錦織圭選手が全米オープンで世界ランキング4位の全豪覇者スタニスラス・ワウリンカ(29=スイス)を4時間15分の激戦を制して破り、4強入りを果たした。そのビッグニュースを昨日、ブログを投稿した後テレビで見て、すごいことをやったなと私も喜んだ。
が、解せないことがある。つい先日8強入りを果たし、「92年ぶりの快挙」とテレビは大騒ぎをしたばかりだ。4強入りしたら、今度は「96年ぶりの快挙」になった。「ぶり」ということは先人の記録に並んだということを意味し、先人がいなければ「日本人初」という冠表現が付くのが常識だ。
そう考えると8強入りしたときは、実は「先人の記録に並んだ」ということは意味していなかったということだ。すでに8強入り(準々決勝進出)した先人の4年前に、4強入り(準決勝進出)していた日本選手がいたことを意味するからだ。
私は錦織選手の快挙にケチをつけるつもりはさらさらない。「…年ぶりの快挙」がそれほど大安売りされたのでは、錦織選手自身がたまったものではないと思っているのではないかと、他人事ながらちょっと気になったからだ。実際今度は世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(27=セルビア)との対戦になる。もしジョコビッチに勝って決勝に進出したら、今度は「99年ぶり(?)の快挙」ということになるのだろうか、という疑問すら生じた。
92年ぶりも、96年ぶりも、それぞれ間違いではないのかもしれないが、その根拠をきちんと説明してもらわないと、私のような門外漢にはさっぱりわからない。
今朝になってネットでいろいろ調べたが、「にしこり」では検索できない。名字の漢字を素直に読めば「にしきおり」のはずで、そう入力してスペースキーを押せば容易に「錦織」と変換される。私の聞き間違いかと思って「にしおり」と入力しても正しい返還はされない。
そうなると妙なことにこだわる性格なので、逆引き漢和辞典で調べてみた。「錦」の読みは「にしき」か「きん」の二通りしかない。「にし」という読みはない。また「織」という漢字の読みは「しょく」「しき」「お(る)」の三通りしかない。当用漢字にない人名はかなりあるのだが、どう読めばいいのかわからない人名の場合はルビくらい(テレビの場合はレロップ)くらいつけてほしい。
ちなみにこの問題はネットでサンケイスポーツが今朝の5時0分に配信した記事でようやく解決した。同記事で「NISHIKORI」と表記されたからだ。同記事によれば、錦織選手がジョコビッチ選手を破って決勝に進出すれば「男女を通じて日本選手初の決勝進出」とあるが、実際に決勝に進出したらメディアによっては位置付けがまた変わるかもしれない。
錦織選手のジョコビッチとの対戦成績は1勝1敗で、過去は五分の成績を残
している。錦織選手が勝った試合はジョコビッチ選手が肩を痛めていた時というハンデ戦ではあったが、今度は錦織選手が右足親指のけがの回復がまだ万全ではない状態で世界ランキング6位、4位の選手を次々に撃破して勝ち進んできた。相手が世界1位であっても、臆することなく戦って勝利を収めてほしい。「…年ぶりの快挙」ということになったとしてもだ。
ついでに昨日のブログではかけなかったが、安倍改造内閣でのサプライズ人事について、メディアは総理経験者初の幹事長として谷垣氏を話題にしていたが、それは確かにサプライズではあるが、よく谷垣氏が茂木選対委員長を容認したな、と私は思った。
選対委員長は幹事長・総務会長・政調会長と並ぶ党4役である。選対(選挙対策)委員長を党4役に格上げして新設したのは福田康夫内閣のときで、党内基盤が脆弱だった福田総理が幹事長の職権の一部(選挙指揮)を取り上げて、幹事長の党内権力基盤を弱体化するためだった。
第2次安倍内閣も、党員選挙でトップの支持を集めた石破氏を幹事長に据えざるを得ず、そのため石破氏の手足を縛るために党4役の選対委員長制度を復活して、まったく無名の河村建夫氏を委員長に抜擢した。が、石破氏の実力とは横綱と十両くらいの力量の差があり、実際の選挙で職責を果たせなかった。今回の改造で石破氏が幹事長にこだわったのも、今後の選挙指揮も自分がやるという意思表示であり、党4役制の否定発言でもあった。
本来安倍総理は「選挙指揮はあんたの仕事ではないよ」と切って捨てればいいのだが、安倍総理の党内基盤は内閣支持率の異常な高さによって支えられているにすぎず、何かがきっかけで内閣支持率が暴落するような事態になると、安倍総理の党内基盤は音を立てて崩れ去る。そうなることを恐れて、党内に比較的敵が少ない谷垣氏を幹事長に据えることにしたのだが、石破氏を権力機構から外すことに成功すれば、党3役制に戻すと考えられていた党4役制を維持し、しかも河村氏のような「かかし」(失礼!)ではなく茂木氏のような実力者を後任にしたのは、谷垣氏を党内融和のためだけに利用して、党内権力は谷垣幹事長には与えないということを意味するとしか考えられない。そういうせこいやり方がいつまで続くだろうか。
消費の冷え込みは少なくとも7月までの4か月連続は確定しているが、8月に入っても回復している感じはしないので、5か月連続は日銀短観の発表を見るまでもなく明らかだ。
そもそも、消費税増税による景気の冷え込みを安倍内閣も日銀も3か月間と見なしていた。つまり7月には景気が上向きに転じると予測していた。その根拠について、「買いだめ・買い控え」現象は3か月で終わるだろうとしていたが、
それははっきり言ってウソである。7月にはボーナス効果による消費の回復が生
じるだろうと期待していたのが本音である。
が、そうはならなかった。昨日のテレビで日銀・黒田総裁は「天候不順のため」と苦しい言い訳をしていたが、ボーナスのひもが締まってしまったのは天候のためではない。物価の上昇に収入が追い付かず、財布のひもを締めざるを得なかったというのが消費者の実感ではないだろうか。
円安誘導は確かに輸出産業にとっては有利に働くが、その反面輸入品が高騰するのは為替の原理原則である。アベノミクスの「大胆な金融緩和」は、物価の上昇も必然的に招くということを明らかにせず、輸出産業の競争力回復だけを声高に主張したものの、円安によって日本経済はどういう状態に直面するようになったのかをメディアはきちんと検証すべきである。
はっきり言って日本の輸出産業、とりわけ自動車メーカーは空前の利益を計上しているが、円安によって国際競争力が回復したわけではない。もし円安効果によって国際競争力が回復したのであれば貿易収支は大幅に黒字に転換しなければならないはずだが、実際には赤字が続いている。輸出量が増えてはいないからだ。ただ、為替のマジックによって、輸出量が増えなくても輸出企業の収益だけは大幅に改善された。
一方、国内産業は原材料を輸入に頼っているため、経営努力にも限界があり円安の打撃をもろに受けた。その結果消費者物価指数はバブル期以来の高騰に見舞われ、消費者は自己防衛のために財布のひもを締めざるを得なくなった、というのが消費低迷の実情である。メディアもそろそろ安倍・黒田マジックのマインド・コントロールから脱皮したらどうか。朝日新聞など、汚名をそそぐには絶好の機会だろう。
が、解せないことがある。つい先日8強入りを果たし、「92年ぶりの快挙」とテレビは大騒ぎをしたばかりだ。4強入りしたら、今度は「96年ぶりの快挙」になった。「ぶり」ということは先人の記録に並んだということを意味し、先人がいなければ「日本人初」という冠表現が付くのが常識だ。
そう考えると8強入りしたときは、実は「先人の記録に並んだ」ということは意味していなかったということだ。すでに8強入り(準々決勝進出)した先人の4年前に、4強入り(準決勝進出)していた日本選手がいたことを意味するからだ。
私は錦織選手の快挙にケチをつけるつもりはさらさらない。「…年ぶりの快挙」がそれほど大安売りされたのでは、錦織選手自身がたまったものではないと思っているのではないかと、他人事ながらちょっと気になったからだ。実際今度は世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(27=セルビア)との対戦になる。もしジョコビッチに勝って決勝に進出したら、今度は「99年ぶり(?)の快挙」ということになるのだろうか、という疑問すら生じた。
92年ぶりも、96年ぶりも、それぞれ間違いではないのかもしれないが、その根拠をきちんと説明してもらわないと、私のような門外漢にはさっぱりわからない。
今朝になってネットでいろいろ調べたが、「にしこり」では検索できない。名字の漢字を素直に読めば「にしきおり」のはずで、そう入力してスペースキーを押せば容易に「錦織」と変換される。私の聞き間違いかと思って「にしおり」と入力しても正しい返還はされない。
そうなると妙なことにこだわる性格なので、逆引き漢和辞典で調べてみた。「錦」の読みは「にしき」か「きん」の二通りしかない。「にし」という読みはない。また「織」という漢字の読みは「しょく」「しき」「お(る)」の三通りしかない。当用漢字にない人名はかなりあるのだが、どう読めばいいのかわからない人名の場合はルビくらい(テレビの場合はレロップ)くらいつけてほしい。
ちなみにこの問題はネットでサンケイスポーツが今朝の5時0分に配信した記事でようやく解決した。同記事で「NISHIKORI」と表記されたからだ。同記事によれば、錦織選手がジョコビッチ選手を破って決勝に進出すれば「男女を通じて日本選手初の決勝進出」とあるが、実際に決勝に進出したらメディアによっては位置付けがまた変わるかもしれない。
錦織選手のジョコビッチとの対戦成績は1勝1敗で、過去は五分の成績を残
している。錦織選手が勝った試合はジョコビッチ選手が肩を痛めていた時というハンデ戦ではあったが、今度は錦織選手が右足親指のけがの回復がまだ万全ではない状態で世界ランキング6位、4位の選手を次々に撃破して勝ち進んできた。相手が世界1位であっても、臆することなく戦って勝利を収めてほしい。「…年ぶりの快挙」ということになったとしてもだ。
ついでに昨日のブログではかけなかったが、安倍改造内閣でのサプライズ人事について、メディアは総理経験者初の幹事長として谷垣氏を話題にしていたが、それは確かにサプライズではあるが、よく谷垣氏が茂木選対委員長を容認したな、と私は思った。
選対委員長は幹事長・総務会長・政調会長と並ぶ党4役である。選対(選挙対策)委員長を党4役に格上げして新設したのは福田康夫内閣のときで、党内基盤が脆弱だった福田総理が幹事長の職権の一部(選挙指揮)を取り上げて、幹事長の党内権力基盤を弱体化するためだった。
第2次安倍内閣も、党員選挙でトップの支持を集めた石破氏を幹事長に据えざるを得ず、そのため石破氏の手足を縛るために党4役の選対委員長制度を復活して、まったく無名の河村建夫氏を委員長に抜擢した。が、石破氏の実力とは横綱と十両くらいの力量の差があり、実際の選挙で職責を果たせなかった。今回の改造で石破氏が幹事長にこだわったのも、今後の選挙指揮も自分がやるという意思表示であり、党4役制の否定発言でもあった。
本来安倍総理は「選挙指揮はあんたの仕事ではないよ」と切って捨てればいいのだが、安倍総理の党内基盤は内閣支持率の異常な高さによって支えられているにすぎず、何かがきっかけで内閣支持率が暴落するような事態になると、安倍総理の党内基盤は音を立てて崩れ去る。そうなることを恐れて、党内に比較的敵が少ない谷垣氏を幹事長に据えることにしたのだが、石破氏を権力機構から外すことに成功すれば、党3役制に戻すと考えられていた党4役制を維持し、しかも河村氏のような「かかし」(失礼!)ではなく茂木氏のような実力者を後任にしたのは、谷垣氏を党内融和のためだけに利用して、党内権力は谷垣幹事長には与えないということを意味するとしか考えられない。そういうせこいやり方がいつまで続くだろうか。
消費の冷え込みは少なくとも7月までの4か月連続は確定しているが、8月に入っても回復している感じはしないので、5か月連続は日銀短観の発表を見るまでもなく明らかだ。
そもそも、消費税増税による景気の冷え込みを安倍内閣も日銀も3か月間と見なしていた。つまり7月には景気が上向きに転じると予測していた。その根拠について、「買いだめ・買い控え」現象は3か月で終わるだろうとしていたが、
それははっきり言ってウソである。7月にはボーナス効果による消費の回復が生
じるだろうと期待していたのが本音である。
が、そうはならなかった。昨日のテレビで日銀・黒田総裁は「天候不順のため」と苦しい言い訳をしていたが、ボーナスのひもが締まってしまったのは天候のためではない。物価の上昇に収入が追い付かず、財布のひもを締めざるを得なかったというのが消費者の実感ではないだろうか。
円安誘導は確かに輸出産業にとっては有利に働くが、その反面輸入品が高騰するのは為替の原理原則である。アベノミクスの「大胆な金融緩和」は、物価の上昇も必然的に招くということを明らかにせず、輸出産業の競争力回復だけを声高に主張したものの、円安によって日本経済はどういう状態に直面するようになったのかをメディアはきちんと検証すべきである。
はっきり言って日本の輸出産業、とりわけ自動車メーカーは空前の利益を計上しているが、円安によって国際競争力が回復したわけではない。もし円安効果によって国際競争力が回復したのであれば貿易収支は大幅に黒字に転換しなければならないはずだが、実際には赤字が続いている。輸出量が増えてはいないからだ。ただ、為替のマジックによって、輸出量が増えなくても輸出企業の収益だけは大幅に改善された。
一方、国内産業は原材料を輸入に頼っているため、経営努力にも限界があり円安の打撃をもろに受けた。その結果消費者物価指数はバブル期以来の高騰に見舞われ、消費者は自己防衛のために財布のひもを締めざるを得なくなった、というのが消費低迷の実情である。メディアもそろそろ安倍・黒田マジックのマインド・コントロールから脱皮したらどうか。朝日新聞など、汚名をそそぐには絶好の機会だろう。