著者の作品は、『マークスの山』『レディ・ジョーカー』と読んだことがあって、
数ページ読んでいくと、うわ、こりゃヘビーそうな内容だぞ、と思うのですが、
読み進めていくうちにハマってしまい、序盤の想像通り、重苦しい部分も多いの
ですが、作品中に意識を溶け込ませるとでもいいましょうか、物語に引き込まれ
ていくのです、ぐいぐいと。
心の奥に凶暴性を持つ男、という男がいるのですが、その男の背景がなんとも
壮絶というか、悲惨というか。
だからって、殺人を犯す必然性は無いのですが、かつては手のつけられない
ほどの悪童だった男が、その後普通に就職し工場で働き、教師の女性と結婚し、
公団住宅に住み、男の子を授かり、しかし、衝動とはいえない他人にむけられ
た狂気を抱くまでのプロセスがしっかりと描けています。
この男の幼馴染みで、警視庁捜査一課の刑事。実直に職務をまっとうしているか
といえばそうではなく、だんだんとまずい立場に。
別れた元妻の兄(つまり元義兄)は、検事。妻と別れても交流はもち続けている。
あれ、この構図、どこかで読んだことがあるな、違う作家?と思い、本棚にある
本の中からそれらしいのを推量して、判明したのが、『レディ・ジョーカー』
でした。この刑事は『レディ・ジョーカー』にも出てました。
ズシンとなにか重たいものが心に響く、重厚感あふれる、そんな作品でした。
ただ、敢えて苦言をいうならば、はじめの部分の、工場の工程描写。
後でそれなりに重要になってくるので、ここはきちんと説明されているな、
というのは分かるのですが、ちょっと読み苦しかったかな。
数ページ読んでいくと、うわ、こりゃヘビーそうな内容だぞ、と思うのですが、
読み進めていくうちにハマってしまい、序盤の想像通り、重苦しい部分も多いの
ですが、作品中に意識を溶け込ませるとでもいいましょうか、物語に引き込まれ
ていくのです、ぐいぐいと。
心の奥に凶暴性を持つ男、という男がいるのですが、その男の背景がなんとも
壮絶というか、悲惨というか。
だからって、殺人を犯す必然性は無いのですが、かつては手のつけられない
ほどの悪童だった男が、その後普通に就職し工場で働き、教師の女性と結婚し、
公団住宅に住み、男の子を授かり、しかし、衝動とはいえない他人にむけられ
た狂気を抱くまでのプロセスがしっかりと描けています。
この男の幼馴染みで、警視庁捜査一課の刑事。実直に職務をまっとうしているか
といえばそうではなく、だんだんとまずい立場に。
別れた元妻の兄(つまり元義兄)は、検事。妻と別れても交流はもち続けている。
あれ、この構図、どこかで読んだことがあるな、違う作家?と思い、本棚にある
本の中からそれらしいのを推量して、判明したのが、『レディ・ジョーカー』
でした。この刑事は『レディ・ジョーカー』にも出てました。
ズシンとなにか重たいものが心に響く、重厚感あふれる、そんな作品でした。
ただ、敢えて苦言をいうならば、はじめの部分の、工場の工程描写。
後でそれなりに重要になってくるので、ここはきちんと説明されているな、
というのは分かるのですが、ちょっと読み苦しかったかな。