以前、美しい三毛猫姉妹の為に『ヤドカリ』を
自分の杖を使って追い出してくれと
私に頼んだおばあちゃん宅のベランダの下で
猫を撮影していて、その時のおばあちゃんに再会した。
三毛猫姉妹の為におばあちゃんは
あらゆる知恵を絞っては、水飲みシステムを開発したり
プラスチックの食器乾燥機を三毛猫のベッドに変身させて
ベランダに設置している模様だ。
「使わないけど捨てるの勿体無いから
猫用の風除けベッドにしとるんよ」
「快適そうですね、風除けにもなるし」
何と三毛猫姉妹はおばあちゃんのお気に入りの様子で
ベランダで手厚くもてなされているらしい。
挨拶を返し立ち去ろうとすると
「どっちかの三毛は雄やんね。二匹おるやろ」
「そうなんですか?珍しいですよ、三毛猫の雄は」
そう話した瞬間に
おばあちゃんの家のベランダの隙間から飛び出した
『きき』が脱兎のごとく走って逃げた。
「あ、今一匹逃げて行きましたよ」と言うと
「貴女が来たから逃げたみたいね。しかし、今日は寒いねぇ」
と、話しながら洗濯物を取り込み始めた。
帰り道、あの三毛猫姉妹の性別について考えていた。
三毛猫は一般的に雌だと思い込んでいたし
警戒心の強い猫達だったので私が勝手に
三毛猫姉妹だと思っていただけかも知れない。
もしかしたらおばあちゃんが言うように
『きき』と『らら』のどちらかが
世にも珍しい三毛猫の雄だとしたら
一匹三千万はする珍しい猫だし、
おばあちゃんは宝くじを当てたようなものだ。
三毛猫姉妹の性別が違っていたとしても
おばあちゃんのドリーム・ジャンボはとまらない。
不況の世の中、そのくらいの夢を見たっていいじゃないか。
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