第1問
先受けでした。
A 78飛 B 59角 C 78金
第2問
平凡な手ですが、その先まで読む必要があります。
A 91竜 B 36歩 C 34歩
第3問
どう受けますか?
A 56金 B 35金 C 56角
20190322今日の一手
1月12日の名南将棋大会から、IさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
銀歩と角香の交換で馬成桂を作り合っています。先手の駒得です。
玉の堅さは同程度。桂を跳ねている分だけ後手玉のほうが堅いとみるのかもしれません。
(相手玉に向かっているものだけ数えて)先手の攻め駒は36角と持ち駒飛香で3枚。
後手の攻め駒は39飛57成桂と持ち駒銀で3枚です。
総合すれば先手もちです。
☆ 大局観として
先手の駒得なのですが、両取りに飛車を打たれました。桂香を拾われることを思えば駒得で有利だとは言えない状況です。
寄せ合いはどうか。先手のミレニアムはこの頃また流行り出したところなのですが、私の評価は中途半端で堅くない、です。急所に手がつくと簡単に崩れます。美濃囲いも崩れるのですが、崩れてから強いところがあります。守りの桂を跳ねているかどうかが関係しているのでしょう。
問題図では39飛の筋にに89玉があるのが危なく思えます。寄せ合いの速度としては先に飛車を下した後手に分がありそうです。
ということは攻防の手段が必要なのです。
× 実戦は54角と逃げました。
68銀に37飛
と合わせて、32銀を取れるから有利だと見たのです。でも37同飛成同桂39飛32角成79銀成同金68金
ミレニアム囲いは手がつくと早いというのがよくわかりますね。明らかな寄せ合い負けです。囲いを補強するスペースがないというのが穴熊と比べて大きく劣るところです。
× 31飛と打っても
36飛成43歩成同金63香71金
角を取られて攻め駒2枚では寄り付けません。
× 18角69銀
後手としては68銀よりも69銀のほうが厳しいです。適当な受けがないのです。
× 72角成と切ってしまうと
まだ先手の駒得です。72同玉もありそうですが、72同金だとして61銀69銀
受けるしかないですが、72銀成同玉69金同飛成79金打
29竜に37飛くらいですがまた69銀
とかけられて、受けが無くなります。78銀成同玉という形が不安定すぎて簡単に寄せられそうなのです。
△か○ 34飛と打てば
角取りを受けるだけではなく72角成~39飛と32飛成の両ねらいです。一目好手(攻防の手)ですね。後手は35歩が最善で、72角成同金32飛成
これで簡単に勝ちに見えるのです。62金左43歩成68銀52と
こうなれば楽勝です。
だけど金取りを放置して69銀
52飛成に78銀成同玉67成桂89玉77成桂
34角の王手飛車を含みに反撃されます。これで後手勝ちのようですが、72竜同玉77銀45角78金39飛63銀
先手玉は詰めろですが、63同玉は75桂から清算していけば詰みます。63同角だと先手玉の詰めろが消えるので75桂で勝ち。
後手はもう少し急いて77成桂ではなく78成桂
98玉62金打・・・形勢不明です。
途中先手が王手竜取りの筋に気が付いて69銀を取っても
69同飛成79銀打68金
金を持っていないとしっかりした受けにならない(受けても後手の寄せが2手伸びない)ので失敗です。
ならば61銀とすると
78銀成同玉68金89玉42歩
これは銀を渡すと79竜
で先手玉が詰んでしまうのです。
王手竜取りがあっても踏み込んでしまうしかないのでした。
○ 35飛だと
先ほどの34飛で35歩同飛だと1歩儲かるのでちょっと得です。
ここでは45銀が後手の返し技で、32飛成36飛成同竜同銀
というやり取りは角銀交換で先手の損ですが、手番は先手です。43歩成同金32飛
が厳しい手です。39飛63香
は金が取れます。
42歩36飛成
は銀を取れます。(34飛35歩同飛とした変化では1歩持っているので、銀を取らずに44歩53金54歩とするのもある。)どちらも先手有利です。
△ 37飛と打つと
37同飛成同桂だと角取りで9段目に飛車を打ち込まれないので少し得です。
29飛成57飛38竜72角成同金54歩
というのはまあまあ指せそうです。
ということで後手は59飛成
成桂を守ります。72角成同金32飛成69銀
というのは34飛からの変化と比べて、後手が39飛か59竜かという違いです。少し損をしているのですが、結果に影響を与えるものでもない気もします。だけどこの図は
やはり難しいです。
× 他には43歩成と捨てるのは
角金の取り合いは歓迎です。しかし43同銀31飛45歩
というのは36角がピンされているので後手もちです。
☆ まとめ
先手は王手で飛車を素抜く筋をみて、3筋に飛車を打ちたいです。それが角取りを受けた攻めの手にもなるのです。
34飛が良いか35飛が良いかというのは微妙な問題でした。結論は34飛35歩同飛、あるいは最初から35飛が良いのですが、後に後手から52竜をねらって34角がある(これも攻防の手)ためです。
寄せ合いはしっかりした受け(1手かけて2手延びる)や攻防の手(1手かけて自玉の寄せは1手延びて、相手玉の寄せに働く)があると形勢が変動します。
将棋の囲いはそれぞれ長所短所があるのですが、それを理解できると寄せ合いが強くなります。
実戦の手順は先手Sさんがミレニアムの堅さを過信していたのではないかと思えます。78金をねらわれるともろいのです。