名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190328

2019-03-28 | 大山将棋研究
先手番二上先生の手を考えます。

第1問


二上先生の攻めが始まります。
A 65同銀 B 68飛 C 97角

第2問


かなり攻撃的です。
A 33歩成 B 66銀 C 75同角

第3問


ここは軽い手筋です。
A 96歩 B 62歩 C 76桂

第4問


攻防の手がありました。
A 39角 B 99香 C 58桂

第5問


この手が成立していました。
A 78銀 B 33桂成 C 33桂不成



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大山将棋研究(1203);向い飛車に中央位取り(二上達也)

2019-03-28 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190328
昭和40年11月、二上達也先生と第4期十段戦第4局です。

大山先生の向い飛車に二上先生は中央位取りです。

大山先生は急戦を選びますが、飛車交換にはなりません。

ここから駒組みに戻ります。そういえば先月私もこの将棋を指しました。早く並べておけば良かったです。

金銀の繰り替えは大山先生のお家芸です。

二上先生はじっくり位で押すタイプではないです。端角で動きました。

さすがに64歩や64銀では無理なので

6筋は収まるのですが、1歩手に入れたので桂頭に弱点がありました。

大山先生は桂損なので角をいじめにかかりますが

二上先生は攻め続けます。

大山先生は強く迎え撃ちます。

84銀が死にそうですが

殺しきれなくて銀をぶつけるのでは失敗です。

二上先生は65桂を取りに行き

大山先生は端を攻め

駒損ですが成香を引けたのでまだまだ。

二上先生は角を攻め、駒得を広げに行きます。

大山先生は田楽刺しで返しますが

69香成に95角で悪いというのが2つ目の誤算です。

二上先生の駒得が大きくなっていきます。

大山先生は反撃していくしかありません。角を取り

角を捨て

厳しく迫ったのですが、まだ先手玉は詰みません。二上先生は33金を取って33桂不成が好手。
この図で93金72玉64桂同金61角・・・というのが詰むのです。しかも28飛成の時にも61角から詰みます。(とても読み切れませんが。)5手前の39角が攻防の手だったのですね。

大山先生は飛車を捨てるしかないですが、先手玉に詰めろがかかります。

96歩も詰めろ。

しかし82歩を打たされて、詰めろが消えています。後手玉に詰めろがかかり

上部を広げて詰めろをかけましたが

詰めろを逃れていませんでした。

二上先生の名局で、好手がいっぱい出てきます。この頃は大山二上戦は良い勝負でした。後には星が片寄り、お客さんになってしまうのですけれど。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1965/11/12
手合割:平手  
先手:二上達也8段
後手:大山十段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 6八玉(59)
10 4三銀(42)
11 7八玉(68)
12 2二飛(82)
13 3六歩(37)
14 6二玉(51)
15 5六歩(57)
16 7二銀(71)
17 5八金(49)
18 7一玉(62)
19 5七銀(48)
20 8二玉(71)
21 9六歩(97)
22 9四歩(93)
23 5五歩(56)
24 3二金(41)
25 4六歩(47)
26 2四歩(23)
27 同 歩(25)
28 同 飛(22)
29 2五歩打
30 2二飛(24)
31 5六銀(57)
32 4二角(33)
33 6八銀(79)
34 3三桂(21)
35 3七桂(29)
36 2一飛(22)
37 1六歩(17)
38 6四歩(63)
39 4七金(58)
40 7四歩(73)
41 1五歩(16)
42 5一角(42)
43 6六歩(67)
44 5二銀(43)
45 5七銀(68)
46 6三銀(52)
47 6五歩(66)
48 同 歩(64)
49 9七角(88)
50 4二金(32)
51 6五銀(56)
52 7三桂(81)
53 5六銀(65)
54 6四歩打
55 3五歩(36)
56 同 歩(34)
57 3四歩打
58 2五桂(33)
59 同 桂(37)
60 9五歩(94)
61 7五歩(76)
62 9六歩(95)
63 8六角(97)
64 7五歩(74)
65 6六銀(57)
66 8四歩(83)
67 7五銀(66)
68 8五歩(84)
69 5九角(86)
70 7四歩打
71 8四銀(75)
72 6五桂(73)
73 4八角(59)
74 8三銀(72)
75 同 銀成(84)
76 同 玉(82)
77 3三歩成(34)
78 同 金(42)
79 6六歩打
80 9七歩成(96)
81 同 香(99)
82 同 香成(91)
83 6五歩(66)
84 9六成香(97)
85 8八桂打
86 9五成香(96)
87 6四歩(65)
88 同 銀(63)
89 6二歩打
90 同 角(51)
91 6三銀打
92 6六歩打
93 同 角(48)
94 6五香打
95 6二銀(63)
96 同 金(61)
97 7七角(66)
98 8六歩(85)
99 6六歩打
100 7三金(62)
101 6五歩(66)
102 7五銀(64)
103 7六歩打
104 8七歩成(86)
105 同 玉(78)
106 8六銀打
107 7八玉(87)
108 7七銀成(86)
109 同 桂(89)
110 6六銀(75)
111 3九角打
112 8七角打
113 同 玉(78)
114 8六銀打
115 9八玉(87)
116 7七銀成(66)
117 3三桂(25)
118 7五歩(74)
119 2一桂成(33)
120 6八歩打
121 6一角打
122 7二桂打
123 7九金(69)
124 9六歩打
125 8一飛打
126 8二歩打
127 8四歩打
128 同 金(73)
129 9一飛成(81)
130 9七歩成(96)
131 8九玉(98)
132 8八と(97)
133 同 金(79)
134 同 成銀(77)
135 同 玉(89)
136 7七金打
137 7九玉(88)
138 8七銀成(86)
139 7二角成(61)
140 同 玉(83)
141 2二飛成(28)
142 6二桂打
143 同 龍(22)
144 同 玉(72)
145 8二龍(91)
146 投了
まで145手で先手の勝ち






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20190328今日の一手(その851);切れない攻め

2019-03-28 | 今日の一手

20190328今日の一手

1月12日の名南将棋大会から、SさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂と金(歩)の交換で馬VS馬と金の作り合いです。ほぼ損得なしと見て良いでしょう。
玉の堅さは(相手の駒を考えずに)同程度ですが、先手の穴熊が深いです。
先手の攻め駒は53馬と持ち駒金銀銀で4枚。
後手の攻め駒は今のところ持ち駒金1枚ですが、48と など使えば増えていきます。

総合すれば先手有利か優勢です。

☆ 大局観として
金銀2枚の穴熊ですが遠さが生きています。67馬57と56桂がまだ攻め駒と呼べないくらいです。66馬~48と~39と でも詰めろではないので5手すきくらいでしょう。駒を渡して4手すきになるかもしれませんが、何か指して3手すきになるような攻めを続ければよいです。切れない攻め方はどれでしょうか。

何度も出てきますが寄せのセオリーの順番で考えていきます。王手は早過ぎますし、41金をねらうのも難しそう、52銀が目標です。
△ 実戦は52馬でした。

これが一番早く52銀を攻める手です。52同飛に53銀72飛

後手の飛車の逃げ方が近すぎる気がしますが、61銀82飛52金31金42銀66角

という進行です。この図の先手は61銀が攻め駒とは呼べないので金銀3枚の攻めです。後手は48と~39と と攻めるのがわかりやすいです。後手玉に端から逃げ出されて混戦となり、後手Tさんの勝ちに終わりました。

先手の工夫としては61銀ではなく42銀打

42同金同銀成同玉22金52歩

金銀3枚の攻めでも左右挟撃を目指し、いざとなれば桂香を取れるのですが、まだ寄せきったという感じではありません。形勢不明くらいです。


△ 52銀を取るには2手かかりますが、62金と打てば

飛車当たりですから強く攻めています。(飛車を1手で攻めているというべきかも。)53銀同歩成62飛同と

清算されると と金が離れて行くのが気がかりですが、攻め駒は62と を入れなくても飛を含む4枚になっています。93角(82飛を防いだ)が攻防で、52銀31金61飛48と

この寄せ合いはどちらの勝ちでしょうか?43銀不成同玉31飛成39と(詰めろ)同銀同角成38金48銀

先手玉は詰めろ、後手玉は詰みません。しかし角を入手できるので攻防の手段がありそう、後手玉も安全ではないので形勢不明です。


△ 62銀は

変な感じですが、52馬同金53歩成を見ています。これも2手かけて52銀を取ろうというわけです。利点はありまして、53銀同歩成62飛同と93角の順は、52銀31金41金

持ち駒に金があるのでこの41金が厳しいのです。

しかし62飛が必然ではないので取らずに93角

の時にどうしたものか。61銀不成~72銀不成では48と同金同桂成~38金

で寄せ合い負けです。
93角の時に38金打とか工夫するのでしょうが、はっきりしません。


○ 64歩と打ってみると

歩を使う筋はこれくらいです。64歩~63歩成~52と で3手かけて52銀を取るとみるか、2手で72飛を取るとみるか。(53銀同歩成64歩でも同じですが)64同歩63銀

今度は63銀53馬を両方とられる変化にはなりません。もちろん63同銀同馬~53歩成は歓迎です。53銀同歩成76飛52銀打

攻め駒は十分にあるので銀を打つ方がより確実です。31金43銀不成22玉42と

小駒だけでも4枚で寄せていくことができます。

後手が76飛ではなく82飛ならば最後のところが42銀打

ですが、金を取れるので4枚の攻めのままです。


△ 26馬と逃げるのが普通の手です。

26馬~53歩成~52と 3手かけて52銀を取ろうというわけです。途中でほかの駒に当たらないので速度は下がりますが、リスクは小さいです。66馬53歩成48と

寄せ合いは後手のほうが速そうですから67歩57馬46銀47馬57金

受けることになります。39と47金29と同玉34桂

52と26桂41と69角42金22玉

というのが進行例です。69角が結構厳しい寄せですが、36角か36銀と受けてまだまだ。


× 35馬のほうが13に利きがあるので攻めが強いわけですが44金

を打たれそうです。馬を切るのでは自信なし。36馬76飛53銀

という進行は馬を攻めに使えていないので攻めが細いです。後手は51歩が有効な受けになります。


× 75馬は

飛車を切られるので悪くなるでしょう。


△ 他には38金打

は悪い手ではありません。攻撃力が下がるので、この後にと金を作る攻め(64歩同歩63銀)が必要です。


△ 16歩も

後手玉が端に逃げた時には働くし、先手玉への詰めろが少しかかりにくくなるという面もあります。


☆ まとめ
まだ後手の攻めが速くはないので、筋の良い攻め方はどれか、という問題でした。
先手Mさんのように穴熊専門になると、筋の悪い手が良い場合も多くなる(不思議ですが)ので、切れない攻めはどれか?という方が良いかもしれません。
筋の悪い攻め≒重い攻め≒確実な攻め
筋の良い攻め≒軽い攻め≒受けやすい攻め
が成り立つかもしれません。例外もあります。
小駒3枚で一方から攻めるのは失敗でしょう。小駒4枚ならばなんとかなります。小駒3枚でも上から押さえつけるとか、左右挟撃ならばうまくいくことが多いです。

この場合は馬を逃げて53歩成を目指すのが筋の良い攻め方ですが、後手としては受けやすいかもしれません。
62金は有力ですが、清算されると と金が離れて行くのが気になります。
64歩同歩63銀と工夫すると清算されることはなく、確実に攻めることができます。


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