横浜港北おもちゃ病院の活動記録

ドクターの一人であるYoshi61が代表して記録しています

おもちゃの故障原因

2016-06-08 01:13:51 | ノウハウ集
持ち込まれるおもちゃの故障原因のトップは電池関係です。下の円グラフは、あるおもちゃ病院の1年間の結果をまとめたものです。


地域によって詳細な値は異なりますが、傾向は参考になります。電池を入れ替えたり、電池ボックスのサビ落としで直るおもちゃは18%もあります。このおもちゃ病院では、モータ故障(10%)や歯車の破損(10%)も意外に多いことがわかります。一方、おもちゃドクターがお手上げの専用IC故障は、以外に少なく5%です。ノウハウを活かして原因を突き止めれば、なんとか80%近くは直せることを示しています。


まてまてデングリ君

2016-06-08 00:18:54 | 過去の記録
6月になりました。おもちゃ病院は、6月2日(木)、6月4日(土)と活動していますが、Yoshi61は参加できていません。ということで、昔の記録をアップしてみることにしました。

このおもちゃは、海外メーカであるフィッシャープライス社製です。名前は、日本用に改名され、“デングリ君”です。スイッチを入れると音楽がなって、独りでに転がります。止まったところを触ると、また音楽がなって転がります。赤ちゃんにとっては、追いかける楽しみが続く不思議なおもちゃです。


スイッチを入れると、音楽はなりますが転がりません。中のモータは動いている音がします。たぶん、モータのピニオンギヤでも割れたのではないかと想像し、中をあけます。故障箇所は一目瞭然。プーリーのオーリングが外れていました。


プーリーをかけなおすだけと思ったのですが、外れている間、オーリングが回転するプーリーに接触していたので、オーリングの一部がやせ細り、切れてしまいそうです。新しいオーリングをつけるには、回転軸のすべてを分解する必要があります。そこで、細い部分を切り、端面に瞬間接着剤(略して、瞬接!)で接着することにしました。瞬接はゴムもよくつきます。コツは、ほんの少量しかつけないことです。紙に一滴たらし、それに端面をあてることで、つけすぎないようにします。


瞬接だけでなく、他の接着材も同じです。接着剤の原理は、材料を溶かすもの、目に見えない表面の凹凸に入り込むものなど様々ですが、どれもつけすぎないことが重要です。食べるサンドイッチは具材が多い方が嬉しいですが、接着剤をサンドイッチの具材のようにしてしまってはいけません。そのためには、薄く塗り、固まるまでは圧力をかけて静かに置いておくのが理想です。注意しなければならないのが、「もう固まったかな」と言って、不用意に触ってしまうことです。じっと我慢が大切です。とは言うものの、私たちドクターも触ってしまうことはあります。