名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190306

2019-03-06 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


74歩を打たれる前に動かねばなりません。
A 74歩 B 65銀 C 85桂

第2問


どう対応しますか?
A 75飛 B 62飛 C 74飛

第3問


こういう手は損をしません。
A 66金 B 44馬 C 94角

第4問


好手がありました。
A 55歩 B 71金 C 84角

第5問


後の寄せも見ています。
A 66歩 B 55歩 C 66金
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大山将棋研究(1181);ひねり飛車(丸田祐三)

2019-03-06 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190306
昭和40年1月、丸田祐三先生と第14回NHK杯準決勝です。この時はTV放送で8人のトーナメントだったようです。

相掛かりになりました。

昔の観戦記は26飛のほうが元気があってよろしい、というようなことが書かれていました。飛車を浮く方が新型です。

5筋の歩を突くのが古い指し方です。大山先生はそんなことは気にしませんが、中央の位を取ってしまえば有利だと思われていたころもありました。戦後になって変わったはず。

丸田先生は新型の46歩、ではありませんね。ひねり飛車が得意戦法でした。(今の感覚では)1筋の位を取っているのが珍しい感じがします。

丸田先生は7筋の歩を切り

玉を移動した後は金を使って

歩を合わせて攻めました。

6筋を押さえて84歩を取りに行き

72飛には86飛で

84歩を取れました。73歩も手筋です。こういう軽いさばきが丸田先生の得意とするところです。「小太刀の冴え」と言われました。

ねらいは7筋で

守られても金を使って攻めることができます。

大山先生は桂を跳ねて反撃です。85同桂しかなくて

香を取って馬を作りました。

丸田先生はうまくさばけるでしょうか。

金銀交換で

82歩成同飛までは良いでしょう。61銀を打ったのですが、打たずに42角成同飛71飛成ならばまあまあです。銀を打ったのはもう少し得をしようというところですが

75角と交換されて74歩。これで飛車は使いにくくなりました。

大山先生は馬を引き付けると結構堅くて

この自陣角が好打です。66金もあるので57角成を防ぎにくいのです。

角が成れて

これで銀の取り合いになり

味よく54歩を払い

と金を作って寄せていきます。

丸田先生の反撃は

駒を取れるのですが、大山先生は玉を上にかわせば安全です。

38と から清算して

即詰みでした。

丸田先生が軽くポイントを稼いだのですが、ちょっと欲張りすぎました。現代の目で見ると玉が薄い形にしてしまったので勝ちにくいなあという感じです。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1965/02/22
手合割:平手  
先手:丸田祐三8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 2六歩(27)
4 8五歩(84)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 7八金(69)
8 8六歩(85)
9 同 歩(87)
10 同 飛(82)
11 2四歩(25)
12 同 歩(23)
13 同 飛(28)
14 2三歩打
15 2六飛(24)
16 8二飛(86)
17 8七歩打
18 6二銀(71)
19 3八銀(39)
20 3四歩(33)
21 1六歩(17)
22 5四歩(53)
23 1五歩(16)
24 5三銀(62)
25 9六歩(97)
26 5五歩(54)
27 6八銀(79)
28 5四銀(53)
29 7五歩(76)
30 4二銀(31)
31 7七桂(89)
32 5三銀(42)
33 8六飛(26)
34 8四歩打
35 7六飛(86)
36 4二玉(51)
37 9七角(88)
38 4四歩(43)
39 7四歩(75)
40 同 歩(73)
41 同 飛(76)
42 4三金(32)
43 6六歩(67)
44 7三歩打
45 7六飛(74)
46 6四歩(63)
47 4八玉(59)
48 3二玉(42)
49 3九玉(48)
50 5二金(61)
51 6七金(78)
52 4五歩(44)
53 6五歩(66)
54 同 歩(64)
55 6六歩打
56 同 歩(65)
57 同 金(67)
58 6二飛(82)
59 6五歩打
60 4四角(22)
61 7四歩打
62 7二飛(62)
63 8六飛(76)
64 7四歩(73)
65 8四飛(86)
66 8二歩打
67 7三歩打
68 同 桂(81)
69 7四飛(84)
70 6三金(52)
71 7六飛(74)
72 7四歩打
73 6七銀(68)
74 4二金(43)
75 7五歩打
76 同 歩(74)
77 同 金(66)
78 5六歩(55)
79 同 銀(67)
80 8五桂(73)
81 同 桂(77)
82 9九角成(44)
83 6四歩(65)
84 同 銀(53)
85 7三歩打
86 7五銀(64)
87 同 角(97)
88 5二飛(72)
89 7二歩成(73)
90 同 飛(52)
91 6一銀打
92 7五飛(72)
93 同 飛(76)
94 7四歩打
95 7六飛(75)
96 2四香打
97 2七歩打
98 4四馬(99)
99 8一飛打
100 8四角打
101 8二飛成(81)
102 5七角成(84)
103 2八玉(39)
104 8一歩打
105 同 龍(82)
106 6六歩打
107 5五歩打
108 5六馬(57)
109 5四歩(55)
110 同 馬(44)
111 7九飛(76)
112 6七歩成(66)
113 7二銀(61)
114 5三金(63)
115 7三桂成(85)
116 5七と(67)
117 3一銀打
118 4七と(57)
119 4二銀成(31)
120 同 玉(32)
121 4三歩打
122 同 玉(42)
123 2一龍(81)
124 3八と(47)
125 同 金(49)
126 同 馬(56)
127 同 玉(28)
128 4七銀打
129 同 玉(38)
130 4六銀打
131 投了
まで130手で後手の勝ち



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20190306今日の一手(その840);千日手打開の受け

2019-03-06 | 今日の一手

20190306今日の一手

11月25日の名南将棋大会から、JさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
金と角銀の交換で竜馬VS竜の作り合いです。かなり先手の駒得ですが、終盤なので割り引いて評価します。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は42竜と持ち駒角銀香で4枚、55桂も加えて良いかもしれません。
後手の攻め駒は19竜66金で2枚。

何手で詰めろかを数えると、後手玉は64香~62香成が詰むかどうか。ちょっと駒が足りなさそうで、ならば3手かかるので4手すきです。
先手玉は57金~68金同玉66歩で詰めろ。現状は3手すきです。
単純な寄せ合いでは後手が有利です。


総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
先手の劣っているところは玉の堅さだけです。しっかり受けてしまえば優勢になります。形勢が良いので千日手模様は打開したいです。
寄せ合いに行っても攻撃力で優るので勝てそうにも思えます。先に何手で詰めろかを数えて、後手有利ではあるのですが、工夫はできるでしょう。


○か× 実戦は66同銀でもちろん同歩まで進みます。

拠点の歩が進んでちょっと受けにくくなりました。64香の攻め合いで67銀

これは67同金同歩成同玉だと63歩

歩を打てるようになったので粘ろうというわけで、これはちょっとややこしい図です。

ということで88玉と逃げて68銀不成62香成と進みました。

問題図よりも先手に金の持ち駒が増えているので、72成香からばらしていけば駒が足りるようです。後手玉は詰めろ。寄せ合いの速度が逆転しています。それを読み切ったのならばこの順が正解です。実戦ではこの図までしか進行がわからないのですが、79竜97玉で頓死したか、79竜98玉88金97玉89竜で先手玉に詰めろをかけられて後手玉を詰ましきれずに、先手Hさんが負けでした。

さて話はそれほど簡単ではありません。67銀を打つ前に52金寄とされたら

61香成同銀は入るのですが、飛車を渡すと詰まされてしまいます。22竜と逃げて67銀

67同金同歩成同玉89竜64金72香57玉

まで見えないと勝ちだとは言えないでしょう。確かに先手優勢ではありますが、この寄せ合いは危険なところがあります。


△ 単に64香で寄せ合いだと

57金同金52金寄

やはり飛車は渡せません。61香成同銀22竜66銀

58金だと55銀同歩66桂が厄介です。64銀(詰めろ)72香46角

攻防の角を打てば先手有利ではありますが、見えないと怪しいです。

あるいは66銀ではなく59竜

この時の受けも間違えてはいけません。金2枚あるので68金(88銀に69金打)で受かりそうですが。


△ 攻めても後手の応手によっては受けることになるので、受けるほうを考えます。先に受けるほうが手堅い原則です。58銀と引くと

57金同銀66銀

47にあった銀が手持ちになったようなものです。攻撃力は上がりましたが、攻め駒は豊富なので影響は無いようです。47銀も一応はあるほうが良いのだと思います。ここから58銀と打てば千日手ですが、元の形勢が良いので不満です。


△ 46銀直

とするのも同じようなものですが、67の地点が薄くなるので76金~66歩とされるかも。構わないと言えば構わないのですが。


△ 駒を打つ方が手堅い原則もあり、58銀打

のほうが堅いです。ただし金銀の打ち替えで千日手かも。



○ ちょっと不安ですが67歩を打てば

6筋を攻められることはなくなります。57金同金59竜

この時の受けさえ見えていれば良いです。69に何か打って57金を取らせる、69銀57竜58金

竜を捕獲しても二枚換えなのですが、元が大きな駒得なので後手に大駒が消えると受けやすくなります。

68金と打つ方が普通の受け方ですが88銀

69香89銀不成同玉77桂88玉69桂成58金寄

ちょっと違和感のある受け方で何とかなりますが、竜を捕獲する受け方のほうが簡明です。


○ 69香を打つと

6筋に壁を作り、66の地点も受けていることになります。57金同金66銀

この時に66同香と取れますね。66同歩68歩

ならば大丈夫でしょう。65桂は同馬と取れます。攻撃力は下がった(64香がなくなった)ので、79金や88銀などもっと固めてから攻めることを考えます。

48銀と絡まれたら

67金37銀成58銀48成銀68金46歩57金打

とにかく面倒を見てしまいます。


○ 46角は攻防で

竜取りですし、後で攻めに使えるかもしれません。もちろん守りの効果もあります。竜を逃げずに57金とされた時には19角68金同玉66歩57玉

小駒だけになれば上に逃げてしまう(入玉をみせる)のがわかりやすい受けです。

57金に同金

と応じて、66銀19角57銀成に64香

金銀を取らせている間に寄せに入るのもあります。やはり52金寄は厄介ですが、61香成同銀22竜47成銀63桂成

19角を使う寄せが決まれば気持ちよく勝てます。


☆ まとめ

寄せ合いで勝つのは結構難しかったです。これは先手玉が薄くて渡せない駒がある(飛を渡せない)ためです。
そのほかの要素で上回っているのですから、受けるほうが易しいでしょう。ただ千日手を避けるには工夫が必要です。
66(と67)の地点を小駒で受けるのが良く、少し危険な67歩、攻撃力が下がるけれど安全な感じの69香、を勧めます。
手が見えれば攻防の46角が良い手です。攻めるほうがなくても、竜取りの強い受けです。竜が逃げたらさらに駒を打って受ければよいです。
金駒で受けると千日手含みですが、小駒や大駒を使えば打開できました。







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