『電脳娼婦』森奈津子 徳間書店 2004
あとがきではエロティックSF短編集と紹介されていましたが、
私の印象では官能小説風SFというより、
SF風の官能小説でした。(びみょーに、違う)
以前の作品『西城秀樹のおかげです』で笑い転げたので
試しに借りてみた訳ですが、今回ユーモアは少ないかも。
で、感想。
これほど、性にイマジネーションを膨らませる動物は、
ヒトしかおるまい、と思いました。
SMを悦ぶサルはあまりいないでしょうし。
(蟷螂の雄も、交尾後雌に食べられるのが至福だといいですね)
しかしその幻想も、個々の五感から得た情報が
脳内で変換されて成り立つのでしょうから、
皆が同じ内容で快感を得られるとは限らない。
当然ながら個人差というものがある。
(→収録作『たったひとつの冴えたやりかた』を見よ)
だから、「これはプレイのうち!」と「この勘違い野郎め」という
認識の違いがあったりするのでしょう。
そう考えると性とは基本的に自己完結しているもののように思える。
たまに妄想と妄想がうまく噛みあうと大爆発…みたいな。
(あらら、何を言ってるんでしょう、わたし…。赤面)
まあ、皆それぞれの小さな宇宙に生きてるってことなんだろう。
『腕貫探偵 市民サーヴィス課出張事件簿』
西澤保彦 実業之日本社 2005
ある時は大学や病院の片隅に、ある時は街角に現れる、
櫃洗市市民サービス課の臨時出張所。
そこで相談者が対面することになるのは、
いかにもお堅い役人的な風体をした謎の男。
様々な人々から寄せられる不可思議な出来事の真相を、
その場であらましを聞いただけで推理してしまう。
「では次の方、どうぞ」
事務員や教員が使っているイメージの腕カバー、
あれは腕貫って言うんですね!(知らなかった!)
西澤保彦の作品はわりとよく読むのですが、
風変わりな設定が魅力的です。
(今回は結構普通に安楽椅子探偵ものでしたが、
SF的な枠組み内での本格ミステリ、というのも面白い。
…たまに設定を充分生かしきれてない時もあるけれど)
これは短編集ですが、初めの方に収録されている事件の
登場人物たちが、最後の短編で再登場するのが嬉しいです。
あと、収録作の中には例のごとく
エゴイズムがほの見えて好感の持てない人物が現れたり、
なんだか後味の悪い事件などもあるのですが、
やはり最後の短編で爽やかに締めてくれるのも良い。
関係ないですが、わたくしはある日、
西澤保彦が書いている森奈津子シリーズ、
(作家森奈津子が同名主人公のモデルらしい?)の、
『両性具有迷宮』を手にしているところを年上の女性に見られ、
普通に「それは面白いの?」と質問されて、
どうにも返事に困った経験があります。
その方は、優しくて上品な読書家の奥さまだったのですよ。
「とてもとてもエロティックなミステリです」とは言い難くて…。くうう。
交際がまだ浅い、無邪気な恋人が家に遊びに来て、
本棚の奥にそれと分からぬ題名のいけないご本を見つけ、
「面白そうね。今度貸してくれる?」と頼んできた時の、
真面目ぶった彼氏の気持ちって、こんな感じだろか。
その方が後日『両性具有迷宮』を読まれたか、
どのような感想を持たれたのかは、不明…。
ランキング参加してます。
気が向いたら、ぽちっと押してください♪
一日一回有効だそうです。
あとがきではエロティックSF短編集と紹介されていましたが、
私の印象では官能小説風SFというより、
SF風の官能小説でした。(びみょーに、違う)
以前の作品『西城秀樹のおかげです』で笑い転げたので
試しに借りてみた訳ですが、今回ユーモアは少ないかも。
で、感想。
これほど、性にイマジネーションを膨らませる動物は、
ヒトしかおるまい、と思いました。
SMを悦ぶサルはあまりいないでしょうし。
(蟷螂の雄も、交尾後雌に食べられるのが至福だといいですね)
しかしその幻想も、個々の五感から得た情報が
脳内で変換されて成り立つのでしょうから、
皆が同じ内容で快感を得られるとは限らない。
当然ながら個人差というものがある。
(→収録作『たったひとつの冴えたやりかた』を見よ)
だから、「これはプレイのうち!」と「この勘違い野郎め」という
認識の違いがあったりするのでしょう。
そう考えると性とは基本的に自己完結しているもののように思える。
たまに妄想と妄想がうまく噛みあうと大爆発…みたいな。
(あらら、何を言ってるんでしょう、わたし…。赤面)
まあ、皆それぞれの小さな宇宙に生きてるってことなんだろう。
『腕貫探偵 市民サーヴィス課出張事件簿』
西澤保彦 実業之日本社 2005
ある時は大学や病院の片隅に、ある時は街角に現れる、
櫃洗市市民サービス課の臨時出張所。
そこで相談者が対面することになるのは、
いかにもお堅い役人的な風体をした謎の男。
様々な人々から寄せられる不可思議な出来事の真相を、
その場であらましを聞いただけで推理してしまう。
「では次の方、どうぞ」
事務員や教員が使っているイメージの腕カバー、
あれは腕貫って言うんですね!(知らなかった!)
西澤保彦の作品はわりとよく読むのですが、
風変わりな設定が魅力的です。
(今回は結構普通に安楽椅子探偵ものでしたが、
SF的な枠組み内での本格ミステリ、というのも面白い。
…たまに設定を充分生かしきれてない時もあるけれど)
これは短編集ですが、初めの方に収録されている事件の
登場人物たちが、最後の短編で再登場するのが嬉しいです。
あと、収録作の中には例のごとく
エゴイズムがほの見えて好感の持てない人物が現れたり、
なんだか後味の悪い事件などもあるのですが、
やはり最後の短編で爽やかに締めてくれるのも良い。
関係ないですが、わたくしはある日、
西澤保彦が書いている森奈津子シリーズ、
(作家森奈津子が同名主人公のモデルらしい?)の、
『両性具有迷宮』を手にしているところを年上の女性に見られ、
普通に「それは面白いの?」と質問されて、
どうにも返事に困った経験があります。
その方は、優しくて上品な読書家の奥さまだったのですよ。
「とてもとてもエロティックなミステリです」とは言い難くて…。くうう。
交際がまだ浅い、無邪気な恋人が家に遊びに来て、
本棚の奥にそれと分からぬ題名のいけないご本を見つけ、
「面白そうね。今度貸してくれる?」と頼んできた時の、
真面目ぶった彼氏の気持ちって、こんな感じだろか。
その方が後日『両性具有迷宮』を読まれたか、
どのような感想を持たれたのかは、不明…。
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