サヨコの独り言

興味のあるものを「コンデジ」で撮影しに行ったり、
街で偶然に見かけたものを「スマホ」で撮っています。

《 高畑勳展 》 -東京国立近代美術館にて-

2019年10月02日 | 展覧会

ずっと気になりながら迷っていましたが、思い切って行って来ました。入場待ちする程ではありませんでしたが、もうすぐ会期終了だったので会場内は混んでいました。

まず真っ先に【安寿と厨子王丸】が目に飛び込んで来ました。印象に残っていた作品だったので、とても懐かしく思いました。《高畑勳》さんが演出助手として関わっていた事は知りませんでした。朝ドラ『なつぞら』の「奥原なつ」のモデルとされている「奥山玲子」さん(故人)も動画スタッフとして関わっていました。後の夫「小田部羊一」さんも補助として関わっていたそうです。因みに「安寿」のキャラクター設定は吹き替えの「佐久間良子」さんを基にしたそうです。人物モデルに演技を行なわせ、その実写フィルムを下敷きにアニメーション作画を行う「ライブ・アクション方式」が一部採用されていました。

初めて観たアニメ動画は、5~6歳頃に母と一緒に観に行ったディズニー映画の【わんわん物語り】や【バンビ】でした。日本のアニメ動画は小学生の頃に観た【安寿と厨子王丸】が初めてで、感動したのを印象深く憶えていました。数年前、また観たくなって「DVD」が出てないか、ネットで探した事がありました。でも、何故か1万円以上もしていたので諦めていました。今回、ミュージアムショップで普通の値段で売っていたので、迷わずに買ってしまいました。帰ってからネットで見たら、普通の値段で売っていました。たぶん今回の展覧会に際して増産したのかも知れません。さっそく「DVD」を観て感動を新たにしました。

展示は他に【わんぱく王子の大蛇退治】(演出助手)・【狼少年ケン】・【太陽の王子 ホルスの大冒険】・【パンダコパンダ】・【赤毛のアン】・【母をたずねて三千里】・【セロ弾きのゴーシュ】・【じゃリン子チエ】・【火垂るの墓】・【おもひでぽろぽろ】・【平成狸合戦ぽんぽこ】・【ホーホケキョとなりの山田くん】などがありました。作品が出来上がるまでには、キャラクター設定や製作過程などに紆余曲折を経ている事が良く分かりました。几帳面に書かれたメモからは作品に対する熱量が感じられました。尚、【アルプスの少女ハイジ】の「ハイジ」は最初のキャラクター設定では「おさげ髪」でした。

背景画も作品によってポスタカラーで緻密に描いたり、油彩画風・水墨画風・水彩画にしたりと様々な工夫と拘りがありました。【母をたずねて三千里】では油彩画風に、【セロ弾きのゴーシュ】では水墨画に色を付けた感じに描いてあり、絵画としても観応えがありました。【おもひでぽろぽろ】の回想の場面では画面の周囲を敢えて白く残し、水彩でぼかして描いてありました。

最後の監督作品となった【かぐや姫の物語】ではデジタル技術を駆使して手描きの線を活かした水彩画風の描法に挑みました。従来のセル画による様式とは一線を画し、表現上の革新を達成しました。敢えて手間取る手法を使う発想の凄さにに溜め息が出てしまいました。まさしく天才です!まだ作品を観ていませんが、是非とも観てみたいと思いました。

パンフレットより:【かぐや姫の物語】 / 【アルプスの少女ハイジ】


展覧会場の入口 <奥に竹林が見えます>


【アルプスの少女ハイジ】のジオラマ:おじいさんとヨーゼフとハイジ / ペーターとヤギ達 


【アルプスの少女ハイジ】のジオラマ:山小屋の中のヨーゼフ

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