面白い作品には、はやく結末まで読みたくてスイスイ読み進めて
いくタイプのものと、できるだけこの作品世界に浸っていたいと
思わせるものがあり、著者のヒット作『天国への階段』もそうで
したが、後者タイプとして楽しめました。
養護施設に育ち、事件を起こして服役、その後親友の布田とともに
上京した伊勢は、暴力団の資金をバックに会社経営をしています。
伊勢は少年時代、両親の離婚後、母についていき、母は船医と再婚
します。しかし継父は航海途中で病死、その後を追うように母も火事
で死に、伊勢は神戸の養護施設へ、父親違いの妹は養子縁組で東
京へ行きます。
母の死の原因は家の火事だったのですが、実は別れた元夫に、再婚
した新しい夫の実家の土地を騙されて奪われ、それを悲観した自殺
だったことを伊勢は知り、10年前、実父を銃で撃ち殺したのです。
それから10年が過ぎ、渋谷の公園でフリーのジャーナリストが銃
殺されているのが発見され、その銃は10年前、多摩川で金融業の
男が殺された銃と同じものであったことが分かります。
その金融業の男とは、10年前伊勢が撃ち殺した実父。
拳銃は、伊勢と同じ養護施設で育った仲間に預けて海に捨てるよう
に頼んだのですが、その仲間は捨てていなかったのです。
フリージャーナリストはどんな情報を掴んでいたのか。なぜ殺され
たのか・・・
伊勢のうしろ暗い過去が描かれており、また、闇の世界のごたごた
も物語に絡んできます。
ただ、フリージャーナリストが掴んだある女性の生い立ちは、伊勢
と密接な関係があるのですが、伊勢と女性との接触は文中では出て
きません。ちょっとだけ再会させてもよかったかな、と思いましたね。
いくタイプのものと、できるだけこの作品世界に浸っていたいと
思わせるものがあり、著者のヒット作『天国への階段』もそうで
したが、後者タイプとして楽しめました。
養護施設に育ち、事件を起こして服役、その後親友の布田とともに
上京した伊勢は、暴力団の資金をバックに会社経営をしています。
伊勢は少年時代、両親の離婚後、母についていき、母は船医と再婚
します。しかし継父は航海途中で病死、その後を追うように母も火事
で死に、伊勢は神戸の養護施設へ、父親違いの妹は養子縁組で東
京へ行きます。
母の死の原因は家の火事だったのですが、実は別れた元夫に、再婚
した新しい夫の実家の土地を騙されて奪われ、それを悲観した自殺
だったことを伊勢は知り、10年前、実父を銃で撃ち殺したのです。
それから10年が過ぎ、渋谷の公園でフリーのジャーナリストが銃
殺されているのが発見され、その銃は10年前、多摩川で金融業の
男が殺された銃と同じものであったことが分かります。
その金融業の男とは、10年前伊勢が撃ち殺した実父。
拳銃は、伊勢と同じ養護施設で育った仲間に預けて海に捨てるよう
に頼んだのですが、その仲間は捨てていなかったのです。
フリージャーナリストはどんな情報を掴んでいたのか。なぜ殺され
たのか・・・
伊勢のうしろ暗い過去が描かれており、また、闇の世界のごたごた
も物語に絡んできます。
ただ、フリージャーナリストが掴んだある女性の生い立ちは、伊勢
と密接な関係があるのですが、伊勢と女性との接触は文中では出て
きません。ちょっとだけ再会させてもよかったかな、と思いましたね。