晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

佐々木譲 『制服捜査』

2014-07-18 | 日本人作家 さ
今ごろになって佐々木譲にハマッております。ただ、残念なのが、
けっこう厚いページ数でも読み始めたら1日か2日で読み終わって
しまうところ。面白いからまあ苦情でもなんでもありませんが。

北海道の十勝平野のはじっこ、道警本部釧路方面広尾警察署管内の
志茂別駐在所の、いわば「駐在さん」である川久保が主人公。

「笑う警官」でもあったように、不祥事が発覚して、道警では
その対策としてひとつの職場に長く在籍させないでコロコロ人事
異動させるというものがあって、たとえばべテランの刑事といった
人がいなくなる弊害もあります。

そんな川久保も、札幌から道東の駐在さんに。基本的に駐在所勤務
は家族同伴なのですが、家族は札幌に残して単身赴任。

「逸説」では、高校生が行方不明だと母親が連絡。どうやら調べて
いくうちに高校の同級生とトラブルに・・・

「遺恨」では、ある牧場で飼っている犬が散弾銃で射殺され、その
聞き込みをしているうちに、篠崎という大規模牧場のオーナーと
殺された犬の飼い主とのあいだにトラブルがあったと知り、さらに
篠崎家の父親が殺され・・・

「割れガラス」では、前科持ちの大工がやってきて、車上狙いが多発
するようになり、疑いの目が・・・

「感知器」では、放火や不審火が相次いで起き、はじめはホームレス
か本州から来る旅行者が疑われていたのですが・・・

そして「仮装祭」では、13年前に起きた少女の失踪事件と似たこと
が今年の祭でもあって、この地域のさまざまな問題が浮き彫りに・・・

川久保は、地元に詳しい元郵便局員に地区のことや人間関係について
教わります。地域の”有力者”が、ときに捜査の妨げになったり、
都会で起きる華々しい事件とは違って、田舎の”しがらみ”といいま
すか、この地域のコミュニティそのものと川久保は闘っているのでは
ないか、と感じました。

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