■感想:シン・ウルトラマン
小学生時代でほぼ知識が止まっているまま、観に行きました。
ウルトラマンにはあまり思い入れはない…と思っていたのですが、いざ始まったら記憶や感情の扉がドバドバ開く。ああ、そうだ。これがウルトラマンで、これが好きだったんだ、と何か感動しました。
親になった今だと、ウルトラマンの気持ちが猛烈に突き刺さる。人類に向ける想いは、親子のそれと同じだとこの歳になって気づいた。
他の特撮との最大の違いは、多分ここなんじゃなかろうか。
理不尽な脅威に、人類は懸命に立ち向かい、克服する。
だけど脅威は終わりがなく、やがて甚大な被害が避けられなくなる。
そこに登場する、神の化身のごとき銀色の巨人・ウルトラマン。
警戒、敵視を経て共闘。そして信頼は依存に。己の無力さへの絶望に。
全てをウルトラマンが倒せば早い。超科学を伝授してもいい。
でもウルトラマンはそれをしない。人類自らの力で立ち上がって欲しいから。
その想いを裏切られ、仲間からも切り捨てられ、それでも絶対に勝てない敵に向かっていく。
人類に立ち上がって欲しいから。
親子の関係もそうだと思う。
子の成長を信じて色々と促す。頑張ってもどうにもならない最後の一押しは力を貸す。
ギリギリまで人類に任せたガボラ戦以降は、ザラブ、メフィラスといった外星人(大人)から人類(子供)を守る戦い。
小さな子供から見れば絶対の神に思えても、そして親としてはそうであろうと思っても、いずれ限界はくる。相手も同じ大人なら勝てないことだってある。
遂にはどうにもならない脅威が現れても、「恐れるな」を示すためだけに突撃して玉砕、それが親の最後の務めにも思えます。
自分よりも優秀な子が、きっと乗り越えてくれると信じて。
ゼットンを倒したのが無重力弾一発ではなく、ウルトラマンとの共闘なのも良かったです。
ズタボロになりながらも、最後の最後で子と協力して脅威を討つ。ウルトラマンの「私の命はすべて人類のために使っていい」には共感しかない。それで勝てるのなら、確かに死んでもいい。最後の花道だ。
それと同時に、生きられるなら当然生きたい。子と過ごす未来をもっと見たい。死んでも良いと覚悟はしつつも、役目を果たした後は全力で生還を目指すのも非常に納得できるし、目頭が熱くなる。
異空間から必死に逃げるあの時のウルトラマンは、人類を背負ってはいない。目先の脅威はもう取り除いたのだから、あそこで満足してもよいわけです。
劇中においてあの瞬間だけは、ウルトラマンは自分自身のために戦っている。人類のために脱出するのではなく、生きたいから自分のために戦う。
神の如き外星人の、とても人間味のある感情的な戦い。だから胸に来たんだと思う。
そしてその唯一の自分のための戦い(脱出)は、死力を尽くした末に失敗する。それがまた切ない。
正直言ってあまり期待もせずに観に行ったのですけど、想像以上に心が震えました。もう一度、映画館で観たい。
小学生時代でほぼ知識が止まっているまま、観に行きました。
ウルトラマンにはあまり思い入れはない…と思っていたのですが、いざ始まったら記憶や感情の扉がドバドバ開く。ああ、そうだ。これがウルトラマンで、これが好きだったんだ、と何か感動しました。
親になった今だと、ウルトラマンの気持ちが猛烈に突き刺さる。人類に向ける想いは、親子のそれと同じだとこの歳になって気づいた。
他の特撮との最大の違いは、多分ここなんじゃなかろうか。
理不尽な脅威に、人類は懸命に立ち向かい、克服する。
だけど脅威は終わりがなく、やがて甚大な被害が避けられなくなる。
そこに登場する、神の化身のごとき銀色の巨人・ウルトラマン。
警戒、敵視を経て共闘。そして信頼は依存に。己の無力さへの絶望に。
全てをウルトラマンが倒せば早い。超科学を伝授してもいい。
でもウルトラマンはそれをしない。人類自らの力で立ち上がって欲しいから。
その想いを裏切られ、仲間からも切り捨てられ、それでも絶対に勝てない敵に向かっていく。
人類に立ち上がって欲しいから。
親子の関係もそうだと思う。
子の成長を信じて色々と促す。頑張ってもどうにもならない最後の一押しは力を貸す。
ギリギリまで人類に任せたガボラ戦以降は、ザラブ、メフィラスといった外星人(大人)から人類(子供)を守る戦い。
小さな子供から見れば絶対の神に思えても、そして親としてはそうであろうと思っても、いずれ限界はくる。相手も同じ大人なら勝てないことだってある。
遂にはどうにもならない脅威が現れても、「恐れるな」を示すためだけに突撃して玉砕、それが親の最後の務めにも思えます。
自分よりも優秀な子が、きっと乗り越えてくれると信じて。
ゼットンを倒したのが無重力弾一発ではなく、ウルトラマンとの共闘なのも良かったです。
ズタボロになりながらも、最後の最後で子と協力して脅威を討つ。ウルトラマンの「私の命はすべて人類のために使っていい」には共感しかない。それで勝てるのなら、確かに死んでもいい。最後の花道だ。
それと同時に、生きられるなら当然生きたい。子と過ごす未来をもっと見たい。死んでも良いと覚悟はしつつも、役目を果たした後は全力で生還を目指すのも非常に納得できるし、目頭が熱くなる。
異空間から必死に逃げるあの時のウルトラマンは、人類を背負ってはいない。目先の脅威はもう取り除いたのだから、あそこで満足してもよいわけです。
劇中においてあの瞬間だけは、ウルトラマンは自分自身のために戦っている。人類のために脱出するのではなく、生きたいから自分のために戦う。
神の如き外星人の、とても人間味のある感情的な戦い。だから胸に来たんだと思う。
そしてその唯一の自分のための戦い(脱出)は、死力を尽くした末に失敗する。それがまた切ない。
正直言ってあまり期待もせずに観に行ったのですけど、想像以上に心が震えました。もう一度、映画館で観たい。