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70年代初期の第二次怪獣ブームの頃の巨大ヒーローもの。
変身もしないし超能力がある訳でもない、等身大の人間、静弦太郎が、巨大ヒーローのアイアンキングを助けて、敵のロボットや怪獣をやっつける勧善懲悪ドラマです。
えっ、逆じゃないかって?逆じゃないんですよ。本当にそういうお話なんです。
戦闘により、アイアンキングはエネルギー源の水を急激に消費してしまうため、活動時間は1分しかない。そのため、出てきてもいつも苦戦で、大ピンチに陥ってるのを助けるのが、我らが主人公、静弦太郎なのであります。
10話までの不知火一族編を見終わりましたが、アイアンキングが倒した敵ロボットは0。ゼロです!一体もありません
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これは凄い。いったい何のためのヒーローか。大体、この方、スペシウム光線とかアイスラッガーとかいった必殺技らしいものも全然持ってないので、出てきても、ただ殴り合うしかない。これでは、やっつけようもないでしょうけど…。
毎回、アイアンキングのピンチに何十メートルもある相手に単身、ムチを奮って立ち向かう弦太郎の姿を見ると、言葉を失います(しかも、それで勝っちゃうし)。
真面目な話をすると、脚本を書いた佐々木守さんは、同時期の「シルバー仮面」でも、武器も必殺技もない等身大ヒーローの物語を描いていましたが、それ以前に、かの「ウルトラマン」で、あの、ジャミラの話を書いた脚本家です。北海道かどこかの先生が、道徳の教材に使っているという、あのお話です。多分、ヒーローが悪を倒してめでたしめでたし、の物語そのものに、疑問を持っていらしたんでしょうねえ…。
ところで、いいとこなしのヒーロー、アイアンキングに変身する霧島五郎を演じるのは、往年の日活青春スター浜田光夫さんなのですが、今作の出で立ちは、ほとんど吉幾三さんにしか見えません。ヒーローなのに主役じゃない、というのも、ご本人としては如何なものだったのでしょう?要らぬ世話ですが、よっぽど仕事のない時期だったのでしょうか…。
このシリーズは初めてみました><
メタルヒーローものも面白いですよね(`・ω・)
この手の話題で反応があると、素直に嬉しいですね。
「アイアンキング」はいつも行くTSUTAYAに「シルバー仮面」「レッドバロン」と並んであるので、これは見ないといけないと(笑)。
メタルヒーローものは大分ではほとんど放送がなかったので、あんまり見たことないんですよね。でも、この前の「ギャバン」見たかったな。DVD早く出ないかな…。
多少の難はありますが、脚本家としては、やっぱり人間ドラマが描きたかったのではないかと推量します。
弦太郎の表面的な明るさと不釣り合いな非情さや、滲む孤独の陰。劇中で女性が死ぬ確率がやけに高いこととか。根はシビアなんですよね。