路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

チビの引越し

2010-05-12 | 『尚人・直人・チビ』




公園に行っても最近は

チビ』の姿が見えなくなっていた。



一本向こうの通りでばったり出会ったので喜んでいると

通りすがりの犬の散歩のおばちゃんに声を掛けられた。



「それは貴方の猫?」

「いいえ。この辺の野良さんです。」

「あぁ、あの家の人が飼っとるよ。その猫。」

団地の一階の部屋を指差した。



『チビ』がそのお宅のベランダの下に居たので、直ぐに解かった。




『チビ』を撫でくり回しながら、その部屋の窓を見ると

おじいちゃんが心配そうに『チビ』と私を見ていた。

私が『チビ』を連れて行きやしないかとソワソワしながら

見ているのだ。



団地には高齢者が多い。

しかも、一人暮らしや老夫婦のみの寂しい家庭が多いのだ。

ひょんな事で増えた家族を、見知らぬ私に連れ去られては

かなわないからだろう。




「あんた、飼われとるんね、良かったね」



出会った時は、物凄く小さくて

なかなか懐いてくれなかったし、

信用して貰うまでにかなりの時間を要した猫さんだけに

成猫になってからでも貰ってくれる人がいたと思うと

とっても嬉しかった。



小さい内にろくにご飯が食べれていなかったから

成長が遅かったのか、とっても小柄な猫だから余計に

甘えてくると可愛いのだろう。





帰り道で一人、

おじいちゃんに甘えている『チビ』を想像して

思わず一人、ニヤついてしまう自分がいた。








昨日は61位
 ←『チビ』の幸せに、クリック一つ。
昨日は18位
にほんブログ村 写真ブログ フォトエッセイへ ←優しいおじいさんに、クリックもう一つ。


※どうか一度。「山猫屋」からのお知らせです。



コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする