第1問
定跡書には出ていない有名な指し手です。
A 85角 B 56角 C 64歩
第2問
好手というよりは俗手です。
A 74歩 B 15歩 C 64同飛
第3問
嫌なところを攻められました。
A 17同桂 B 17同歩 C 26香
第4問
速度計算をしてみましょう。
A 77同歩 B 82飛 C 52成桂
20190314今日の一手
1月12日の名南将棋大会から、OさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の角得で、と金VS竜と金の作り合いです。先手の大きな駒得ですが、終盤なので控えめに見ておきます。
玉の堅さは同程度ですが、29飛の守備力を入れると先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は65角と持ち駒角金桂で4枚。
後手の攻め駒は68と を入れても、持ち駒銀桂と合わせて3枚です。
総合すれば先手優勢です。
☆ 大局観として
3つの要素で上回っているので、受けても攻めても良いです。
懸念するのは後手の68と のほうが使いやすいので、金銀をはがされると駒得が薄れて先手玉が薄くなることです。具体的には59銀とか58金とか食いつかれた時に、手抜いてよいか、まだ受けて大丈夫か、という判断が必要です。危ないと見れば受けておきます。大丈夫ならば寄せ合いに出ます。
○ 87角打が見えれば
攻防の手なので形勢はさらに良くなります。87同竜同角59銀
竜が消えると受けやすくなります。どこかで手抜いて飛車を打てば(49金打だと千日手かも。49金57角62飛で)
簡単でしょう。
後手が角を打ってくれないときは(62飛には84角があり、52飛には74角があるので)、2筋を工作して(24歩同歩23歩同玉41飛)飛車を打ちます。
72と を取って粘られても
43角成同金同角成32金53馬
と金が消えても(後手の と金だけ残っても)角と金桂の二枚換えの取引で、トータルでは金桂得(VS と金)ですから駒得が広がっています。先手玉が安全なので2筋から攻めるのが簡単でしょう。
○ 実戦は24歩でした。
一番自然な攻め方ですが、24同銀ならば26桂が手筋です。59銀に34桂12玉87角打
が見えていれば問題はないです。(見えていないと悩むことになります。)
さて実戦は24同歩だったので25歩
継ぎ歩でした。25同歩と取ってもらえたので同桂23歩33桂成同桂41角
後手玉が薄くなったので簡単に寄っているはずです。59銀に43角成
が必至のはずですが、48銀成同玉31金打32角成同金41銀(32同馬から詰んでいた)67と58桂57金38玉47金同銀49銀37玉25桂打27玉38角26玉(詰めろが消えた)43金38銀48角、という攻防の末に
37に合駒を打てば詰まなかったのですが、27玉38銀不成で詰まされてしまいました。
戻って継ぎ歩の時が
ちょっとぬるいのです。手抜いて59銀の時に87角打
が見えていれば、48銀成同玉88竜43角成
が詰めろ、67と58桂57金38玉87竜同馬58と の時に32馬
から後手玉が詰んでいるので勝ち筋です。詰みが見えていないとちょっと怪しい(飛車を打ち込んでおけば有利)です。
あるいは87角を同竜として
87同角48銀成同玉58金38玉48金打27玉57金42飛
ということになるかもしれませんが、先手有利に違いはないです。この変化は継ぎ歩が生きていないのですが。
59銀と打たれた時に24歩と取り込めば
後手玉は詰めろになっているのですが、48銀成同玉67と58桂57金38玉48金打27玉
29飛の利きが止まるので少し怪しいです。まだ先手有利ですが。
△ 何か影響の薄い手、15歩
だとしても、59銀に87角打
さえ見えていれば優勢を保てます。同じ手順ですが、48銀成同玉88竜43角成
が詰めろ。67と58桂57金38玉87竜同馬58と の時に32馬
と行けば、32同玉24桂同銀43金
はちょうど駒が足りて詰みますし、
24桂に同歩のほうも23金同玉24歩同銀同飛
これも詰みます。
15歩以外の手でも(1手パスでも)大丈夫です。
○ 87角打が見えていない(成立していない)場合には24桂
と放り込んで、急いで寄せないと難しくなります。24同歩同歩同銀同飛23歩
(29飛59銀87角打でもよいわけですが)の時に飛車を逃げません。43馬同金23飛成同玉41角
32合駒に24歩同玉32角成で必至、先手玉が詰まないので勝ちです。
43角成に24歩の場合は23歩
から寄せます。簡単に詰めろがかかるでしょう。これを嫌うならば24銀を飛車で取る前に角を切って(43角成)から24飛で変化の余地がなくなります。
△ 守る手としては79歩
を打っておけば、88竜には97角~53角成でゆっくり指せます。この場合は竜飛の交換でも問題なしです。
△ 59銀を打たせてから受けるというのは、例えば62と と寄せておいて
59銀49金67と27玉
かわして受けることになるのですが、間違うと大けがをしそうです。
△ 駒を打つ方が手堅い原則で49金打
とすれば59銀や58金に対応しやすいです。しかし64銀83角成55桂
部分的には銀桂交換なので、馬を作って受けるほうが好きな人向けです。
☆ まとめ
攻防の87角打が見えていれば余裕があります。1手パスでも大丈夫でしょう。
厳しい寄せの筋は、実戦の24歩同歩25歩という継ぎ歩の筋です。(24同銀ならばどうするかということがありますが。)
もっと厳しく24桂を打てばさらに速いです。桂を捨てて1手稼いでいることになります。駒得だから許されるということがあるのですが、さらに飛角をたたききって詰めろをかけてしまうという筋を学んでおきましょう。
これらは相矢倉の時の寄せの筋なのですが、右玉でも使えます。右玉の場合は左辺は振り飛車感覚、右辺は居飛車感覚というハイブリッドです。それでいて飛車交換はまずい場合が多い、右辺から攻めすぎると反動がある、というマイナス面もあります。
序盤が楽な戦法は終盤で苦労するもの(その裏も)だなあ、というところが将棋の面白いところです。