第1問
うまく先手の攻めを誘導しました。
A 55歩 B 84角 C 65銀
第2問
この手が利いて有利になりました。
A 56馬 B 36馬 C 31飛
第3問
まだ難しく思えますが。
A 71金 B 56歩 C 13角
第4問
厳しい寄せでした。
A 58馬 B 57金 C 46角
今日の棋譜20190326
昭和40年10月、原田泰夫先生と東京新聞杯です。
大山先生の向い飛車、原田先生は棒銀です。
原田先生が仕掛けを少し待ったので、大山先生は角を引いて
かなり後に流行する形に近いのですが、45歩には64角があります。
68金上と待つのもありますが、原田先生は左銀を66へ。
中央の位を取り
銀を立て直します。こういうのはやってはいけない例ですね。急戦と持久戦をミックスしても良い形にはなりません。
大山先生が54歩同歩同銀と動いたので
原田先生は34歩~44角とさばけました。
角は交換になり
大山先生が先に角を打ち込みます。この時に先手玉がもう少し堅ければ(57銀56歩型)先手も悪くはないのですが
37角成と取られる手があるので後手よしだろうと思っていたら、大山先生は桂を逃げて飛車取りが二重です。悪い形ですが
46角成で良しと見たんですね。銀の浮き駒がひどいです。33歩成には
56馬に32と は45馬が両取りです。25桂のほうを取ると飛車に逃げられます。
原田先生としては飛車を追って13香を取るのは妥当なところですが、24銀があります。
57香や52歩を利かせても、両取りに対応するしかなくなりました。
角と桂香の交換は駒損でもないですが、29桂19香は取り残されているのです。
寄せ合いを選びますが
大山先生の攻めはわかりやすいです。
適当な受けはなく
21飛も当然無視されて受け無しの2手すき。
飛車を渡せば詰まされます。
攻め将棋の原田先生の将棋には見えませんでしたが、39手目35歩を打つ辺りではずいぶん悩んだのでしょう。玉が薄いまま駒損から終盤になって、良いところが出せませんでした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1965/10/08
手合割:平手
先手:原田泰夫8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 5六歩(57)
10 4三銀(42)
11 6八玉(59)
12 2二飛(82)
13 7八玉(68)
14 6二玉(51)
15 5八金(49)
16 7二玉(62)
17 3六歩(37)
18 8二玉(72)
19 9六歩(97)
20 9四歩(93)
21 6八銀(79)
22 7二銀(71)
23 4六歩(47)
24 5二金(41)
25 3七銀(48)
26 1四歩(13)
27 2六銀(37)
28 3二飛(22)
29 3八飛(28)
30 1三香(11)
31 5七銀(68)
32 5四歩(53)
33 1六歩(17)
34 4二角(33)
35 3五歩(36)
36 5三角(42)
37 3四歩(35)
38 同 銀(43)
39 3五歩打
40 4三銀(34)
41 6六銀(57)
42 6四歩(63)
43 5五歩(56)
44 6三金(52)
45 5四歩(55)
46 同 銀(43)
47 5五歩打
48 4三銀(54)
49 5七銀(66)
50 7四歩(73)
51 5六銀(57)
52 6二角(53)
53 6八金(69)
54 5四歩打
55 同 歩(55)
56 同 銀(43)
57 3四歩(35)
58 8四角(62)
59 4四角(88)
60 6二角(84)
61 3五銀(26)
62 4四角(62)
63 同 銀(35)
64 3七歩打
65 同 飛(38)
66 2八角打
67 3三歩成(34)
68 同 桂(21)
69 3四歩打
70 2五桂(33)
71 2七飛(37)
72 4六角成(28)
73 3三歩成(34)
74 5六馬(46)
75 2五飛(27)
76 3一飛(32)
77 2二角打
78 4一飛(31)
79 4二歩打
80 5一飛(41)
81 1三角成(22)
82 2四銀打
83 5七香打
84 3八馬(56)
85 5二歩打
86 1一飛(51)
87 2四馬(13)
88 同 歩(23)
89 同 飛(25)
90 5六歩打
91 2二飛成(24)
92 5七歩成(56)
93 同 金(58)
94 5六歩打
95 5八金(57)
96 5七香打
97 1一龍(22)
98 5八香成(57)
99 同 金(68)
100 4九馬(38)
101 6九銀打
102 4六角打
103 2一飛打
104 5八馬(49)
105 同 銀(69)
106 7九金打
107 8八玉(78)
108 6八角成(46)
109 6一飛成(21)
110 同 銀(72)
111 同 龍(11)
112 7八金(79)
113 投了
まで112手で後手の勝ち
20190326今日の一手
1月12日の名南将棋大会から、MさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
金と飛桂の交換で と金を作っていますから先手の駒得です。終盤なので評価は控えめに。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は97角は数えにくく、持ち駒飛銀桂の3枚。
後手の攻め駒は47銀36金で2枚。
総合すれば先手が少し有利です。
☆ 大局観として
先手は玉の堅さだけ劣っているのですが、先手玉を後手玉よりも堅くすることは難しいです。(入玉になれば別ですが。)
後手玉は金銀2枚の穴熊ですから、どこかで寄せ合いを考えるのでしょう。
当面は飛銀が当たっています。被害を最小限にとどめつつ、反撃に移るチャンスをねらいましょう。
△ 実戦は44飛と逃げました。
銀1枚とられるのは仕方なしと見たのですね。まだ少し駒得は残ります。57歩成同金55銀
ここがチャンスだったのですが、34飛56歩67金46金
後手の攻め駒が3枚で、57歩成もあるのでかなり受けにくくなっています。75角から受けたのですが
77桂も取られそうな形で、上から迫られているので受けがなくなりました。
チャンスと書いた55銀のところで75桂を打てば
62金引54飛はうまいです。44銀63桂不成56歩71桂成同銀
47金か、67金か、66金かは悩ましいですが、その後で寄せ合いに出て有望でした。
他には75桂ではなく(34飛でもなく)47金
44銀36金
後手の駒を取ってしまうのも有力です。
後手としては55銀では危ないので56歩
のほうが良いです。47金同金同飛58銀は受けきれない感じなので、66金57歩成75桂・・・は互角くらいです。
△ 45飛と逃げると
後手の55銀を消しているのですが、先に書いたように55銀自体は怖い手ではありません。違いはあまりないですが、57歩成同金56歩66金57歩成52飛
56銀成同金67銀88玉56と22飛成46金
後手の36金を使いやすくしてしまう変化があるかもしれません。飛車の位置で少し当たりが変わります。
× 56銀として歩を取ると
46金47銀同金
後手が47金を含めて飛車を含む攻め駒3枚になるので先手不利です。例えば52飛28飛48歩66歩
72銀同金同飛成48飛成
後手玉は詰まず、先手玉は詰めろです。
○ 56飛として歩を取れば
56同銀成同銀59飛
両取りを打たれるのですが、この図の時点では後手の攻め駒は2枚しかありません。「両取り逃げるべからず」で寄せ合いです。64歩62金引63桂72金上53と
(72金上ではなく61金寄のかたちでも53と同金21飛です。)53同金32飛62歩22飛成
61銀を見て優勢です。
○ 47飛として銀を取ると
57歩成は同飛ですね。47同金しかなく、56銀46金67銀引
やはり後手の攻め駒は2枚だけなのです。66歩同銀56金67銀
67同金同玉89飛88銀
銀を打たずに寄せ合いでも悪くはないですが、一度受けておいてから寄せを考えるほうが手堅いです。
△ 36同飛として金を取ると
57歩成同金36銀成
これは36成銀を含めて後手の攻め駒が3枚なのです。ただ36成銀が攻め駒にならないように、52飛28飛58銀66歩59歩56歩
攻められた時に飛を引き成って粘ることはできます。
× 48銀と逃げると
銀のほうは取ってもらえません。46金47銀同金
後手の攻め駒は3枚、57歩成もあるので受けきれません。
× 他の手は駒取りを無視して52飛(51飛もあるか)
57歩成に66飛
と逃げます。65歩同飛64歩66飛68と同飛
手順に銀金を取られてしまうのですが、47銀36金が重い(まだ攻め駒として働いていない)です。56歩75桂58金66飛62金引22飛成55銀
反撃はできますが、べたべた金銀を打たれて先手不利です。
× 75桂を打って
62金引としてもらえれば21飛が厳しくなります。しかし57歩成66飛65歩
65同飛に74金がぴったりですから失敗です。
× 64歩の利かしも
入りません。57歩成66飛68と同飛56歩
63歩成では勝てません。
☆ まとめ
一見は駒損しそうな問題図でしたが、元は少し駒得です。飛銀交換に持ち込めばまだ駒得で、後手の攻め駒は飛金の2枚だけでした。少し受けて寄せ合いに出れば有望です。
飛を逃げると銀損ですから、飛銀交換よりも劣ります。
36同飛は飛銀と金の交換ですから、皿に劣ります。
飛を2手後で逃げることもできますが、銀金を取られるともっと悪くなりそうです。
駒の損得で見ているのではなくて(ある意味正しいですが)後手の攻め駒が何枚であるかが重要なのです。いくら穴熊で攻められている状況でも、攻め駒が2枚だけならばなんとかなるはずです。