夕方から夜に変わる時間帯には
街路樹の中で雀の集団がミーティングを始める。
その下の歩道を歩く人間にとっては、
思わず糞が落ちて来やしないかと不安にもなる。
その日も、上を不安気に見上げながら歩道を歩いていると
私とは違う目的で街路樹を真剣に見上げている物体が…

そう、久々に会った腹ペコの『白石さん』だった。
真剣に木の上の雀達に視線を送っている『白石さん』。
「気の毒だけど…それはきっと無理だよ。」と話し掛けて
そっと撮影を始めた私を恨めしそうに見詰めるので
撮影料を少しあげる事にした。
目の前に少し置こうとすると直ぐに
凄い勢いで猫パンチを繰り出すのは相変わらずだ。
以前出会った時よりも少し痩せた感じがする。
やっぱり、お腹が空いていたんだね。
ブロックの隙間に埋まったカリカリまで
必死で食べようとしている姿を見ていると
切なくなった。
大きな体で怯えながら上を見上げていた私と
小さな体で獲物を狙って見上げていた猫。
偶然出会った小さな友達が、
「生きる姿勢」をそっと教えてくれた。
昨日は49位

昨日は19位
