俗に、「白猫は悪い母親」と言う説がある。
これは、
一見、子猫の鳴き声を聞かず
子猫の危険に気付いてやれない怠惰で不注意な母に見えなくも無いが
実は白猫で碧眼の組み合わせを持つ白猫は耳が先天的に悪いという
独特の遺伝子を持っているからという説の事だ。
そう言えば、路地で出会う猫の中には
白猫の碧眼という組み合わせを、余り見ない気がする。
外で生きる路地猫達の中には、哀しい事に
不遇の身は自然と淘汰されてしまうからかも知れない。
我が家のマンションの外装工事の為の足場が最近漸く撤去された。
北の窓から見える、とあるお宅の屋根上の猫の溜り場に
小さな影が動いた。
白地に茶色の焼き後が付いた栗饅頭の様な小さな子猫だった。
辺りの音に警戒しながらするすると屋根と屋根の隙間に
入り込んで行く姿が可愛らしい。
ふと気が付くと、栗饅頭だけではなかった。
ちんまりとした白い饅頭が、
今栗饅頭が入った隙間からスルリと出て来た。
子猫が2匹いるな。
あそこに居るって事は、『白石さん』の子だろうか。
ちまちました姿を見て思わずニタニタ笑ってしまった。
その日の夕方、
いつもの帰り道を通っていると物陰に『白石さん』の気配が…
ちょっと挨拶をしようと覗き込んだら彼女の後ろに
ちんまり可愛い子猫の瞳が4つ見えた。
「お!」
と、心は高鳴ったが澄ました顔の『白石さん』の態度は
相変わらずだった。
その後、『白石さん』と子猫達は屋根の上から消えた。
懐かない『白石さん』が見せてくれた
子猫達の路上デビューだと思っていたのだが、
あれは、単なる「引越しの途中」だったのかも知れない。
子育ての為により安全な場所へ、
賢い母さん猫の『白石さん』は、薄いグリーンの瞳をしていた。
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