名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190324

2019-03-24 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


どんどん攻めたいところですが、自重しました。
A 75銀 B 75歩 C 74歩

第2問


逃げ方は?
A 32玉 B 14玉 C 34玉

第3問


ずいぶん危ないようですが、反撃を見ます。
A 12角 B 64角 C 66歩

第4問


攻める前に指したい手があります。
A 66歩 B 14歩 C 26香

第5問


危ないようですが間に合っています。
A 36歩 B 28成香 C 27銀

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大山将棋研究(1199);相矢倉(佐藤大五郎)

2019-03-24 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190324
昭和40年8月、佐藤大五郎先生と第6期王位戦第3局です。

佐藤先生の振り飛車に見えましたが居飛車です。

相矢倉模様で53銀に57銀で対抗します。

大山先生は二段玉を生かして先攻しました。佐藤先生としては79玉の位置ならば角銀総交換から77金上で反撃する筋があるのですが、序盤の96歩が甘い手になっています。

59角に大山先生は76歩~74歩として

37角のけん制に備えた手でした。

佐藤先生は目いっぱい頑張って

少し模様が良い感じです。

厚みよりは83飛を抑え込もうという感じです。

角がぶつかり交換になり

2,3筋を工作して、72角から

桂を取れたところでは少し先手有利です。

銀交換の後で65桂が利くのです。83飛の両取りには72馬85飛63馬~22歩成があります。

これで飛馬の交換になり

後手玉を捕まえられるかの勝負になりました。

佐藤先生の攻め方が後手玉を上に追っている感じなので有利だとは言い切れません。

大山先生は角を2枚打って頑張ります。

99香と63金の取り合いで後手玉も危ないのですが

26香~29香成で上部を押さえる駒が減っていきます。

佐藤先生は駒を補充しつつ攻めていきます。

攻めとしては切れません。

大山先生も反撃に移り

先手の飛車の位置がずれたので入玉が見えてきました。

もう捕まらないでしょう。

先手玉は左右挟撃の形になり

駒得しながら攻めていきます。

上を押さえておけば寄りです。

12金を取って詰めろ。

入玉がかなわなくなって佐藤先生投了です。

中盤は佐藤先生が押しているのですが、入玉阻止の手順がよくわかりません。馬飛の交換が良くなかったのでしょうか。
第3局で力をみせましたが、3連敗はきついです。大山先生が新しい芽を摘んでしまおうと本気を出したのでしょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1965/08/26
手合割:平手  
先手:佐藤大五郎7段
後手:大山王位
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 9六歩(97)
4 8四歩(83)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 7八銀(79)
8 5四歩(53)
9 5六歩(57)
10 4二玉(51)
11 2六歩(27)
12 3二銀(31)
13 5八金(49)
14 3三銀(32)
15 4八銀(39)
16 3二玉(42)
17 3六歩(37)
18 5二金(61)
19 7七銀(78)
20 4四歩(43)
21 7九角(88)
22 4三金(52)
23 2五歩(26)
24 3一角(22)
25 7八金(69)
26 5三銀(62)
27 5七銀(48)
28 7四歩(73)
29 6九玉(59)
30 6四銀(53)
31 6七金(58)
32 8五歩(84)
33 6八角(79)
34 7五歩(74)
35 5九角(68)
36 7六歩(75)
37 同 銀(77)
38 7四歩打
39 6五歩(66)
40 7三銀(64)
41 3七角(59)
42 8六歩(85)
43 同 歩(87)
44 同 飛(82)
45 7九玉(69)
46 8三飛(86)
47 6六銀(57)
48 8六歩打
49 7七桂(89)
50 6四歩(63)
51 8五銀(76)
52 3五歩(34)
53 同 歩(36)
54 9四歩(93)
55 6四歩(65)
56 同 角(31)
57 同 角(37)
58 同 銀(73)
59 2四歩(25)
60 同 歩(23)
61 2二歩打
62 同 銀(33)
63 2三歩打
64 3三銀(22)
65 3四歩(35)
66 同 銀(33)
67 7二角打
68 5三飛(83)
69 8一角成(72)
70 7五銀(64)
71 同 銀(66)
72 同 歩(74)
73 6五桂(77)
74 5一飛(53)
75 6三馬(81)
76 5二金(41)
77 6二銀打
78 6三金(52)
79 5一銀(62)
80 2三玉(32)
81 3五歩打
82 同 銀(34)
83 1五桂打
84 3四玉(23)
85 2二飛打
86 6四角打
87 5五歩(56)
88 同 角(64)
89 3七歩打
90 1二角打
91 5二飛成(22)
92 9九角成(55)
93 6三龍(52)
94 2六香打
95 6八飛(28)
96 6六歩打
97 5七金(67)
98 2九香成(26)
99 2二金打
100 1四歩(13)
101 1二金(22)
102 1五歩(14)
103 5二角打
104 3一桂打
105 5三桂成(65)
106 6七桂打
107 同 金(57)
108 同 歩成(66)
109 同 飛(68)
110 2五玉(34)
111 3八桂打
112 3六歩打
113 4三成桂(53)
114 3七歩成(36)
115 4四成桂(43)
116 3六玉(25)
117 4五成桂(44)
118 2七玉(36)
119 3五成桂(45)
120 5八銀打
121 9七飛(67)
122 9八金打
123 5七飛(97)
124 4八と(37)
125 6八玉(79)
126 3八玉(27)
127 5四飛(57)
128 5六歩打
129 同 飛(54)
130 7六桂打
131 同 銀(85)
132 同 歩(75)
133 5八飛(56)
134 同 と(48)
135 6七玉(68)
136 7五銀打
137 5六玉(67)
138 5五飛打
139 4六玉(56)
140 5七飛成(55)
141 4五玉(46)
142 5五馬(99)
143 3四玉(45)
144 3三歩打
145 2四玉(34)
146 1二香(11)
147 4一角成(52)
148 1三金打
149 投了
まで148手で後手の勝ち



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20190324今日の一手(その849);詰めろ逃れの詰めろ

2019-03-24 | 今日の一手

20190324今日の一手

1月12日の名南将棋大会から、MさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀と金香(歩5は数えず)の交換で、成桂を作られています。先手が少し駒得ですが、終盤なので同等と見る方が良いでしょう。
玉の堅さは(相手の駒を考えずに)同じくらいです。
先手の攻め駒は91角56香と持ち駒金桂で4枚。
後手の攻め駒は44角87成桂と持ち駒飛銀銀香で6枚、ですが4枚以上は同一視します。

総合すれば互角です。
現状は先手玉が詰めろ、後手玉が詰まないので後手有利です。

☆ 大局観として
寄せ合い1手負けの状態です。もっと早く気が付いていれば易しかったのですが、ここまで進むとかなり難しくなっています。
先手玉は詰めろですから、間に後手玉に王手をかけることはできますが、詰まないのですから先手玉の詰めろを受ける(1手かけて2手すきにする)ことが必要条件です。
しっかり受けて3手すきにできれば(後手の詰めろが続かなくなれば)逆転です。あるいは詰めろを受けながら後手玉を詰めろにする(詰めろ逃れの詰めろ)ことができれば逆転です。
このあたりの事情はお判りでしょうか。このブログでは何度も取り上げています。


× 受ける手を考えてみます。88金打が手堅そうです。

しかし99飛同玉98銀

これは1手かけて受けても1手すきのままでした。


× 98金ならば

詰みは逃れていますが、98同成桂には同飛しかないでしょう。87飛

持ち駒は桂を打てるだけです。88金の移動合は同角成同飛98金

で詰み筋です。88飛の移動合でも同じ筋にはまります。

88桂では97歩

87飛に当たっていない受けではだめです。

78玉には67銀

飛車を取ると詰みます。67銀ではなく57飛成でも困りますし、後手からの詰めろはいくらでもあります。駒損の受けではまずい場合が多いのです。


× 66歩など

44角の利きを止めると、97飛98歩94飛成

受けに回られても困りますし

78歩同飛67銀

という寄せの手筋もあります。
どうやらしっかりした受け(受けて詰めろを回避する)はなさそうです。


では攻める手を考えてみましょう。寄せのセオリーで小さな駒の王手から。
△ 63歩は最初に考える手です。

63同銀以外の応手は金を打って44角を消去できます。55桂

で詰めろ逃れの詰めろです。後手の応手が67飛、54歩、53歩、54銀打などありますが、例えば54銀とかわして64歩55銀

63歩成同玉55香54歩

というような攻防で変化がいっぱいあります。先手玉の詰めろは消したけれど安全ではない、後手玉に迫れるかどうかの勝負です。


× 実戦は52金でした。

71玉に55角成

で詰めろ逃れの詰めろです。しかし55同角(詰めろ逃れの詰めろ)同香67角

までは見ていないのですが、詰まされて先手Iさんの負けだったのでしょう。ここに角を打たれるとだめなのです。


× 54桂のほうを先に考えるのですが、説明の都合でここに書きます。

52玉にもどうしたらよいかわからないのですが、71玉に55角成(詰めろ逃れの詰めろ)だと同角(詰めろ逃れの詰めろ)同香67角

で負けだというのは同じです。

52金よりも優れているのは62金

と追えるからです。44角が消えるのは歓迎だとして、81玉72金同玉73歩

63玉もあります。73同金同角成同玉74歩同玉85金63玉

たくさん王手はかかるので、実戦だと間違えてもらえる確率が少し上がりますが、後手玉を詰ますところまではいかないでしょう。


○か× 68飛の王手は

後手が67歩を打ちたくなるのですが、そこで55角成(詰めろ逃れの詰めろ)同角(詰めろ逃れの詰めろ)同香

角を渡しても67に打てないのです。これも詰めろ逃れの詰めろなんですね。まだ後手に受けの手段があるとはいえ、逆転しています。

でも68飛に64香

だと困るのです。王手が途絶えるのでこの香は取れません。66桂にも同香同金78歩

55銀はありますが、63桂など守られると78飛67銀

受けが無くなります。


○ 王手ではないですが66桂は

2手かけて王手というか、74金をねらったというか、ともかく金を取れば詰むのですから、詰めろ逃れの詰めろです。73金には74歩(詰めろ)63金73金

清算して74歩を打てば

詰みます。

84金とかわせば63歩

6,7筋に歩を打てるので詰めろを続けるのは簡単です。


☆ まとめ
自玉に適当な受けがないというのはわかったでしょうか。後手の攻め駒が多すぎます。

どこかで後手44角筋を止めるあるいは消去せねばなりません。
63歩同銀55桂は有力ですが、形勢不明
68飛は勝負手
66桂は勝ち
という結果でした。このあたりは読むしかないのですが、66桂はぴったりした手だなあという感じがします。

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