名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190318

2019-03-18 | 大山将棋研究
先手番升田先生の手を考えます。

第1問


反撃を考えつつ受けましょう。
A 75角 B 78金 C 79金

第2問


受けにくくなったようですが。
A 89歩 B 89金 C 75角

第3問


もう少しです。
A 84歩 B 83歩 C 65角

第4問


これも知っておくとよい手筋です。
A 12歩 B 14同香 C 81飛

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大山将棋研究(1193);角換わり奇襲(升田幸三)

2019-03-18 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190318
昭和40年7月、升田幸三先生と第6期棋聖戦第3局です。

角換わりです。昔はこの二人も好んで指していた時期があったのですが、久しぶりでしょう。

大山先生は55角?

角を切って

飛車先を破ります。大山先生がこんなことをするとは。これは駒損ですから悪い手です。

確かに先手が受けにくそうにも見えるのですが

升田先生は75角。76飛87金75飛は飛車の働きの差があり、82角や83角もあるので先手有利です。

82飛は76銀成をねらっているので65角で返します。83歩があるので

74歩には83歩同飛74角。

73飛と寄って角銀の取り合いまでは必然です。この図は駒の損得がないのですが、升田先生がずいぶん手得をしていることがわかりますね。

大山先生の73桂が少し悪い手なのですが、65銀もあるので仕方ないのかもしれません。75銀を打たれて飛車を取られるしかなく

44で角飛の交換になりました。

升田先生は15歩を生かして、端を工作して11飛と打ち込みました。

香を捨てて13歩はちょっと強引な感じです。大山先生としては19角とか17香成とか、この瞬間に反撃がないといけないところです。

素直に13同金21飛成となっては敗勢です。

升田先生は31竜~45歩でもよさそうですが、34桂~22桂成を選び

角を取れます。

その前に桂を交換すると34桂があり

33銀と受けられたら45に桂を打って

角を取って31角。金取りは受けにくく

13角成~31馬を許しては受けなしです。

簡単に終わりました。

大山先生はこんな将棋を指す人ではないのですが、兄弟子相手だと甘えて無茶をやってみた、という将棋があります。強襲の受け方としては知っておくとよいでしょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1965/07/06
手合割:平手  
先手:升田幸三9段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 2六歩(27)
4 8五歩(84)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 7七角(88)
8 3四歩(33)
9 8八銀(79)
10 7七角成(22)
11 同 銀(88)
12 2二銀(31)
13 3八銀(39)
14 6二銀(71)
15 1六歩(17)
16 3三銀(22)
17 4六歩(47)
18 9四歩(93)
19 1五歩(16)
20 5五角打
21 4七銀(38)
22 8六歩(85)
23 同 歩(87)
24 7七角成(55)
25 同 桂(89)
26 8六飛(82)
27 8八歩打
28 8七歩打
29 7八金(69)
30 8八歩成(87)
31 同 金(78)
32 8七銀打
33 7五角打
34 8二飛(86)
35 6五角打
36 7四歩(73)
37 8三歩打
38 同 飛(82)
39 7四角(65)
40 7三飛(83)
41 8七金(88)
42 7四飛(73)
43 5六銀(47)
44 3五歩(34)
45 6六角(75)
46 7三桂(81)
47 7五銀打
48 4四飛(74)
49 同 角(66)
50 同 銀(33)
51 1四歩(15)
52 同 歩(13)
53 1二歩打
54 同 香(11)
55 1一飛打
56 2二金(32)
57 1四香(19)
58 同 香(12)
59 1三歩打
60 同 金(22)
61 2一飛成(11)
62 4一角打
63 3四桂打
64 8一香打
65 9六金(87)
66 5二金(61)
67 2二桂成(34)
68 4二金(52)
69 3一成桂(22)
70 5二角打
71 6五桂(77)
72 同 桂(73)
73 同 銀(56)
74 3三銀(44)
75 4五桂打
76 4四銀(33)
77 4一成桂(31)
78 同 角(52)
79 3一角打
80 9五歩(94)
81 1三角成(31)
82 9六歩(95)
83 3一馬(13)
84 5五桂打
85 4二馬(31)
86 同 玉(51)
87 3三金打
88 同 銀(44)
89 同 桂成(45)
90 同 玉(42)
91 3一龍(21)
92 投了
まで91手で先手の勝ち


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20190318今日の一手(その846);相手玉に手を付ける

2019-03-18 | 今日の一手

20190318今日の一手

1月12日の名南将棋大会から、OさんとJさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損で(持ち歩がないのでカウントします)馬を作っています。損得なしくらいに評価しておきましょう。
玉の堅さは後手のほうが少し堅いです。(58金が離れています。)
先手の攻め駒は持ち駒銀1枚。81馬は後手玉に向かっていません。
後手の攻め駒は65桂と持ち駒角銀で3枚。

総合すれば後手が指しやすいです。

☆ 大局観として
先手が歩損でも馬を作って91香を取って駒得しようというもくろみでしたが、後手に先攻されました。まだ3枚の攻めですが受けきれるでしょうか?62飛は攻めに使いにくいですが、56歩の突き捨てがあるので受けにくい感じがします。
受けきりが望めないならば、攻め合いにできるように考えたいです。後手玉が手つかずだと強引に攻められて悪いということが(現代将棋だと頻繁に)あります。


× 実戦の66銀が常識的な受けです(桂頭の銀)が、56歩と突かれて

56同歩は39角ですね。自然に応接して悪いというのは、元の形勢が良くなかったからです。
駒損でも粘ろうとして67銀と打ったのですが(57歩成同銀同桂成同金86歩91馬87歩成同金39角58飛49銀)

91香を取れば二枚換え、でも飛金を攻められて劣勢です。後手玉への攻めが見えないので勝てる流れではありません。

56歩の時には65銀として

桂馬を食いちぎってどうか。65同歩55桂42金引54馬

好調な反撃ですが、43銀同桂成同金同馬同玉24歩同歩45歩

桂を渡すと66桂もありますし、馬を切って急いで攻めざるをを得ないでしょう。57歩成同金39角44歩32玉58飛49銀

勝負の形にはなっているのですが、金銀だけで後手玉を攻めることになるので、ちょっと足らなさそうです。


× 68銀と逃げると

56歩同歩39角29飛66角成

銀は取られませんが馬を作られます。99香を守りにくいので91馬、86歩同歩87歩

8筋に細工されてから99香を取られます。守りの香を取られる分だけ分が悪いです。


○ 91馬とするのは

銀を取られても二枚換えだという主張です。56歩同歩57歩68金右59角39香

香を持っていると受けに使えるという効果もあります。

後手は59角の筋がうまくいかないならば、77桂成同金39銀

飛車の逃げ場所によって角を打ち込む場所が変わります。26飛が最善で、28角49桂19角成

というくらい。73馬52飛63銀64馬

54香をねらって反撃です。まあまあというところでしょう。


× 63銀と打って飛車を攻めると

61飛72馬51飛62銀成53飛63成銀54飛62成銀

千日手をねらうくらいです。でも56歩には54馬しかなく、54同金56歩57歩68金右59角

これを受けにくいので先手不利です。後手陣は飛車打ちに強いので飛車を取る効果が薄いのです。


× 71馬ならば

もう少しましなのですが、52飛61馬56歩52馬同金71飛42金引

銀を温存できても後手玉を攻略しにくいです。56歩57歩68金右59角48銀27銀

角を手に入れても後手玉を攻めにくいです。


○ 54銀は後手玉に迫っていて

42金引とかわしても、65銀同歩54桂

61飛72馬51飛42桂成同金73馬61飛

千日手にするか、55馬としておくか、形勢は互角です。

54同金と取られたら

54同馬43銀53馬61飛24歩同歩23金

23同玉21馬32金

馬は死ぬのですが、32同馬同玉35歩同歩45桂打

攻めは結構続きます。玉の堅さが逆転しているので先手が勝ちやすいでしょう。


△か× 45歩は

攻め合いを目指しているのですが、56歩44歩(としないで54銀のほうが難しいが)同金53銀

うまくいったように思えるのですが、57歩成62銀成77桂成同桂58と

後手玉が堅く、攻め駒は2対5です。寄せ合い負けになります。


△ 24歩同歩

の突き捨ては(攻めるとしたら)損ではないです。


× 15歩は

取ってもらえたら少し得ですが、56歩同歩57歩68金右59角48銀27銀

15歩の効果は表れにくいです。


☆ まとめ
現代将棋では、攻めの技術が進歩したからだといわれるのですが、細く見える攻めでも結構手が続きます。
後手の攻め駒が3枚だからと言っても、56歩の突き出しがある(56同歩に39角か57歩か)のですから受けきるのは大変です。この時に後手玉が手つかずだと駒を渡す攻めを決行しやすいということがあります。
攻撃は最大の防御と言われますが、後手玉への反撃があれば、後手の攻撃が鈍るのです。
よって54銀あるいは45歩から攻める手を考えるのです。
91馬は香を入手することで受けにも働いていて、攻め駒が3枚になるので考えても良いです。先の見通しを立ててからですが。







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