なにげなく手に取ったこの『フライド・グリーン・トマト』
という小説。表紙には、一列に並んだトマトの下に、ご年配
の女性4人が笑顔で写ってる写真かなにか。
とにかく、タイトルと表紙の装丁だけではどんな物語か、まっ
たく想像がつかないので、とりあえず読んでみると、これは
まあ、久しぶりに出会った秀逸な作品。
中年の主婦エヴリン・カウチは、夫エドの母が入所している
アメリカのアラバマ州バーミンガムにある老人ホームに向か
います。
義母とはなんとなくそりの合わないエヴリンは、談話室に行く
と、そこにはニニーという老女がいて、話しかけてきます。
話の主な内容は、この物語の「現在」である1985年前後
からおよそ60年前に、この老人ホームの近くにあるホイッ
スル・ストップという小さな村にあった「ホイッスル・ストップ
・カフェ」での周りに起こる出来事、カフェの経営者である
イジー・スレッドグッドとその兄弟姉妹両親、そしてイジー
の共同経営者ルースの話となります。
当時は鉄道が移動手段の主役だった時代、連結作業をするこの
ホイッスル・ストップで食堂(カフェ)を経営することになる
イジーとルース。黒人の料理人、常連の客、そして放浪の人々
たちの面白おかしい、時に悲しい出来事が、地元の新聞によって
紹介する、という形式で語られていき、その補足として、スレッド
グッドの一族である二ニーの語りが交錯します。
とにかく「型破り」な性格のイジーは、子供のころから変わり者
で、10代の時に、家で短期間滞在することになるルースという
女性を愛してしまいます。結局その愛は実らずルースは故郷に
帰り、結婚します。
その後、ルースを追ってきた夫が何者かに殺され、嫌疑がイジー
にかけられるといった事もあり、田舎の淡々としたカフェでの
話と、ちょっとしたサスペンスもあり、全体的に哀愁感のある
、どこかおとぎ話チックな物語。
ニニーの話に触発されたのか、エヴリンはそれまで自分ばかりを
責めてきた人生と決別し、前向きに生きようとします。
つまりウーマンリブの物語という側面もあります。
また、カフェで働く黒人コックやその仲間たちをイジーは誰彼なく
平等に扱い、食べ物を提供するのですが、それが面白くない白人
がいて、しかしイジーは真っ向から対決します。
女性の権利や人権問題も盛り込み、でも重くならずユーモアで
包み込むような文体。そして最後にはホロリときて、思わず
「こりゃまいった」と唸りました。
という小説。表紙には、一列に並んだトマトの下に、ご年配
の女性4人が笑顔で写ってる写真かなにか。
とにかく、タイトルと表紙の装丁だけではどんな物語か、まっ
たく想像がつかないので、とりあえず読んでみると、これは
まあ、久しぶりに出会った秀逸な作品。
中年の主婦エヴリン・カウチは、夫エドの母が入所している
アメリカのアラバマ州バーミンガムにある老人ホームに向か
います。
義母とはなんとなくそりの合わないエヴリンは、談話室に行く
と、そこにはニニーという老女がいて、話しかけてきます。
話の主な内容は、この物語の「現在」である1985年前後
からおよそ60年前に、この老人ホームの近くにあるホイッ
スル・ストップという小さな村にあった「ホイッスル・ストップ
・カフェ」での周りに起こる出来事、カフェの経営者である
イジー・スレッドグッドとその兄弟姉妹両親、そしてイジー
の共同経営者ルースの話となります。
当時は鉄道が移動手段の主役だった時代、連結作業をするこの
ホイッスル・ストップで食堂(カフェ)を経営することになる
イジーとルース。黒人の料理人、常連の客、そして放浪の人々
たちの面白おかしい、時に悲しい出来事が、地元の新聞によって
紹介する、という形式で語られていき、その補足として、スレッド
グッドの一族である二ニーの語りが交錯します。
とにかく「型破り」な性格のイジーは、子供のころから変わり者
で、10代の時に、家で短期間滞在することになるルースという
女性を愛してしまいます。結局その愛は実らずルースは故郷に
帰り、結婚します。
その後、ルースを追ってきた夫が何者かに殺され、嫌疑がイジー
にかけられるといった事もあり、田舎の淡々としたカフェでの
話と、ちょっとしたサスペンスもあり、全体的に哀愁感のある
、どこかおとぎ話チックな物語。
ニニーの話に触発されたのか、エヴリンはそれまで自分ばかりを
責めてきた人生と決別し、前向きに生きようとします。
つまりウーマンリブの物語という側面もあります。
また、カフェで働く黒人コックやその仲間たちをイジーは誰彼なく
平等に扱い、食べ物を提供するのですが、それが面白くない白人
がいて、しかしイジーは真っ向から対決します。
女性の権利や人権問題も盛り込み、でも重くならずユーモアで
包み込むような文体。そして最後にはホロリときて、思わず
「こりゃまいった」と唸りました。