店主敬白(悪魔の囁き)

栄進大飯店の店主さがみやがおくる日々の悪魔の囁き。競馬予想や文学・音楽・仕事のグチやちくりまでいろいろ。

バカは世界を制す?

2006-03-31 01:08:12 | 小説・読んだ本
 最近阿川弘之の「米内光政」「山本五十六」「井上成美」の海軍提督3部作をまとめて読むという暴挙に出たおいらは、内容の重さにちっと疲れてしまった。
 確かにこの3冊は読んでおいて損はない、というか読んでよかったと思う。
 少なくともあの戦争の時代に挙国一致で戦争に突入したのではなく、日独伊三国同盟、米英との戦いに反対していた人は軍の内部にもいて、必死でそれを回避しようと試みていた人がいたということを、よく知ることができてよかったと思う。
 ただ一言言っておく。
 山本五十六のラブレターをマスコミにバラした女、それはマナー違反だぞ。
 おいらはそのラブレターを見て、彼の中にこんなかわいい、純粋な面があったことを知ってそれもよしと思ったが、相手は公人だし、そういう公人の遊びを苦々しく思うヤツやスキャンダル扱いして騒ぐ無粋なヤツも世の中にはいるんだぞ。
 それにつきあった男のことを他人に自慢するのはよせ。
 どんなにその男のことを褒めても、それが自慢に変わったとたんその男まで穢れる。もちろん穢してるのは自慢した女だ。
(あっ、一言じゃねえや7行も言ってる)
 
 そこまではいいのだが、さすがにあの部厚い本を3つとも読むと、食後のおやつのように軽いものが欲しくなってしまったのだ。
 そこで読んだのが「バカ日本地図」「バカ世界地図」だ。
 これはインターネットで読者が参加して作った「バカな人が思い浮かべたときの脳内地図」なのであるが、これがものすごく笑える。
 思わず電車の中で噴出して白い目で見られてしまったほどだ。
 いや~、バカはとっても想像力が豊かだ。
 バカには常識がないので、やり放題に日本が解体されていく。
 奈良の大仏の向きなんて地図上ではどうでもいいじゃねえかと思うのだが、バカにとっては自分の知っている知識はどんな重大な情報や偉人の格言より重要であるらしいので、大仏の向きひとつにもすぐ注文が入って地図が訂正されていく。
 そしてさらに地図はメチャメチャになり、ただ笑うしかなくなっていくのだ。
 とても無知のひとことでは済ませられないバカのとっぴょうしもない想像力で作成された地図を見て、重くなっていたおいらの心には、無駄なほどまぶしくて明るい光が差してきた。
 そしてバカは日本人だけではないのだ。
「ゆとり教育で学力が落ちている」なんて言うけれど、外国にも国名を記入するはずが海の釣り情報を書いてきたり、「自分の国は世界でナンバーワン」とかほざきながらも、自国の位置すらわかっていないバカがいるらしいので、まだ安心していいかもしれない?
 バカは世界中にいる。そしてバカは驚くほど共通している。
 もしかしたら世界平和と友好のためには、こんな形でバカ同士が楽しく交流したほうがいいのかもしれない?