人生のターニングポイントは、予感はあったにせよ、やはり突然にやってきた。
<転勤>
もはや第二の故郷となった、住み慣れた群馬とさよならするのだ。
そして、本来の故郷へと戻る。
やることはいっぱいあるのに、何も手につかない。
不安だらけ・・・。
眠れないから、一人起きてきてこれを書いている(22日 夜中の2時)
<じゃ、もう行くわ>
数年前、引っ越しのトラックを見送った後でそう両親に言うと、私は小さな風呂敷包みを大事に抱いて無言のまま車に乗った。
お互いの両親、姉一家に見送られた時、涙が突然こぼれた。
それまで生きてきた中で、感情がこみ上げる前に涙が出るというのは、初めてのことだった。
泣いた自分に自分が驚いた。
高速に乗るまでの20分、相棒も私も一言もしゃべらなかった。
ただ、私が泣いてるだけ。。。
高崎のホテルに着いたのは8時ちょっと前。
レストランのクローズぎりぎりだった。
翌朝は良く晴れて、引っ越しは午前中でスムーズに終わり、群馬での生活が始まった。
寂しい思いをたくさんした。
悲しい思いもした。
でも、それ以上に楽しませてもらった。
最後の数年間は、<山遊び>というおもちゃが、生きる愉しみを教えてくれた。
そして、その大事なおもちゃを、突然取り上げらたような気分・・・。
行けたら行こうと思っていた草津温泉へは、やや強引に出かけた。
山では携帯が繋がらなかったけど、ホテルに着くと相棒ちんの携帯は鳴りっぱなし。
それでも、夕食の際は相棒ちんはビールを思う存分楽しそうに飲んだ。
部屋に戻るとまた電話が鳴った。
翌朝目覚めると、待ちかまえていたようにまた鳴って・・・。
それでも山に居る時は、すっかり忘れてはしゃぐ相棒を見て
<この人の頭の中はいったいどうなってるのだろう>と、今まで知らなかった相棒を見たような気がした。
草津の帰り道、何度も何度も通った道を帰る。
もう二度と来れないのかもしれないと思うと、泣けてきた。
浅間山か・・・。
先週、小浅間山に行った時は、突然こんなことになるなんて思いもしてなかったのにな~とか。
吾妻渓谷は紅葉の時期はきれいだったな~とか。
岩櫃山も登った。
榛名もたくさん行った。
思い出があり過ぎてあり過ぎて、止まらない。
頭がグルグルして目が回りそう。。。
往きと同じように、渋川から高速に乗ろうと思っていたが、考えたらもう赤城山へも行けないのだと思うと寂しくなり、赤城の麓の道をとろとろと帰ることにした。
馬事公苑付近から赤城山を見た。
何度、赤城山に登っただろう。
あ・・・、ほんとにほんとにさよならなの?
あいのやまの湯の農産物直売所で野菜を買った。
群馬の野菜はおいしかった。
まったく、どこからどこまで酷なんだ・・・。
でも、なんとかなる。
いつも、なんとかなる。
そう、なんとかなる。
なんとかせねば。
結局、なんとかなるから。
やっと眠くなってきたので、寝よう
平成22年2月22日 Marry