晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

瀬名秀明 『ブレインヴァレー』

2009-03-18 | 日本人作家 さ
最近、やたら露出の多い脳科学の研究者。もっとも、宇宙と同じ
くらいのミステリアスな領域なので、結局のところ「ここまでは
わかってるんですけどね」というふうに、人間が理解できる限界
を論ずるわけで、それ以上は倫理的にも技術的にも踏み込めない
からこそミステリアスだったりするわけです。

『ブレインヴァレー』というタイトルは、日本にある村に建てられた
脳科学、生理学研究施設「ブレインテック」があり、アメリカのシリ
コンヴァレーになぞらえて、そう呼ばれるようになった、というもの。

で、なにをする施設かというと、表向きは脳科学の研究なのですが、
所長の北川は、「新たな神を創る」という野望というか信念を持って
いるのです。
神とは、人間の幻覚で、それが気持ちよかったり、ポジティブなこと
だったりしたことを超自然的に「神」と形容し崇めはじめた、という
のですが、つまり、ある物質が人間の脳内のある部分で多くなれば、
幻覚が見やすくなるというもので、それじゃあその物質を人工的に
増やすようにして、「優れた脳」を作れば、さらに「優れた神」を
創造できるのではないか・・・
まあ、いわばマッドサイエンティストに近い発想です。だって、人体
実験も厭わないわけですから。

この施設、ものすごい辺境の村にあるのですが、この村には、代々、
神秘的な能力を持つ巫女のような女性がいて、その女性を詳しく調べ
ていけば、高レベルな脳を創り出せると目論む所長一派。

ダン・ブラウンの『天使と悪魔』という作品も、宗教と科学をテーマ
にしていましたが、人智を超えた「存在」や「意識」を解明しようと
したり研究したりするのは結構なことですが、じゃあそれですべてが
解明できたとして、平和がもたらされるのかといえば、それはない。

とにかく、専門用語のオンパレード。読んでいて、なんとか理解しよう
と努力しましたが、途中で断念。なんとなく読み進んでしまいました。
コメント
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