名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190322

2019-03-22 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


先受けでした。
A 78飛 B 59角 C 78金

第2問


平凡な手ですが、その先まで読む必要があります。
A 91竜 B 36歩 C 34歩

第3問


どう受けますか?
A 56金 B 35金 C 56角
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大山将棋研究(1197);中央位取り中飛車(佐藤大五郎)

2019-03-22 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190322
昭和40年8月、佐藤大五郎先生と第6期棋聖戦第2局です。

大山先生の中央位取り中飛車です。

玉頭位取りは拒否したので、佐藤先生は棒銀で攻めます。

84銀65銀というのが気になったか、64歩を突くのですが

6筋を攻められそうです。

角を覗いてけん制し

1歩交換は得だともいえないですが

65歩が銀取りになるので銀を引いた、というのは作戦負けを認めたようなものです。

大山先生は飛車をぶつけました。85飛があるので飛車交換になります。

佐藤先生は底歩が打てるので粘れます。

しかし角を引いたら35桂が痛いです。

角銀交換から34桂で勝負。

しかし大山先生は56角の飛取りから34桂を食いちぎって

44桂。わかりやすい寄せです。

佐藤先生は両取りで粘れると良いのですが

飛車を捨てられて届きません。

あとは寄せ合いです。先手玉は3手すき、後手玉は3手すき、先手番なので大山先生が有利です。

先手玉が詰めろになりましたが

銀をもらったので詰みでした。

佐藤先生の出来が良くないですね。最初のタイトル挑戦はこういうものかもしれません。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1965/08/12
手合割:平手  
先手:大山王位
後手:佐藤大五郎7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 5五歩(56)
8 6二銀(71)
9 5八飛(28)
10 5二金(61)
11 6八銀(79)
12 4二玉(51)
13 4八玉(59)
14 3二玉(42)
15 3八玉(48)
16 4二銀(31)
17 6六歩(67)
18 1四歩(13)
19 1六歩(17)
20 7四歩(73)
21 6七銀(68)
22 4四歩(43)
23 5六銀(67)
24 4三銀(42)
25 2八玉(38)
26 4二金(41)
27 3八銀(39)
28 3三角(22)
29 3六歩(37)
30 7三銀(62)
31 5九角(77)
32 6四歩(63)
33 4六歩(47)
34 8四銀(73)
35 6八飛(58)
36 6二飛(82)
37 4八角(59)
38 2四角(33)
39 4七銀(38)
40 3三桂(21)
41 3八金(49)
42 3五歩(34)
43 同 歩(36)
44 同 角(24)
45 5八金(69)
46 7三銀(84)
47 6五歩(66)
48 同 歩(64)
49 同 飛(68)
50 同 飛(62)
51 同 銀(56)
52 4五歩(44)
53 7一飛打
54 3一歩打
55 8一飛成(71)
56 8八飛打
57 5七金(58)
58 8九飛成(88)
59 3六歩打
60 4六歩(45)
61 同 銀(47)
62 同 角(35)
63 同 金(57)
64 3四桂打
65 5六角打
66 9九龍(89)
67 3四角(56)
68 同 銀(43)
69 4四桂打
70 2二玉(32)
71 5二桂成(44)
72 6三角打
73 4二成桂(52)
74 8一角(63)
75 4四金打
76 6九飛打
77 5九桂打
78 5七銀打
79 3四金(44)
80 4八銀成(57)
81 同 金(38)
82 5九飛成(69)
83 3三金(34)
84 同 玉(22)
85 4四銀打
86 投了
まで85手で先手の勝ち


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20190322今日の一手(その848);ミレニアム囲いのもろさ

2019-03-22 | 今日の一手

20190322今日の一手

1月12日の名南将棋大会から、IさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀歩と角香の交換で馬成桂を作り合っています。先手の駒得です。
玉の堅さは同程度。桂を跳ねている分だけ後手玉のほうが堅いとみるのかもしれません。
(相手玉に向かっているものだけ数えて)先手の攻め駒は36角と持ち駒飛香で3枚。
後手の攻め駒は39飛57成桂と持ち駒銀で3枚です。

総合すれば先手もちです。

☆ 大局観として
先手の駒得なのですが、両取りに飛車を打たれました。桂香を拾われることを思えば駒得で有利だとは言えない状況です。
寄せ合いはどうか。先手のミレニアムはこの頃また流行り出したところなのですが、私の評価は中途半端で堅くない、です。急所に手がつくと簡単に崩れます。美濃囲いも崩れるのですが、崩れてから強いところがあります。守りの桂を跳ねているかどうかが関係しているのでしょう。
問題図では39飛の筋にに89玉があるのが危なく思えます。寄せ合いの速度としては先に飛車を下した後手に分がありそうです。
ということは攻防の手段が必要なのです。


× 実戦は54角と逃げました。

68銀に37飛

と合わせて、32銀を取れるから有利だと見たのです。でも37同飛成同桂39飛32角成79銀成同金68金

ミレニアム囲いは手がつくと早いというのがよくわかりますね。明らかな寄せ合い負けです。囲いを補強するスペースがないというのが穴熊と比べて大きく劣るところです。


× 31飛と打っても

36飛成43歩成同金63香71金

角を取られて攻め駒2枚では寄り付けません。


× 18角69銀

後手としては68銀よりも69銀のほうが厳しいです。適当な受けがないのです。


× 72角成と切ってしまうと

まだ先手の駒得です。72同玉もありそうですが、72同金だとして61銀69銀

受けるしかないですが、72銀成同玉69金同飛成79金打

29竜に37飛くらいですがまた69銀

とかけられて、受けが無くなります。78銀成同玉という形が不安定すぎて簡単に寄せられそうなのです。


△か○ 34飛と打てば

角取りを受けるだけではなく72角成~39飛と32飛成の両ねらいです。一目好手(攻防の手)ですね。後手は35歩が最善で、72角成同金32飛成

これで簡単に勝ちに見えるのです。62金左43歩成68銀52と

こうなれば楽勝です。

だけど金取りを放置して69銀

52飛成に78銀成同玉67成桂89玉77成桂

34角の王手飛車を含みに反撃されます。これで後手勝ちのようですが、72竜同玉77銀45角78金39飛63銀

先手玉は詰めろですが、63同玉は75桂から清算していけば詰みます。63同角だと先手玉の詰めろが消えるので75桂で勝ち。

後手はもう少し急いて77成桂ではなく78成桂

98玉62金打・・・形勢不明です。

途中先手が王手竜取りの筋に気が付いて69銀を取っても

69同飛成79銀打68金

金を持っていないとしっかりした受けにならない(受けても後手の寄せが2手伸びない)ので失敗です。

ならば61銀とすると

78銀成同玉68金89玉42歩

これは銀を渡すと79竜

で先手玉が詰んでしまうのです。
王手竜取りがあっても踏み込んでしまうしかないのでした。


○ 35飛だと

先ほどの34飛で35歩同飛だと1歩儲かるのでちょっと得です。
ここでは45銀が後手の返し技で、32飛成36飛成同竜同銀

というやり取りは角銀交換で先手の損ですが、手番は先手です。43歩成同金32飛

が厳しい手です。39飛63香

は金が取れます。

42歩36飛成

は銀を取れます。(34飛35歩同飛とした変化では1歩持っているので、銀を取らずに44歩53金54歩とするのもある。)どちらも先手有利です。


△ 37飛と打つと

37同飛成同桂だと角取りで9段目に飛車を打ち込まれないので少し得です。
29飛成57飛38竜72角成同金54歩

というのはまあまあ指せそうです。

ということで後手は59飛成

成桂を守ります。72角成同金32飛成69銀

というのは34飛からの変化と比べて、後手が39飛か59竜かという違いです。少し損をしているのですが、結果に影響を与えるものでもない気もします。だけどこの図は

やはり難しいです。


× 他には43歩成と捨てるのは

角金の取り合いは歓迎です。しかし43同銀31飛45歩

というのは36角がピンされているので後手もちです。


☆ まとめ
先手は王手で飛車を素抜く筋をみて、3筋に飛車を打ちたいです。それが角取りを受けた攻めの手にもなるのです。
34飛が良いか35飛が良いかというのは微妙な問題でした。結論は34飛35歩同飛、あるいは最初から35飛が良いのですが、後に後手から52竜をねらって34角がある(これも攻防の手)ためです。
寄せ合いはしっかりした受け(1手かけて2手延びる)や攻防の手(1手かけて自玉の寄せは1手延びて、相手玉の寄せに働く)があると形勢が変動します。

将棋の囲いはそれぞれ長所短所があるのですが、それを理解できると寄せ合いが強くなります。
実戦の手順は先手Sさんがミレニアムの堅さを過信していたのではないかと思えます。78金をねらわれるともろいのです。


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