本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

ほんのひとくち感想4

2010年10月20日 | 
久々に図書館で児童書を借りました。

近頃本屋さんでもなかなか見かけない、岩波少年文庫(好きなのに!)。
あのサイズの児童向け文庫本は沢山あるけれど、
やっぱり今でも、友人の子供たちに本を贈りたいと思った時、
探してしまうのは名作揃いの岩波さんなんです。

(岩波少年文庫と創元推理文庫と早川文庫と
ちくま文庫と河出文庫の品揃えが良い本屋は、
わたしの中では花丸の本屋さん)

「おとなりさんは魔女」(ジョーン・エイキン 岩波少年文庫)は、
次から次と突拍子もない出来事に見舞われる、アーミテージ一家のお話です。
それというのも、新婚の頃、願い事がかなう石を手にした奥さんが、
“退屈しない人生”を望んだから。
以来、日常にふらりとユニコーンや魔女や幽霊がまぎれこむ生活。
子供たちは創意工夫に富んだたくましい性格で、
週に一度起こる不思議(月曜、時々は他の曜日)をのびのびと楽しんでいます。

この話を読んでまず思ったのは、
わたしも願掛けできる道具を手にしたら、
アーミテージの奥さんと同じようなことをするんだろうなあ、ということ。
(で、旦那さんをはらはらさせるんだろうな)
非常に、似た者同士の空気を感じました。
のんきなところも親近感。

それにしても、普通の暮らしの中に思いがけない魔法を描く、
作者の発想のすごいこと。
こういう物語って、子供に読み聞かせをしたらきっと面白がるような気がするのです。
少なくともわたしは、続巻が読みたいです。


おとなりさんは魔女――アーミテージ一家のお話1 (岩波少年文庫)
ジョーン・エイキン
岩波書店

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「つづきの図書館」(柏葉幸子 講談社)は、
図書館司書として試用期間中の桃さんの前に、物語の登場人物たちが現れるお話。
彼らは桃さんの家に居候を決め込んで、
以前自分の本を借りた人間のその後が知りたい、と依頼するのです。

近年の柏葉幸子さんの作品は、“家族”が大きなテーマになっているようです。
それも、血のつながりだけではない“家族”というものがあるのだと、
読者に伝えるように、様々な形の“家族”が描かれています。
「魔女モティ」シリーズも、「ブレーメンバス」も、
そして今度の「つづきの図書館」も…。
切なくてもどかしい、不器用な“家族”の姿がリアルです。
良質の児童文学は、日々現実と戦う子供たちに生きる力を与えて、
大人たちには思索の種を与えてくれるもの。
今回の場合、桃さんの孤独は、
もしかしたら大人だからこそ深く理解できるものかもしれません。


つづきの図書館
柏葉 幸子
講談社

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