きっと明日は雨のち晴れ

六甲道診療所での仕事は忙しいけど、それなりに楽しい。ちょっとくじけそうなことがあっても、雨のち晴れです

痛くない心筋梗塞

2007-01-16 22:27:29 | 健康・病気

昨日は 久しぶりにフレッシュ心筋梗塞にであいました。

76歳の女性。整形外科で電気をあてて気分不良となり、その足で診療所まで。診療所まえで、嘔吐。診療所内で気分不良と発汗。看護師が着替えをしてもらったほどの発汗だったそうな。

看護師が問診をとったあとのカルテをみてベッドへ向かう最中はまた、流行のおなかの風邪か?と思いながら、仰臥位の患者さんを診察。普段から胃の調子のあまりよくない方でもあったので、いつものことかと気楽に診察をしておりました。のどをみて、胸の音をきいて、おなかを触診して、、点滴にしましょうか?と 
 そのあとです!!!診察室にもどって点滴の指示を書いていたときに、「心電図と血圧もはかっておいて」と追加の指示をしたのです。自分でもどうしてこのときに心電図をとろいうという気持ちになったのか?? 今日は患者さんもゆったりしていたからか?12月から急性疾患の患者さんでごった返していたので、検査の実施数が少ないのでもっと検査をするようにという事務長の顔が浮かんだためなのか?(^^);、それとも、プライマリーケアー医の「直感」だったのか?なにかいつもとは違うサインを患者さんが発していたのを「ビビッ」と感じ取ったのか?

看護師さんは心電図をとって、いつものビタミン入りにむかつきどめの入った点滴の準備をして、診察医の私は次の人の診察に移ろうとしていました。そのとき出来上がった心電図をもってきて、チラッとみたら 「なんやこれ!!!!!」ということで 下壁梗塞のパターンではありませんか?なんということでしょう(Before-After?の調子で)

翼状針で用意していた点滴ルートをサーフローに変更。日赤に電話したら、ラッキーなことに災害医療センターに1床だけ救急ベッドがあったと・・・

救急車をよんで搬送。午前診の最終ということもあって、救急車に同乗して初めて日赤のERものぞいてきました。同乗すると保険点数も高いという色気もありましたが、、、

今日、日赤の主治医からわざわざ電話がありました(日赤はこの辺きちんとしている!!) 

右の冠状動脈 100%閉塞で、吸引とステント留置で、100%開通という見事な結果でバイタルも安定といううれしいしらせでした。
 これで、この患者さんもタバコはやめるかな?

昨日自宅でこの話をして、自宅だけで名医気分にはなったのですが、今から思えばあのとき心電図を指示していなかったらと思うと空恐ろしい気分のほうが今日は勝っております。病院時代にも痛くない下壁梗塞は何度も経験はしていますが、この嘔吐下痢症などが多い時期の診療所外来ではもっと難儀な疾患です。
 きちんとした振り返りが明日への糧になると肝に銘じて、今後の診療にいかせる何かを残しておきたいと思うのですが、、、

 

コメント
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