写真は
川瀬惣次郎著 肥料學 明文堂 大正十三年六月十日 再訂三版発行
肥料學 目次
第一編 肥料學総論・・・・・・・1-80
第二編 動物質肥料・・・・・・・81-229
第三編 植物質肥料・・・・・・・230-341
第四編 鉱物質肥料・・・・・・・342-598
第五編 雑質肥料・・・・・・・・・599-656
第六編 肥料學餘論・・・・・・・657-725
川瀬の肥料学は、ご覧のように第四編の鉱物質肥料に多くの頁をさいています。賢治の「肥料用炭酸石灰」に肥料学・「参照 578頁」とありますが、この頁には 「第十一章 石灰質肥料 第一節 石灰石 第二節 生石灰」等がみられます。
またこの本の自序には、鈴木梅太郎博士の「植物栄養論講義」及び麻生慶次郎博士の「肥料学講義」に有益な示唆をえたと記されています。賢治の「孔雀印手帳」四〇頁に「麻生博士ー桑葉中灰分・・・」とあるメモは、麻生慶次郎博士のことでしょう。
鈴木博士は、明治三九年欧州留学から帰朝、その後大正六年まで盛岡高等農林学校の教授をされていた。関教授といい賢治にとっては、勉学には恵まれた環境であったと思います。