第1問

この手順は良い構想ではありませんが。
A 57歩 B 49銀 C 34銀
第2問

やっと互角に近くなりました。先手を焦らせます。
A 16同馬 B 14歩 C 28馬
第3問

飛車を捕獲できそうですが、急がない方が良いです。
A 46歩 B 15歩 C 54金
第4問

寄せ方は?
A 68歩 B 26馬 C 85歩
第5問

後手玉はまだ3手すきです。64飛も正解ですが。
A 59馬 B 79竜 C 68銀
20190302今日の一手
11月25日の名南将棋大会から、UさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
飛角交換で馬二枚VS竜の作り合いです。終盤ですし、同等としておきます。
玉の堅さは同程度。穴熊のほうが遠いですから少し上かも知れません。
先手の攻め駒は31馬43馬と持ち駒桂香で4枚。
後手の攻め駒は39飛85桂と持ち駒桂香、19竜も加えて良いでしょう、5枚近いです。(4枚以上は同じに見ます。)
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
互いに固い玉で攻撃力が十分です。受けきりも難しいので寄せ合いです。
寄せのセオリー
① 厳しい手から考える
② 小さな駒から使う
で考えていくのですが、どちらかが穴熊の場合はこのセオリーから少しずれてきます。金銀の価値が上がり、(自玉が穴熊ならば)大駒を切って攻めやすくなります。
対穴熊の場合は、大駒を渡しても良いならば同じ考えですし、大駒を渡せないならば(自玉が薄い場合は)制限がかかります。小駒で金銀を削っていくのでしょう。
さて今回は自玉が穴熊です。しかし後手も二枚飛車+端攻めですから、好きなように攻めて良い局面ではありません。互いの寄せの速度を考えねばなりません。
× 直接の王手は無効です。42馬上は
2手かけて後手玉をねらって(64馬)います。97歩同香同桂成同桂76桂64馬73香
64馬を取ってもらえば勝ちなのですが、合駒されると寄せ合い負けです。
× 次は72銀を攻める手で、小さな駒の73香
から考えるのが寄せのセオリーに則っています。97歩同香同桂成同桂76桂
後手の攻めは詰めろではないですが2手すきくらいです。89桂88桂成同金上79銀
今度は詰めろです。(88銀成同金98歩同玉89竜同金86桂同歩87金という筋。)77銀88銀成同金98歩同玉78金
ずっと受けてみましたが、もう受けがなくなりました。
戻って97歩を同桂だと76香
が厳しいです。これも受けがなくなっていくでしょう。
× 61金を攻める73桂は71金
これは継続の攻めがありません。(二重の取りをかわされて失敗というのがひどい形です。)
○ では61馬と切ると
穴熊の場合は大駒を切りやすいです。61同銀41馬71香
81金同玉63馬同銀83香
後手玉を下段に落として攻めていきます。82合駒は73桂があります。92玉73金72金
では届かず。
82金から
93玉95歩で詰めろですが97歩
これは詰めろ逃れの詰めろです。97同銀72金
というのはわずかに先手の攻めが細いようです。
戻って41馬ではなく73金
さらに急いで攻めてみます。73同銀同歩成同玉74歩
74同玉は41馬
がうるさいです。
74同金に65桂
があり、65同歩には75銀です。82玉には73銀同金同桂成同玉75銀
攻め駒4枚で裸玉ですから寄せきれるでしょう。
△ 41馬は
馬2枚を切ってしまう寄せをねらっています。2手かけて63金をねらったとみても良いです。71金とかわせば52馬上
と張り付いておきます。97歩には63馬同銀直同馬
63同銀73金81玉83香92玉94桂
詰めろ以上の手で寄せていくことができます。
後手としては71金ではなく52桂
か52香か、埋めておくのでしょう。ここから73香76香
香の打ちあいは後手のほうが厳しい(2手すき)です。72香成同金73歩成同銀77歩92香打
桂1枚守りに使わせたので受けやすくなっている(し52馬上もある)のですが渡した香を使われました。、形勢は互角くらいです。
× 実戦は75銀で
3手かけて63金をねらったということになります。すでに攻め駒は4枚あったので、5枚目の攻め駒は必要ないかもしれないです。97歩同香77歩同桂97桂成
後手に77歩を打たれたというのがひどくて、受けが無くなりました。受けに使えそうな66銀が移動してしまったということもあり、悪手の部類でしょう。
○ 77香と打って受けると
攻めにも使えそうですから、77同桂成同銀引85桂
銀を逃げるようでは負けそうです。66銀を守りに使ったということで(後手の76香や76桂を消した)ここから寄せに出ます。
61馬同銀41馬71香
の攻め方には影響がないようです。(少し届きません。)
73金と打ち込む方で
73同銀同歩成同玉74歩同金86桂
先ほどは66銀の位置だったので、65桂が有効でした。ここでは86桂くらいですが少し甘いです。97歩同香77桂成同桂35角
は詰めろです。(98歩同玉89銀同玉79角成から追います。)89桂76歩74桂77歩成同金
79飛成以下飛車をもらったり、79角成と移動すれば後手玉が詰みます。後手玉を守るのも結構難しくて、どうやら先手の勝ち筋ではないかという図なのです。
○ 77桂打だと
77桂成同銀引85桂の時に寄せに出ると、持ち駒が少し違います。
持ち駒の香が桂に替わっていても大丈夫のようです。
× 69桂の受けは
97歩同香76香
ここで77香同香成同桂右同桂成同銀引85桂61馬ならば
前とほぼ同じ変化になります。
76香ではなく76桂だと
61馬同銀73金同銀同歩成同玉74歩同金
桂を69に打ってしまったので攻め続けるのは難しいです。
73歩成同銀77歩と受け続けると
97桂成同桂95歩
受けきれません。
69桂97歩を同桂と取ると
76香73歩成同銀77歩
このほうが端を受けやすいですが、77同香成同銀引同桂成同銀57桂
横からの攻めもきついです。
× 69香でも同じようですが
97歩同香76桂
あるいは76香で攻められて、61馬同銀73金同銀同歩成同玉74歩同金65桂82玉73銀同金同桂成同玉75銀
桂を残していたので、ここまでは同じように攻められます。でも香を受けに使ってしまったので、62玉64銀35角
攻防に角を打たれて攻めが足りません。(香をもって入れば63香ですね。)
☆ まとめ
問題図は受けに回っても後手の攻め駒が多すぎるのです。攻めに活路を見出すしかありません。
自玉は穴熊、まだ詰めろはかかりませんから、馬を切って強く攻めることができました。馬はもったいないですが、金と交換ならばあり得るのかもと考えます。後手玉が薄くなり、自玉の守備力も上がります。ただし攻撃力は低下していますから、攻め駒4枚を保ちつつ、切れないように攻めていきます。そういう技術を身につけないと穴熊は指しこなせないのです。
後手の側から見ると、二枚飛車+端攻めというのは穴熊に粘らせない攻め方です。バリエーションとしては飛角でにらんで端攻めとか、小駒で削っていくとか。
問題図はまあまあうまくいっていたと思います。それでも先手に馬を切られて勝ちにくいというところに振り飛車の苦労がありますね。74歩の拠点が大きかったです。
居飛車穴熊を相手にするのは大変です。