名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190302

2019-03-02 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


この手順は良い構想ではありませんが。
A 57歩 B 49銀 C 34銀

第2問


やっと互角に近くなりました。先手を焦らせます。
A 16同馬 B 14歩 C 28馬

第3問


飛車を捕獲できそうですが、急がない方が良いです。
A 46歩 B 15歩 C 54金

第4問


寄せ方は?
A 68歩 B 26馬 C 85歩

第5問


後手玉はまだ3手すきです。64飛も正解ですが。
A 59馬 B 79竜 C 68銀

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大山将棋研究(1177);四間飛車に棒銀(加藤博二)

2019-03-02 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190302
昭和40年1月、加藤博二先生と第14期王将戦第2局です。

大山先生の四間飛車で、中央位取りを避けたので、加藤先生は急戦です。

32金と上がって受けるのは第3巻ではいっぱい見ましたが、第2巻では最初のはず。

加藤先生は棒銀です。対振り飛車の棒銀も第2巻では初めてみます。これが最初かどうかはわかりませんが、戦型としてはごく初期のころでしょう。(坂口先生の)ツノ銀中飛車に棒銀ならば前例があるのかも。

大山先生の袖飛車も初めてのようなもの(対玉頭位取りで指していますが)です。

加藤先生は金で受けました。これが一番手堅い受け方ですが

67金上からゆっくり指すのではなく、端角から攻めようとしています。

大山先生は34歩同銀37歩同飛と呼び込んでから15角。

銀を交換して

57歩を打てば

馬が作れるのです。しかし3歩損の歩切れで馬を作るだけでは指しすぎです。

歩切れなので受けにくいのですが、金銀を使ってどうにか受けています。

54歩を取れたので34歩が打てて

76歩をかすめ取れて

形勢は互角に近くなっていきます。加藤先生は銀を打って

角を出るのは気持ちよいですが、銀を打たれるとこれ以上は攻められません。

先手玉は堅くなったとはいえ、攻め方がよくわかりません。

大山先生は歩越し飛車を圧迫していきます。

飛車を横に逃げたい、逃がさないというやり取りで

銀交換になりました。

加藤先生がうまく食いついたかというところですが

この利かしが入らず

金飛の取り合いです。寄せ合いになりました。

58歩というのが薄い受け方なのです。58銀打か58金打は戦力が足りなくなるのですが

この形は不安です。

加藤先生は飛を取りに行きましたが、持ち駒が歩だけになりました。

大山先生は68銀。68同金は尻金から詰みます。68同玉に

退路封鎖で、59馬があるから必至でした。

大山先生は歩損を気にしないことが多く、馬を作るのが好きなのですが、3歩損で馬を作っただけでは悪いです。しかし先手の歩越し飛車というのは使いにくくて、加藤先生の指し手は難しいです。いつの間にか逆転してしまいました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1965/01/27
手合割:平手  
先手:加藤博二8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 8二玉(72)
15 6八銀(79)
16 7二銀(71)
17 5七銀(68)
18 5四歩(53)
19 3六歩(37)
20 4三銀(32)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 6八金(69)
24 3二金(41)
25 9六歩(97)
26 6四歩(63)
27 3七銀(48)
28 6三銀(72)
29 2六銀(37)
30 7四歩(73)
31 3五歩(36)
32 7二飛(42)
33 3四歩(35)
34 同 銀(43)
35 3八飛(28)
36 4三銀(34)
37 6六歩(67)
38 7五歩(74)
39 同 歩(76)
40 同 飛(72)
41 7七金(68)
42 4五歩(44)
43 7六歩打
44 7二飛(75)
45 3五銀(26)
46 5五歩(54)
47 9七角(88)
48 3四歩打
49 同 銀(35)
50 3七歩打
51 同 飛(38)
52 1五角(33)
53 3六飛(37)
54 3四銀(43)
55 同 飛(36)
56 5六歩(55)
57 同 銀(57)
58 3三金(32)
59 3五飛(34)
60 5七歩打
61 同 金(58)
62 5九角成(15)
63 6七金(77)
64 9四歩(93)
65 5四歩打
66 5二金(61)
67 4五飛(35)
68 4三金(33)
69 8六角(97)
70 4八馬(59)
71 6八金(67)
72 5四銀(63)
73 3五飛(45)
74 3四歩打
75 3六飛(35)
76 7六飛(72)
77 7七歩打
78 7四飛(76)
79 8五銀打
80 7一飛(74)
81 6四角(86)
82 7三銀打
83 8六角(64)
84 4九馬(48)
85 6七銀(56)
86 8四歩(83)
87 7六銀(85)
88 2七馬(49)
89 1六飛(36)
90 1四歩(13)
91 6五歩(66)
92 5五銀(54)
93 7五銀(76)
94 5四金(43)
95 6四銀(75)
96 同 銀(73)
97 同 歩(65)
98 同 銀(55)
99 4六飛(16)
100 7五歩打
101 4三銀打
102 5三金(54)
103 5二銀成(43)
104 同 金(53)
105 6五歩打
106 5五銀(64)
107 5三歩打
108 4六銀(55)
109 5二歩成(53)
110 5七銀成(46)
111 同 金(68)
112 2八飛打
113 5八歩打
114 2九飛成(28)
115 7九金打
116 2六馬(27)
117 6二銀打
118 7四飛(71)
119 6四金打
120 6八銀打
121 同 玉(78)
122 8八金打
123 投了
まで122手で後手の勝ち

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5月の予定

2019-03-02 | 名将会
5月の予定が決まりました。

第195回は
壱3月30日(土) R1750以上
弐3月9日(土)R1750点以下

第196回は
壱4月7日(日) R1750以上
弐4月20日(土)R1750点以下

第197回は
壱5月1日(水) R1750以上
弐5月2日(木)R1750点以下


なおアマ連HPには4月20日分が4月30日(火)に間違って掲載されています。訂正を依頼しました。

ご参加お待ちしております。
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20190302今日の一手(その838);穴熊の寄せ方

2019-03-02 | 今日の一手

20190302今日の一手

11月25日の名南将棋大会から、UさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛角交換で馬二枚VS竜の作り合いです。終盤ですし、同等としておきます。
玉の堅さは同程度。穴熊のほうが遠いですから少し上かも知れません。
先手の攻め駒は31馬43馬と持ち駒桂香で4枚。
後手の攻め駒は39飛85桂と持ち駒桂香、19竜も加えて良いでしょう、5枚近いです。(4枚以上は同じに見ます。)

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
互いに固い玉で攻撃力が十分です。受けきりも難しいので寄せ合いです。
寄せのセオリー
① 厳しい手から考える
② 小さな駒から使う

で考えていくのですが、どちらかが穴熊の場合はこのセオリーから少しずれてきます。金銀の価値が上がり、(自玉が穴熊ならば)大駒を切って攻めやすくなります。
対穴熊の場合は、大駒を渡しても良いならば同じ考えですし、大駒を渡せないならば(自玉が薄い場合は)制限がかかります。小駒で金銀を削っていくのでしょう。

さて今回は自玉が穴熊です。しかし後手も二枚飛車+端攻めですから、好きなように攻めて良い局面ではありません。互いの寄せの速度を考えねばなりません。


× 直接の王手は無効です。42馬上は

2手かけて後手玉をねらって(64馬)います。97歩同香同桂成同桂76桂64馬73香

64馬を取ってもらえば勝ちなのですが、合駒されると寄せ合い負けです。


× 次は72銀を攻める手で、小さな駒の73香

から考えるのが寄せのセオリーに則っています。97歩同香同桂成同桂76桂

後手の攻めは詰めろではないですが2手すきくらいです。89桂88桂成同金上79銀

今度は詰めろです。(88銀成同金98歩同玉89竜同金86桂同歩87金という筋。)77銀88銀成同金98歩同玉78金

ずっと受けてみましたが、もう受けがなくなりました。

戻って97歩を同桂だと76香

が厳しいです。これも受けがなくなっていくでしょう。


× 61金を攻める73桂は71金

これは継続の攻めがありません。(二重の取りをかわされて失敗というのがひどい形です。)


○ では61馬と切ると

穴熊の場合は大駒を切りやすいです。61同銀41馬71香

81金同玉63馬同銀83香

後手玉を下段に落として攻めていきます。82合駒は73桂があります。92玉73金72金

では届かず。

82金から

93玉95歩で詰めろですが97歩

これは詰めろ逃れの詰めろです。97同銀72金

というのはわずかに先手の攻めが細いようです。

戻って41馬ではなく73金

さらに急いで攻めてみます。73同銀同歩成同玉74歩

74同玉は41馬

がうるさいです。

74同金に65桂

があり、65同歩には75銀です。82玉には73銀同金同桂成同玉75銀

攻め駒4枚で裸玉ですから寄せきれるでしょう。


△ 41馬は

馬2枚を切ってしまう寄せをねらっています。2手かけて63金をねらったとみても良いです。71金とかわせば52馬上

と張り付いておきます。97歩には63馬同銀直同馬

63同銀73金81玉83香92玉94桂

詰めろ以上の手で寄せていくことができます。

後手としては71金ではなく52桂

か52香か、埋めておくのでしょう。ここから73香76香

香の打ちあいは後手のほうが厳しい(2手すき)です。72香成同金73歩成同銀77歩92香打

桂1枚守りに使わせたので受けやすくなっている(し52馬上もある)のですが渡した香を使われました。、形勢は互角くらいです。


× 実戦は75銀で

3手かけて63金をねらったということになります。すでに攻め駒は4枚あったので、5枚目の攻め駒は必要ないかもしれないです。97歩同香77歩同桂97桂成

後手に77歩を打たれたというのがひどくて、受けが無くなりました。受けに使えそうな66銀が移動してしまったということもあり、悪手の部類でしょう。


○ 77香と打って受けると

攻めにも使えそうですから、77同桂成同銀引85桂

銀を逃げるようでは負けそうです。66銀を守りに使ったということで(後手の76香や76桂を消した)ここから寄せに出ます。
61馬同銀41馬71香

の攻め方には影響がないようです。(少し届きません。)

73金と打ち込む方で

73同銀同歩成同玉74歩同金86桂

先ほどは66銀の位置だったので、65桂が有効でした。ここでは86桂くらいですが少し甘いです。97歩同香77桂成同桂35角

は詰めろです。(98歩同玉89銀同玉79角成から追います。)89桂76歩74桂77歩成同金

79飛成以下飛車をもらったり、79角成と移動すれば後手玉が詰みます。後手玉を守るのも結構難しくて、どうやら先手の勝ち筋ではないかという図なのです。


○ 77桂打だと

77桂成同銀引85桂の時に寄せに出ると、持ち駒が少し違います。

持ち駒の香が桂に替わっていても大丈夫のようです。


× 69桂の受けは

97歩同香76香

ここで77香同香成同桂右同桂成同銀引85桂61馬ならば

前とほぼ同じ変化になります。

76香ではなく76桂だと

61馬同銀73金同銀同歩成同玉74歩同金

桂を69に打ってしまったので攻め続けるのは難しいです。

73歩成同銀77歩と受け続けると

97桂成同桂95歩

受けきれません。

69桂97歩を同桂と取ると

76香73歩成同銀77歩

このほうが端を受けやすいですが、77同香成同銀引同桂成同銀57桂

横からの攻めもきついです。


× 69香でも同じようですが

97歩同香76桂

あるいは76香で攻められて、61馬同銀73金同銀同歩成同玉74歩同金65桂82玉73銀同金同桂成同玉75銀

桂を残していたので、ここまでは同じように攻められます。でも香を受けに使ってしまったので、62玉64銀35角

攻防に角を打たれて攻めが足りません。(香をもって入れば63香ですね。)


☆ まとめ
問題図は受けに回っても後手の攻め駒が多すぎるのです。攻めに活路を見出すしかありません。
自玉は穴熊、まだ詰めろはかかりませんから、馬を切って強く攻めることができました。馬はもったいないですが、金と交換ならばあり得るのかもと考えます。後手玉が薄くなり、自玉の守備力も上がります。ただし攻撃力は低下していますから、攻め駒4枚を保ちつつ、切れないように攻めていきます。そういう技術を身につけないと穴熊は指しこなせないのです。

後手の側から見ると、二枚飛車+端攻めというのは穴熊に粘らせない攻め方です。バリエーションとしては飛角でにらんで端攻めとか、小駒で削っていくとか。
問題図はまあまあうまくいっていたと思います。それでも先手に馬を切られて勝ちにくいというところに振り飛車の苦労がありますね。74歩の拠点が大きかったです。
居飛車穴熊を相手にするのは大変です。













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