棚には、
彼の作品群が居並ぶまでには至らなかった。
そして、この「連鎖」を読んで、今までの考えが一変。
小説家に限らず、表現者の中には、時代の先を読む優れた感性を持っている
人が多い、というか、そういう人が表現者になるものなのですが、「連鎖」
という作品は、いわゆる食品偽装問題がテーマ。
単に、産地偽装という問題だけではなく、闇組織も絡んできての大掛かりな
犯罪行為が追求されてゆくのですが、今日、テレビで見ない日はないという
くらいに賑わしている食に関する不審。もっとも、この作家がこのテーマで
小説を書こうとしていた時代も問題はあったんでしょうがね。
「メリットが無いと不正の考えようがない」
そりゃそうですよね。違反を犯してまで偽装しようとするのなら、それなり
のメリットがないと彼らは動きません。
これに殺人事件や愛憎問題まで絡ませてくると、ストーリーがあっちいったり
こっちいったりして分かりにくくなるものですが、そこらへんは巧みというか
非常にテンポが良い。
ただ、惜しむらくは、悪だくみをしていた側の顔というか心情、人物描写が
もっと欲しかったですね。