店主敬白(悪魔の囁き)

栄進大飯店の店主さがみやがおくる日々の悪魔の囁き。競馬予想や文学・音楽・仕事のグチやちくりまでいろいろ。

まずいもの①

2007-10-13 22:23:21 | 食い物
 先日某所で「玉ねぎサラダ」という乾燥食品を手に入れた。
 死ぬほどまずい。売るなよこんなもん、というか、非常食にしてもカンベンである。
 何がまずいのか、といえばその中途半端さだ。
 玉ねぎはシャキシャキした食感か、加熱したときの甘みがおいしいものである。
 だが、乾燥させちゃうとそはのどちらもが失われてしまうのである。
 ぬるま湯で戻せ、サラダにしろとあるが、申し訳程度に入ってるワカメ等の海藻と一緒に戻してサラダにすると、
「カップラーメンの具の乾燥野菜を、無理やりサラダにしているカンジ」だ。
 しかも色が茶色っぽくて非常に見栄えが悪い。
 これだったら海藻だけのサラダのほうがはるかにマシである。
 役に立つとすれば日持ちする点だけなので、本当に非常食でしかない。
 いつか大災害が起こるか、戦争が起こったときか、宇宙食ぐらいにしか活躍しないことは確かだ。
 そしてそんなときにも、食べた人にブリブリ文句を言われるのだ。
 久しぶりに「買って後悔した食品」である。
 
 もっとむかつくのは、
 この商品と同じ値段で、同じぐらいの量の海藻サラダを買えるということだ。
 しかも、そのごく近くの店で。
「海藻が高いから、玉ねぎをいれました」
 という言い訳はこれでできまい。 
 まあ、野菜の乾燥品のほうが、海藻より高いだろうけれど。

店主、休んでいる

2007-10-13 22:09:46 | Weblog
 来週から仕事なので、今週は休んでいる。
 特にどうということはないが、ちっと熱があるぐらいで、あとはどこにも支障がない。
 最近はチャーチルの伝記をよく読んでいる。
 名言録は確かにおもしろい。
 ふざけたセリフをさらりと言い、雄弁で辛辣。
 しかも巨乳好きらしいのがバレバレ。
 政治家はやはり、言語能力も要求されるものかもしれない。
 その点で言うと、おいらの好きな米内閣下は、苦戦されたのかも。
 
 あと、ブクオフで欲しかった
「海軍少将高木惣吉・積乱雲」も手に入れた。
 一般人には熊本出身の有名人は、あの悪名高い「川上哲治」が有名らしいけれど、こういう先人のいたことも「軍人だから」とかいう理由でボロボロ忘れられているらしい。
 川上哲治の伝記なんか、読むのも吐き気がしそうだが、これは面白い。


 

うすい膜のかかったような人

2007-10-13 21:47:36 | 小説・読んだ本
 実家の隣のマンションが建ったとき、おいらはぶっとんだ。
 実家とまったく同じような間取りで、数年しか違わないのに値段は3倍。
 横浜の本牧にある、地元の連中だけで細々とやっていた小さな、ロックのかかるバーで飲んでいると、別にロックとは関係なさそうで、やたら金のかかった服をきた「品川ナンバー」の車のやつが、バラバラと店に金を落としていく。
 ライブハウスがばんばん増え、踊りに行く誘いにのると、そこで知り合った知らないオジサンが、どんどんおごってくれる・・・。
 「たかが横浜の片隅で遊んでいただけ」のおいらにもバフルの迷惑と恩恵はちょっとはあったのだろう。
 別にその時代を懐かしいとも思ってないし、(それはやはり、それほどに人生の花盛りがアレ、と思ってないせいかも)一部の小説のようにアレこそが華、アレこそ懐かしい時代とも考えたくない(理由はいろいろあるが、過去ばっか見ててもダメじゃん)しね。
 そんな時代の話が、林真理子の「アッコちゃんの時代」である。
 主人公のアッコは、人も羨む美貌、ついでに適度にいい家柄のお嬢様であの時代を「群がる男たち」によって「楽しく」過ごさせてもらっている。
 ま、本人サイドには不満もあるだろうし、スキャンダルにもなっちゃったので傷ついたりもするので、完全に幸せとは言いがたいようである。

 でも、ここからが問題だ。
 本のコシマキにあるように、
「男を奪ったことなど一度もない。男が私を求めただけ」
 というのは、確かにそうなのだ。
 その点彼女はすがすがしくさえ思える。
 恋に対して、すがりつかない、潔い…そこはステキだ。
 スキャンダルをかぶってさえ、優しさがほのみえる。
 だけど・・・
 同女史の「花探し」の主人公にしても、このアッコちゃんにしても、決して
「狂おしいほど誰かを恋する」
 ことがないのだ。
 おいらがこのブログのタイトルのように思い、イマイチこのふたりに違和感を覚えるのもここなのだ。
 男とはつきあう、フラれたらすぐ次の恋人を探す。
「男がいないとミジメだから」
 誰かとつきあっても、情熱がない。情念がない。
 オシャレだけど、スパイスがきいてない恋しかできない人。
 だからこの小説も、斉藤美奈子が言うところの「援交物語」なのである。