路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

男の子オンナノコ

2010-06-14 | 『リー』



ある日、路上でしゃがみ込んで『リー』を撮影していると

小学生くらいの男の子が二人、声を掛けてきた。



「猫、撮ってるんですか?」

「うん」



凸凹コンビのような二人組みだ。

コロンと丸い男の子と小柄で痩せた男の子。

少年同士の仲良しコンビって、大体こんな組み合わせが多い気がする。

所謂、無いモノねだり的に互いに違うモノを相手に求めるから、

こんな組み合わせになるのかも知れない。





小柄な子は家で猫を飼っているらしく

慣れた手付きで『リー』を抱えてトコトコ歩き出した。

一方、丸い子は

「写真、撮り終わったんですか?」

と、私の事を気に掛けて

小柄な子が猫を連れ去った事を気にしている様子だ。

「うん、もう撮ったけん」と返しても、

小柄な子を追い、気弱な直談判に駆けて行く。





いっそ、猫を抱えた少年を撮らせて貰おうと声を掛けると

快く承諾してくれた。

一枚撮り終えると、横に立っていた丸い子がモゾモゾと

「僕も、猫抱いてるとこ撮って欲しい」と言っていたのだが、

小柄な子の腕の中で不満げな『リー』が

「もう、いいでしょ。これでおしまい!」

と、腕から飛び出してお向かいのお宅の庭へ逃げ込んだ。





「残念やったっけど、ありがとう。良いのが撮れたよ」

と言って爽やかに別れた。

遠くで西日を浴びた二人組が時々振り返り

手を振りながら帰って行った。

可愛いな、と思いつつ

オンナノコだとこうは行かないなと、ふと思った。




オンナノコは小さくても「女」なので難しくてちょっと面倒なのだ。




集団でワイワイ近付いて来て

あっと言う間に猫が逃げてしまい撮影にならない場合や、

一人の帰り道、猫と私を見付けるとライバル心を燃やすのか

私の方が猫と仲が良いのよとばかりに

無言で猫を追掛けては撫で(結局撮影にならない)笑顔の一つも無い子もいる。

まるで、自らが知人や友人だと認めていない人に

声を掛けるのも躊躇する程の無愛想な態度を平気で取る大人の様だ。

全ての子がそうだとは言わない。

中にはビックリする程話しやすい子もいたりする。

そこは、私もオンナノコだからだろう。

嗜好の合う子だと年齢は関係なく友達になれる。

(でも相手には友達とは思われてはいないだろうけど)笑。




オンナノコは、小学生も女子高生もオバサンも…「女」で、オンナノコ。




猫の世界も案外そうなのかも知れない。

少年達が去った後、こっそり顔を出した『リー』が

「あの子達、もう行った?」

とでも言うような感じで、車の下から顔を出した。









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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あはっは。 (ねこやま)
2010-06-14 12:54:28
何となく解かる気がします。
女の子はコドモでも女って言うの。
男は大人でも子供ですしね。笑。
返信する
ねこやまさんへ (rojineko)
2010-06-15 11:00:27
いやぁ~、猫にもかなり固体差があるように
人にもそれぞれの個性があって
見てると不思議ですよね。笑。
返信する

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