路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

買い物2

2008-05-11 | ★ほんの日常

前に書いた記事、「買い物」に登場したドラッグストアが散歩に出たら遠くなったので、

その近所のコンビニへ行った時の事。




日用品とカリカリを購入し、レジで支払いを済ませた。

その時だった、

財布に入れる筈の小銭を落としてしまった。

小銭は転がり商品の陳列棚の下にコロコロと滑り込んだ。

行方を目で追っていたので位置は判るが、這い蹲って取る勇気は無かった。

諦めて帰るか迷いながらおろおろしていると、若い学生の様な店員さんが

プラスチックの定規を持って来て、器用にも取ってくれた。

こう言う時の男性の表情は実に良い。

ちょっとでも何か役に立った事が誇らしい少年の表情だ。

猫が獲物を得意気に銜えて来る顔にも似ている(一緒にしたら可哀想だが)。

「ありがとうございます」と、受け取ろうとしたが

私が落としたのは1円玉で、店員さんが取ってくれたのは50円玉だった。



「お前さんが落としたのは、銀の斧か~い?金の斧か~い?」



と言われている様で思わず吹き出しそうだったが

正直に話すと店員さんは良い人で、再び定規で1円玉をキャッチしてくれた。

店員さんの定規は魔法の杖の様だった。




コンビニで買い物をした筈なのに

木の斧(1円玉)を片手に握り締め、お伽噺の主人公になった私は

何だか、幸せな気分で家へ帰った。




今日は何位??
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6 コメント

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Unknown (さくらもち市長)
2008-05-11 04:49:19
なんだか爽やかな気分になる話です。
イマドキの若者は~・・・なんて
常に言われる世の中ですが、
自分より年下の人に親切にされると
それだけで「世の中捨てたもんじゃないなぁ~」
なんて年寄り臭いことを思ってしまいます。
だからこそ、自分も他人には
親切にしなくちゃなー、と気付かされたり。

たった1円、されど1円。
小さな1円玉をめぐって買い物以上の
コミュニケーションをした二人。
ぎこちなくも はにかんだ笑顔で別れたんだろうなー
と想像して、なんだかこっちまで嬉しくなりました。
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Unknown (tieta4u)
2008-05-11 07:33:17
いいお話ですね!
私もほんわか幸せな気持ちになりました。
素敵なお話をありがとうございました。
今日はゆっくり眠れそうです(笑)
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さくらもち市長さんへ (rojineko)
2008-05-11 09:13:03
最近の若い者は~って遥か昔から言われて来た言葉のようです。そんな色眼鏡で見ているつもりは無くても、怖い事件の多い昨今、他人が怖い世の中ですから。ちょっと良い話もニュースになって欲しいですよね。

私が受け取った木の斧(1円玉)は、誰かに話す事で金の斧に変わるような気がします。
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tieta4uさんへ (rojineko)
2008-05-11 09:17:44
tieta4uさんの日々のブログは、いつも私を幸せな気分にしてくれます。

嫌な事、暗いニュース、物騒な事件が多い世の中ですが
小さいけれど、
素敵な事、明るいニュース、爽やかな事件も同時に起きているんだと思います。
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Unknown (ウェンディママ)
2008-05-11 21:18:43
ニッコリです(^^)
まだまだ世の中、捨てたもんじゃないですよね。
今は、“買い物してやってるんだ” “売ってやってるんだ” というような感じも多いですが、やっぱり人と人とのコミュニケーションなんですよね。
金の斧でなくて木の斧を選択できる生活をおくりたいと、強く思いました!
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ウェンディママさんへ (rojineko)
2008-05-11 21:42:23
当たり前の事を当たり前と言えない世の中になって来ていますね。

本当は、木の斧を金の斧に変える力は誰でも持っていると思います。ただ、誰しも使い方が違うのでしょうね。
どちら持つ事が幸せかも、人それぞれ違うように。
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