路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

君の名は…

2007-12-28 | 『ジュリー』

川沿いの道は犬の散歩をする人が多い。

可愛らしいおばあちゃんがあまり動かない小型犬を連れて知人と立ち話をする姿が見える。

近づいてみると、リードの先には犬ではなく、猫。

それも、大きなチンチラ猫だった。

この辺り(外)ではあまり見ない血統書付きの立派な奴だ。名前は『ジュリー』。

飼い主のおばあちゃんが話し込んでいる間、遊ばせてもらっていると……

まるで手加減無しの問答無用。猫パンチに猫キック…強烈で、こっちが泣きそうになっても、

何故かおばあちゃんに気付かれる前に止める強者だった。



団地の一階のベランダにネットを付けて逃げない様に飼っているが、

猫がそのネットをハンモック代わりに寝ている姿を見て、ベランダのすぐ横の道を通る人が笑う。

私もその一人で、良くネットにモップがひっかっかた様な姿で、

猫が丸まっているのを目撃した事がある。



ハンモックのモップを4~5日見掛けなかった。

偶然、買い物に出てきたおばあちゃんに会ったので、

猫の事を聞くと『ジュリー』は肝臓が悪く入院中と言う。

鬼の霍乱か。

たとえ、猫パンチと猫キックをしこたまお見舞いされてもやはり心配だ。


ずっと気になっていたら、久々にリード付きのお散歩の姿が見えた。

また猫と遊ばせてもらっていると、通りすがりの人が猫の名前をおばあちゃんに聞いた。


「リョウスケよ。」とおばあちゃんは平然と答えた。


名前なんて何でも良いから、長生きしてね、おばあちゃんも。猫も。



 ←おばあちゃんとジュリーちゃん、いつも元気でポチっとな。


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やり手の親友

2007-12-28 | 『リー』

大きい。小型犬がびっくりして逃げ出しそうだ。

でも、体の割に顔が小さくて飼い猫特有のあどけない表情に思わず騙されそうになる

トリッキーな雌猫『リーちゃん』だ。

『ミーディ』の住む薬屋の二軒先のお宅、手入れが行き届いた庭付きの一軒家が彼女の家。

今日は塀の上、昨日は出窓の屋根の上。

冬の寒い日には飼い主さんの車の中…と、その時々の一番心地よい場所へ移動している。

私が通ると、挨拶を欠かさない礼儀正しいお嬢さんでもある。

お互いに時間が許せば、近くの公園のベンチに座って、じっと黙って隣に居てくれる。

まるで、昔からの親友の様だ。


猫と並んで座っていると、通る人が笑う。

子供達が立ち止まって、こっちを見ている。

猫に触りたいのだ。

なかなか通り過ぎてはくれない。こういう時の子供達は、

頑なな迄に自分の要求を満たそうとする。まるで、欲のモンスターだ。

嫌な空気を読んだのか、ベンチを降りて、子供達から遠ざかる様に

道を挟んだ歯科医院の駐車場へと避難する猫。

子供達も負けずに追い掛けて行く。

『リーちゃん』は露骨に嫌な顔をして、子供達に背を向け家へ帰ろうとしたが、

急に立ち止まり道の真ん中に「もう、どうにでもしろ」と言わんばかりにゴロンと横になった。

暫くされるがままに子供達に撫でられた後、気が済んだ子供達を後目に

「やれやれ」と言った感じの不機嫌な顔で家に帰って行った。



子供達の扱いは、彼女の方がきっと上だ。



 ←やり手の親友、リーちゃんに敬意を表して、ポチっと応援お願いします。


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