後手番大山先生の手を考えます。
第1問
攻めるのはこの筋から。
A 65桂 B 75歩 C 86歩
第2問
これで攻めは続きそうです。
A 77歩 B 57歩 C 86歩
第3問
この手が山中先生の疑問手を誘うことになりました。
A 58金 B 66歩 C 63香
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
攻めるのはこの筋から。
A 65桂 B 75歩 C 86歩
第2問
これで攻めは続きそうです。
A 77歩 B 57歩 C 86歩
第3問
この手が山中先生の疑問手を誘うことになりました。
A 58金 B 66歩 C 63香
今日の棋譜20200420
昭和22年8月、山中和正先生と明石二段追善将棋大会です。明石二段はよくわからないのですが、プロになる前に戦死されたのでしょう。
山中先生とは連戦になり、相掛かりです。
旧型で、後手も53銀ならば先後同型が続くのですが
84飛47金で同型から外れました。84飛は攻めるための手です。47金は受けのような攻めの準備のような手ですが、玉が薄くなるので良い感じではないです。中住まいや右玉にしようと言うならばわかりますが。
73桂に45歩というのがのんびりしています。大山先生は75歩から仕掛けました。75同歩には77歩~65桂というのがねらい筋です。
山中先生は角を交換して75歩を取りました。77歩は同桂のつもりでしょうか。
大山先生は9筋5筋の歩を突き捨てて桂を跳ねます。
57歩と垂らして58角ねらい。これが案外に受けにくいです。56角58角59玉というのも頑張りすぎている感じはします。
山中先生は49角の受けですが、いかにも利かされです。大山先生は香を捨てて
歩を合わせて飛を出ていく手筋の攻めです。87歩96飛97香76飛は、96歩を見て攻めが成功しています(96歩の受けでどうするかは難しそうだが)。
山中先生は飛を追えるように88銀。96飛には97香76飛87銀と受けます。大山先生は98角を打って
87歩85飛79玉。95飛は99歩で角が死にますね。
86歩同歩を入れて95飛でした。99歩は76角成ですが、99香もあるし、駒損になりそうです。
山中先生は97香96香
96同香同飛97歩86飛87歩と飛を追ってから99香。より確実に角を取りに行きました。
大山先生は角を切るしかなく、89角成同玉77歩。79金には76桂があるので
77同銀上から交換するくらい。歩切れが気になる角歩3と銀の交換で駒損ですが、一応攻めは続きます。65桂を打って、76銀には77香か69銀か。
山中先生の76桂は空間を塞いだ攻防の手です。大山先生は飛取りに構わず銀を取りました。これは不成ではなくても77同金でしょう。
そこで24歩というのがおかしな手で、棋譜の間違いでしょう。大山先生のノートによるものか、記録係の間違いか、大山全集の誤植かはわかりません。推測するに82飛24歩同歩としたものか。この図ならば当然に84桂で先手優勢です。
山中先生の24同飛というのもおかしな手です。△81飛の形だとしても良い手には見えませんし。ということでこの図に至るまでがおかしいのですが、大山先生は68銀で寄せに出ました。
78玉に77銀成同金は良いとして、この68銀は急いだ手なので、やはり84飛のままなのか。
でも銀を捨てて飛を成るだけでは失敗でしょう。桂取りなので
64桂は自然、63香は攻防の反撃で
52桂成同玉までは良いとして、64桂は指しすぎです。57玉とかわすのがぴったりに見えますが。
64同香に96角は王手竜取り、でも交換になるだけなので、角桂と竜を交換した、損な取引です。
96同竜同歩に76桂。山中先生はここの逃げ方も間違えていて、悪そうですが78玉でどうなったか。
57玉68角は王手飛取りですね。
24飛を抜かれては勝てません。飛を打ち合っても後手のほうが厳しくて
58銀に68桂成まで。先手玉は詰めろです。58成桂に同角は38金以下、37玉は26銀以下。
大山先生の攻めが少し怪しい、かつ終盤の手順が不自然すぎます。大山先生は悪手に助けられてやっと勝ちになった感じで、やっぱり攻めはうまくないです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1947/08/16
手合割:平手
先手:山中和正6段
後手:大山7段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7八金(69)
6 3二金(41)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2八飛(24)
12 9四歩(93)
13 1六歩(17)
14 1四歩(13)
15 9六歩(97)
16 8六歩(85)
17 同 歩(87)
18 同 飛(82)
19 8七歩打
20 8二飛(86)
21 4八銀(39)
22 6二銀(71)
23 6九玉(59)
24 4一玉(51)
25 7六歩(77)
26 3四歩(33)
27 5六歩(57)
28 5四歩(53)
29 5八金(49)
30 5二金(61)
31 5七銀(48)
32 7四歩(73)
33 3六歩(37)
34 6四歩(63)
35 4六歩(47)
36 8四飛(82)
37 4七金(58)
38 7三桂(81)
39 4五歩(46)
40 7五歩(74)
41 2二角成(88)
42 同 銀(31)
43 7五歩(76)
44 9五歩(94)
45 同 歩(96)
46 5五歩(54)
47 同 歩(56)
48 6五桂(73)
49 6六銀(57)
50 5七歩打
51 4九角打
52 9五香(91)
53 同 香(99)
54 8六歩打
55 同 歩(87)
56 同 飛(84)
57 8八銀(79)
58 9八角打
59 8七歩打
60 8五飛(86)
61 7九玉(69)
62 8六歩打
63 同 歩(87)
64 9五飛(85)
65 9七香打
66 9六香打
67 同 香(97)
68 同 飛(95)
69 9七歩打
70 8六飛(96)
71 8七歩打
72 8四飛(86)
73 9九香打
74 8九角成(98)
75 同 玉(79)
76 7七歩打
77 同 銀(88)
78 同 桂成(65)
79 同 銀(66)
80 6五桂打
81 7六桂打
82 7七桂成(65)
83 同 金(78)
84 2四歩(23)
85 同 飛(28)
86 6八銀打
87 7八玉(89)
88 7七銀成(68)
89 同 玉(78)
90 6八銀打
91 同 玉(77)
92 8七飛成(84)
93 6四桂(76)
94 6三香打
95 5二桂成(64)
96 同 玉(41)
97 6四桂打
98 同 香(63)
99 9六角打
100 同 龍(87)
101 同 歩(97)
102 7六桂打
103 5七玉(68)
104 6八角打
105 4八玉(57)
106 2四角成(68)
107 8二飛打
108 7八飛打
109 5八銀打
110 6八桂成(76)
111 投了
まで110手で後手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
ここで仕掛けます。
A 85桂 B 65歩 C 75歩
第2問
強く攻めます。
A 35歩 B 55角 C 56歩
第3問
攻めを続けたいのです。
A 95香 B 13角 C 44歩
第4問
もちろん飛は逃げません。
A 44飛 B 45桂 C 36歩
今日の棋譜20200419
昭和22年4月、山中和正先生と、大山七段山中六段昇格披露大会です。この頃は公式戦と非公式戦の境界は曖昧でしょう。公式戦としてカウントされているのかも。
相掛かりで、横歩を取る変化も考えねばならないところですが
横歩を取ることはめったになく、普通の相掛かりです。
飛の位置が違いますが、旧型の相掛かりです。
山中先生は66歩~67金で守勢を取ります。
左銀を57に上がるのは流れ矢倉。△65歩の仕掛けに備えます。
桂を跳ねて、6筋の守りは万全です。
大山先生は5筋の歩を交換し
この形から仕掛ます。
75歩同歩65歩。65同歩には66歩同銀86歩同歩66角同金86飛で金取りと87銀や87歩97角88銀の筋をねらえます。駒損でもうるさい攻めでしょう。山中先生は68飛から受けることもできますが
76金とかわして66歩の取り込み、67歩成を受けねばならないので
58玉ですが、なにかの拍子で駒を67に打ち込まれるかもしれないので、ちょっと危ない感じがします。大山先生の98歩というのがわかりにくいのですが、将来79角から使われるのを牽制したということでしょうか。
29飛には64飛。6筋をねらいます。
山中先生の56金右~65歩は飛先を止めようというわけですが、65同桂同桂同銀同銀67歩成同玉88角成同金65飛同金38角という強襲もあり、危ない受けでした。
大山先生は飛を逃げたので、山中先生は47銀。手損で桂頭を守り、55銀などの攻めを受けました。手損なのでちょっと苦しそうです。
35歩を取れず(取ったほうが良さそうだが)56歩では平身低頭という感じで、面白くありません。
大山先生は55歩と合わせ、55同歩に36歩
36同銀に56歩。手筋で攻めていきます。
山中先生は56同銀55銀47銀左。銀交換して67銀を打たれてはいけません。
後手が歩切れなので、57歩と謝って一息つきました。大山先生はどうやって攻めるべきか。
22角~13角というのがなるほどです。ねらいは46銀の筋。
飛を3筋に回ってから
36歩と突き出し
銀を出ればかなりの迫力です。攻め駒は3枚だけなのですが、山中先生は左の角金金が働いていません。
山中先生は飛を追いつつ、どうにか受けようというのですが
84飛は67歩成同金87飛成の筋があるので、86歩を突いて受けねばなりません。
33桂には85歩くらいしか無いですが
大山先生は銀飛の取り合いです。駒損でも左桂を使えたので攻め駒はほぼ4枚。
47銀と捨てて銀を出れば投了でした。駒損を回復しつつ寄せることができます。
大山先生の快勝と言えるでしょう。攻めにくそうな形に見えましたが、先手陣の嫌味を突いて攻め切れました。山中先生に特別な疑問手があるわけでもないので、角を使えない作戦負けがひどかったということになります。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1947/08/10
手合割:平手
先手:山中和正6段
後手:大山7段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 2五歩(26)
4 3二金(41)
5 7八金(69)
6 8四歩(83)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 8五歩(84)
11 2八飛(24)
12 2三歩打
13 4八銀(39)
14 6二銀(71)
15 6九玉(59)
16 8六歩(85)
17 同 歩(87)
18 同 飛(82)
19 8七歩打
20 8四飛(86)
21 1六歩(17)
22 1四歩(13)
23 7六歩(77)
24 9四歩(93)
25 9六歩(97)
26 4一玉(51)
27 5六歩(57)
28 5四歩(53)
29 5八金(49)
30 5二金(61)
31 6六歩(67)
32 6四歩(63)
33 6八銀(79)
34 4二銀(31)
35 6七金(58)
36 7四歩(73)
37 5七銀(68)
38 5三銀(62)
39 4六歩(47)
40 7三桂(81)
41 3六歩(37)
42 3一玉(41)
43 7七桂(89)
44 5五歩(54)
45 同 歩(56)
46 同 角(22)
47 4七銀(48)
48 5四銀(53)
49 3七桂(29)
50 7五歩(74)
51 同 歩(76)
52 6五歩(64)
53 7六金(67)
54 9五歩(94)
55 同 歩(96)
56 9七歩打
57 同 香(99)
58 6六歩(65)
59 5八玉(69)
60 9八歩打
61 2九飛(28)
62 6四飛(84)
63 5六銀(47)
64 4四角(55)
65 6五歩打
66 8四飛(64)
67 4七銀(56)
68 3五歩(34)
69 5六歩打
70 5五歩打
71 同 歩(56)
72 3六歩(35)
73 同 銀(47)
74 5六歩打
75 同 銀(57)
76 5五銀(54)
77 4七銀(56)
78 3五歩打
79 2七銀(36)
80 5四飛(84)
81 5七歩打
82 2二角(44)
83 4八玉(58)
84 1三角(22)
85 5九飛(29)
86 3四飛(54)
87 5六歩(57)
88 3六歩(35)
89 同 銀(47)
90 4六銀(55)
91 3五歩打
92 同 銀(46)
93 4五銀(36)
94 8四飛(34)
95 8六歩(87)
96 3三桂(21)
97 8五歩(86)
98 4五桂(33)
99 8四歩(85)
100 4七銀打
101 同 玉(48)
102 4六銀(35)
103 投了
まで102手で後手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
軽い攻めの筋で、大和久先生の判断を間違えさせました。
A 97歩 B 76歩 C 88歩
第2問
寄せ合い勝ちを目指します。
A 76歩 B 76銀 C 85桂
第3問
王手か詰めろで迫っていきます。
A 58桂成 B 77歩成 C 87飛成
第4問
ここからは長いけれど即詰みです。
今日の棋譜20200418
昭和22年7月、大和久彪先生と第2期順位戦です。
相掛かりで、後手は76歩を取れる形ですが、24歩同歩同飛23歩84飛82歩・・・と進む手将棋になりそうです。
今度は先手が横歩を取れますが、28歩とか88角成同銀27角とかがあるので、こちらは無理筋です。
ということで普通の相掛かりになりました。現代ならば68玉42玉型でしょうが。飛の位置が違いますが
相腰掛銀になりました。37桂~45銀と攻めるのが、銀と銀がぶつかる音から、ガッチャン銀と呼ばれます。
この頃はまだガッチャン銀の広まる前でしょう。大和久先生の45歩は守勢ですが、大山先生が1手損で角を交換するのも守勢です。
持久戦で陣形整備になるのかと思えば、大和久先生は左銀を繰り出して
自陣角をうち
55銀左と大上段から攻めようとするのですが、大山先生は低く守りました。
66歩=65歩の前に銀を追えば、局面は収まります。
7筋が薄くなったので、7筋を攻めました。
大和久先生の35歩同歩、35同銀ではなくて59角というのがちょっと変な手順です。46銀を活かすためには早繰り銀で使わねば、調子がおかしいです。
左翼を守ったという意味で、67金右から厚く構えるのかと思えば
65歩~77角。この角筋で攻めようという構想でした。
大山先生は98歩同香88歩。88同角は86歩同歩76角の筋ですね。でも86歩に76歩などの受けはあります。88同金には99角でしょうか?それには76歩の受け、34歩の攻め、どちらもありそうですが。
大和久先生は88歩を手抜いて攻めることにしました。75歩84飛(ここで88金や88角もあった)34歩。
22銀に24歩同歩23歩
23同金に35銀ですが、ちょっと攻めが遅い感じです。
89歩成には24銀から銀金交換ですが、23歩のときに22角成同玉33銀同桂同歩成同玉34金42玉23飛成は、まだ後手玉が寄りません。66桂などの反撃のほうが厳しいので
26飛と引き上げるのでは失敗です。大山先生は76歩66角77銀。俗に攻めて優勢です。
33歩成同桂34歩には、66銀成33歩成同銀23飛成32歩でも大丈夫そうですが
78銀成同玉77角、これは88と からの詰めろです。
精算されたら76歩
78玉には66桂69玉87飛成で詰めろ。ここで59玉と逃げられましたが
即詰みでした。
大和久先生の45歩は、銀をぶつける手を消す受けの手なのですが、それは後のガッチャン銀を知っているからそう見えたのです。実は攻め将棋が好きだったのでしょう。左銀を繰り出し、自陣角からの攻撃続行を目指したのですが、ちょっと空回りした感じです。速度計算も間違えてしまいました。
大山先生の方の指し手は割と簡単で、手に乗って攻めていくだけでした。こういう終盤になれば間違えませんね。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1947/07/03
手合割:平手
先手:大和久彪7段
後手:大山7段
先手省略名:大和久
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 2六歩(27)
4 8五歩(84)
5 2五歩(26)
6 3二金(41)
7 7八金(69)
8 8六歩(85)
9 同 歩(87)
10 同 飛(82)
11 6九玉(59)
12 8二飛(86)
13 8七歩打
14 3四歩(33)
15 4八銀(39)
16 6二銀(71)
17 1六歩(17)
18 1四歩(13)
19 2四歩(25)
20 同 歩(23)
21 同 飛(28)
22 4一玉(51)
23 2六飛(24)
24 2三歩打
25 5八金(49)
26 5二金(61)
27 4六歩(47)
28 9四歩(93)
29 9六歩(97)
30 6四歩(63)
31 4七銀(48)
32 6三銀(62)
33 3六歩(37)
34 5四銀(63)
35 5六銀(47)
36 7四歩(73)
37 4五歩(46)
38 8八角成(22)
39 同 銀(79)
40 2二銀(31)
41 7七銀(88)
42 3三銀(22)
43 6六銀(77)
44 3一玉(41)
45 3七角打
46 6三銀(54)
47 5五銀(66)
48 6二飛(82)
49 6六歩(67)
50 5四歩(53)
51 4六銀(55)
52 7五歩(74)
53 同 歩(76)
54 7二飛(62)
55 3五歩(36)
56 同 歩(34)
57 5九角(37)
58 9五歩(94)
59 同 歩(96)
60 7五飛(72)
61 6五歩(66)
62 7四飛(75)
63 7七角(59)
64 9八歩打
65 同 香(99)
66 8八歩打
67 7五歩打
68 8四飛(74)
69 3四歩打
70 2二銀(33)
71 2四歩打
72 同 歩(23)
73 2三歩打
74 同 金(32)
75 3五銀(46)
76 8九歩成(88)
77 2四銀(35)
78 同 金(23)
79 同 飛(26)
80 2三歩打
81 2六飛(24)
82 7六歩打
83 6六角(77)
84 7七銀打
85 3三歩成(34)
86 同 桂(21)
87 3四歩打
88 7八銀成(77)
89 同 玉(69)
90 7七角打
91 同 角(66)
92 同 歩成(76)
93 同 玉(78)
94 7六歩打
95 7八玉(77)
96 6六桂打
97 6九玉(78)
98 8七飛成(84)
99 5九玉(69)
100 5八桂成(66)
101 同 玉(59)
102 7八龍(87)
103 4七玉(58)
104 6九角打
105 投了
まで104手で後手の勝ち
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
本局の構想です。
A 88飛 B 58飛 C 88銀
第2問
手筋の攻めがありました。
A 35歩 B 55銀 C 83歩成
第3問
駒得をねらうと怖いものです。
A 84角 B 72金 C 82歩
今日の棋譜20200417
昭和22年7月、斎藤銀次郎先生と第2期順位戦です。
大山先生の中央位取りです。
後手の斎藤先生は飛先の歩を切り、横歩も取りました。大山先生が後手番で、34歩の形ならば58飛86飛54歩というのが激しい戦いになるところです。角交換にならないのでは、58飛86飛54歩同歩同飛というのも先手は面白くないので
77角(86飛を防いだ)74飛。前に並べた将棋のように、後手としてはひねり飛車というか相振り飛車のように指すのが有力です。ただ当時は情報量が少ないので、斎藤先生は知らないでしょう。
大山先生は金を前に出て
向い飛車にしました。
8筋を押さえ込めば主張はあります。ただ1歩損のほうが大きいとは思いますが。
後手の銀の動きに合わせて早囲いで済ませ
銀は向かい合います。
角を引かれたら75金にひもをつけるために角を上がります。
斎藤先生は8筋と中央を抑え込まれているので、苦しくなって動き出すのですが、先手に持ち歩を与えるので疑問です。玉を囲って待つのが正解でした。機を見て7筋の歩を伸ばしていければ有利になるのですが。
金取りで手を稼ぎ
63金の形はできたのですが、こうなると8筋を抑え込まれているマイナスだけが残ります。
駒組みを進めるのですが、31角の利きを止める42金が疑問手です。
83歩成同銀72歩。53角とできないので と金作りを防ぐ手段がなく
桂損になりました。
大山先生は駒得になって有利ですが、35歩は突かないほうが良いでしょう。駒得ならばあわてなくてよいのです。
金を上ずらさせて
銀も離れさせたというのはポイントを稼いではいるのですが。ここで37桂が自然ですが、(36銀28桂は駒得になる)14銀に26桂か36桂か、悪くはないけれど良くもないという手です。
26歩36銀(14銀のときには37銀上から形よく組める)28桂。桂を打つのはちょっともったいないですし、銀は死にません。
斎藤先生は5筋を連打してから銀を引き
大山先生は55銀から金を剥がします。元の形勢が良いので、これくらいの手の応酬ならばまあまあ。
斎藤先生の87銀は、形勢が悪いと見ての勝負手です。
角を殺すのですが、85歩の前に94歩のほうが良かったのです。
角は死んだのですが
大山先生は82歩同飛73金。角はただでは死にません。
斎藤先生は飛角の取り合いでは負けだと、飛を逃げるのですが
84銀をただ取りされては敗勢です。先手の飛を目標に動いてみましたが
銀取りで返され
銀を追われて
37歩も取ってもらえないので、55歩から金銀交換に持ち込みましたが
角取りと52飛成の十字飛車です。
竜を引き上げられては戦意喪失でした。
駒の損得、形勢の良し悪しを意識して並べてみれば、この動きは良いか悪いか、という評価ができると思います。将棋は棋理に従って形勢が推移することのほうが多いものです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1947/07/01
手合割:平手
先手:大山7段
後手:斎藤銀次郎8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 5五歩(56)
6 8六歩(85)
7 同 歩(87)
8 同 飛(82)
9 7八金(69)
10 7六飛(86)
11 7七角(88)
12 7四飛(76)
13 8七金(78)
14 8四飛(74)
15 8六金(87)
16 8二飛(84)
17 8八飛(28)
18 7二銀(71)
19 8五金(86)
20 4二玉(51)
21 8四歩打
22 3二玉(42)
23 4八玉(59)
24 4二銀(31)
25 3八玉(48)
26 3四歩(33)
27 6八銀(79)
28 3三銀(42)
29 5七銀(68)
30 1四歩(13)
31 4八銀(39)
32 5二金(61)
33 7五金(85)
34 4四銀(33)
35 4六銀(57)
36 1五歩(14)
37 3六歩(37)
38 3一角(22)
39 6六角(77)
40 3三銀(44)
41 6五金(75)
42 6四歩(63)
43 同 金(65)
44 5四歩(53)
45 6五金(64)
46 6四歩打
47 7五金(65)
48 6三金(52)
49 7六金(75)
50 5五歩(54)
51 同 角(66)
52 4四歩(43)
53 7七角(55)
54 4二金(41)
55 8三歩成(84)
56 同 銀(72)
57 7二歩打
58 8四歩打
59 7一歩成(72)
60 7四歩(73)
61 8一と(71)
62 同 飛(82)
63 3五歩(36)
64 5四金(63)
65 5八飛(88)
66 4三金(42)
67 3四歩(35)
68 同 銀(33)
69 3五歩打
70 2五銀(34)
71 2六歩(27)
72 3六銀(25)
73 2八桂打
74 5七歩打
75 同 飛(58)
76 5六歩打
77 同 飛(57)
78 5五歩打
79 5九飛(56)
80 4五銀(36)
81 5五銀(46)
82 同 金(54)
83 同 飛(59)
84 5四歩打
85 5九飛(55)
86 8七銀打
87 6六金(76)
88 7八銀成(87)
89 8六角(77)
90 8五歩(84)
91 9五角(86)
92 8四銀(83)
93 8二歩打
94 同 飛(81)
95 7三金打
96 8一飛(82)
97 8二歩打
98 7一飛(81)
99 8四角(95)
100 6八成銀(78)
101 5七飛(59)
102 1三角(31)
103 4六歩(47)
104 同 銀(45)
105 5六飛(57)
106 3五角(13)
107 4七歩打
108 3七歩打
109 2七玉(38)
110 5五歩(54)
111 同 金(66)
112 同 銀(46)
113 同 飛(56)
114 4五歩(44)
115 5二飛成(55)
116 4二金打
117 5六龍(52)
118 投了
まで117手で先手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
反撃するとすればここから。
A 52飛 B 65歩 C 54歩
第2問
強攻します。
A 87同飛成 B 96飛 C 65歩
第3問
攻め筋がいくつか見えます。後に駒得になるのが良いでしょう。
A 73桂 B 85歩 C 97金
今日の棋譜20200416
昭和22年6月、長谷川清二郎先生と第2期順位戦です。
相掛かりで互いに飛車を引き
5筋を突き合う旧型です。
長谷川先生は66歩と止めて
雁木にしました。
大山先生も攻めずに雁木です。
長谷川先生は88玉まで囲い、大山先生は24歩~23金
32玉型です。長谷川先生は銀矢倉に組み直そうとします。
73角に対応するために47金、62飛(65歩同歩同飛66歩25飛26歩85飛ねらい)に対応するために左桂を跳ねて、少し薄くなりましたが、バランスは悪くないです。
3筋の歩を切り
5筋の歩も切りました。
大山先生はおとなしく54歩は打たず、95歩同歩65歩。カウンターではありますが、後手玉が堅くないのでその反動が怖いところです。
58飛に97歩同香54銀。▲65歩なら45歩37角は無理な感じなので、55銀(66歩ねらい)48角46銀同金同角37角・・・というのが激しい順です。
長谷川先生は56金、悪い手ではないけれど65歩なら有利だった可能性がありました。66歩と取り込まれたときに悩みます。形は悪いけれど手厚く66同銀だったか。実戦は形よく66同金で
46角37角。これも互角の感じなのですが
大山先生の手番なので86歩から
86同歩96歩同香86飛
87金の受けを同飛成同玉69角。ちょっと無理そうなのですが、強攻します。
飛を取ってもひもがついているので、角金交換の駒損です。先手玉が露出したので、攻めている方が勝ちやすくはありますが。
98飛の攻めに、長谷川先生が87角打というのが疑問手です。ここに角を打つと、駒得という意味が薄れるのです。角を温存して69銀か79銀だったか。
97金を打たれると駒得は消えるでしょう。
81桂を取れましたが、大山先生の88竜が詰めろ。
75歩に97金で87角を取ると、68銀が浮いていますね。
大山先生が少し駒得で、先手玉は上に逃げ出せないでしょう。後手玉もすぐには寄らない(角を渡すと危ないが)ので優勢です。
先手が受けにくい形で、ここまで。
反撃筋ではありますが、大山先生が少し無理をしていると思います。攻め筋が強化された現代の目で見ているとはいえ、大山先生の攻めはうまく見えません。ただ、端を絡め、飛を切って攻めるという筋は覚えておくと良いです。盤面は(画面は)ひっくり返して並べて(見て)おくことを勧めます。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1947/06/29
手合割:平手
先手:長谷川清二郎7段
後手:大山7段
先手省略名:長谷川
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7八金(69)
6 3二金(41)
7 4八銀(39)
8 6二銀(71)
9 6九玉(59)
10 8六歩(85)
11 同 歩(87)
12 同 飛(82)
13 8七歩打
14 8二飛(86)
15 2四歩(25)
16 同 歩(23)
17 同 飛(28)
18 2三歩打
19 2八飛(24)
20 4一玉(51)
21 7六歩(77)
22 3四歩(33)
23 5六歩(57)
24 5四歩(53)
25 5七銀(48)
26 5二金(61)
27 5八金(49)
28 6四歩(63)
29 6六歩(67)
30 4二銀(31)
31 6八銀(79)
32 7四歩(73)
33 6七銀(68)
34 9四歩(93)
35 9六歩(97)
36 1四歩(13)
37 1六歩(17)
38 4四歩(43)
39 4六歩(47)
40 4三銀(42)
41 3六歩(37)
42 5三銀(62)
43 7七角(88)
44 3三角(22)
45 5九角(77)
46 5一角(33)
47 7九玉(69)
48 2四歩(23)
49 8八玉(79)
50 2三金(32)
51 3八飛(28)
52 3二玉(41)
53 6八銀(57)
54 7三角(51)
55 4七金(58)
56 6二飛(82)
57 7七桂(89)
58 8二飛(62)
59 3五歩(36)
60 同 歩(34)
61 同 飛(38)
62 3四歩打
63 3八飛(35)
64 4二銀(53)
65 5八飛(38)
66 6三金(52)
67 5五歩(56)
68 同 歩(54)
69 同 飛(58)
70 9五歩(94)
71 同 歩(96)
72 6五歩(64)
73 5八飛(55)
74 9七歩打
75 同 香(99)
76 5四銀(43)
77 5六金(47)
78 6六歩(65)
79 同 金(56)
80 4六角(73)
81 3七角(59)
82 同 角成(46)
83 同 桂(29)
84 8六歩打
85 同 歩(87)
86 9六歩打
87 同 香(97)
88 8六飛(82)
89 8七金(78)
90 同 飛成(86)
91 同 玉(88)
92 6九角打
93 7八角打
94 8六歩打
95 同 玉(87)
96 5八角成(69)
97 同 銀(67)
98 9八飛打
99 8七角打
100 9九飛成(98)
101 6一飛打
102 9七金打
103 8一飛成(61)
104 8八龍(99)
105 7五歩(76)
106 8七金(97)
107 同 角(78)
108 9七角打
109 7六玉(86)
110 6八龍(88)
111 6七銀(58)
112 7五歩(74)
113 8五玉(76)
114 8八龍(68)
115 投了
まで114手で後手の勝ち