私の夜の散歩コースには、
首輪が付いているが飼い主の姿のない犬が度々出没する。
その犬は物凄く楽しそうな顔をして
「あははは」と声には出さないものの
とても愉快に駆け回っている。
犬は自分なりの散歩コースを決めているのかは定かではないが
それなりに楽しみながら自由にコースを巡っているようである。
それにしても、捨て犬ならばかなり痩せていそうだが、
そうでもない。人が嫌いかと言えば、それも違う。
人が近付くとにこやかに尻尾を振っている。
飼い主が体の具合が悪く散歩に同行出来ないので
勝手に放って勝手に帰って来るのを
待っているのかもしれない。
(それにしても、飼い主のマナー違反ではあるが)
しかし、私もいつも同じ時間帯に歩いている訳でもなく
その犬とも必ず同じ場所で出会っている訳でもないので
気にも止めていなかった。
とある昼下がり、いつもの日用品の買い物へ近所の店に立ち寄った。
すると私と当時にパトカーがその店の駐車場へと入って来た。
二人組みのお巡りさんがパタパタと降りて店に入って
店主と何やら話していた。
店の前には、かの独り散歩の犬さんが通る人に愛想を振りまきながら
ちょこんと紐に繋がれていた。
「あれ、この子の飼い主が買い物に来てるのかな?」と思って
キョロキョロと店内を見回したが
店主と店員とお巡りさんのやり取りを見て、改めて違うと感じた。
買い物を済ませる為、レジに行った時に店員に尋ねたら
勝手に犬が独りで入って来て、店内をウロウロするので
飼い主が見付かるまでとりあえず店の前に繋いでいるのだとか。
それでも飼い主が現れない時の為にお巡りさんを呼んだらしいのだ。
「飼い主が現れないと処分されちゃうんですよね」と店員がポツリ。
哀しいけれど、それが現実である。
しかし、暑い夏。犬も自由に走り回れる立場ならば
やはり涼しいエアコンのある店に逃げ込みたかったに違いない。
昨日は?位

昨日は?位
