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(第16話)トロピカル~ジュ!プリキュア「魔女の罠!囚われたローラ!」感想

2021年06月13日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第16話)トロピカル~ジュ!プリキュア「魔女の罠!囚われたローラ!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第16話より)

山を登ったり川を下ったりする日々の中、ローラはあてどなくモンヤリ気分。
彼女の目標は「人魚の女王になる」こと。だけれど地上で過ごす内に、今までになかった気持ちも沸き上がり…。

アンデルセンの「人魚姫」は、人魚好きとしては若干ひっかかる点がある。あの物語は、人間世界を至上としています。
そのため「多数派に受け入れてもらうには、代償を払わねばならない」ネガティブな側面を抱えてしまっている。
人魚からすれば海中こそがメインの世界なんですから、「人間になる」=「幸せ」はホモサピエンスの傲慢です。

水族館の館長さんも語ったように、地球の表面積の7割は海。しかも立体的に活用できるので、生物が生息できる「体積」で考えると地上の2倍どころではありません。世界の中心は海だ。地上世界など辺境のごくごく一部に過ぎない。

みのりん先輩の「人魚姫」の解釈も前向きです。
「受け入れてもらうために譲歩する」話ではなく、「やりたいことのために努力する」話。つまりは勉強のために遊ぶ時間を失うのと同じ。
「テストのために勉強するのは、遊びを後回し(犠牲)にしているのか」問題に言及してくれました。
なるほど、「人魚」のハイブリッド性をこういう形でテーマに絡めるのか。

一方、夏海さんは「女王でも部活でもなんでも応援する」とおっしゃっている。言い回しが微妙です。「両方やったらいいよ」の意味なのか、「どちらを選んでも応援するよ」の意味なのか…。
魔女陣営の皆様の愚痴も示唆的です。口々に「本職は違うのに、やる気パワー集めをさせられている」と述べている。が、だからといって手を抜きもしていない。事実、今回は見事に作戦を成功させています。

これらの流れを見ると「代償を払ってでもチャレンジする」方向なのか、「代償など不要。両立できる」の方向なのか。どちらなんだろう。
言い換えると「(楽しいことや大事なことを)後回しにしてでも挑むべきことがある」なのか、「すべてのことは目的のために活用できる。後回しなどない」なのか。
ローラは「遊び(=無駄なこと)などない」とも発言していますから、どちらかといえば後者なんだろうか。

来週、ローラがプリキュアになるとして、考えてみれば変身前は人魚のままなんだろうか。そうだとすれば「部活を一緒にやる」等はいずれにせよ果たせません。いやプリキュア姿でやればいいのだけど。
たぶんテーマへの解答にも直結するはずで、非常に気になる。「人魚」ギミックをここまでテーマに組み込んでくるとは思わなかった。さすがプリキュアさん。

【ハイブリッド】

西洋式のマーメイドは伝統的に鏡と櫛を手に持っています。今回もローラは鏡を覗いている。
元々マーメイドは、キリスト教的には聖職者を惑わすサキュバス同然の扱いからスタートしたため、虚栄や性アピールのために鏡等を持たせていたらしい。
それが時代を経るにつれ、家庭的とか清純さのモチーフにも変遷したそうです。完全に逆転している。

今回のマニュキュアのシーンも、「子供らしい」のか「背伸び」なのか、「健全」なのか「華美」なのか、見方によって色々と変わる。
家庭らしさと虚栄等が相反するものか等々は横に置くとして、「人魚」は矛盾や対立を多々含んでいるので、今作のテーマに物凄くマッチしていそう。

【魔女様】

あとまわしの魔女様は「人魚が人間の手助けをしている」と認識されていた。
もともと「グランオーシャンが危機なので、プリキュアを得るために人間とコンタクトを取った」と思っていたのですが、何か経緯が違うような?
第1話冒頭を見返してみると、女王様は次のようにおっしゃっている。

「またいつ敵が現れるかわかりません」
「あとまわしの魔女の手が人間の世界にも伸びようとしています」
「世界を守るのです」

これにローラは「なんで人間なんかの助けを?」と答えています。
私はてっきり「なんで人間なんかの助けがいるのか」だと思ったのですが、「なんで人間を助けるのか」の意味だったんだろうか。
どちらにも取れる絶妙の言い回しをあえてしているような気すらしてきた。

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