今月は六回も投稿できました。といっても以前は「目指せ年間百冊」なんていってて、つまり月平均だと九冊以上、を目標にしてたのに、ここ数年はその半数。まあでも今は仕事しながら学校の勉強もあってその合間をぬっての読書タイムなので、そこらへんはご容赦を。
摂津国(現在の兵庫県)の学者の娘、幸は、大坂の天満にある呉服商(五鈴屋)に女中奉公に入りますが、番頭に幸の勉強熱心さと商才を見込まれて当主である四代目徳兵衛の後添いに。ところが夫婦になって間もなく夫は他界。幸は五代目徳兵衛になった四代目の弟、惣次と再婚します。が、惣次が進めてきた取引がダメになり、惣次は出かけるといったまま帰ってこず・・・
といったところまで。もうここまでで、すでにお腹一杯。
まだ惣次は帰って来ません。そもそも此度の問題は惣次に取引先の相手に少しでも(情)をかけていたなら回避できたトラブルだったのが大問題になってしまい、相手から「お前は店主の器ではない」と罵倒され、挙句、懸命にフォローした幸に「この女将さんが店主ならまた五鈴屋と仕事してもいい」と言われ、ひとくプライドを傷つけられたよう。しばらくして、物書きになると家を飛び出した三男の智蔵がひょっこり五鈴屋に帰ってきます。聞けば、惣次が智蔵のところにいきなり来て、自分は隠居するから智蔵が六代目になってくれ、とのこと。
幸は、内心ちょっとだけ智蔵が戻ってきたことで嬉しそう。というのも、まだ智蔵が五鈴屋にいて幸が女中だったときに本好きで勉強熱心だったことで意気投合し、智蔵は幸に番頭が丁稚にやっている勉強会を見学させてあげる機会を作ってあげて、そのおかげで「商売往来」を諳んじるまでになったのです。幸にとって智蔵は、博識でとても妹思いだった亡くなった兄を思い出させる存在で、三兄弟の中で一番好感を持っていました。
五鈴屋の二代目徳兵衛の妻、智蔵らの祖母にあたる「お家(え)さん」こと富久は、幸を養女にしようと考えています。しかし、この当時、大坂で商売をするにあたって「女名前禁止」という(しきたり)があり、女性は店の当主になれませんでした。つまり養女になったところで婿養子を探して、というめんどくさい手順を踏まなければ幸の商才が発揮できないのです。そこで智蔵は「だったら六代目徳兵衛である私の嫁になってくれ」といきなりプロポーズ。
ここでトレンディドラマだったらチャゲ&飛鳥の「Say Yes」が流れて道路に飛び出してトラックに轢かれそうになって「僕は死にましぇん」と叫ぶのでしょうが、まあそんなドラマのような展開とはいきません。智蔵は人形浄瑠璃に例えて、私が人形に、幸が人形遣いになって、私を操ってくれたらそれでいい、というのです。
ここらへんの女性の心情はどうなんですかね。もともと「嫌いではなかった」相手に、でも男としてはどこか頼りないのですが、女であるがゆえに商売の表舞台には立てない、でも人一倍商才がある。そして商売が好き。そこで男が「私があなたの操り人形になる」と言われてオーケーとなるものなんでしょうか。
そんな話はさておき。
幸は、かつて五代目徳兵衛の惣次の夢だった「江戸に出店する」を真剣に考えるようになります。というのも、大坂の呉服商は何かと「制約」があり、たとえば先述した「女名前禁止」もそうですし、掛け売り(期日を設けて後で支払ってもらう信用取引商売)と店前現銀売り(客が店に来てその場で決済する、いわゆる「掛け値なし」の商売)はきっちり区分けする、反物(絹織物)と太物(綿織物)の扱いの区分け、などなど。新規でビジネス展開をしたくとも、この「制約」が足かせとなるので、江戸は将軍お膝元とはいえ「ニュータウン」なので、こういった「制約」はあまり厳しくないようなので、信用のおける奉公人をふたり、江戸に行ってもらって下調べをしてもらうことに・・・
といったところで本作は終了。NHKの朝ドラ「あさが来た」のモデル、明治の女性実業家、広岡浅子も、江戸末期の京都の三井家に生まれて「女に勉強は必要ない」といわれて育ち、大坂の商家に嫁いで、明治に入って、実質的な経営者となり最終的に財閥となって、女子教育に尽力(現在の日本女子大設立に貢献)しましたが、もうちょっと生まれた時代が前だったらこの人も鈴木商店の鈴木よねも表舞台に出てこなかったかもしれない、ということですね。
摂津国(現在の兵庫県)の学者の娘、幸は、大坂の天満にある呉服商(五鈴屋)に女中奉公に入りますが、番頭に幸の勉強熱心さと商才を見込まれて当主である四代目徳兵衛の後添いに。ところが夫婦になって間もなく夫は他界。幸は五代目徳兵衛になった四代目の弟、惣次と再婚します。が、惣次が進めてきた取引がダメになり、惣次は出かけるといったまま帰ってこず・・・
といったところまで。もうここまでで、すでにお腹一杯。
まだ惣次は帰って来ません。そもそも此度の問題は惣次に取引先の相手に少しでも(情)をかけていたなら回避できたトラブルだったのが大問題になってしまい、相手から「お前は店主の器ではない」と罵倒され、挙句、懸命にフォローした幸に「この女将さんが店主ならまた五鈴屋と仕事してもいい」と言われ、ひとくプライドを傷つけられたよう。しばらくして、物書きになると家を飛び出した三男の智蔵がひょっこり五鈴屋に帰ってきます。聞けば、惣次が智蔵のところにいきなり来て、自分は隠居するから智蔵が六代目になってくれ、とのこと。
幸は、内心ちょっとだけ智蔵が戻ってきたことで嬉しそう。というのも、まだ智蔵が五鈴屋にいて幸が女中だったときに本好きで勉強熱心だったことで意気投合し、智蔵は幸に番頭が丁稚にやっている勉強会を見学させてあげる機会を作ってあげて、そのおかげで「商売往来」を諳んじるまでになったのです。幸にとって智蔵は、博識でとても妹思いだった亡くなった兄を思い出させる存在で、三兄弟の中で一番好感を持っていました。
五鈴屋の二代目徳兵衛の妻、智蔵らの祖母にあたる「お家(え)さん」こと富久は、幸を養女にしようと考えています。しかし、この当時、大坂で商売をするにあたって「女名前禁止」という(しきたり)があり、女性は店の当主になれませんでした。つまり養女になったところで婿養子を探して、というめんどくさい手順を踏まなければ幸の商才が発揮できないのです。そこで智蔵は「だったら六代目徳兵衛である私の嫁になってくれ」といきなりプロポーズ。
ここでトレンディドラマだったらチャゲ&飛鳥の「Say Yes」が流れて道路に飛び出してトラックに轢かれそうになって「僕は死にましぇん」と叫ぶのでしょうが、まあそんなドラマのような展開とはいきません。智蔵は人形浄瑠璃に例えて、私が人形に、幸が人形遣いになって、私を操ってくれたらそれでいい、というのです。
ここらへんの女性の心情はどうなんですかね。もともと「嫌いではなかった」相手に、でも男としてはどこか頼りないのですが、女であるがゆえに商売の表舞台には立てない、でも人一倍商才がある。そして商売が好き。そこで男が「私があなたの操り人形になる」と言われてオーケーとなるものなんでしょうか。
そんな話はさておき。
幸は、かつて五代目徳兵衛の惣次の夢だった「江戸に出店する」を真剣に考えるようになります。というのも、大坂の呉服商は何かと「制約」があり、たとえば先述した「女名前禁止」もそうですし、掛け売り(期日を設けて後で支払ってもらう信用取引商売)と店前現銀売り(客が店に来てその場で決済する、いわゆる「掛け値なし」の商売)はきっちり区分けする、反物(絹織物)と太物(綿織物)の扱いの区分け、などなど。新規でビジネス展開をしたくとも、この「制約」が足かせとなるので、江戸は将軍お膝元とはいえ「ニュータウン」なので、こういった「制約」はあまり厳しくないようなので、信用のおける奉公人をふたり、江戸に行ってもらって下調べをしてもらうことに・・・
といったところで本作は終了。NHKの朝ドラ「あさが来た」のモデル、明治の女性実業家、広岡浅子も、江戸末期の京都の三井家に生まれて「女に勉強は必要ない」といわれて育ち、大坂の商家に嫁いで、明治に入って、実質的な経営者となり最終的に財閥となって、女子教育に尽力(現在の日本女子大設立に貢献)しましたが、もうちょっと生まれた時代が前だったらこの人も鈴木商店の鈴木よねも表舞台に出てこなかったかもしれない、ということですね。
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