アメリカの小説や映画で、小学生くらいの子どもが主人公の作品
というのは、けっこう多いですが、正直、ロビタ的にはどうにも
すっきりしないというか、アメリカで育つ子どもの思考や振る舞い
が、好きになれないのです。
例を挙げれば、スティーブン・キングの『スタンド・バイ・ミー』
や、映画『ホーム・アローン』など。
もちろんこれは個人的意見ですので、逆に大人顔負けの立ち回りに
喝采する、という意見も否定しません。
本作『依頼人』は、トレーラーハウスに住み、父親は度重なる暴力で
出て行き、母親は低賃金労働で一家を養うという家庭環境で育つ、11
歳の少年マークとその弟が、近くの野原でタバコを吸おうとします。
そこに、一台の車が止まり、男がホースを排気ガスに繋いで、自殺を
企てようとするのをマークは目撃し、車まで隠れるように近づいて、
ホースを外し、自殺を食い止めます。それが男に見つかり、マークは
車内に連れ込まれ、殴られたり、男の自殺するに至った身の上話など
を聞かされて、マークに、ある死体を隠している場所を教えると、男は
ピストルを口に突っ込んで自殺します。
その一部始終を見ていたマークの弟は、様子がおかしくなり、車から
逃れたマークは弟を連れて家まで帰ります。
この件を警察に言おうと電話しますが、問題に巻き込まれたくないの
と、タバコを吸っていた後ろめたさから、匿名で電話します。
その後、母親に顔の傷を尋ねられても、その後やってくる警察にも
車の中で男に殴られたことを隠します。
一方マークの弟は、容態が悪化し、緊急入院します。
自殺した男は、FBIが目をつけていたマフィアの顧問弁護士で、FBI
は現職中の上院議員を殺した犯人をこのマフィアと断定しつつも、
死体が見つからずにいることで逮捕起訴に踏み込めずにいます。
FBIは、弁護士が死の間際に、マークに死体の在処を告げたのでは
ないかと考えます。
マークは、警察やFBIの追及に恐れ、ある女性弁護士に、手持ちの
1ドルで弁護を依頼します。
マフィアから脅され、警察やFBIから尋問され、板挟みになるマーク
と、マークを助ける女性弁護士。
この女性弁護士レジーは、さまざまな問題を過去に抱えてそれを克服し、
家庭問題などで傷つく子どもの権利を守る活動をしているので、マーク
に同情し、行動をともにします。
しかしFBIと検事はなりふり構わず、捜査妨害だとしてマークを拘束しよ
うとしますが・・・
ストーリーとしては、アイデアは素晴らしいように思えるのですが、
この作品の書評として、連邦判事でシカゴ大学講師リチャード・ポズナー
は「子供レベルな作品で、どのキャラクターも11歳のマークと同じように
しゃべり、良い者も悪者も深みがない」と評していますが、そう、これこそ
ロビタがどうにもしっくりこない、子どもを主人公にした作品の特徴。
子どもが大人顔負けで立ち回るにはどうしても限界があって、話につじつま
を合わせようとすると、子どもが出来る限界、あるいは子どもの思考の限界
に大人が「譲歩」しなければならないというのが、この作品を読んでいて、
随所に垣間見られたなあ、という印象でござんした。
というのは、けっこう多いですが、正直、ロビタ的にはどうにも
すっきりしないというか、アメリカで育つ子どもの思考や振る舞い
が、好きになれないのです。
例を挙げれば、スティーブン・キングの『スタンド・バイ・ミー』
や、映画『ホーム・アローン』など。
もちろんこれは個人的意見ですので、逆に大人顔負けの立ち回りに
喝采する、という意見も否定しません。
本作『依頼人』は、トレーラーハウスに住み、父親は度重なる暴力で
出て行き、母親は低賃金労働で一家を養うという家庭環境で育つ、11
歳の少年マークとその弟が、近くの野原でタバコを吸おうとします。
そこに、一台の車が止まり、男がホースを排気ガスに繋いで、自殺を
企てようとするのをマークは目撃し、車まで隠れるように近づいて、
ホースを外し、自殺を食い止めます。それが男に見つかり、マークは
車内に連れ込まれ、殴られたり、男の自殺するに至った身の上話など
を聞かされて、マークに、ある死体を隠している場所を教えると、男は
ピストルを口に突っ込んで自殺します。
その一部始終を見ていたマークの弟は、様子がおかしくなり、車から
逃れたマークは弟を連れて家まで帰ります。
この件を警察に言おうと電話しますが、問題に巻き込まれたくないの
と、タバコを吸っていた後ろめたさから、匿名で電話します。
その後、母親に顔の傷を尋ねられても、その後やってくる警察にも
車の中で男に殴られたことを隠します。
一方マークの弟は、容態が悪化し、緊急入院します。
自殺した男は、FBIが目をつけていたマフィアの顧問弁護士で、FBI
は現職中の上院議員を殺した犯人をこのマフィアと断定しつつも、
死体が見つからずにいることで逮捕起訴に踏み込めずにいます。
FBIは、弁護士が死の間際に、マークに死体の在処を告げたのでは
ないかと考えます。
マークは、警察やFBIの追及に恐れ、ある女性弁護士に、手持ちの
1ドルで弁護を依頼します。
マフィアから脅され、警察やFBIから尋問され、板挟みになるマーク
と、マークを助ける女性弁護士。
この女性弁護士レジーは、さまざまな問題を過去に抱えてそれを克服し、
家庭問題などで傷つく子どもの権利を守る活動をしているので、マーク
に同情し、行動をともにします。
しかしFBIと検事はなりふり構わず、捜査妨害だとしてマークを拘束しよ
うとしますが・・・
ストーリーとしては、アイデアは素晴らしいように思えるのですが、
この作品の書評として、連邦判事でシカゴ大学講師リチャード・ポズナー
は「子供レベルな作品で、どのキャラクターも11歳のマークと同じように
しゃべり、良い者も悪者も深みがない」と評していますが、そう、これこそ
ロビタがどうにもしっくりこない、子どもを主人公にした作品の特徴。
子どもが大人顔負けで立ち回るにはどうしても限界があって、話につじつま
を合わせようとすると、子どもが出来る限界、あるいは子どもの思考の限界
に大人が「譲歩」しなければならないというのが、この作品を読んでいて、
随所に垣間見られたなあ、という印象でござんした。