公園に行っても最近は
『チビ』の姿が見えなくなっていた。
一本向こうの通りでばったり出会ったので喜んでいると
通りすがりの犬の散歩のおばちゃんに声を掛けられた。
「それは貴方の猫?」
「いいえ。この辺の野良さんです。」
「あぁ、あの家の人が飼っとるよ。その猫。」
団地の一階の部屋を指差した。
『チビ』がそのお宅のベランダの下に居たので、直ぐに解かった。
『チビ』を撫でくり回しながら、その部屋の窓を見ると
おじいちゃんが心配そうに『チビ』と私を見ていた。
私が『チビ』を連れて行きやしないかとソワソワしながら
見ているのだ。
団地には高齢者が多い。
しかも、一人暮らしや老夫婦のみの寂しい家庭が多いのだ。
ひょんな事で増えた家族を、見知らぬ私に連れ去られては
かなわないからだろう。
「あんた、飼われとるんね、良かったね」
出会った時は、物凄く小さくて
なかなか懐いてくれなかったし、
信用して貰うまでにかなりの時間を要した猫さんだけに
成猫になってからでも貰ってくれる人がいたと思うと
とっても嬉しかった。
小さい内にろくにご飯が食べれていなかったから
成長が遅かったのか、とっても小柄な猫だから余計に
甘えてくると可愛いのだろう。
帰り道で一人、
おじいちゃんに甘えている『チビ』を想像して
思わず一人、ニヤついてしまう自分がいた。
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※どうか一度。「山猫屋」からのお知らせです。