路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

大商人

2009-07-21 | ★ほんの日常

最近読んだ興味深い本があったので

一部だけ、ちょっと掻い摘んで紹介します。





士農工商の江戸時代…




士は政治・行政、

農民は国民の食料生産、

工(職人・技術者)は国民に必要な生活工具を生産する。

これらの「前向きの生産者」に比べ、

商人は何も生産せずにモノを流通させる事で金を得ていたので

軽蔑されていた。






8代将軍、徳川吉宗の行政改革に伴い

苦しい思いをしていた庶民達が

ストレス発散の為、飲み屋でたむろして憂さを晴らしていた。

飲み屋を経営していた商人の十右衛門の店にも

常連達がやって来ては行政に不満を持つ客が

集まっては愚痴を並べる始末。

十右衛門もはじめは吉宗の政治に反発心を持っていたが

次第に圧制だけでは無い吉宗のやり方に賛同し始める。

ふと、店を見渡せば…


  ・常連客ばかり。

  ・常連の滞留時間が長い。
   そして、店の一角を常連が定位置として独占している。

  ・新しい客が入って来ると常連達はジロジロと見る。
   つまり「お前達はよそ者だ」と言う目つきをする。
   新しい客はしり込みし、出て行ってしまう。

  ・常連はいつも「掛売り(ツケ)」だ。
   いつか払うと言っては支払いがかなりの額にのぼっている。

  ・話の内容が暗い。政治や行政に対する不平不満ばかりで
   自分達が一所懸働いて少しでも江戸の町を良くしようという
   意欲が感じられない。


「このままではいけない。」

そう思った十右衛門は店の改善案を考える。


  ・常連の滞留時間を短くして貰う。

  ・話の内容も愚痴やボヤキだけでなく、明るい話題を話して貰う。

  ・新しい客も入りやすいような雰囲気をつくる。




通常、常連を大切にするのは商人の鑑的に思えるのだが

彼の志はもっと高い所にあった。

先ず、常連に許していたツケの廃止。

酒とつまみを原価で出すのでツケは一切無しで行くと告げたのだ。

常連達からの苦情も多く出たが、原価でと言われて

この制度は定着していった。

しかし、それでは他店舗からの苦情も出る。

「一体、どうやりくりしているのだ?」と疑問に思うが

ツケを廃止したお陰で仕入れも上手くやれるし

溜まった酒樽を酒屋に売るなど色々と工夫を凝らした。



「カネが無ければチエを出せ、チエが無ければアセを出せ。」



今思えば、江戸300年歴史に生きる商人がこの日本を支え

経済を動かしてきたのだと解かる。

そこには、商人達の大いなる知恵があったからだ。




永田町もきっと常連(議員)廃止の索を講じれば

きっと世の中の為になるかも知れません。笑。

いやいや、

私達自身(国の常連)が変わらなければいけないのかなぁ。。

まぁ、どっちもしかり。









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コメント (8)
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