晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

アルトゥーロ・ペレス・レベルテ 『ナインスゲート』

2011-05-11 | 海外作家 ラ・ワ
この作品は、もともと「呪いのデュマクラブ」(日本語訳タイトル)
だったのですが、映画化にともない、タイトルも映画と同じになった
そうです。

ところで「デュマ」とは、説明も不要ですが「三銃士」の原作者。
まあ、オマージュとまではいかくとも、このミステリーに欠かす
ことのできない要素。
だからといって、あらかじめ読んでないとチンプンカンプンでもな
く、きちんと(ざっくりとですが)紹介されています。

スペイン人のレア本を探すという職業のコルソは、大金持ちのレア
本収集家から、中世イタリアで出版されたという悪魔関係の書「
九つの扉」が、その収集家が持っているのが本物かどうか、また
贋物であれば、本物を探してきてほしいと依頼されます。

さらに、友人から、“自殺”した出版社の社長が持っていた、アレ
クサンドル・デュマの「三銃士」の一部原稿も、本物かどうかの
調査も頼まれます。

経営もこれといって拙くはなかった社長の死は不審ではあるもの、
ひょっとして、原稿欲しさに自殺に見せかけて・・・などという
おだやかでない事がなければいいのですが、その原稿を持ち歩く
コルソは明らかに何者かに尾行されています。

まず「九つの書」は、今までポルトガルの同じく収集家、そして
フランスの財団、コルソの依頼された計3冊があることは確認さ
れており、しかし詳しく調べていくと、そのうち1冊だけが本物
ということで、まずはポルトガルに向かいます。

道中の電車で、ある女性と出会うのですが、何やら意味深な、
それでいて「あなたとは関係なくてよ」という雰囲気もありつつ、
その場は別れるのですが、コルソがポルトガルの収集家を訪ねた
後、コルソの泊まっている宿に、その女性が「収集家の命が危険
よ」と教えに来るのです・・・

急いで駆けつけると、部屋の中の暖炉には、燃えかけた「九つの扉」
の本物と思われる3冊中1冊があり・・・

ここから、フランスへと渡るのですが、女性も同行します。が、
聞いても身分を明かそうとしません。そしてコルソを尾行してくる
謎の男もフランスへ。黒いマントで顔に傷のあるヒゲの男は、まる
で「三銃士」に出てくるリシュリューそのもの。
はたしてこの男は、呪われた「九つの書」に関係あるのか、それとも
「三銃士」の原稿を奪おうとしているのか。

「三銃士」はあらすじというか基礎知識程度しか知らなかったのですが
この『ナインスゲート』を読めば、たまに話が並行したりして、なんだ
か2冊読んだ気分。
なのですが、本文で重要なのは悪魔書のほうで、そこら辺が詰め込みすぎ
な感があります。



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